黄昏通信社跡地処分推進室

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「公園/花壇のお花(ここでは野草を指す)はみんなのものだから摘んじゃ駄目なんだよ、みんなで楽しもうね」的なことは子供に言うことがあるのだけど、言うたびに少しだけもやっとする。端的に言えば、子供にそこまで言いたくないのだ。野の花ぐらい気の済むまで摘ませてやりたい、と思う。自分の小さな頃はそれこそ幼い自分のできる程度の破壊であれば許容されていたと思うし、それでやったことと言えば精々タンポポの葉っぱつまんでかじってみたり*1ツツジの葉をむしむしちぎって胸にペタペタ貼ったりするぐらいのもんだったけど、それはそれなりに楽しかったし今でもこうして記憶に残っているわけだ。
もちろん冒頭の言葉の正しさに疑問の余地は無いのであって、でもそれが子供のこんなささやかな楽しみを奪うのであるなら、正しいとはなんだろうとも思う。まあ、これも今の世の中に溢れている「正しさと息苦しさ」問題のバリアントのひとつに過ぎないし、そしていつもはおれはそれを「そうなることは仕方ないのだ」とだけ考えることでやり過ごしているけれど、子供のこととなるといつもよりちょっとだけムキになっている自分に気付き、それは決して悪い気分ではない。

*1:苦かったが喰える味