AlphaGo がイ・セドルに勝った。4勝1敗、完璧な勝利だ。おれは囲碁のことは知らないが、イ・セドルはまあ誰が見ても世界最強の一角というクラスの棋士らしい。コンピュータが人間に勝った、とほぼ言い切ってしまっていい成果ということなのだろう。
その結果について、おれの周りで見られた反応ふたつがちょっと面白かったので並べて引用しておく。
コンピューターが将棋だの囲碁だのチェスを「殺す」ってのは、「人間に勝つ」ことでは無くて、「先手後手の必勝または引き分けの必着が証明される」ことなのだけど、それは案外共有されづらい概念なのかな。
— 有芝まはる殿下。 (@Mahal) 2016年3月10日
端的に言えば殿下(id:mahal)は「これが囲碁を殺すわけではない」と言っていて、大ちゃん(id:tanakadaishi)は「これは囲碁業界を殺すかも知れない」と言っている。それぞれは全く別の文脈で発せられた言葉だけど、一見反対のようでいて両立しうる言葉であったのは面白いなと思った。
「機械が一番強いんだよ」って、決まった時に、果たして囲碁をやり始める人はいるのかね、と思う。/「すげー」とか「おもしれー」とか言うのは簡単なんだけどね。俺は、「囲碁業界」的には大きなマイナスだと思う。
でも、それでも囲碁業界は大丈夫だろうという漠然とした予感がある。ここでおれはつい最近“殺された”ゲームであるチェッカーを持ち出さなければならないところなのだが、いろいろめんどくさそうなので諦める。たぶん、「殺されて」からもチェッカーのプレイ人口ががくんと減ったりはしていないと思うのだけど、チェッカーって日本ではどマイナーって事情もあって、データ探すのが大変そう。