黄昏通信社跡地処分推進室

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NFL 2014 -- Wildcard Playoff

NFC Wildcard Playoff #1 -- Arizona Cardinals (#5/West/11-5) @ Carolina Panthers (#4/South/7-8-1)

カーディナルズはやはりスタントンが間に合わず、スタイルせずにサイドラインに立ち、代わってリンドリーが今季レギュラーシーズンを含めて3試合目の先発 QB についた。しかし案の定というべきか、2シリーズ連続のスリーアンドアウトで、攻撃が形にならない。一方パンサーズはスチュワートのランを中心にごりごり攻め、最初のドライブでフィールドゴール、次のドライブでタッチダウンを決めて 0-10 とリードする。
カーディナルズは P バトラーが絶不調で、最初の2本のパントが 30 ヤードも飛ばなかったのだが、3回目のドライブもパントとなり、これまた飛ばない。ところがこれを PR が何を思ったか座って止めようとしてしまい、ボールに当たってしまう。これをカーディナルズがリカバーして、敵陣 30 ヤードからの攻撃権を得た。これをカーディナルズはランと相手の反則を絡めて前進、残り1ヤードの 1st&Goal でパスを投じるといういいプレイコールで、タッチダウンをもぎとって 7-10 と差を詰めた。
この後もカーディナルズはオフェンスでは進めないが、パンサーズも FG 失敗でおつきあい。さらにパンサーズはニュートンがレシーバーと合わないタイミングで投げてしまい、カーディナルズ CB クロマティに値千金のインターセプトを献上してしまう。リターンで敵陣深くまで進んだカーディナルズはこれをきっちりタッチダウンまで持っていき、14-13 とまさかのリードで折り返した。
しかしなんとかなったのはここまで。後半、またしてもバトラーのしょぼいパントから自陣での守備を強いられると、39 ヤードものタッチダウンランを許してしまい逆転。直後のキックオフで、エンドゾーンでボールを受けた KR テッド・ジン・Jr. がうっかりリターンを始めてしまい、10 ヤード地点ぐらいで捕まったうえにファンブルロストという最悪のプレイ。返しのドライブでまたもタッチダウンを奪われ、1点リードがあっという間に 14-27 の 13 点ビハインドになってしまった。
それでも 4Q には LB アチョーがニュートンパスモーションに入った瞬間ボールをはたき落としてファンブルを誘い、好リターンもあって敵陣7ヤードから攻撃するという場面もあったのだが、リンドリーからフィッツジェラルドへのパスがきっちりインターセプトされて万事急須。パンサーズの力任せのラン攻撃にタイムを削られ、やっと得た攻撃権ではリンドリーがもう一本インターセプトを放り、と散々。一応セイフティで2点返したものの2ポゼッション差は変わらず、そのままタイムアップとなった。
カーディナルズはオフェンスがトータル 78 ヤードと文字通りの完封で、ほんとうによく 16 点も取ったなと思うし、前半リードして折り返したのは奇跡的だ。それだけパンサーズにもミスが多かったし、そのミスに言葉は悪いがよくつけこんで得点にした。オフェンスが進めないのはわかっていたことだしどうしようもなくて、それでも前半のふたつのタッチダウンはリターンタッチダウンではなく、止めの部分だけはオフェンスが最低限の仕事をしていた。ディフェンスの奮闘は言うまでもない。それだけにスペシャルチームの致命的な不出来が悔やまれる。あんなに飛ばないパンターNFL では初めて見たし、テッド・ジンのファンブルロストはあまりにも痛かった。パントがまともに飛んでいれば、ファンブルロストがなければ、1ポゼッションのゲームができた筈だし、そうなれば何が起きてもおかしくなかった。
パンサーズはミスも多かったが、オフェンスはこれでも手加減していたというか、多分もっとニュートンが持つ比率を増やすオプションはありそうで、Week 17 のファルコンズ戦のようにがんがん走るようなことはこの日はなかった。その意味でまだ上のギアはあるのだけど、逆にこの試合がチーム自体にあまり勢いを与える感じにならなくて(後半はカーディナルズのミス絡みでしか得点できていない)、ちょっとディヴィジョナルは苦しそうだなという印象はある。
カーディナルズは地元開催のスーパーボウルへあと3勝というところで力尽きた。今のチーム状態では3勝は果てしなく遠く、辿り着ける確率は0に限りなく近かった。それでもレギュラーシーズン後半、パーマーが倒れてから7試合を 3-4 で乗り切ってプレイオフに残ったのは賞賛すべきだし、この試合でもごく少ないチャンスをよく活かした(最後はインターセプトになってしまったが)。胸を張ってほしい、と思う。特にアリアンズ HC のあるものでなんとかする手腕は見事であった。


最終スコア:ARI 16-27 CAR

AFC Wildcard Playoff #1 -- Baltimore Ravens (#6/North/10-6) @ Pittsburgh Steelers (#3/North/11-5)

AFC 北の同地区対決。フィジカルなごりごりフットボールを持ち味にするディヴィジョン――なのだけど、実のところどちらのチームも今は空中戦を得意とするパスのチームだ。
スティーラーズフィールドゴールで先制するが、レイヴンズは 2Q に入ってからフォーセットのランを中心に前進、最後はピアースがタッチダウンランを決めて 3-7 と逆転する。その後はお互い長いドライブを続けるがディフェンスも粘ってフィールドゴールどまり、というのを繰り返し、スティーラーズが2本、レイヴンズが1本追加して 9-10 で折り返す。
後半に入るとどちらもランが出なくなってきて、短いパス中心の攻撃に切り替わる。レイヴンズの最初のドライブは一旦フィールドゴール圏内まで行きながらサックで追い出され、もう一度フィールドゴールレンジには入ったもののファーストダウンは更新できず、45 ヤードの FG をタッカーが決めて 9-13。その次のレイヴンズの攻撃、フラッコが右奥へ投じたロングパスはスティーヴ・スミスがターゲット。厳しいカバーに遭っていたがもぎとるようにボールを確保して 40 ヤードのゲインで一気に敵陣へ。ここからはフラッコのフットワークが冴え、最後は右へ左へ走って時間を稼ぎながらトリー・スミスへ 11 ヤードのタッチダウンパス。リードが 9-20 に広がった。
スティーラーズも黙ってはいない。敵陣 45 ヤード地点でフォーセットの持つボールを LB セイズィアーがたたき落としてファンブルを誘うと、きっちりリカバーしてターンオーバー。直後の1プレイ目でロスリスバーガーが中央奥にロングパスを投じ、レイヴンズのまずい守備もあってアントニオ・ブラウンががっちりキャッチ。ぎりぎり届かなかったもののゴール前半ヤードからファーストダウンとなり、反則で下がったりしつつも結局タッチダウンして 15-20、ツーポイントコンヴァージョンに失敗して5点差。
次のドライブはレイヴンズのタッカーが 52 ヤードのフィールドゴールを決めて 15-23 と8点差に広げると、返しのドライブでなんとか3点は欲しかったスティーラーズだったが、ロスリスバーガーが自陣で痛恨のインターセプトを喫してしまう。ラッシュを受けてセイフティバルブの RB ベン・テイトに投じたボールをテイトが弾いてしまい、それに素早く反応した LB サグズが地面すれすれでボールを拾った。
これで得た攻撃権でレイヴンズはフラッコが絶妙な左サイドへのプレイアクションからアクロスで走り込んだ TE ギルモアにパス、ギルモアがそのまま右隅に走り込んでタッチダウン。15-30 とし、勝利をぐっと引き寄せた。スティーラーズは返しのドライブで時間をかけながら敵陣に攻め入るものの、ロスリスバーガーがサックを受けて負傷しサイドラインに下がってしまう。急遽出てきたグラカウスキは結構頑張って 4th&3 からギャンブルを成功させたりしたのだが、残り 14 ヤード地点でフィールドに戻ってきたロスリスバーガーがいきなり不用意なパスをエンドゾーンに放り込んでしまいスチュワートがインターセプト。この時点ですでに残り時間 2:57 となっており、ほぼ試合は決まった。
最後はスティーラーズスペシャルチームがレイヴンズの自陣でのパントをブロックしたものの、ボールはそのままエンドゾーンの後方まで出て行ってしまいタッチバックでセイフティ。リターンタッチダウンならあるいはというところだったが、30-17 で試合終了となった。
予想通りどちらもランはあまり出ず空中戦になったのだが、ロスリスバーガーがやや決めきれず、ヤーデイジでは勝ったが得点、特にタッチダウンになかなかつなげられなかった。逆にフラッコはレギュラーシーズンより調子がよく、肝腎なところでよくパスを通した。
レイヴンズはポストシーズンで初めてスティーラーズに勝利した。次の相手は、第1シードのニューイングランド・ペイトリオッツ


最終スコア:BAL 30-17 PIT

AFC Wildcard Playoff #2 -- Cincinnati Bengals (#5/North/10-5-1) @ Indianapolis Colts (#4/South/11-5)

簡単に。
ベンガルズ、4年連続の一没となった。先制された後すぐにタッチダウンを返して同点になったあたりまではよかったが、だんだん攻撃が単調になっていき、後半に入ってからは最初の5回のドライブですべてスリーアンドアウト。ディフェンスはそこそこ頑張っていたが流石にこれだけ守らされてはどうにもできない。最終的には 10-26 と、昨年(10-27、vs. SD)と似たような得点になった。
解説の村田斉潔氏が言っていたのだが、ベンガルズは試合の最初の最初でエンドアラウンドを使って、それは9ヤードぐらい出た。最初の2ドライブぐらいはレギュラーシーズンで殆ど出番のなかった TE バークヘッドをランナー、レシーバーとして使ってかなり目立っていた。RB ヒルのランもかなり出ていた。なのに、それを踏まえた次の展開というのがいっさいなかった、と。エンドアラウンドのフェイクや、プレイアクション、ブートレッグ、そういうプレイが全くコールされていない。これでは尻つぼみになって当然だと。
というわけで、ベンガルズのマーヴィン・ルイス HC は 12 年目でプレイオフ出場が6回目になるが今年も勝てなかった。ドルトンも、ルーキーイヤーから4年連続のプレイオフで、今年も勝てなかった。このふたりがポストシーズンに向いていないのはもはや疑いようもないところだが、それでもおれはかえってこのふたりがプレイオフで勝つところを見たいと思ってしまう。
コルツは第4シードとはいえレギュラーシーズン 11 勝してたわけで、星の上でもベンガルズを上回っていた。その意味でもまずは順当な勝利というところか。ただ、今年の5敗がいわゆる「強いチーム」ばかりで、同地区相手には取りこぼしを一切せず 6-0 であったのにペイトリオッツブロンコス、イーグルズ、カウボーイズスティーラーズ、といったプレイオフに残った/ぎりぎり争ったチームにはことごとく負けている。次の相手となる第2シードのブロンコスにも開幕週で負けている。お返しなるか。


最終スコア:CIN 10-26 IND

NFC Wildcard Playoff #2 -- Detroit Lions (#6/North/11-5) @ Dallas Cowboys (#3/East/12-4)

こちらも簡単に。
カウボーイズが逆転勝ち。どちらもプレイオフには弱いチームで、大一番に強いタイプのクオーターバックでもなく、となれば素直にレギュラーシーズンの成績でカウボーイズだろうと踏んでいたのだが、意外なほどライオンズが頑張って接戦になった。


最終スコア:DET 20-24 DAL


(更新予定)