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賢押杯の参加資格について。

すごく今更だけど、思うところもあるので書いておく。


注意:このエントリは、賢押杯2016 公式blog の 2016-09-03 のエントリを読む前に書かれた。論争を蒸し返す意図はなく、ただ後半に書いた伝えたいことを伝えたいのでここに置いておく。


というわけで、本文は「続きを読む」の中に。


まず自分の立場を書いておくと、賢押杯には過去3回(2007〜2009)、賢押杯 Alt.にも1回参加していていずれも教室予選で敗退している。今回は参加資格があったが、旅行の予定と重なってしまったので参加できなかった。予定がなければ参加したかった。


正確な発端は把握していないのだけど(今回の優勝者がオフラインクイズ界で著名な実力者、かつオンラインではそれほど知られていなかったプレイヤーであったというのと関係あるのだとは思う)、話としては「賢押杯にいわゆる“クイズ屋”の人が出るのってどうなの?」みたいなことであると認識している。
賢押杯の参加資格について -- Togetter
この Togetter にまとめられている分だけを見ても、不快感や違和感を表明している人はそれなりに居たみたいだ。Twitter を「賢押」とか「賢押杯」とかで検索しても、この件に物を申している人はけっこう見つかる。


自分の意見を表明しておくと、ルールにのっとって出場した人がルールにのっとって結果を残したのであれば、それはまったく問題のない行為であると考える。そのプレイヤーに責められるべき点はひとつもない。そのうえで、もやもややひっかかりを抱いた人がいたとしたら、その批判はルールに向けられるべきであろうと思う。そしておれ個人としても、ひっかかりがないではない。


賢押杯 2016 は「オンラインクイズゲーマーのための早押しクイズナンバー1決定戦」と銘打っている。これはこの大会が他のクイズ大会ともっとも大きく違うところであって、それこそがこの大会に多くの参加者を集める要素になっている。
で、そう銘打っているんだったら、そうあろうとするべきだったんじゃないの。今回の大会は、そうはなってなかったんじゃないの。
というのが、もやもやしている人の感じていることなんじゃないかと思う。ごく大雑把に言えば。


空気とか、思いとか、コンセプトとかって、すべての人に 100% 伝えられるものじゃない。まして共有することはできない。共有できるのはルールだけだ。だからある意図をもって大会を開催して、その意図を参加者と共有しようとするなら、なんらかの形で意図をルールに落としこまなければならない。


賢押杯におけるその意図が落としこまれたルールは明白で、参加資格で「オンラインクイズゲームでの階級」が条件になっていることだ。それがほぼ唯一と言っていい。これさえ満たしていれば、オフラインでどんな実績を残していようとも出場できることになっている。具体的には以下の通りだった。引用する。


大会エントリー日までに下記いずれかの階級へ昇格しているプレイヤー
 クイズマジックアカデミー 暁の鐘:賢者初段以上
 クイズマジックアカデミー トーキョーグリモワール:賢者(Qレベル50)以上
 クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ:レベル(Lv.)70以上(ストーリーモードの進捗、段位等は問いません)
 冒険クイズキングダム:レベル(Lv.)50以上
これが賢押杯 2016 を「オンラインクイズゲーマーのための早押しクイズナンバー1決定戦」たらしめようとするに足る条件であったのか、ということが議論されるべきだ(議論する気があるのなら、だけど)。


まるっきり後出しの個人的な意見である、と前置きしてから申し上げるが、QMA に限って言えばこの条件は少し緩かったと思う。
これも個人的な感覚だが、暁の鐘で賢者まで上がったとき「もう賢者なの?」と思ったのだ。かつてはそこそこやってたとはいえ最近すっかりライトプレイヤーだった自分が、週一回5ゲームぐらいずつやって三ヶ月ぐらいで賢者になってしまった。トーキョーグリモワールもそれとおそらく大きくは変わらない。たぶん、まる三日あればゼロから始めても賢者になれるだろう。
それが「オンラインクイズゲーマーのための早押しクイズナンバー1決定戦」にふさわしいと多くの人が納得する条件であっただろうか?


とはいえ、つきつめれば、どんな大会を開こうがそれは主催者の自由だ。それに今回の条件が過去数回に比べてものすごく緩かったわけでもないと思う。結果的に有名な人が勝ってしまったためにくすぶったけれど、ある種結果論ではあって、同じ参加条件でもこうはならなかった可能性というのも結構高かったんじゃないかと個人的には考えている。

ただこの、参加資格に関しては、毎度毎度スタッフ一同頭を悩ませているんです。本当に。適当に作っているわけじゃありません。オンとオフの関係が常に変化していく中で、どこが最善のラインなのか、苦しみながら策定しているということをどうかわかって下さいな。 #賢押杯 #ken_oshi
それはそうだろうし、理解はしている、つもりでいる。上で「ひっかかりがないではない」と書いたが、本当にないではない程度だ。議論の余地はあると思うけど、非難されるようなものではないと考えている。





この段落は、主に問題ディレクターのしんほむらさん(の書いたエントリ)へ向けて。

目指したのは、「オンラインクイズゲーマーとオフライン中心のクイズプレイヤーがフラットな条件で競える問題群」でした。
オフラインのクイズというのはよく出る問題、ありがちな切り口というのがかなりなところまで定型化されています。その手のものは極力、排除しました。逆にオンラインのクイズゲーム(というかまあ、QMA)で広く知られ、オフラインのクイズではあまり出ない知識というものもありますが、そういうものもなるべく外したつもりです。
なんといっても参加していないので、問題そのものについてはなんとも言えないのだが、この志自体はよいものと思う。……という書き方だとなんだかえらそうだが、もっと単純に言えば、おれは好きです。そういう問題群で戦えるのなら、その大会に出てみたい。そう思うオンラインクイズプレーヤーって結構多いんじゃないだろうか。このことはむしろ事前にアピールしてもよかったように思う。
ただ、それが可能か、ということは別の話なのかもしれない。そして実際の問題群がその狙い通りになっていたのかどうかとなると、ほとんど神様でもないと判断できないということになってしまうのかもしれない。





もう少し書こうと考えていたこともあるのだけど、どうもうまくまとまらないしいつまで経っても書き終わらないのでこのあたりで終わりにしようと思う。


今年の準決勝・決勝の動画を見た。やはりわくわくするものがあった。自分があの場に座っていたとしても勝負にならないけれど、それでもスルーになった問題で答えを知っている問題があったりすると、ああ押してみたい、と思う。
2009 年、息子が生まれて QMA をやる時間はまったくなくなった中、1日だけ時間をもらって賢押杯に参加した。はじめて5○3×まで進めて、でもトンコロを喰らった。いい思い出が作れたがきっともうこの大会に出る機会はあるまいと思った。ところが昨年息子が6歳になり、少しは時間が取れるようになってみると、QMA はまだ稼動していて、賢押杯も続いている。それってけっこう、いやかなりすごいことだ。


機会があるなら、また参加してみたい。
あれほどの規模の大会を開催するのがいかに大変なことか、本当にはわかりようもないが、ある程度は想像できる。だからまた開いてくれというのは図々しいと承知している。
それでも、次の大会が開かれるなら、嬉しいとおもう。