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NFL 2014 -- Week 16

いよいよ大詰め。

Philadelphia Eagles (9-6) @ Washington Redskins (4-11)

土曜日の試合。イーグルズは先週カウボーイズに敗れて1ゲーム遅れをとったので、ここはなんとしても先に勝ってプレッシャーをかけたかったが、そこに立ちはだかったのは同地区のレッドスキンズの本来の正 QB、ロバート・グリフィン三世だった。レッドスキンズはすでにとっくにプレイオフの目はないが、グリフィンには自身のキャリアがかかっている。ひとつも負けていい試合などないのだった。
果たして試合は前半からシーソーゲームになる。レッドスキンズは最初の攻撃こそフィールドゴールに終わるが、逆転された直後のドライブではグリフィンからジャクソンへ 51 ヤードのロングパスを通し、たった3プレイで 80 ヤードのドライブを完成させる。再び逆転された後半にもグリフィンはジャクソンへ 55 ヤードのパスを通し、そのドライブでもタッチダウンを挙げた。いくらなんでもフレッチャーやられすぎだろとは思うが後の祭りである。
とはいえイーグルズも簡単には負けられず、サンチェスが妙に冷静なクオーターバッキングを見せてタッチダウンを挙げて 21-24 と3点差に迫ると、3匹目のドジョウを狙ったグリフィンのロングパスをインターセプトしてフィールドゴールまで持っていき、24-24 の同点に追いつく。さらに残り 2:36 に始まった自陣 15 ヤード地点からのドライブでも時間を使いながら順調に敵陣まで入り、これは勝ち逃げフィールドゴールかと思われたところでサンチェスがこの日唯一のインターセプトを喫してしまう。最後はレッドスキンズが逆に時間を食いつぶしてフィールドゴールを決め、24-27 で逃げ切った。
先週も書いた通りグリフィンはまだまだ全然先発張れるクラスの QB で、この試合でもその能力を存分に示した。投入したリソースを考えるとレッドスキンズはやはり少なくとも来年まではグリフィンで行くべきだ。5年目オプションはシーズン中に考えればいい。
一方イーグルズは同地区の低迷するライバルに足元をすくわれた。2回 50 ヤード超えのパスを決められたディフェンス、肝腎要のところでインターセプトを喰らったサンチェス、まあ責めようと思えば責めるところはあるが、結局チームとして微妙に足りないということなのだろう。結果から書くと、この週でプレイオフの可能性はなくなった。


最終スコア:PHI 24-27 WAS

Kansas City Chiefs (8-7) @ Pittsburgh Steelers (10-5)

ともにプレイオフの目のあった両チーム。いずれもディフェンスの強いチームで堅い守りを見せたが、最終的な軍配はスティーラーズに上がった。チーフスはアレックス・スミスが 31/45-311yds-0TD-0INT と珍しくパスでヤードを稼いだが、逆にランはチャールズですら 9att-29yds と抑え込まれた。再三レッドゾーンに攻め入りながら全てフィールドゴールに終わり、さらに前半終了間際のギャンブル失敗、後半の敵陣でのチャールズのファンブルロスト、と好機を活かしきれなかった。
逆にスティーラーズはネットで 282 ヤードとぱっとしなかったが、タッチダウンを2本とフィールドゴール2本と効率よく得点を稼ぎ、チーフスを突き放した。これでプレイオフ出場は確定し、3年ぶりのプレイオフとなる。
チーフスはそれでもプレイオフの目があるが、最終戦に勝ち、レイヴンズが敗れ、テキサンズが敗れ、と揃わないと残れない。極めて厳しい状況にはなった。


最終スコア:KC 12-20 PIT

Atlanta Falcons (6-9) @ New Orleans Saints (6-9)

NFC 南の頂上対決その1。どちらも非凡な QB を擁しながらも勝ちきれないシーズンが続いた両チームだったが、この日はマット・ライアンが絶好調で、セインツをプレイオフ戦線から脱落させた。セインツは 20-7 で迎えた 4Q の頭にブリーズがグレアムにタッチダウンパスを通したかに見えたが、ゴールラインぎりぎりで止められてファンブルロストしていたとの判定になり、レヴューでもそれが覆らなかった。結果的には、この判定は殆ど試合を決めてしまったことになった。ファルコンズは最終週のパンサーズとの直接対決に NFC 南地区の優勝がかかることになった。


最終スコア:ATL 30-14 NO

Indianapolis Colts (10-5) @ Dallas Cowboys (11-4)

好調のカウボーイズの前に AFC のコルツが立ちはだかれるか、という位置づけの試合だったが、早々とカウボーイズが先制タッチダウンを奪った後、コルツが次の攻撃で自陣深くからのフェイクパントに失敗(全く警戒されていなかったが、レシーバーがドロップした)、返しを簡単にタッチダウンされて 0-14 となり、それでほとんど試合が決まってしまった。カウボーイズはその後も得点を重ね続け、コルツは諦めてハッセルベックを出してきて、最後にタッチダウンを1本返すのが精一杯。カウボーイズはこれで地区優勝を決めた。


最終スコア:IND 7-42 DAL

Seattle Seahawks (11-4) @ Arizona Cardinals (11-4)

ここでめぐってきた同地区対決。カーディナルズはスタントンが先週の試合で膝を痛め、この日も出場できず。一昨季に4試合ほど先発したリンドリー(ちなみに1勝3敗。1勝もスタドンがインターセプト4本ぶっぱしたとかいうめちゃめちゃな試合だった)が先発した。カーディナルズはディフェンスが頑張り、3Q までは 14-6 と試合を作ったが、最後は力尽きてタッチダウン3本続けて取られて大敗した。スタントンなら展開と出来次第でなんとかなるかも知れないが、リンドリーじゃなんともならんな、というのが正直なところ。シーホークスは完全に昨季の強さを取り戻していて、プレイオフが実に楽しみ。


最終スコア:SEA 35-6 ARI

Denver Broncos (11-4) @ Cincinnati Bengals (10-4-1)

今季最後のマンデーナイトは AFC 西地区と北地区のそれぞれ首位を走る両チームの対戦。
流石にブロンコス勝つんじゃないの、と思ってたがベンガルズの戦術がいちいちはまって、攻撃ではランが出まくって大量得点、守備ではマニングにプレッシャーをどんどんかけて最終的にインターセプト4本投げさせ、それでも後半一瞬ブロンコスが逆転する場面もあったのだからどんだけ強いんだ、という話ではあるのだがともあれベンガルズ会心のゲームだったと思われる。

  • 2Q だか、ドルトンがリードオプションやってて、RB からさっとボールを抜いて右サイドに走ったんだけど、いい判断だったし足も速くて9ヤードぐらい出てた。警戒されても効くプレイとは思わないが毎試合何回かは使ってもいいんじゃないかと思うような切れ味だった。本人も走るの好きっぽいし、こういうの決まると気分よく投げられそう。



最終スコア:DEN 28-37 CIN

Other Games

TEN(2-13) 13-21 JAX(3-12):今週もっともどうでもよかった対戦(と思われる)。サーズデイナイトは普通 GAORA で放送するんだけど流石にシカトされてましたからね、これ。で、ジャグァーズが勝って AFC 南地区の最下位を脱した。タイタンズはドラフト1位の権利に限りなく近づいたとのこと。
SD(9-6) 38(OT)35 SF(7-8)チャージャーズが大逆転勝ち。後半 21 点差を追い、タッチダウン1本追加されながらも4本奪って追いつくと、オーヴァータイムで相手のファンブルロストから得た攻撃権でフィールドゴールを決めて勝った。レギュラータイムの最後は 4th&8 と 4th&10 を両方成功させてドライブを続けてタッチダウンに持ち込んだらしい。リヴァーズは時々こういう恐ろしいまでの勝負強さを見せる。これでチャージャーズは第6シードに上がり、最終戦勝ちさえすればプレイオフに進めることになった。
BAL(9-6) 13-25 HOU(8-7):ケイス(・キーナム)初勝利! 昨季はぼろぼろだったテキサンズで先発を8試合つとめたが全敗で、オフに解雇され、ラムズに拾われたがやはり解雇、プラクティス・スクウォッドに居たところをマレットとフィッツパトリックが立て続けに怪我したテキサンズに再度拾われていきなり先発という状況だったからかなりタフな条件だったが、ディフェンスにも助けられて快勝。20/42-185yds-0TD-1INT だから負け試合みたいなスタッツだけども、まあ勝つことが大事。これで一応テキサンズはプレイオフに首の皮一枚つながった。レイヴンズはフラッコが 3INT と乱調で、逆にプレイオフへの自力進出がなくなった。
CLE(7-8) 13-17 CAR(6-8-1):ブラウンズはこの日もマンゼルが先発したが、3/8-32yds と大したこともできずにハムストリングを傷めて退場、これでシーズン終了となった。もちろん結果論ではあるが、ホイヤーをひいきしてきたおれとしてはやはりなんだったんだという恨み言のひとつもぶつけたくはなる。その後はホイヤーが引き継いで、7/13-134yds-1TD-1INT とまた微妙なスタッツで結局試合には敗れた。パンサーズは3連勝で、最終週に NFC 南地区の優勝とプレイオフがかかる。
MIN(6-9) 35-37 MIA(8-7):この試合 4Q が 18-23 とか謎の得点経過になってて、しかも2点差も最後の最後にヴァイキングズがパントブロックされてセイフティという、なんともあっけない幕切れだったらしい。タネヒルは 35/47-396yds-4TD-1INT とすごいスタッツで、なにかやはり成長は感じるのだが、そのわりにはチームの成績は大差ないという辺りが不思議ではあり。ドルフィンズの HC ジョー・フィルビンは来年もこの職に就くことがオーナーから明言されたそうな。
NE(12-3) 17-16 NYJ(3-12)ペイトリオッツが逆転勝ち。ジェッツ、今季はペイトリオッツ相手には頑張っていて前回も2点差、今回は1点差だったんだけど逆に言えば勝敗的には結局スイープされている辺りが泣ける。ジーノ・スミスもインターセプト1本だったらしいけど 4Q に自陣でやらかして返しのドライブで逆転タッチダウン決められたらしく、まあジェッツはジェッツ、と。
GB(11-4) 20-3 TB(2-13)パッカーズが圧勝。とはいえバッカニアーズのオフェンスのぼろぼろさ加減を考えるともう少し点取っててもよさそうなんだけど、まあそれはいいか。バッカニアーズはオフェンスがネットで 109 ヤード、ボール所持時間が 21:22 と殆ど何もできておらず、よく3点取ったね、というレベル。
DET(11-4) 20-14 CHI(5-10):ベアーズは不調のカトラーを下げてジミー・クローゼン(2010 にパンサーズでスターター 10 試合、パサーレイティングが 58.4)を先発。スタフォードの乱調にも助けられて 3Q まではリードしたが、最後は逆転されて取り返せなかった。ライオンズは 1991 年シーズン以来の 11 勝とのこと。来週地区優勝をかけてパッカーズと直接対決する。
NYG(6-9) 37-27 STL(6-9):点の取り合いでジャイアンツが勝ち。これで今季2度目の3連勝となったが、その間に7連敗が挟まっている。ラムズイーライ・マニングにいいようにやられてしまった。ヒルも 24/32-290yds-2TD-1INT と悪くないのだが、やはりある程度守れないと分が悪い。
BUF(8-7) 24-26 OAK(3-12):ビルズ、レイダーズ相手にまさかの取りこぼしで死亡(プレイオフから脱落)。レイダーズはカーが TD パスを2本決め、その他にフィールドゴールを4本積み重ねて得点を伸ばした。この新人はさすがにシーズンを通してよく伸びたと思う。


(更新終了)