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NFL 2014 -- Week 17

レギュラーシーズンはこれで終わり!

Cleveland Browns (7-9) @ Baltimore Ravens (10-6)

最終週は全部同地区対決なのだが、この試合は AFC 北地区同士。レイヴンズはこの試合に勝って、チャージャーズが負けた場合プレイオフに進める。ブラウンズはすでに目なし。そして、先週ハムストリングを傷めたマンゼルはシーズンアウト、シーズン当初から 13 戦先発をつとめたホイヤーは「肩」と「二頭筋」の故障でベンチに置かれ、プラクティス・スクウォッドから上がったばかりのドラフト外ルーキー、コナー・ショウが先発 QB に大抜擢された。
試合は静かな滑り出しになり、ブラウンズはよく守ったしレイヴンズも流石にど新人にそうそうやられたりはしなくて、フィールドゴール1本ずつの 3-3 で折り返し。試合は後半に動き出して、3Q にブラウンズがランを中心に、しかし要所でショウが鋭いパスを通して前進、最後はテランス・ウェストが持ち込んでタッチダウンを決めた。10-3。
4Q に入るまでブラウンズはリードしていたが、レイヴンズは急に目を覚ましたかのように得点を重ね始める。フィールドゴールで 10-6 と差を詰めると、その次の攻撃ではフラッコがトリー・スミスへ2本続けてパスを通しただけでタッチダウン。あれだけ苦労して築いたリードをいともあっさりひっくり返されてブラウンズは意気消沈したか、最後はもう1本タッチダウンを許して力尽きた。
しかしショウは 14/28-177yds-0TD-1INT とまずまずで、インターセプトも最後 10 点を追うドライブで投げないわけにもいかず喫したもので、プレッシャーを受けながら落ち着いてプレイしていたし、ドラフト外の新人としては及第点を超える内容だった。年齢が行っているしシーズンが深まるにつれてパフォーマンスの落ちたホイヤー、期待はずれのマンゼル、いきなり現れた第三の男ショウ、とさて来季へ向けてどういう構想をしたものか。ブラウンズは week 12 の時点では 7-4 で、今年こそ約束のシーズンかと思われたが、そこから5連敗してまさかの負け越しでシーズンを終えた。まあ、シーズン総括についてはまたいずれ書こう。
結果から書くと、レイヴンズはプレイオフに第6シードで滑り込んだ。この日もプレイオフがかかっているにしては妙に淡々とプレイしていて、まあ内容としてもそこまでほめられたものでもなく、はっきり言って期待できる要素はあまりない。ただ、フラッコはそういう立場の方が強いような気だけはするのだけど。


最終スコア:CLE 10-20 BAL

Detroit Lions (11-5) @ Green Bay Packers (12-4)

NFC 北地区はこの一戦に地区優勝がかかっている。ルールは単純――勝った方が優勝だ。負けた方は 11 勝していてもワイルドカードに回らなくてはならない。
パッカーズはロジャーズが前週の試合でふくらはぎを傷めていて心配されたが、とりあえずは先発。しかしロスターに2番手、3番手 QB のフリンとトルザインを両方載せていて、状態が芳しくないことが想像された。そのパッカーズは最初の攻撃で敵陣1ヤードまで攻め入ってファーストダウンを得るが、ラン、パス、パス、ランと試みてゲインできず無得点に終わってしまう。命拾いした筈だったライオンズだったが、直後に落とし穴が待っていた。P マーティンのパントは敵陣 45 ヤード地点からリターンされ、リターンタッチダウンにされてしまう。
さらに 2Q の後半、ロジャーズがコブへタッチダウンパスをヒットして 0-14 とリードを広げたが、ロジャーズはこのプレイの最中に左のふくらはぎを傷め、一旦カートに乗ってロッカールームへ退いた。
ライオンズは前半終了間際に反撃、相手の反則にも助けられてなんとかドライブを続けると、最後はスタフォードがカルヴィン・ジョンソンにパスを通し、わずか 2:00 でタッチダウン。14-14 として前半を終えた。
ここまではよかったのだが、後半に入るとライオンズのオフェンスは得点を挙げられず。パッカーズはロジャーズが時折足をひきずりながらもプレイし続け、4Q にはゴール前1ヤードからスニークで自らタッチダウンを奪ってみせすらし、怪我のためには絶対よくないけどチームの士気を高め続けた。最後は 14-28 になってからスタフォードが自陣エンドゾーン内でインテンショナルグラウンディングを取られてセイフティとなり、16 点差まで広げられた。それでもキックオフのボールを確保したりして諦めない姿勢は見せたが得点は取れずじまい。
というわけでパッカーズが4年連続の地区優勝を果たし、第2シードの座を確保した。ロジャーズの負傷を考えると1週間休みがあるのは大きく、初戦は地元でやれるメリットも小さくない。おそらくはカウボーイズを迎えることになるだろう。ライオンズは 1993 年以来の地区優勝を逃して第6シードとなり、初戦は第3シードのカウボーイズと対戦することになった。


最終スコア:DET 14-30 GB

St. Louis Rams (6-10) @ Seattle Seahawks (12-4)

シーホークス、勝つには勝ったがラムズのディフェンスに苦しみ前半は無得点。後半インターセプトから得た攻撃権でようやくタッチダウンを挙げて逆転すると、最後は LB アービンがインターセプトリターンタッチダウンを決めて突き放した。
ラムズは後半に入って結構いいドライブがあったのだが、4Q 最初はヒルが地面に向けて投げ捨てたボールをディフェンスに拾われてインターセプトにされてしまい、4Q 後半ではエンドゾーン目前まで攻め入って、ヒルから RB カニンガムへ、これはぎりぎりタッチダウンに届くというパスを通したのだけど、カニンガムがエンドゾーンへ向けてボールを持って伸ばした前腕を S トーマスが上から叩いてボールを落とさせ、しかもそのボールがエンドゾーン内に転がってサイドラインを割ってしまい、ラムズにとっては真に不運なことにタッチバックになってしまった。ビデオで見る限りではあと 15cm ほどボールが前に出ていればタッチダウンだった。特に後者がタッチダウンになっていればまだ全然わからなかった。トーマスの素晴らしいプレイだった。あと、審判がフィールドでタッチバックと判定していて、それが本当にすごいと思った。
というわけでシーホークスNFC 西地区の優勝と第1シードを確保、スーパーボウル連覇がいよいよ現実味を帯びてきた。後半戦は本当に安定していて、完全に昨季のシーホークスが帰ってきたという感じで、視界は良好だ。初戦すなわち2回戦ではパンサーズを迎えることになると予想される。


最終スコア:STL 6-20 SEA

Carolina Panthers (7-8-1) @ Atlanta Falcons (6-10)

NFC 南地区の首位決戦、勝った方が地区優勝、負ければプレイオフもなし、という win or go home の一戦になった。ということで熱戦を期待したのだけど、最初のドライブでパンサーズが FG で先制し、次の攻撃でタッチダウンを挙げて点差を広げると、ファルコンズはほとんどろくに反撃ができなかった。ニュートンを調子づかせるとこうなるし、ライアンはやっぱりここ一番に弱いという、考えてみれば知ってた知ってた、的な結末ではある。これでパンサーズは第4シードでプレイオフに滑り込み、初戦はカーディナルズと対戦することになった。たぶんニュートン、流れを切らさずに毎週試合させてた方がいいタイプっぽいので、昨季よりシード順の低い今年の方が楽しみ。
ファルコンズは2年続けてプレイオフを逃し、マイク・スミス HC が解雇されることになった。5年間めちゃめちゃ上手くやって2年間駄目だったらクビなんだから厳しいものだが、まあプレイオフでの弱さも解雇の一因ではあるのかな。


最終スコア:CAR 34-3 ATL

Cincinnati Bengals (10-5-1) @ Pittsburgh Steelers (11-5)

レギュラーシーズン最後のゲーム、今季最後のサンデーナイトフットボールAFC 北の優勝決定戦。
前半はスティーラーズがパンとリターンタッチダウンで先制、ベンガルズが追いついてから逆転し、スティーラーズがまた追いつき 10-10 、とシーソーゲームになったが、2Q の半ば、ドルトンがこの日2本目のインターセプトを自陣で喫して返しのドライブあっさりタッチダウンされると、前半終了前のドライブでもフィールドゴールまで持っていかれて 10-20 として折り返し。
3Q ではまたもスティーラーズが敵陣まで攻め入るが、ここでベンガルズ S ネルソンがロスリスバーガーから値千金のインターセプトを奪うと、返しのドライブを自陣からじりじりと前進。ここで短いパス中心の攻撃に切り替えたのが効を奏してドライブが継続し、実に 15 プレイ 89 ヤードのタッチダウンドライブを完成させて 17-20 と追い上げる。
さらに 4Q 途中、フィールドゴール圏ぎりぎり手前でスティーラーズのドライブは止まったが、ここでパントのフォーメーションからトリックプレイを仕掛ける。しかし S アレンを狙ったパスは WR サンゼンバッカーにきっちりカバーされていて(目立たないがいいプレイだったと思う)インターセプト。自陣 41 ヤード地点からベンガルズは逆転に向けてドライブを開始する。押せ押せだったベンガルズだが、敵陣に入った次のプレイ、A.J.グリーンへ 17 ヤードのパスが通ったものの、CB ブレイクに手を入れられてボールをかき出され、さらにグリーンはヒットを受けて倒れてしまう。こぼれたボールもブレイクがリカバーし、ベンガルズこの試合3つめのターンオーバーとなってしまった。
返しのドライブでロスリスバーガーがブラウンへ 63 ヤードのタッチダウンパスを決めて、17-27 となって勝負あり。スティーラーズは3年ぶりのプレイオフ進出と4年ぶりの地区優勝を決めた。プレイオフ初戦の相手は第6シード、同地区のボルティモア・レイヴンズで、レギュラーシーズンでやれという感じではあるがいつも熱い勝負になる好カードとは言える。
ベンガルズは敗れはしたものの、第5シードとなって初戦は第4シードのコルツと当たることになった。実はこれよかったんじゃないかと思っていて、手の内を知られている北地区のレイヴンズと重圧のかかる地元でやるよりも、コルツと敵地でやる方がまだいいんじゃないかと。まあ今年は Week 7 で当たって惨敗(完封負け)してるんだけども。
なお、4Q でスティーラーズの RB ベルが膝にタックルを受け退場し、プレイオフ初戦には出られないことが判明した。ベンガルズではグリーンが脳震盪の影響でやはりプレイオフ初戦の欠場が濃厚になっている。お互いにプレイオフが決まっていた試合で主力選手を失うことになってしまったことになる。


最終スコア:CIN 17-27 PIT

Other Games

JAX(3-13) 17-23 HOU(9-7)テキサンズはここで勝ち、チャージャーズとレイヴンズが敗れればプレイオフに進めたのだが、残念ながら3つは揃わず。CLE@BAL を観てた時にこの試合の途中経過がちょくちょく入ってたんだけど逆転に次ぐ逆転でなかなか面白そうな試合ではあった。実際はジャグァーズのタッチダウンインターセプトリターンタッチダウンと WR セシル・ショート三世を使ったワイルドキャットで、なりふり構わず取りにいってこの2本、一方テキサンズは普通にオフェンスで3本取ったらしい。ケイスも 25/35-250yds-2TD-1INT と前週とは雲泥の差だった。
DAL(12-4) 44-17 WAS(4-12):うーむ、レッドスキンズ、もう少しやるかと思ったが大敗。グリフィンは 27/41 で、336 ヤードはキャリアハイだそうだがインターセプトも2本。それでも今季はクビは切られずにすむとのこと。カウボーイズは快勝したがこれでも第3シードになってしまうようだ。初戦の相手はライオンズ。ちなみにこの勝利で今季ロードの8試合で全勝という記録を打ち立てて、これはチーム史上初とのこと。裏を返せばホームでは 4-4 だったということになる。
CHI(5-11) 9-13 MIN(7-9)ヴァイキングズが最終戦を勝って〆て、これで 7-9。ブリッジウォーターは 17/25-209yds-1TD-1INT とかで実にまあまあなスタッツ。シーズンを通してのパス成功率は 64.4% で、これは NFL の新人で歴代第3位の記録とのこと(1位がロスリスバーガー、2位がグリフィン)。ベアーズはカトラーが復帰したが、23/36-172yds-0-0 だったのでまあ effective とは言い難かったか。で、トレストマン HC が2年の契約を残して早くもクビ、カトラーも少々立場が怪しくなっている。
BUF(9-7) 17-9 NE(12-4):ビルズがロードでペイトリオッツに勝ち。ジレット・スタジアムでは 11 戦目で初勝利、またペイトリオッツはホームで同地区相手には 35 連勝中だったがそれも止まった。とはいえペイトリオッツは前週の時点で第1シードが確定していて、この日もブレイディが出たのはほぼ前半だけで、後半はガロポロに任せていた。プレイオフの初戦は案外レイヴンズが上がってきそう。ビルズは 10 年ぶりに勝ち越しでシーズンを終えたが、HC とエース QB がどちらも自分から言い出して辞めてしまうという奇妙な事態になっている。
SD(9-7) 7-19 KC(9-7):チーフスが意地を見せた。アレックス・スミスが脾臓の損傷で出場できず、6年目のチェイス・ダニエルが投げたが、16/27-157yds-0TD-0INT と最低限の仕事はした。チャージャーズはドライブを継続できず、4Q に点差を離されてから 4th ダウンギャンブルを2回失敗するなどことごとく得点機を逃し、結局タッチダウン1本に終わった。AFC の最後の一枠争いでは「自身の勝ち」だけでプレイオフに進める一番有利な立場だったが、自らの手でそれをつかむことはできなかった。
PHI(10-6) 34-26 NYG(6-10):イーグルズ怒りの圧勝。というかまあ、八つ当たりみたいなもんではあるか。ジャイアンツは3連勝でストップし、結局前半と後半に3連勝が1回ずつあっただけの6勝止まりだった。3年連続でプレイオフを逃し、だんだん成績も悪くなっていて、そろそろコフリン HC の首元も涼しくなっていることだろう。来季は約束のシーズンの筈だし、それに向けてパーツは揃いつつあるが、さて。
NO(7-9) 23-20 TB(2-14):セインツ、バッカニアーズ相手に意外に苦戦したもののなんとか勝利。ほとんど得るもののない勝利であった一方で、バッカニアーズは 2015 年のドラフト全体1位指名権を手に入れた。とにかく今年は何の前進もない印象の年だったが、ラヴィー・スミスもまだ1年目なわけだしもう2年ぐらいは見守らねばなるまい。その過程で見限られてしまいそうなのはグレノンにとっては気の毒なことだが、まあそういうこともあるとしか申し上げられない。セインツはひたすら守備が崩壊した年で、それをなんとかしない限りどうにもならないし、それでもよく7勝したというべきではあろう。
IND(11-5) 27-10 TEN(2-12):で、全体2位指名権を得たのがこちらのチームになります。テネシー・タイタンズ。ここ何年かと大体同じで、エースの筈のロッカーが前半戦の間に故障してバックアップでは安定した試合は難しく、というパターンだったのだがそもそもロッカーが居た間でもあんまり勝てなかったしロッカーが居なくなってからは殆ど勝てなかったのでこんなことになった。まあここも QB をドラフトして再建することになるのだろう。コルツは勝ったものの第4シードになり、プレイオフ初戦でシンシナティ・ベンガルズと対戦することになった。
NYJ(4-12) 37-24 MIA(8-8):ジェッツはなにもかも完全に手遅れになったこの試合で快勝。ジーノ・スミスは 20/25-358yds-3TD-0INT とうそみたいなスタッツでパサーレイティング満点(158.3)を叩き出した。今季当該試合で7本以上パスを投げたプレイヤーで満点を出したのはこの試合のスミスが初めて(そして唯一)らしい。しかしスミスも来年はチームに居ないかも知れない。ドルフィンズはここで負けちゃう辺りがなんともドルフィンズであり、2008 年以来の勝ち越しを逃した。
OAK(3-13) 14-47 DEN(12-4)ブロンコスが圧勝。レイダーズのオフェンスをネットで 199 ヤードに抑え込んだ。これで第2シードを確定させたことになる。プレイオフの初戦はコルツになりそう。レイダーズは悲惨なシーズンではあったが、我慢強くカーに1年間スターターを任せた甲斐はあって後半は明らかに上向いていた。
ARI(11-5) 17-20 SF(8-8)フォーティナイナーズが逆転勝ち。ジム・ハーボー HC の最終戦を飾った。今季こそプレイオフは逃したが、低迷していたチームを1年目から地区優勝に導き、3年連続プレイオフ進出、スーパーボウルにまで進んだ戦績は素晴らしかった。カーディナルズはリンドリーがキャリアハイの 316 ヤードを投げたがインターセプトも3本放り、最終的には逆転負け。シーホークスが今週勝っているのでいずれにせよ逆転はなかったわけだが、ともあれ地区優勝を逃してワイルドカードで第5シードに回る。プレイオフ初戦の相手はカロライナ・パンサーズ


(更新終了)