黄昏通信社跡地処分推進室

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まるかぶり

恵方巻の話、ちょっとだけつづき。
妻の祖母は大阪の方のひとで、恵方巻の習慣のある地方の出だった。前も少し書いた通り細巻きだったそうなのだが、節分に切ってない海苔巻きを食べるのは(祖母と同居していた)妻の家では当たり前だったらしい。しかし 30 年前の東京で切っていない海苔巻きを手に入れるのは難しく、義母は茶月やら京樽やらでお願いして切る前の海苔巻きを売ってもらっていたということだ。
義祖母はおれが妻と知り合うずっと前に他界しているので面識はないのだが、それでも今の節分の様子を知ってほしかったな、という気はする。それはそれで苦々しく思われたりしたかも知れないけれど。


この日記を「恵方巻」で検索するとちょっと面白い。

節分に太巻きを喰うことについて、個人的には不採用の方向。伝統行事ってそれと共に育ってないとあまり意味を持たないというか、年いってから採用するならせめてその地域に引っ越すとかないとなあ、って感じがする。

2004 年にはこんなことを書いていたらしいのが、

我が家には恵方巻きの風習がゆるくあるけど、今年はなんか手巻き寿司だった。手巻き寿司楽しいしおいしいね。なんとなく恵方的な方を向いてもごもごして終了。

2011 年にはこうなっている。
今年に至ってはこないだ書いた通りだ。

「みんなコンビニ業界の陰謀に乗せられやがって」みたいな言説を見ると反射的に軽い反発を覚える。多くの人は聞いたこと無かっただろうけど、それを習慣にしてきた人も確かに居るということは忘れないでほしい、かな。

おれはその伝統行事と共に育たなかったけど、その風習を持つひとと一緒になって、年月を経るうちにそれを自分に近しいものだと認識するに至った。そういうこともある。



ところで恵方巻がこれだけブレイクしたのって、わりと堂々とごはん作るの一回サボれるからじゃないかな、と今更かつ身も蓋もないことを言ってみる。値段も手ごろだし、なにを巻いてもいいみたいなゆるさもあり、老若男女かかわれる柔軟性もよい。