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ハカン・シュクル

元サッカートルコ代表のハカン・シュクル氏に逮捕命令が出た、みたいなニュースが出ていた。とりあえず日本語のソースっぽい AFP と、あとアルジャジーラ(こっちは英語)を貼っておく。


http://www.afpbb.com/articles/-/3097304
W杯日韓大会で活躍の元トルコ代表に逮捕状、クーデター未遂めぐり
http://www.aljazeera.com/news/2016/08/turkey-seeks-hakan-sukur-arrest-coup-probe-160812090924125.html
Turkey seeks Hakan Sukur's arrest in coup probe


んで、おなじく AFP だけど、2月の時点でこの記事が上がっている。
日韓W杯で活躍した元トルコ代表の名FW、大統領侮辱で投獄危機
もともとエルドアン派だったのが鞍替えした、という経歴らしいので、今回のクーデター未遂を受けて逮捕状が出るというのは既定の流れみたいなものなのだろう。「テロに関与した疑いで逮捕命令」とだけ見ると「ハカン・シュクルやばい人だったの?」と思ってしまいかねないが多分そうではない。





そういえば、日韓ワールドカップの時にハカン・シュクルについて書いたな、と思って掘り起こしてみた。2002 年なのでこのブログには入っていないが、折角なので蔵出ししてみる。なんだか懐かしい。にわかなのに断定的に物事を書いていてすごいなと思うが、素人のブログなんて本来こういうものでいいのだろう。



夜はワールドカップ3位決定戦。トルコが開始11秒で先制、一旦は同点にされるが、その後もハカンシュクルイルハンが大暴れ、前半に3点を挙げて折り返し。後半韓国も反撃するがようやく1点とったのはロスタイム。いくらなんでも遅すぎた。1点目に象徴されるように韓国は特に前半守備陣が機能せず、ミスと言っていい形ばかりで点を取られていた。最終戦としては残念な内容だったと思う。
ハカンシュクルは大会を通して(少なくともおれが観た試合では)いまいちだったが、精神的な問題が大きいのだろう。実際トルコじゃ凄いけど海外じゃ駄目、っていう評価らしいし。見ていてなんでそこで打たないかなあもう!という場面が多かった。なんでそんなトラップミスるかなあ、とか。それでも先発で使われ続けた辺り、よほど普段は凄いんだろうと思わせる(相性やスタミナは知らんけど、パフォーマンスだけで選ぶならイルハンとハサン・サスだっただろう)。今回は3位決定戦に回って、最後の最後でプレッシャーから解き放たれたという感じの好い動きを見せていた。ただ、一番印象に残ったのはブラジル戦の終了10分前に放ったボレーシュート。明らかに長すぎたクロスに空中でオーバーヘッド気味にジャストミートしたアクロバティックな一撃は、惜しくもキーパーの正面を突いてしまったけれど、本来の能力の高さを充分に示していた。情けない顔でゴール前に立ち尽くすシーンばかりが目立った小アジアのエースが、最後の最後で見せた意地であったようにおれには思えた。妙に心に残る選手だった。
  不定期更新競馬日記(第4版) -- 2002-06-29
おれがここまでの半生で目にしたハカン・シュクルはこの大会がすべてだ。そしてそれがこういう印象だったので、「日韓W杯で活躍した」っていう枕詞に違和感があってならないのだよな。最後に言及されているブラジル戦のボレーシュートは辛うじて憶えているような気がするが、たぶんもうほとんど造られた記憶になっているので、どこかで観られるならまた観てみたい。
ともあれ、思いがけないところで懐かしい名前を目にしたので反応してみた。おれがハカン・シュクルについて何か書くのは、たぶんこれが最後だろう。