黄昏通信社跡地処分推進室

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さよならアルトロン

アルトロンが倒産していた。下のエントリで知った。
「オリビアのミステリー」を作ったアルトロンのミステリー -- 恋愛漫画は有害図書だ!
アルトロンといえば当ブログ的には『オリビアのミステリー』と『アリョール』であり、関連するエントリを何本か書いている。アニメーションをパズルにするというのはコンピューターのゲームでしか実現できないゲーム性で面白かったのだが、アイデア自体はすでにファミコンの『きね子』シリーズで実装されていて新奇性は乏しかった。アルトロンの両作品は、むしろその奇妙なセンス(もしくはその欠如)で存在感を示していた。おれはたまたまその両作を遊んだことがあってそれなりに思い入れがあったので、二作にまつわる文章をいくつか書いた。あらためてリンクを並べておくことで、この不思議な会社をしのびたい。

『リトルマジック』 アルトロン,1999 ゲームボーイカラー
ゲームボーイカラーのパズルゲーム『リトルマジック』のレビュー。そこそこ面白いパズルゲームなのだけどやや難度が低い。そのゲーム以外にアルトロンの話を少し書いている。(『団地で花札〜奥さん米屋ですよ!』とか!)
ЛЕГЕНДАРНЫЙ ДРАКОН -- Prologue
『アリョール』の似非プロローグ。説明書に書かれているごく短いエピソードを少しだけふくらませた。これよりさらに昔紙に書いたことがあってそれのリライトなのだが、それほど内容は変わっていないと思う。「囚人服だって似合っている」「こんな話聞いても笑わないんだね」「刑務所で過ごした日々の中で一番寒い日だった」などのフレーズは元の文章でも使われていたので、読んだことがある人はぴんと来たはず。
伝説の龍ふたたび
上の似非プロローグにリンク貼られてて時々アクセスがあって嬉しい、という話。リンク元ではちょっとほめてもらっててそれも嬉しかったのだった(今はプライベートモードで見られない)。ゼロ年代のインターネットって感じ。
Olivia's Mystery -- Prologue
今度は『オリビアのミステリー』の似非プロローグ。いかにも筆が走っている感じがするけど、実際一気に書き上げたと思う。ぱっとわかるあらもあるけど、勢いがあってわりと好き。ここで挙げている似非プロローグ/エピローグの中では一番好き。これはゲーム本編の1面から3面ぐらいの内容。
ЛЕГЕНДАРНЫЙ ДРАКОН -- Epilogue "We will be back !!"
『アリョール』の似非エピローグ――というかエンディング(ノーマルエンド)。冷静に考えるとこのふたり最終的には死ぬしかない感じになっててやばい。この二作はどっちもノーマルエンドに味があって、おれの中ではトゥルーエンドみたいな扱いになっている。キリル文字、読めないだろうけどカタカナにするなら「リェゲンダールヌィ・ドゥラコーン」みたいなかんじ。意味は「伝説の竜」、legendary dragon ですね。
『オリビアのミステリー』の音楽
『オリビアのミステリー』の作曲者、塩田信之氏のウェブページ見つけた話。そこでも書いたけど塩田氏にメール出したら翌日に返信くれて嬉しかった。これもゼロ年代のインターネットっぽいな。2012 年の出来事なのだが。
[ウゴクエver.1.0]
これは「心に残るゲームたち」のわりと最初の方、まだこのブログを始める前に書いた。手元には残っているが未だに再アップロードを果たせていなかった……のだが、これを機に再度上げた。あまりうまく書けていない。
10 年強でこれだけ書いていれば、まあ多いほうだと思う。メーカーとして好きというほどではなかったけど、この二作については思い入れがあって、なにか調べてみたり書いてみたりしたくなった。続編が出たりリメイクが出たりというようなことはかなり前からすでにほぼあり得なかったが、それでも作った会社がもうこの世に存在しないとすれば一抹の寂しさはある。さらば。