黄昏通信社跡地処分推進室

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セルモーターとおれ

教習所で習った知識で「これ一生使わねえだろうなー」と聞いた瞬間に思ったのに今でも忘れないのが、踏切内でエンストしちゃったときに、踏切から脱出する程度の距離だったらセルモーターを回しながらクラッチをつなげばエンジンをかけなくてもモーターの力だけで走れる、というのなんだけど、今あらためて考えてもやっぱり非常時に使えるとは思えない。少なくとも平常時に練習しておかないとだめだろうし、もちろん教習所ではそんなことやらせてくれなかった。まあ一生使わないと言えばこの先そもそもマニュアルトランスミッション車に乗るのかという話ではあるのだけど。


前少し書いたけど車の「運転」と「操縦」は別の概念で、運転ってのは車を動かして公道を走ること、操縦は車を動かすことそのもの、すなわち走らせたり止まらせたり曲がらせたりすることを指す。操縦に関して言えばマニュアル車の方がずっと大変だけど、でも自分の身体の拡張であるという感覚ははるかに強く、だから面白いし楽しい。だけど運転の中で操縦が占める割合はたぶん半分もなくて、ルート判断とか周囲への注意とか車線変更とかブレーキとか信号とかなんだとかかんだとか諸々の方がずっと大きい。そうなると楽しいけど難しいマニュアル車の操縦は残念ながら運転にとっては邪魔、ということになってしまう。


この辺りの考えを得るに至ったのもひとえに曲がりなりにも免許を取得できる程度にまではマニュアル車を運転したからで、結果的にマニュアル車には全く乗っていないけど、無駄だったとは思わないし体験として意義があったと思っている。はっきり言って運転も操縦もへたくそだったが*1マニュアル車の操縦には確かにある種の楽しさがこもっていたとさえ思うのだ。

*1:仮免で一回と卒検で二回落ちている。8時間オーバーだったと思う。ちなみに自分が取った時はまだ四段階制で、たしか一段階がちょうど8時間ぐらいじゃなかったかな。