黄昏通信社跡地処分推進室

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NFL 2016 -- Wildcard Playoff

AFC

Miami Dolphins (10-6; AFC #6/Wildcard) @ Pittsburgh Steelers (10-6; AFC #3/North)

気温は -10 度(セ)。予想通りの極寒となった。
スティーラーズは最初のドライブからビッグプレイ。ミッドフィールド、ロスリスバーガーから左サイドのアントニオ・ブラウンへのスイングパスが通ると、ブロッカーが上手くディフェンスを捌く間にブラウンが左サイドライン際を駆け上がってそのままタッチダウンにしてしまう。次のドライブでもブラウンは 62 ヤードのタッチダウンレシーブを決めて、早々とスティーラーズが 0-14 とリードした。
返しのドライブ、ドルフィンズはムーアがスティルズへのロングパスを一本決めて敵陣に入るが FG どまり。
その返しのスティーラーズのドライブはなんと RB レヴィオン・ベルのランをコールしつづけ、10 回連続ベルに持たせてタッチダウンまで持っていっている。PAT が外れたが、リードは 3-20 と広がった。
ドルフィンズはこのあと FG を返し、前半最後のドライブでもムーアがすぱすぱとパスを通して残り8ヤード地点まで攻め入ったが、ムーアが背後から強烈なヒットを受けてファンブルし、ボールを失ってしまう。6-20 で折り返しとなった。


後半最初のドライブでもムーアが 3rd ダウンを二回切り抜けて敵陣に入ったものの、またしてもサックされてファンブルロストしてしまう。返しで FG を決められて 6-23 とまた3ポゼッション差に広がると、さらに次のドライブの最初のパスをムーアがインターセプトされる。ここの立て続けのターンオーバーは結果的には致命的だった。これで得た攻撃権をスティーラーズはきっちりタッチダウンまで持っていき、6-30 までリードは広がった。
ドルフィンズは 4Q になんとかタッチダウンを一本返したものの、ツーポイントコンヴァージョンは決まらず。スティーラーズももう無理しなくていいのにロスリスバーガーインターセプトを喫したりしていたが、それ以上得点差が詰まることもなく試合は終わった。


ドルフィンズにはやはり厳しかった。ムーアはインターセプトこそ1だったが被サック4でファンブルロストが2回。アジャイは 16 回走ってわずか 33 ヤードと完璧に抑え込まれた。ディフェンスも出ばなをくじかれてしまい、試合の主導権を握れなかった。
スティーラーズは決して盤石の試合運びではなかったが、それでもまあこの勝ち方ができるのだから力が違ったというところだろう。ベルのランは素晴らしかった。次戦以降はいろいろな精度を上げていかないと苦しそうだが。


最終スコア:MIA 12-30

Oakland Raiders (12-4; AFC #5/Wildcard) @ Houston Texans (9-7; AFC #4/South)

先手を引いたのはテキサンズ。最初のドライブはぎりぎり FG に届かずパントだったが、返しの攻撃をスリーアンドアウトに終わらせると、レイダーズ P キングが苦しい位置から蹴ったパントがミスキックになり敵陣から攻撃を開始する。これで FG を決めて 0-3。
そして次のレイダーズのドライブ、クックが自陣深くで投じた左サイドへのスイングパスが DE クラウニーにインターセプトされてしまう。あれをカットして取っちゃうのかよ……というプレイだったが、ともあれターンオーバーには違いなく。テキサンズはここで得た攻撃を RB ラマー・ミラーの左オープンへのラン一発でタッチダウンにして、0-10 とリードを広げた。
レイダーズの反撃は 1Q の終わり近く。パントリターンで相手のタックルミスがあって敵陣からの攻撃権を得ると、 RB ラタヴィアス・マレーのランがよく出て、ノーハドルでばたばたとたたみかける。ちょっと浮き足立ったテキサンズのディフェンスがこのドライブは止められず、最後もマレーのタッチダウン。これで 7-10 となる。
テキサンズは一本 FG を追加した後、前半残り 2:25 からの攻撃でオスワイラーが右奥に走り込んだホプキンズへ長いパスを通す。デリバリー、タッチともに素晴らしく、ホプキンズもよく取って残り3ヤードまで攻め込むと、最後は左からスラントで入ってくるホプキンズへオスワイラーがすぱっとパスを決めてタッチダウンを決めた。7-20 で折り返し。


後半テキサンズはもう最初のドライブからリードを守りきるつもりなのかと思うような保守的なプレイコールで、ランプレイを中心に決して無理をしない攻撃を繰り返す。一方でディフェンスは絶好調で、レイダーズに思うような攻撃をさせない。今日のディフェンスは今季リーグ一位の数字通りで、新人、初先発の QB には厳しすぎた。
そしてテキサンズのオフェンスは 4Q にタッチダウンを追加する。最後はオスワイラーが自ら走ってタッチダウンを決め、これで3ポゼッション差となったため今日の双方の出来を考えるとほぼ決まったと言える得点だった。
レイダーズは流石に攻めざるを得ず、クックが長めのパスを投げ始めるとこれが案外決まり、タッチダウンを一本返す。このドライブはなかなかよかったが、これ以上は見せ場を作れず最後は残り一分を切ってからクックの投じたパスがインターセプト。そのままボウイーが自らダウンして試合終了となった。


結局のところ、テキサンズのディフェンスは本物で、ルーキー QB が相手にするにはあまりに厳しかったし、逆にオスワイラーはさんざん期待外れ扱いされたがそうは言っても昨季と今季で残した戦績は伊達ではなかったということだ。大事に大事に行ったプレイコールもよくはまって、テキサンズとしては会心のゲームとなった。
レイダーズはよく頑張った。失点が少ないとは言えないがオフェンスがこれだけ止められてはやむを得まい。いきなり先発に引っ張り出されたクックも責められまい。やはり――こればっかりはほんとうにどうしようもないのだが、それでも――カーがいれば、と思わずにはいられない。骨折した試合で、カートに乗せられながら観客に親指を立ててみせるカーの姿がこの試合の中継の前に流されたのだが、それを見て涙が出そうになってしまった。でも近いうちにレイダーズがこの場所に戻ってこられることをおれは疑わない。その時には今度こそ、センターの後ろにはカーが立っていることだろう。今日の不在を悲しむ代わりに、その日を楽しみに待つことにしたい。


最終スコア:OAK 14-27 HOU

NFC

Detroit Lions (9-7; NFC #5/Wildcard) @ Seattle Seahawks (10-5-1; NFC #3/West)

最初は静かな立ち上がり。おたがい最初の攻撃はスリーアンドアウトで終わって、次のドライブにランプレイで初めてのファーストダウンを奪い、しかしいずれも得点にはいたらず、という鏡写しのような展開だったが、先に動いたのはライオンズ。ちょうど 2Q の最初のプレイ、敵陣 40 ヤードの 4th&1 でギャンブルを仕掛ける。プレイアクションからスタフォードが右にロールアウトして右オープンのパスコースに出たゼナーにパス、というコールだったがゼナーは空いておらず、仕方なくチェックダウンで TE ヒルマンに放ったが、1st ダウンには明らかに届かなかった。これでシーホークスは攻撃権を手に入れると、ロールズのランプレイを中心にじりじり攻める。敵陣 35 ヤード付近で 4th&inches を迎えるがこれはギャンブルしてロールズのランで更新。ライオンズディフェンスも土壇場でよく粘り、残り2ヤードで 4th ダウンまで追い込んだが、シーホークスは再度のギャンブル。ウィルソンが右にロールアウトしてエンドゾーンのリチャードソンへ山なりのボールを投げると、ライオンズ DB がたまらず身体をつかみにいってしまう。これでイエローフラッグが飛んだが、リチャードソンは身体を押さえられながら左手一本を低く伸ばしてボールを巻き込むようにキャッチしていた。タッチダウンシーホークスが 0-7 と先制する。
さらにシーホークスはもう一本、ロールズの 26 ヤードのランとウィルソンからリチャードソンへのロングパスを絡めて敵陣レッドゾーンに迫る。これはライオンズディフェンスに止められたが、ハウシュカが FG を難なく決めて 0-10 とリードを広げた。
前半このままでは終わりたくないライオンズはツーミニッツオフェンス、スタフォードが左サイドライン際を駆け上がる WR マービン・ジョーンズへロングパスを決めて一気に敵陣に入る。そこからはほとんど前進できなかったが、K プレイターが 51 ヤードの FG をきっちり放りこみ 3-10 と差を詰めて折り返した。


後半はシーホークスの攻撃から。ランプレイを中心にじわじわ進むが、FG 圏内に入るか入らないかというところでの 3rd ダウンでウィルソンがライオンズディフェンスにサックされて圏外に追い出されてパントに終わる。返しのドライブでライオンズは再びぎりぎり FG 圏に辿りつき、プレイターが今度は 53 ヤードの FG を決めて 6-10 とじわりじわりと差を詰める。
しかしシーホークスは返しのドライブで再び敵陣へ。ライオンズは 3rd ダウンでアンネセサリイラフネスをやらかして相手を助けてしまうが、最後は9ヤード地点でなんとか止めて FG に抑えて 6-13 の7点差に踏みとどまる。
ところが返しのドライブ、キックオフをエンドゾーンでキャッチした KR アンドレ・ロバーツが、リターンして 12 ヤード地点でつかまってしまう。これはいささか結果論にはなるが、無理せずタッチバックにすべきだった。ライオンズはここから反則でむしろ下がり、5ヤード地点で 3rd&17 となって 1st ダウンを諦めることになってしまう。
パントはライオンズに有利に転がり、シーホークスは自陣 25 ヤード地点からの攻撃になるが、ウィルソンがボールドウィンへの 42 ヤードのロングパスを決めるなど、このドライブを延々と続けてタッチダウンまで持っていく。最後はロールズがディフェンスラインを突き抜けて、この日の活躍に花を添えた。ポイントアフタータッチダウンのキックが外れ、スコアは 6-19。
次のドライブでタッチダウンを返せればまだわからない程度の時間は残っていたが、ライオンズはあえなくパント。返しのドライブでシーホークスはウィルソンからリチャードソンへまたロングパスを決めて敵陣に入り、最後はボールドウィンタッチダウンレシーブ。6-26 として、試合を決めた。


最後は点差がついたが、3Q まではライオンズがよく守り、まだわからないという点差に喰らいつき続けた。それだけにライオンズオフェンスが機能し切らなかったのが残念だった。やはりスタフォードは指が万全でなかったのだろう、パスが微妙に、あるいは大きく乱れる場面が多く、レシーバーが苦労していた。
シーホークスロールズのランが 27att-161yds ととにかく出まくった。これで相当オフェンスは楽になった。この試合ではウィルソンは一度もランプレイを見せていないが、足の状態は絶対にそんなに悪くないはずで、この日はそれを披露するまでもなかったということだろう。つまりまだ伸びしろがあるということだ。


最終スコア:DET 6-26 SEA

New York Giants (11-5; NFC #5/Wildcard) @ Green Bay Packers (10-6; NFC #4/North)

前半の途中まではジャイアンツのペースだった。
両チームがパント一本ずつ蹴った後のジャイアンツの二回目の攻撃。マニングがどんどんパスを決めて敵陣に入るが、28 ヤード地点から左奥に走り込んだベッカムへ投じたパスは完璧と言っていいタッチとデリバリーだったのにベッカムがドロップ。その後レッドゾーンに入るが、エンドゾーンのシェパードへ投じたパスも惜しくも通らず、ここは FG に終わる。
2Q に入ってから、ジャイアンツは今度はマニングが TE タイへの 51 ヤードのロングパスを通して再び敵陣に入るが、この後 1st ダウンが更新できずレッドゾーンちょい手前でまた FG。やっとこれで 6-0 というここまではスコア的に地味な展開になった。
2Q 残り4分を切ってから、ジャイアンツは自陣の苦しい位置での攻撃がスリーアンドアウトに終わり、パントを蹴るもこれが敵陣に届かないという厳しい状況になる。パッカーズはこの試合初めてと言っていいチャンスだったが、ロジャーズはきっちりこれをタッチダウンに持っていき、6-7 と逆転する。
試合のゆくえを大きく左右したのはこのあとだ。ジャイアンツはハリスの好リターンで自陣 32 ヤードからの攻撃だったが、ランとパスで9ヤード進んで 3rd&1、この前にパッカーズタイムアウトを使って攻める姿勢を見せている。ジャイアンツのコールはレイニーのラン。しかしこれが1ヤードを進み切れずパントになってしまう。
パッカーズタイムアウト無しで残り 1:38、自陣 20 ヤード地点からドライブを開始。ランプレイやインバウンズのパスも多かったため、敵陣 42 ヤードまで来たところで残り 12 秒。FG には微妙に遠く、ジャイアンツとしては守り切れそうだったが、パス失敗を一回挟んで残り6秒からの 4th ダウンでロジャーズは時間を稼いでエンドゾーンへ山なりのパスを投じる。ディフェンスも殺到していて取れるようなパスには見えなかったが、ジャイアンツ CB イーライ・アップルが少し前に出過ぎて頭を越されてしまい、落ちてきたボールを WR ランドール・コッブががっちりとキャッチ。まさかのヘイルメリー成功で、6-14 となって折り返した。この7点はほんとうに大きかった。


後半も当初はジャイアンツが食い下がった。パッカーズのギャンブル失敗で敵陣からの攻撃を得ると、マニングはがら空きの WR キングへ 41 ヤードのタッチダウンパスを決めて 13-14 の一点差に詰める。
しかし返しのドライブ、ロジャーズが三本続けてパスを通すとランアフターキャッチも込みでそれだけでエンドゾーンまで辿り着き、あっという間に 13-21 とまた八点差に戻ってしまう。
この辺りからロジャーズのパスは面白いように通るようになり、逆にジャイアンツはチャンスらしいチャンスも作れなくなってしまう。結局ジャイアンツはこの後得点することができず、パッカーズは FG、タッチダウンタッチダウン、と順調に得点を追加した。最後はせめて一本とマニングが投じたパスがエンドゾーンでこの試合初のインターセプトとなり、止めを刺した。


最終スコア:NYG 13-38 GB
(多分もう少しだけ更新)