黄昏通信社跡地処分推進室

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星の散った名刺

職場でもらった名刺がなんとなく灰色っぽい上にところどころピンクやら青やらの小さな破片が入ってて、再生紙なのは一目でわかるんだけどはて何を再生したものかと思っていたら、下の方に小さく「広島平和記念公園に寄せられたおりづるの再生紙です」と書かれていた。本社が広島にある会社なのだった。
反射的に「溶かしちゃっていいのかよ!」と思ったのだが、考えてみると千羽鶴というのはいわば祈りであって、鶴そのものには象徴としての価値しかない。折られて届けられた時点でほぼ役割は終えているといっても過言ではない(そういえば折ると祈るという字は似ている)。全てを飾っておくことは現実的ではないだろうし、ならばいっそリサイクルするのもありではあろう。
とか考えながらググったところこんなページが見つかった。


おりづる再生プロジェクトとは


障害者就労支援施設(「授産施設」というらしい。初めて聞いた言葉だ)などとも絡めて進められているプロジェクトのようだ。
しかし、「溶かしちゃっていいのかよ」の次に思ったことは「生産性は限りなく低いよな」ということだった。普通にたとえば名刺を作る方がよっぽど安いだろうし、同じ再生紙を作るのでもこんな風に元の色の欠片が残るように作るのはかえって高くついたりするのではないか。
とはいうものの、このプロジェクトに賛同して、あるいはこの折り鶴再生紙に価値を見出してお金を落とす人が居て、それで事業が回っているのならプロジェクトとしては充分以上に成功していると言えるのだろう。割高な再生紙にお金を払える会社はお金が余分にあるのだろうから、そのような会社から必要なところへお金が回るのならそれは悪いことではなくて、このプロジェクトはそのためのギミックとして機能している。オーケー、問題ない。
……んだろうか?