黄昏通信社跡地処分推進室

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最近よくこの文を思い出す。


彼は世界に対して怒り、家族に対して怒り、自分の人生に対して怒っていた。 だが、だいたいは理由もなく怒っていたんだ。
有名な《怒り狂うゴブリン/Raging Goblin》のフレイバーテキストである。なぜ思い出すかといえば、娘がまさにこんな感じだからだ。「彼」を「彼女」に変えればほぼそのまま娘の描写になると言っていい、と思える日すらある。とにかく怒る。叫び、泣き、難癖をつけ、地面に横たわり、のけぞったり蹴りを連発したりする。ちょっとしたことで機嫌を損ねて爆発する。なぜ怒ったかわかるときもある。さらに運がいいと、直前で回避できることもある。でも大抵はわからない。おれの洞察力が足りないのかも知れないが、そんなこと言われても困る。わからないものはわからないのだ。でもまあこれもいつまでも続くはずはないとおれは知っている。この日記を読んでこんな頃もあったなと思い出す日が来るだろうことを知っている。なにをしてもなにもしなくても時は流れる。ちいさな娘が「だいたいは理由もなく怒っていた」ことを、ことによると懐かしくすら思う日が来るのだろう。