黄昏通信社跡地処分推進室

黄昏通信社の跡地処分を推進しています

NFL 2016 -- Week 12

今週は感謝祭週なので bye は無しです。つまり我々は今週もブラウンズの連敗が伸びるのを観ることが許されているわけです。


それはそれとして、今週は諸般の事情により観た試合についても記述が簡素になることが予想されます。諸般の事情っていうか、デッキ組んでるだけなんですけど。

Cincinatti Bengals (3-7-1) @ Baltimore Ravens (6-5)

AFC 北の同地区対決はレイヴンズが押し切る。
実は喪失ヤードではリーグ1位(最小)のレイヴンズ。普通守備が強いチームは勝つものだがそんなに勝ってないあたりオフェンスがお察し、ではある。この日もタッチダウンはオープニングドライブの一本だけだった。この状況で勝利に大きく貢献したのがジャスティン・タッカー。キッカー受難の年と言ってもいい今季において唯一開幕からの成功率 100% を守り続けている化け物で、この日は前半に 52, 57, 54 と 50 ヤード超えの FG を決めまくった。57 ヤードのキックでも飛距離に余裕があり、ちょっとどうなってるんだという感じである。これまで平均よりはいいぐらいの印象しかなかったので、今季の活躍は驚きだ。
ベンガルズは A.J. グリーンとバーナードを怪我で失い、ただでさえ苦しんでいるオフェンスが余計に決め手を欠いた。前半はゴール前4ヤードでのファーストダウンまで取りながら FG 止まりだったドライブが唯一の得点で、後半もタッチダウンと FG ひとつずつで 10 点どまり。最後は敵陣 16 ヤードとレッドゾーンでのファーストダウンをもらいながら、3rd&10 でドルトンがサックされてファンブルロスト。
この後 1:05 残っていてベンガルズタイムアウトが2回あったため、計算上は少し時間が残りそうだったが、レイヴンズはこれを使い切った。4th ダウンで残り 11 秒、スナップを受けたパンターサム・クックがボールを持って自陣のエンドゾーンまで後ろ向きに走る。そして残りの選手は全員対面のディフェンスをがっちり掴んで動きを封じる。クロックが0になったところで、クックはエンドゾーンから外に出る。もちろんホールディングを取られ、セイフティの2点も献上するが、オフェンスの反則では時間の延長はない。
ベンガルズはこの負けでプレイオフ進出は限りなく難しくなった。
レイヴンズはスティーラーズと星が並んでいる。おそらくこのペースではワイルドカードは難しいだろうから、あとはスティーラーズより上に行けるかどうかだけだ。


最終スコア:CIN 15-19 BAL

Seattle Seahawks (7-3-1) @ Tampa Bay Buccaneers (6-5)

なんとバッカニアーズの完勝。これは番狂わせと言ってよかろう。1Q にタッチダウンを二本奪って、それを守り切って勝った。シーホークスはパント7本と攻めが続かず、数少ない敵陣深くまで入った二回のドライブでいずれもウィルソンがインターセプトを喫して得点できなかった。2Q にセイフティと FG で5点取ったのが得点の全てだった。
まあでもこんなこともある、で片付けてしまってよさそうではある。ウィルソンはラン8回で 80 ヤードとラッシングリーダーになっていて、やはり足はだいぶよくなっているのだろう。
バッカニアーズはどうもつかみどころがないが、結果的にシーホークスを5点に抑えたのならそれはほむべきだろう。


最終スコア:SEA 5-14 TB

Kansas City Chiefs (8-3) @ Denver Broncos (7-4)

AFC 西の同地区対決。これは熱かった。
先制したのはチーフスで、ジャスティン・ヒューストンのラッシュがエンドゾーン内のシーミアンに炸裂、セイフティで最初の得点を奪う。で、その後のブロンコスのキックオフで KR ヒルがリターンタッチダウン! オフェンスにカウントされないこの9点が果てしなく大きかった。
ブロンコスタッチダウンと FG で 9-10 と逆転するが、このあとチーフスが FG を狙ったときにスペシャルチームが左側に7人並ぶという凡ミスを犯してしまう。これでファーストダウンとなってドライブが続いてしまい、チーフスはタッチダウンまで辿り着いて 16-10 とした。
4Q に入ってから、シーミアンはまずサンダースに 35 ヤードのタッチダウンパスを通して 16-17 と逆転すると、ファウラーへ今日唯一のパスを決める。これは自陣での短いループパスだったのだけど、CB ゲインズが振り向いた瞬間にボールを見失って抜かれてしまう。ファウラーはこのまま 76 ヤード走りぬいてタッチダウン。チーフスはこの直前にタイムアウトを使い切っていて、残り3分で8点を追う形になる。
しかし流石ヴェテランアレックス・スミス、三分あれば充分だとばかりに次々に短いパスを決めて前進、敵陣 14 ヤードで 1st ダウンを得る。このあとパスを3本たてつづけに失敗して、4th&10 で残り 19 秒。ここでのプレイコールが素晴らしく、左サイドライン沿いのヒルにパスを通して 1st ダウンを取ってアウトオブバウンズ。これで残り 15 秒ながらあと4回チャンスを得た。
次のプレイ、あと3ヤードをチーフスは短いパスでまたしてもヒルに託す。ヒルはタックルを受けて振りほどきながらエンドゾーンへ。判定は届かずにダウン、チーフスオフェンスはスパイクのために急いで整列するが間に合わず、あと1秒、というところで笛が鳴った。オフィシャルレヴュー。映像ではヒルの膝が着いたともボールが先にエンドゾーンに入ったともどちらにも見え、正直覆るほどはっきりはわからなかったが判定はタッチダウン。これで2点差とすると、ツーポイントコンヴァージョンは右サイドのハリスへおそらく決め打ちのパス。サイズ任せのコールだったがきっちり決まって、チーフスが同点に追いついた。
オーヴァータイムではブロンコス、チーフスともに FG を決めてブロンコスの2回目のドライブ。敵陣に攻め入ったところで止まってしまい、敵陣 44 ヤードで 4th ダウンとなる。キュービアック HC はここから FG をコールしたが、さすがに 62 ヤードは遠すぎた。ボールは左に大きく曲がってバーにも届かずノーグッド。
チーフスは残り 1:03 だったが敵陣 48 ヤードから始まるとなれば流石にどうにかなって、最後は 34 ヤードの FG、カイロ・サントスが蹴ったボールは左のポストに当たりながらも右に跳ね返ってポールの間を通り、チーフスが激戦をぎりぎりで制した。


最終スコア:KC 30-[OT]-27 DEN

Green Bay Packers (5-6) @ Philadelphia Eagles (5-6)

マンデーナイトはパッカーズが終始先手を引いて最後突き放して勝ち。連敗を4でストップした。ロジャーズが 30/39-313yds-2TD-0INT と上々のスタッツ。イーグルズもウェンツはそこそこだったが及ばず、ついに負け越しに転落した。


最終スコア:GB 27-13 PHI

Other Games

感謝祭シリーズ

MIN(6-5) 13-16 DET(7-4):やーらーれーたー。またしてもライオンズに逆転負け。これでスイープになってしまった。この負けは大きいなあ。ディフェンスは相変わらず頑張ってるけど、ちょっとオフェンスが化けの皮剥がれてきたというか、13 点じゃきついよね。おたがいタッチダウンは 1Q に一本ずつあげただけで、あとは FG を蹴り合う渋い勝負になった。しかしヴァイキングズもまだまだプレイオフが狙える位置。立て直して欲しい。
WAS(6-4-1) 26-31 DAL(10-1)カウボーイズが連勝を 10 に伸ばす。トータルヤーデイジは 353 ヤード、ポゼッションも 26:36 とだいぶレッドスキンズに劣ったが、効率よく得点を重ねた。レッドスキンズは先週に続いて 4Q で3タッチダウンをあげたが、今週は前半離されすぎていた。こちらは 505 ヤードなのでいささか点が少ないか。とはいえ悲観したものでもなく、引き続きプレイオフを狙える。
PIT(6-5) 28-7 IND(5-6)スティーラーズが圧勝。ロスリスバーガーは 14/20-221yds-3TD-0INT とヤーデイジこそ小さいものの完璧に近い内容。コルツはラックが脳震盪で出られず、パッカーズのバックアップ QB だったトルザインが先発、22/36-205yds-1TD-2INT と苦しんだ。まあトルザインで勝てるほど甘くないわなー、という。

その他

ARI(4-6-1) 19-38 ATL(7-4):ん、これはカーディナルズかなり死んだ感あるかも。前半は 13-17 だったけど後半突き放された。パーマーも凡庸なスタッツだし、ランもジョンソンが 13att-58yds とあまり出ず。とはいえファルコンズもスタッツ見ると大したことないんだけどなあ。数字だけでは見えないものはやはりあるね。
JAX(2-9) 21-28 BUF(6-5):惜しいなあ、ジャグァーズ。4Q 頭に一旦リードして、返しのドライブで逆転されて、その後は得点に届かず。ボートルズが8回走って 81 ヤードで、なりふり構わずという感じだったが。ビルズはこれでまた貯金が1。テイラーも中々頑張るねえ。

  • ビルズはウォトキンズが IR から復帰。まだ完全には治癒してないみたいだけどレシーブ3回で 80 ヤード。流石である。これは明るい材料。

TEN(6-6) 27-21 CHI(2-9)タイタンズが逃げ切り勝ち。少し守りに入るのが早かったのか、4Q に入ってからタッチダウンを二本許したうえに最後自陣7ヤードでファーストダウン、というところまで追い詰められたが、ベアーズはマット・バークリーが4本のパスをひとつも決めることができずゲームセット。バークリー、この他に敵陣でのギャンブル失敗、レッドゾーンでのインターセプト×2、などあって、もったいなかった。マリオタは 15/23-226yds-2TD-0INT となかなか。ワイルドカードは難しくとも、AFC 南ではまだワンチャンありそう。

  • カトラーは肩関節唇の部分断裂でシーズンアウトの見込みとのこと。まだ契約は残っているものの、来季以降の保証額はゼロなので、チームとしてはいつでもクビを斬れる状態ではある。他方、まだそこそこやれることはわかっていて、来季も 125 万ドル+ロスター 25 万ドルなので、むしろキープするのはリーズナブルであるとも考えられる。というわけで出るかも知れないし残るかも知れないけど基本的にはチームに選択権がある、ということのようだ。おれはこの人結構好きだし、ベアーズでなくてもまたフィールドで見たいと思っているが、厳しい状況に立たされているのは間違いない。

NYG(8-3) 27-13 CLE(0-12):このようにしてそのようになりました。ブラウンズはマカウンが投げて、25/43-322yds-1TD-0INT。これで 13 点はいかにも少なすぎる。対照的にジャイアンツのイーライ・マニングは 15/27-194yds-3TD-0INT と勘所を押さえたスタッツで、うまく回ってるなあという感じ。ジャイアンツがレギュラーシーズンで8勝するのは 2012 シーズン以来ということになる。さあ、五年ぶりのプレイオフ進出なるか。
SD(5-6) 21-13 HOU(6-5):よっし、チャージャーズ、ロードでテキサンズに勝つ。まあもうプレイオフ現実的じゃないんだけど、まだエリミネイトはされてないし、来季へ向けていっこでも多く勝ってほしいし、というところです。オズワイラーが 0TD/3INT なのでまあ自滅じゃねえかという話もあるけど、ミラーを 19att-57yds に抑えたのはランディフェンス頑張ったでしょう。テキサンズが少し負けが混んできて、AFC 南は混戦模様。
SF(1-10) 24-31 MIA(7-4):おお、イルカ調子出てきたなー。最初 1-4 だったのがそこから六連勝で、正直よくわからない。勝っているうちにタネヒルのスタッツもよくなってきた印象で、これはひょっとしてプレイオフもあるかも、と思ってしまう。まあここ何年かで何回かそう思わされて実際はドルフィンズがプレイオフ出てるところおれはまだ見てないわけだけれども。フォーティナイナーズはキャパニックが投げては 296 ヤード、走って 113 ヤードとキャパニック無双で、今季一番のスタッツだった。内容もよかったようで、やっと希望を持てる材料が現われたことになる。来年こそは!
LA(4-7) 21-49 NO(5-6):おおー。取りも取ったり7タッチダウン、セインツがラムズを粉砕。ひさびさにセインツらしい暴力的な勝ち方。プレイオフ進出にはもう負けられないが、ブリーズももうキャリアの最後の数年にさしかかっていることを考えると頑張ってほしいものです。ラムズはもちろんゴフが先発、前半は 21-28 と食い下がったが後半は完封された。まあもう来季へ向けてのシーズンなのでこれはこれでよいのだろう。ジェフ・フィッシャーの首がつながってるかどうかが心配。
CAR(4-7) 32-35 OAK(9-2):レイダーズ、今季序盤に何度か見せた「点の取り合いの末僅差で勝利」を久々に披露。大量リードから 3Q4Q でタッチダウン4本連続で取られて逆転されてて、普通なら完全に負けパターンだけどそこから再度逆転して勝つあたりが今季のレイダーズのすごいところ。これで 2002 年以来の勝ち越し決定、さあ、同年以来のプレイオフはなるか。/パンサーズはいよいよプレイオフがかすんで見える。
NE(9-2) 22-17 NYJ(3-8):はい。これ結果はまあ、なんですけど、残り2分までジェッツがリードしていたそうで、まあ頑張った、よくやったと。逆転タッチダウン決められて、でもツーポイントは阻止して、タイムアウト2回でさあ再逆転をめざすドライブだというところでわずか2プレイ目にフィッツパトリックがサックされてファンブルロスト、というあたりまさに今季のおれたちのジェッツを象徴する負け方であり、8敗ともなれば流石にシーズン終了といっても差し支えなかろう。おつかれさまでした。ペイトリオッツはあっさり9勝目。