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NFL 2016 -- Week 2

今週はジータス、NHK-BS ともに二試合ずつでしかも一試合かぶりなので三試合しかない。まあこれぐらいの方が人間的な生活できるような気もするけど。

New Orleans Saints (0-2) @ New York Giants (2-0)

直近4試合の対戦ですべて勝った方が 48 点以上取っているという異常なカード。昨季は 49-52 という壮絶な殴り合いの末セインツが勝っている。
ところが、それを意識したわけでもないだろうけど、試合は静かな滑り出し。どちらもランとショートパスを中心にコツコツ攻め、守る方もきっちり守り、パントの応酬になる。どちらかといえばジャイアンツが押し気味で、一度はゴール前2ヤードまで攻め入ったがギャンブル失敗で無得点。2Q にはヴィクター・クルーズへの短いパスが通り、ランアフターキャッチで敵陣 15 ヤード付近まで行ったが、ルーキー CB \にパンチングを受けてファンブルロストしてしまう。
セインツがチャンスをつかんだのは 2Q 後半。ジャイアンツ陣内でイーライ・マニングに2プレイ連続でサックを浴びせ、その2サック目でファンブルしたボールを奪い取り絶好の得点機を得る。ところがこれを攻め切れず、しかたなく蹴った FG がなんとブロックされ、転がったボールを拾われてそのままリターンタッチダウンされてしまう。思いがけない形でジャイアンツが先制した。その後セインツが FG を1本返して 3-7 で折り返し。


後半両チームとも少し攻撃に力を入れ始めるが、主にジャイアンツは詰めが甘く、セインツは相手の守りが崩せず点が入らない。ジャイアンツは後半初めて FG 圏に攻め入ったが 53 ヤードの FG を失敗。次のドライブであらためて FG を決め、やっと追加点をあげた。
セインツは 3Q 終盤から始まったドライブがようやく敵陣に届くと、ブリーズが中央のウィリー・スニードに矢のようなパスを決めてこの試合オフェンスでは初めてのタッチダウン。10-10 の同点に追いついた。
その後おたがい FG を一本ずつ決めあって 13-13 から残り3分弱、ジャイアンツは自陣 25 ヤード地点からドライブを開始。短いパスがよく決まりファーストダウンを更新しながらセインツ陣に入ると、セインツはたまらずタイムアウトをコール。しかし2回続けてコールしてからファーストダウンを更新されて無駄になってしまい、それでも 3rd ダウンまで追い込んだものの、マニングが右奥へ投じたパスをクルーズがディフェンスの手からもぎとるようにキャッチしてゴール前1ヤードへ。セインツは最後のタイムアウトをコールするが残り時間は 1:30 しかなく、ジャイアンツは冷静にニーダウン2回から FG を決めて勝利した。
おたがいハイスコアゲームを嫌っての前半慎重な入りが、そのまま試合の流れを決めてしまったゲームだった。しかし守備ではジャイアンツに明らかに分があり、守り合いになればセインツはきびしかった。それにしても、何年もタックルが甘いというのはどういう状況なのだろう。ともあれジャイアンツは新 HC のもとで好スタートを切り、一方セインツはなにか行き詰まっている印象を受ける。そしてその行き詰まりの感じはここ何年か続いているのに、それがなぜなのかすらよくわからないという感じがするのだ。


最終スコア:NO 13-16 NYG

Green Bay Packers (1-1) @ Minnesota Vikings (2-0)

NFC 北のライバル対決。昨季もこの2チームが最終週まで地区優勝を争った。
ヴァイキングズはこの試合から満を持してブラッドフォードが先発するが、序盤はパッカーズのペース。最初のドライブで自陣でファンブルロストがあるも、拾われたボールをもう一回ファンブルさせて事なきを得る。続くヴァイキングズのドライブをパントに追い込むと、そのパントもブロック。ミッドフィールド付近からの攻撃権を得て、相手のパスインターフィアランスを誘って一気にゴール前に攻め込むと、最後はロジャーズがお手本のようなプレイアクションからネルソンへタッチダウンパスを決めた。
2Q に入った辺りからヴァイキングズにリズムが出始める。ブラッドフォードがポケットで我慢できるようになると、さすがにパスが通り始める。いいフィールドポジションからの攻撃でありながら途中はギャンブルする羽目になったが、ディグズへの短いパスで見事にそれをクリアすると、最後は右奥へ走り込むルドルフへブラッドフォードが技ありのパスを決めて 7-7 と追いついた。その後ヴァイキングズが FG を追加して、7-10 と逆転して折り返す。


後半最初に得点をあげたのはヴァイキングズ。パッカーズが 4th&1 からのギャンブルをレイシーのランで取りきれず、そこで得た攻撃権で攻めあがる。ブラッドフォードがステフォン・ディグズにミドルパスを通すと、ランアフターキャッチで一気に敵陣へ。最後ももう一度ディグズへロングパス、これが正確にディフェンスバックの頭越しに後ろに落ちて、タッチダウンとなった。7-17。
パッカーズももちろん黙ってはいない。レイシーのランと短いパスで刻んで攻めたかと思うと、3rd ダウンロングからエンドゾーン手前のダブルカバーされているネルソンへロングパス! これが通って4ヤード地点まで進むと、自ら走ってタッチダウンを奪い 14-17 と追い上げる。
そしてさらに残り4分、パッカーズは自陣9ヤード地点からのドライブをじりじり進める。短いパスと自らのランの組み合わせで敵陣の手前まで攻め込み、3rd&14 の状況、これを更新できれば少なくとも FG までは行けるだろうというところだったが、ロジャーズがアダムズへ投じたパスをヴァイキングズの二年目 CB ウェインズがもぎとって、値千金のインターセプトとなった。ウェインズはこの試合抜かれたり二回反則をとられたりとあまりいいところがなかったが、最後の最後で大仕事をした。


なんといってもヴァイキングズのディフェンスが素晴らしかった。ロジャーズは何度も投げあぐねて右往左往し、5回のサックを浴びて、3回ファンブルした。ブラッドフォードもよかったのだけどよく考えてみると 17 点であり、普通はこれだと勝つにはちょっと足りない。 22/31-286yds-2TD-0INT というスタッツ自体はよく、これぐらいやってくれれば来年のドラ1を投げ出した甲斐はあったか。ただランは全く出ず、ピーターソンは 12att-19yds とひどいスタッツに終わった上に、3Q 途中で右膝の半月板を損傷してフィールドを去った。プレイオフに間に合うかどうかという怪我らしい。年齢も年齢だけにさすがにもう多くを望むのは酷かも知れない。ヴァイキングズはブロンコスからカットされたばかりのロニー・ヒルマンと契約したとのこと。


最終スコア:GB 14-17 MIN

Philadelphia Eagles (2-0) @ Chicago Bears (0-2)

マンデーナイトフットボール
イーグルズは前週衝撃のデビュー(てほどではないが)を飾ったカーソン・ウェンツがもちろん今日も先発。前半はベアーズディフェンスに苦しんで、タッチダウンは奪えず。ただ、6-7 のツーミニッツから相手のエンドゾーン近くからのパントで得たいいフィールドポジションを、タイムアウトなしで FG まで持っていったのはなかなかいい仕事だった。
一方のジェイ・カトラーも再三プレッシャーを受けながら(このチームはここ数年おおむね OL がだめだ)奮闘。後ろ足に重心が乗りながら 49 ヤードのパスをジェフリーに決めるなどロケットアームは健在で、そのドライブはラングフォードが前半両チームを通じて唯一のタッチダウンで締めくくった。9-7 で前半終了。
後半になるとイーグルズがペースをつかむ。ようやくタッチダウンを1本あげて 16-7 とリードを広げると、カトラーをサックしてファンブルさせ、さらに次のベアーズのドライブではインターセプトを奪い取る。ここでベアーズはカトラーが右手を故障してしまいサイドラインに下がると、この試合では二度と投げなかった。リリーフは元オハイオの救世主、ブライアン・ホイヤー。しかしホイヤーに代わってまもなく、今度はラングフォードが普通のランプレイでファンブルしてボールを失ってしまう。
そうこうしているうちにイーグルズがタッチダウンをもう2本追加して実質的には試合終了。最後ベアーズがパントリターンタッチダウンで 29-14 と格好だけはつけたが、点差以上の完敗だった。イーグルズはウェンツが 21/34-190yds-1TD-0INT と無難な数字で試合を作った。ルーキー QB が開幕から二試合連続インターセプト無しで二連勝というのは NFL 初なのだそうな。イーグルズは HC も代わり、ルーキー QB も出てきて、なかなか面白いシーズンになるかも知れない。
ちなみにホイヤーは 9/12-78yds-0TD-0INT。バックアップとしては上出来だろう。相変わらず強引なパスが多くて、見ててはらはらした。


最終スコア:PHI 29-14 CHI

Other Games

NYJ(1-1) 37-31 BUF(0-2):サーズデイナイトはおれたちのジェッツの勝利。昨季スイープされて、最終週にはプレイオフから引きずり落とされた恨みをここで晴らした。遅いっつーの。フィッツパトリックが 24/34-374yds-1TD-0INT、走ってはフォーテイが 30att-100yds-3TD とよく働いてビルズディフェンスを突き崩した。ビルズもタイロッド・六年契約・テイラーが 18/30-297yds-3TD-1INT とがんばったものの、さすがにこれだけ点を取られては勝てません。
BAL(2-0) 25-20 CLE(0-2):レイヴンズが 0-20 から逆転勝ち。フラッコのスタッツが 25/45-2INT とかなのでパス投げまくって強引に追いついたという感じか。1Q に 20 点失いながらあと無失点だったディフェンスをほめるべきかもしれない。クリーヴランドはジョシュ・マカウンが先発、1Q はよかったが尻つぼみ。まあマカウンにあんまり期待してもしょうがないわけで、これがこのチームの今の力なのだろう。

  • 最後のドライブで敵陣 10 ヤードまで迫るパスをプライアーがレシーヴしながらトーンティングでヌリファイというプレイがあったそうで、「あほー」としかいいようがない。WR にコンヴァートされてまで頑張ってるんだからさー、そういうのはやめようぜ、ほんと。

MIA(0-2) 24-31 NE(2-0)ペイトリオッツが順当に勝ち、はいいんだけど、ガロポロは 2Q でフィールドを去った。AC joint の sprain、his throwing shoulder、ということなので右肩の捻挫ということになるだろうか。そこまでで既に3タッチダウンと素晴らしい内容だったらしいので率直に惜しまれる。後を継いだのは三巡目ルーキーのジェイコビー・ブリセットで(emergency quarterback にはジュリアン・エデルマンが入ったらしい。おもろい)、6/9-92yds-0TD-0INT という数字だったものの、後半は相手陣 32 ヤード地点のファンブルロストから得た攻撃をタッチダウンにつなげた7点しか取れなかった。ドルフィンズは後半猛追したものの及ばず。タネヒルインターセプト2本に加えて RB 陣もファンブルロストが2回あったので、まあ自滅かねえ。
CIN(1-1) 16-24 PIT(2-0):今季の AFC 北地区を占うカードはスティーラーズが地元で先勝。1月のプレイオフが遺恨の残る展開になっただけに注目されたが、どうやらおとなしい試合だった模様。スティーラーズロスリスバーガーインターセプト2本喰らいながらも、ディアンジェロ・ウィリアムズが今週も元気に 94 ヤード走って払拭。ベンガルズは地上戦がさっぱりでパスに偏りすぎ、一度もリードできなかった。
DAL(1-1) 27-23 WAS(0-2)カウボーイズ今季の初勝利は同地区のレッドスキンズが相手。ちなみにロモ抜きだと直近 16 試合で 2-14 なんだそうです。名実共にロモ様のチームというわけですな(当たり前だ)。まあウィーデンとかをバックアップにしてるのが(略)。でその2勝は両方レッドスキンズ相手らしい。4Q に逆転タッチダウンを決めたのは RB アルフレッド・モリスで、昨年まではレッドスキンズにいたというのもまた NFL らしい因縁かな。レッドスキンズはカズンズが 28/46-364yds と投げまくったものの、4Q にエンドゾーンインターセプトを喫し、返しのドライブで逆転された。
KC(1-1) 12-19 HOU(2-0):両チーム合わせてタッチダウンは1本だけ。チーフスは FG 4本に終わった。オズワイラーはインターセプト2本喰らったが致命傷にはならず。
TEN(1-1) 16-15 DET(1-1):うお、これライオンズ負けたのか。これ勝ったら波に乗るかと思ったけど、そううまくはいかないね。タイタンズは 4Q 始まるまで 3-15 だったが、4Q にタッチダウンを二本あげて逆転勝ち。やるじゃん、マリオタ。
SF(1-1) 27-46 CAR(1-1):両チームあわせてターンオーバー7本の大乱戦。4Q なんて7回も点が入っててもうめちゃくちゃ。フォーティナイナーズは 27 点取ったのは上出来だが、46 点取られてはどうにもならない。パンサーズもたいがいひどい内容だったが、相手がもっとひどくて助かった。
TB(1-1) 7-40 ARI(1-1):ウィンストン、Week 1 の NFC 最優秀選手だったらしいが、今週は悲惨。27/52-243yds-1TD-4INT ではどうしようもない。カーディナルズも容赦なく得点を重ねて惨殺。
SEA(1-1) 3-9 LA(1-1)ロサンゼルス・ラムズ、新本拠地(出戻りだけど)緒戦で見事な勝利! 野球みたいな点数だけど勝ちは勝ちだからよかったですね。両チームタッチダウンもないがインターセプトもなく、ファンブルロストは最後のシーホークスの1本だけ。守りが堅かったのか攻めがまずかったのか、スタッツだけではわからない。ウィルソンは前週足を捻挫しているとのこと。
IND(0-2) 20-34 DEN(2-0)ブロンコス、34 点取ってるけどリターンタッチダウンがふたつなのでオフェンスでは 20 点。シーミアンも 22/33-266yds-0TD-1INT なのでまあまあかちょっと下ぐらい。それでも守りが堅いのは正義としか言いようがない。ラックを 21/40-197yds に抑え、20 点しか与えなかった。コルツはターンオーバー2本が 14 点にされてしまったのはちょっと不運だったか。
JAX(0-2) 14-38 SD(1-1)チャージャーズが圧勝。いやー、これ負けてたらずるずる行くところだったから勝ってよかった。リヴァーズはタッチダウンパス4本決める絶好調。RB メルヴィン・ゴードンも 24att-102yds と走りまくった。しかし今週はウッドヘッドが ACL をやってシーズンアウト、観客動員はホーム開幕戦なのに 52,000/72,000、と暗い材料には事欠かないのだった。お祓いとかすべきだとおもう。ジャグァーズは先週とうって変わってボートルズが不振、前半にインターセプト2本とファンブルロスト1本を献上してことごとく得点につなげられた。うーん。
ATL(1-1) 35-28 OAK(1-1):これファルコンズ勝ちきるのね。感心感心。やはり弱いチームではないなあ。観てて楽しいオフェンスをするチームでもあるとも思う。しかしカーも 34/45-299yds-3TD-0INT と堂々たるスタッツで、全然悲観することはない。まあ二試合合計で 69 失点のディフェンスは普通にやばい気もするけど。
(更新終了:2016-09-27)