黄昏通信社跡地処分推進室

黄昏通信社の跡地処分を推進しています

NFL 2016 -- Week 1

さあ、開幕!!





の前に、今季からの変更点:

  • タッチバックの時の再開スポットが 25 ヤードになった。これによって、エンドゾーンからリターンするインセンティヴはさらに薄れたが、他方でキックオフを蹴る側にはエンドゾーンの手前に落とすことに意味が出てきた。変更にはキックオフリターン(およびそれに伴う事故)を減らす意図があると思われるが、そういうわけなのでリターンが減るかどうかはなんとも言えない。
  • 同一プレイヤーが一試合中に二回アンスポーツマンライクコンダクトを取られると自動的に退場処分となることになった。トーンティングとかも該当するらしいので、ジェイ・カトラーさんあたりはお気をつけください。

Carolina Panthers (0-1) @ Denver Broncos (1-0)

昨季のスーパーボウルの再戦となったこのカード。開幕週に前期のスーパーボウルと同じカードが組まれるのは四十何年ぶり二回目だとかで、かなり珍しいことらしい。試合前にはブロンコスが過去のスーパーボウルを記念するセレモニーを行っていて、各回の MVP がトロフィーを持って登場するという演出をしていたのだが、今回の分はヴォン・ミラー……が試合直前なのでペイトン・マニングが持ってきていた。これはなかなかよかった。
このカードではブロンコスの新 QB トレヴァー・シーミアンがどこまでやれるかが注目された。なんといってもまだ2年目で昨季の出場は1スナップだけ(それもニーダウン)。それが先発争いでマーク・サンチェスをしのぎ、ルーキーパクストン・リンチを抑えて、ペイトン・マニングの直接の後継者として開幕戦のフィールドに立った。二年目にしてはばたばたするところもなく落ち着いたプレイぶりで、しかしまだまだ判断には甘いところがあり、1Q には敵陣深くでの 3rd&19 からパスを投じてインターセプトを喫し、3Q にはプレッシャーを受けながら無理に投じた高いボールが体重が乗らずショートして難なくインターセプトされてしまった。それを含めて 18/26-178yds-1TD-2INT とまあ凡庸なスタッツだったが、セレモニーのあと放送席で解説を務めたペイトン・マニング氏によるとルーキーにしてはいいんじゃないのとのことで、確かに実際こんなものではあろう。
試合は前半パンサーズが2年ぶりの出場となるケルヴィン・ベンジャミンの活躍と、例によってニュートンタッチダウンラン、それと終了間際のしぶとい FG で 17-7 とリードして折り返したが、後半はブロンコスペースでシーミアンのパスとアンダーソンのランでタッチダウンを2本あげて逆転する。最後は 20-21 からパンサーズのラストドライブ、残り9秒のタイムアウトなしで 50 ヤードの FG アテンプト。ガノーが蹴ったボールは右のポールのちょっと内側を通る……が、ブロンコスはセオリー通りタイムアウトをコールしていて蹴り直し。まあ蹴り直させるの大して意味ないんだよな、と思いながら見ていたが、二本目のキックは左ポールの左側に大きく切れていった。

  • パンサーズのキックオフで1回 15 ヤード罰退で 20 ヤード地点から蹴ったときがあったんだけど、普通にタッチバックになっててたまげた・アット・マイルハイ。あんなに飛ぶもんかね。
  • この試合はジータスで見ていたのだけど、最後の FG の場面で解説者が「もう一度タイムアウト取りますかね」みたいなことを言っていた。NFL って一度タイムアウトとったら同じチームが続けて取ることはできなかったと思うんだけど、どうだったかな。
  • 後日 NHK-BS でも観たんだけど、そっちでは途中にペイトン・マニングの引退会見の映像が入っていた。全文ではなかったと思うが日本語字幕つき。笑顔はあったものの終始涙声で、しかしユーモアを交え、実にぐっと来るスピーチであった。はっきり言ってあんまりいい声ではないし聞き取りやすいしゃべり方でもないのだけど、これはほんと来るものがあったな。「自分より才能のある選手はいたが、自分より試合に備えた選手はいない。だから悔いはない。」という言葉が一番心に残った。



最終スコア:CAR 20-21 DEN

New England Patriots (1-0) @ Arizona Cardinals (0-1)

ペイトリオッツはブレイディが例のデフレートゲートで4試合の出場停止。完全に今更感しかなく、なんで昨季の時点で処分を下せていなかったかなとは思わざるを得ない。これはコミッショナーがクソ(ぶったぎってみました)。ともあれ先発はバックアップのジミー・ガロポロが務めることになった。こんな時のためのバックアップではあるし、今回はブレイディが早々と非を認めて出場停止を受け容れたので、ペイトリオッツにしてみればガロポロで準備できる時間は充分あった。
そのガロポロは最初のドライブで得点をあげる。エデルマンエデルマンでドライブを進めると、敵陣 37 ヤードから左奥のホーガンへパス。ホーガンは CB を完全に抜いていて、あっさりタッチダウンとなった。さらに FG を加えて 10-0 とリードを広げる。
カーディナルズは 2Q に入ってから、ガロポロをサックしてボールを奪う。デイヴィッド・ジョンソンのランをごりごり出して攻め込み、最後は3ヤード地点から右から左へモーションしたフィッツジェラルドにあっさりパスを通してタッチダウン。10-7 で前半を折り返す。


後半もペイトリオッツは最初のドライブで得点をあげる勝ちパターン。とにかく前後半とも最初のドライブが強いんだよね。ここは二度の 3rd ダウンをスクランブルとミッチェルへのパスで切り抜けて、最後はブラウントが中央をぶち抜いて8ヤード走ってタッチダウンまで持っていった。
カーディナルズも負けてはいない。ブラウントのファンブルによって敵陣で得た攻撃権をきっちりタッチダウンにつなげて 17-14 の3点差に詰め寄ると、返しのペイトリオッツの攻撃を FG に抑えて、その次のドライブではパーマーが左奥に走りこんだフィッツジェラルドにしっかり浮かせたパスを決めて 20-21 ととうとう逆転した。
返しのドライブ、ペイトリオッツは 3rd ダウンをつぎつぎに更新して攻め入っていく。特に 3rd&11 からのブラウントのランは見事で、距離を詰めればフィールドゴール圏内に入れるだろうという腹はあったのだろうが、意表をつくコールだった。しかし結局あと 14 ヤードが攻め切れず、FG で辛うじて逆転するにとどまった。
カーディナルズは 3:44 から最後のドライブ。ここは短いパスで細かく刻んでいく。思惑通り時間を使いながら進んでいき、敵陣に入ってから 3rd&23 と詰まってしまったもののパーマーがジョン・ブラウンへ 15 ヤードのパスを通して、29 ヤード地点まで前進したところであとはキッカーに賭ける。47 ヤードのアテンプトで、決して難しい距離ではなかったが、……ボールは大きく左に切れていった。


最終スコア:NE 24-22 ARI
スティーラーズ レッドスキンズ 08:10 09/13(火) 08:00 日テレG+ LIVE

Pittsburgh Steelers (1-0) @ Washington Redskins (0-1)

マンデーナイト、その1。
前半はとにかくレッドスキンズにツキがなかった。FG で先制し、返しのドライブでロスリスバーガーからインターセプトを奪ったまではよかったものの、それで得た攻撃権も FG どまり。その次のスティーラーズのドライブの1プレイ目、ロスリスバーガーにサックを浴びせてファンブルさせる。これをリカバーしたかに見えたのだが、さらにそのボールをファンブルして奪い返されてしまう。続きのドライブでアントニオ・ブラウンがボールを取ったところに CB ノーマンが手を伸ばしてファンブルさせ、LB コンプトンがリカバー。今度こそターンオーバーか、と思いきやパスインコンプリートと判定される。チャレンジするも覆らず、最後は 29 ヤード地点での 4th&1 からロスリスバーガーが左奥にロングパスを投じると、ボールは CB ブリーランドの手の間をすり抜けてブラウンの胸元に収まってタッチダウン
返しのレッドスキンズの攻撃、敵陣までいい感じで攻め込んだもののホールディングとフォルススタートで 1st&25 としてしまい、これを 4th ダウンまでプレイするが数インチ届かず、攻撃権を失ってしまう。
スティーラーズは前半最後にもう一本、RB ディアンジェロ・ウィリアムズのランをごりごり出してゆっくりドライブを進め、4th&1 もロジャーズへのパスで軽々更新。最後は3ヤード地点からロスリスバーガーが投じたパスが14番の手に収まらず跳ね返ってしまうが、なんとその先に WR イーライ・ロジャーズがいてボールをキャッチ、タッチダウンとなった。14-6 で折り返し。


後半最初のドライブもスティーラーズは FG までたどり着いて 17-6。返しのドライブ、レッドスキンズはクラウダーがファンブルしたボールをガーソーンが拾い上げてことなきを得る幸運があったものの、その次のプレイでカズンズが投じたボールが LB シェイジアーの手にすっぽり収まるインターセプト。返しでロスリスバーガーがブラウンへのデリバリーばっちりのタッチダウンパスを決めて、24-6 とリードを広げた。
レッドスキンズはここからようやく反撃。FG をもう一本決めて 24-9 とすると、返しのスティーラーズの攻撃をスリーアンドアウトにしとめ、その次の攻撃ではノーハドルで長短のパスを絡めてどんどん攻め込む。最後はトンプソンの1ヤードのタッチダウンランで、24-16 の1ポゼッション差に詰め寄った。
しかし反撃はここまで。スティーラーズが次のドライブを巧みに伸ばすと、最後はウィリアムズが左サイドを駆け抜けてタッチダウン。残り6分弱で 15 点差として試合を決めた。最後レッドスキンズが悪あがきのギャンブルに失敗して傷口を広げたが、実質的にはここで終わっていた。点差ほどの力の差はなかったと思うけど、レッドスキンズの前半のツキのなさが試合の行方を決めてしまった印象だった。

  • レッドスキンズはアントニオ・ブラウンに執拗にブリーランドをマッチアップさせてたんだけどなんだったんだろう。やられまくっていたしおたがいそれはわかっていたはずだが。



最終スコア:PIT 38-16 WAS

Los Angels Rams (0-1) @ San Francisco 49ers (1-0)

すいません、この項の見出しうっかり「St.Louis」って書いてましたが、今年 22 年ぶりにロサンゼルスに戻ったラムズ。西海岸のライバルフォーティナイナーズとのマッチアップでマンデーナイトにアサインされたが、結果は悲惨だった。なんとまさかの完封負け。
ドラフト全体1位のゴフは出さず、ケイス(・キーナム)が初の開幕週先発を任されたが、これがレシーバーと合わない、コントロールが微妙、インターセプトは喰らう、とひどい有様で、数字で言えば 17/35-130yds-0TD-2INT。いや5割切るとゲームにならんよね。走るほうもガーリーが 17att-47yds と抑え込まれてオフェンスが形にならなかった。昨季を見た限りではここまでひどいチームではないはずで、悲観するには早いと思う。
フォーティナイナーズの先発 QB はなんとブレイン・ギャバート。いやまあ昨季後半は出てたんだしなんとってほどでもないけども、しかしこの男もこれまでの実績を考えれば先発をつかむ才能にはなかなか長けていると言えるだろう(婉曲表現)。スタッツから言うと 22/35-170yds-1TD-0INT でまあまあ、というところながら積極的なスクランブルが目について、走る方は 9att-43yds。3rd ダウンから走ってファーストダウンを奪う場面も散見され、まあ大して足が速そうにも見えなかったけれどもいやらしいことやってくんなという印象は充分与えたと思う。
いやらしいことと言えばギャンブルを前半に2回やっていて、1回目は敵陣 34 ヤード、ギャバートがスクランブルに出てファーストダウンに1ヤード弱足りなかった場面、すぐにセットして右のトーリー・スミスにスイングパスを投じてランアフターキャッチを狙うプレイ。これはボールがやや低くてスミスが捕ってから走れずギャンブル失敗だったが、2回目は敵陣 39 ヤードからの 4th&6、ふっつーにプレイして左奥のカーリーへ 18 ヤードのパスを通す。いずれの場面も「こんな距離からパント蹴ってタッチバックになってもあほらしいし」と考えるとそうおかしな選択でもなく、ただケリーが速いテンポで仕掛けてくると守る方はちょっといろいろ考えちゃうだろうなーなんて思ったりした。
ともあれ、ラムズの悲惨さとは対照的にフォーティナイナーズはいい滑り出しとなった。ギャバートでどうすんだよ……とか思ってたが、案外やれるかも知れんという手応えも含めて、楽しみなシーズンになった。


最終スコア:LA 0-28 SF

Other Games

GB(1-0) 27-23 JAX(0-1):これはジャグァーズ頑張ったんじゃないの。最後も敵陣 14 ヤードで 4th&1 からギャンブル、コールはハーンズへのバブルスクリーンだったが1ヤードが取り切れず。タッチダウンなら逆転勝ちまで行ったのだから胸を張っていい。今年こそは楽しみ、かも。
SD(0-1) 27-[OT]-33 KC(1-0):あがー。チャージャーズこれはひどい負け方。後半途中までは 24-3 だったというのだから……。同地区相手の(シーズンをまたいでの)連敗は9まで伸びた。キーナン・アレンも“深刻な”膝の怪我を負ったとのこと。ため息ばかり。
BUF(0-1) 7-13 BAL(1-0):レイヴンズが渋ーく勝ち。もう少し点取りたい感じだけどまあ勝てばいいのか。フラッコは復帰戦を勝利で飾った。ビルズは六年契約を勝ち取ったことでおなじみのタイロッド・テイラーが 111 ヤードどまりで、ランもマッコイの 16att-58yds が最高だった。これでは勝てまい。
MIN(1-0) 25-16 TEN(0-1):はいヴァイキングズ(なぜか)勝ちー。先発はショーン・ヒルだったそうで、サム・ブラッドフォード獲得とはなんだったのか。とはいえリターンタッチダウンが二本あったので、まあついていたというところではあるか。ピーターソンが 19att-31yds と完璧に抑え込まれたことも含めて負けパターンではあった。拾った一勝。逆にタイタンズはこれを落とすようでは今年も苦しそう。
CIN(1-0) 23-22 NYJ(0-1)ベンガルズがかろうじて逆転勝ち。ドルトンが 366 ヤード投げて、そのうち約半分の 180 ヤードを A.J.グリーンが捕っている。ここまで極端なスタッツも最近はあんまりなかったような気がしたけど。ジェッツは守備陣がドルトンに実に7サックも浴びせながら、オフェンスでは PAT を一本と 22 ヤードの FG を一本外していて、最後の最後にそれがたたった。
CHI(0-1) 14-23 HOU(1-0):オズワイラー、テキサンズでのデビュー戦を飾る。スタッツは 22/35-231yds-2TD-1INT なのでまあまあかねえ。ベアーズは前半 14 点取ったが後半完封された。
OAK(1-0) 35-34 NO(0-1):レイダーズ、なんと残り 47 秒のコンヴァージョンで2ポイント決めて勝ち。カレッジかっ。しかしいいチームになってきているよな。セインツは最後その 47 秒で 61 ヤードの FG を蹴るところまで持ち込んだが、ルーキー K ルッツのキックは惜しくも左に外れたとのこと。ブリーズは 28/42-423yds-4TD-0INT とすさまじい数字。
CLE(0-1) 10-29 PHI(1-0):RG3 ことロバート・グリフィン三世、第二のキャリア緒戦。あー、うん、そうだよね。なかなかそんなにうまい話はない。悪いことに 4Q にボールを持ってサイドラインに出ようとしたところでタックルを受け、左肩を骨折して IR 入りとなった。復帰は早ければ 11 月上旬とのこと。ブラウンズのシーズンは事実上終わってしまったことになる。イーグルズはブラッドフォードを放出し、ドラフト全体二位のルーキー QB カーソン・ウェンツが先発したが 22/37-278yds-2TD-0INT という堂々たる数字で勝ち。
TB(1-0) 31-24 ATL(0-1)バッカニアーズはジェイミス・蟹・ウィンストンがタッチダウン4本決めて勝ち。昨季も後半はかなりよかったので、乗っていけるとおもしろいかも知れない。ファルコンズは RB ふたりで 19att-42yds と地上戦で苦しんだようで、それで 24 点取れたのなら悪くはないかな。
MIA(0-1) 10-12 SEA(1-0)シーホークスがしぶとく逆転勝ち。さすがの勝負強さと見るか、これしか点が取れなかったと見るか。最後は PAT をブロックされたため 12 点だった模様。ドルフィンズエンドゾーン内でのスティルズのドロップ、3ヤード地点まで攻め入ってからの FG ブロック、と取れる点を逃したことが最後に響いた。
NYG(1-0) 20-19 DAL(0-1):同地区のライヴァル対決は競り合いになったがジャイアンツがぎりぎりしのいで勝ち。マニングはタッチダウンパス3本決めてインターセプト1本。カウボーイズはロモの怪我でルーキープレスコットが先発、RB もルーキーでこれはおよそ 50 年ぶりとのこと。
DET(1-0) 39-35 IND(0-1):ライオンズが得意の空中戦に持ち込んで勝ち。メガトロンがとうとうやめちゃったわけだが最初の試合はなんとかした。コルツもこういう撃ち合いわりと得意な印象があるが、調子のいいスタどんには敵わないというところか。
(ひとまず更新終わり:09-18)