- 作者: 小林泰三
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2016/06/02
- メディア: 単行本
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第二部はその健忘が所与のものとなった世界が舞台となる。人類は長期記憶を外付けのメモリに頼るようになった。そのような世界で起きるかも知れない話を、連作短編の形式で描く。こちらはちょっと強引な設定もあるのだけど(メモリの抜き挿しまわりについてはもう少しもっともらしい説明が欲しかった気がする)、面白い話もいくつかあった。短期記憶と長期記憶の関係、記憶と人格の関係、というのはまだまだわからないことばかりなので、その辺りで大胆に空想の翼をはばたかせる、というのは好もしく思えた。
ところで「全人類の記憶が」というシチュエイションは何かで見たことあるなと思ったら菊池秀行の『風の名はアムネジア』だった。こっちは記憶喪失なのだが、大胆な設定で中々面白かったと記憶している。このブログでも感想を書いた気でいたが今検索したら見つからなかった。もしかすると cgiboy の頃書いたのかも知れない。