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『気候変動クライシス』 ゲルノット・ワグナー,マーティン・ワイツマン著/山形浩生訳 東洋経済新報社,2016-08

気候変動クライシス

気候変動クライシス

一時期のおれの中での気象本ブームの流れで読んだ本。マーティン・ワイツマンは環境経済学のビッグネームらしい。ワグナーは弟子?の若手で、実際にこの本を書いたのはもっぱらワグナーだとか。みたいな話は訳者あとがきに全部出てて、あと内容に関する指摘もまあいちいちもっともだったので言うべきことがあまりない。読んでみようという人はまず訳者あとがきに目を通そう(ひどい)。時間の無駄とは思わなかったけど、得たものが大きかったとも思えなかった。
ファットテール」と「フリードライバー」って概念は面白かったかな。前者は確率が著しく低いけど予想される損害が甚大な災害やなにかについて、単純に「予想損害額×確率」みたいな考え方だと適切なリスク評価ができないよね、みたいな話。後者はフリーライダーの逆で、えっと、ジオエンジニアリングの文脈で出てきたんだけど、つまり成層圏にいろいろばらまいて太陽光をさえぎって温暖化を緩和させようみたいなやつ、それはまっとうな温暖化対策に比べるとはるかにコストが低いからコンセンサス無しでやっちまう奴(=フリードライバー)がいるかもしれない、みたいな話。こういうのは経済学者ならではの考え方かなーとおもった。
ものすごく頭の悪そうな感想ですけど以上です。