黄昏通信社跡地処分推進室

黄昏通信社の跡地処分を推進しています

NFL 2016 -- Divisional Playoff

NFC

Seattle Seahawks (10-5-1; NFC #3/West) @ Atlanta Falcons (11-5; NFC #2/South)

シーホークスはオープニングドライブで素晴らしい攻撃を見せる。短いパス中心の攻撃だったがウィルソンが正確にパスを決め、前週は封印していたスクランブルも繰り出し、時間をたっぷり使いながら前進。最後はグレアムへの短いパスで仕上げ、8分半以上費やしたタッチダウンドライブを完成させた。
しかしファルコンズも負けてはいない。返しのドライブ、こちらもビッグゲインはなかったがライアンが冷静にパスを決めて着実に前進し、こちらも7分以上使ってタッチダウン。最後はシーホークスのお株を奪う左サイドのインサイドレシーバーのスラントで、フリオ・ジョーンズが飛び込んだ。このドライブの途中で 1Q が終わってしまったので、1Q はそれぞれ一回ずつしか攻撃しなかったことになる。
シーホークスは次のドライブで今度はビッグプレイを決める。左サイドライン際のリチャードソンへのロングパスで、52 ヤードゲインして一気にレッドゾーンまで侵入したが、次のプレイでウィルソンがサックを受けてしまい FG どまり。
次のファルコンズの攻撃はスリーアンドアウトで、あえなくパントを蹴る。PR は先週のライオンズ戦の直前に契約を交わしたばかりのレジェンド、デヴィン・ヘスター。ヘスターはボールを取ると果敢にリターン、カバーチームをつぎつぎに交わし、敵陣7ヤード地点、あわやタッチダウンというところまで走ったが、パント時のホールディングでヌリファイされてしまう。ハーフディスタンスで逆に自陣の7ヤード地点から攻撃を開始したシーホークスだが、ロールズのランがロスタックルで3ヤード下がった後、次のプレイでウィルソンがオフェンスラインに足を踏まれて後ろに倒れてしまう。ボールはエンドゾーンに入っていた。セイフティ。これで 10-9 となると、ファルコンズは次のドライブで FG を決めて 10-12 と逆転した。
ファルコンズはさらに 2Q 残り 3:48 から、自陣1ヤード地点からの攻撃を得点につなげる。ここはパス一辺倒のドライブで、フリオ・ジョーンズ、ムハメド・サヌー、タイラー・ガブリエルと綺羅星のごときレシーバー陣にどんどんパスを決め、最後は RB コールマンへのタッチダウンパス。ファルコンズの攻撃力が存分に出たドライブだった。
残り 53 秒、シーホークスタイムアウトもみっつ残っていたが自陣8ヤードからの攻撃を流して終了。9点のビハインドでこの消極性は少し気になった。


後半最初のドライブ、ファルコンズはコールマン&フリーマンの RB コンビを使い分けながらランプレイ中心に前進。最後もフリーマンが1ヤードをペネトレイトしてタッチダウンを決め、10-26 とリードを広げる。
シーホークスは返しのドライブで一旦は自陣 31 ヤード地点でパントを蹴る羽目になるが、ディフェンスのイリーガルフォーメーションで 1st ダウンを更新し、ごっつぁんのドライブを続ける。だがそれも敵陣8ヤード地点で 1st ダウンが奪えずに FG どまり。そして返しのドライブ、ファルコンズはすぐに FG を返す。短いパスを受けたフリーマンが LB をぶっちぎって 53 ヤードゲインしたプレイが光った。13-29。
そして 4Q、もはや時間の無いシーホークスはウィルソンが走って投げて、必死のドライブで敵陣 30 ヤードまでこぎつけるが、2nd ダウンでサックされて 3rd&16。どうしても決めなければならない状況で、しかしレシーバーは空かず、ウィルソンは左へ右へ動いてサックを避け、もうつかまるというところでロングパスを投じる。だがボールは勢いがなく、レシーバーにとっても高すぎた。インターセプト。この返しのドライブをタッチダウンにされて残り 3:40 で 13-36 となり、事実上ここで勝負あった。このあとヘスターがキックオフを 78 ヤードリターンして、パス一本でタッチダウンを一本返したが、反撃もここまで。ファルコンズが 20-36 で快勝した。


正直少し意外な結果で、ファルコンズには失礼ながら、シーホークスには敵わないだろうと思っていたし、ましてここまで圧勝するとは思わなかった。オフェンスが持ち味のチームがディフェンスの強いチームをしのぐのは中々難しいことだ。だがこの日はファルコンズディフェンスもいい仕事をしていた。おそらくシーホークスの勝ち上がりを想定して準備していたものだとは思うが、これが次も出せればカンファレンスチャンピオンも夢ではない。それぐらいいい内容だった。
シーホークスは一歩足りなかった。実質タッチダウンは一本しか取れておらず、まさかここまで取れないとは思わなかったのではないだろうか。この試合ではロールズが 11att-34yds と抑えこまれてしまった。ペイトリオッツへのリベンジには、今年も届かなかった。


最終スコア:SEA 20-36 ATL

  • この試合(と、ふたつ下の HOU-NE)はジータスの解説が村田斉潔氏だった。レギュラーシーズンでは一度もやってなかったのでジータス初登場となったが、相変わらず詳しくて楽しい解説だった。来季以降もやってほしい。
  • デヴィン・ヘスターはこの試合のあと引退を示唆する発言をしていた。わずかの間とはいえ復帰したことが驚きで、それだけスーパーリングに賭ける思いが強かったのかもしれない。この試合でも(不発だったリターンもあったものの)ビッグリターンを二本見せていて、まだまだやれそうではあった。ただ 4Q の 78 ヤードのリターンで最後ディフェンスふたりの間をぶち抜いたのにタッチダウンまで行けなかったのはやはり衰えなのかも知れず、本人としては潮時を感じるに充分だった、のかも知れない。精神的にもきつく、致命的な怪我も一番多いポジションなので、これだけの実績をもってなお続けることは相当難しいのだろうとも想像する。おつかれさまでした。

Green Bay Packers (10-6; NFC #4/North) @ Dallas Cowboys (13-3; NFC #1/East)

オープニングドライブ、カウボーイズプレスコットのパスとエリオットのランで快調に攻めるが、敵陣に入ったところでサックで下がってしまい FG で先制。
パッカーズはすぐさま反撃する。3rd&5 を相手の反則で更新してドライブを続けると、敵陣 34 ヤードでカウボーイズディフェンスがオフサイド。もちろんロジャーズは逃げて時間を稼ぎながらレシーバーを探し、エンドゾーンのリチャード・ロジャーズへロングパスをヒット。ほんとロジャーズにフリープレイやらせちゃだめである。7-3 とあっという間に逆転する。
次のドライブでもパッカーズは得点する。自陣 10 ヤードからと苦しいフィールドポジションだったがロジャーズはものともせず、三度の 3rd ダウンをことごとくパスで更新して、最後はモントゴメリーのランでタッチダウンで 14-3 とする。返しのカウボーイズの攻撃をスリーアンドアウトに仕留めると、次のドライブでさらにパッカーズは得点を重ねる。途中 3rd ダウンで相手のイリーガルユースオブハンズをもらったのはついていたが、あとはほとんどロジャーズのパスで攻めまくった。ここも最後はモントゴメリーのランでタッチダウンをあげ、21-3 とリードを広げる。ここまでは完全にパッカーズのペースだった。
しかし返しのドライブ、カウボーイズが反撃に転じる。プレスコットから WR デズ・ブライアントへ、二本続けてのロングパスが決まって、たった4プレイで 75 ヤードのスコアリングドライブが完成する。これがなければずるずるいかれていたかも知れないので、いいタイミングでの得点だった。さらに直後のキックオフ、エンドゾーンで KR クリスティン・マイケルがボールをとりこぼし、ボールがエンドゾーンから外に転がり出そうになってしまってあわてて拾い上げて6ヤードでダウンする。この6ヤード地点からのパッカーズの攻撃をカウボーイズディフェンスが釘付けにしてスリーアンドアウトでパントに追い込んだ。
カウボーイズは自陣 49 ヤードからの攻撃権を得るも、レッドゾーンで決めきれず、ここは FG どまり。しかし 10 点連続で取って 21-13 の8点差まで詰めてそのままハーフタイムに入れたので、タッチダウン3本続けて取られたことを思うと上々の折り返しだった。


後半最初のドライブ、パッカーズはロジャーズのパスだけでタッチダウンをあげる。6/6 で 75 ヤード前進するちょっと手のつけられないドライブで、これは鮮やかだった。さらにカウボーイズは返しのドライブでレッドゾーンまで進みながらプレスコットインターセプトを喫してしまう。おそらく決めうちの左へのスイングパスを、S マイカ・ハイドが完全に読んでいてものすごい出足で奪いとった。これはあまりにも鮮やかで、さすがにこの試合も決まったかと思ってしまうほど。
しかしカウボーイズはここから粘る。返しのドライブで自陣まで入られたが、ロジャーズからインターセプトを奪って最高の形で攻撃を止める。ロジャーズから WR アリソンへのロングパスが珍しいほど短かったのだが、これは地面すれすれに飛び込んで拾った S ヒースをほめるべきではあろうか。そしてそれで得た攻撃権を、プレスコットがしっかりタッチダウンにつなげてみせた。最後はウィッテンウィッテンと続けてパスを投げてのタッチダウンで、こういう時頼れるのはヴェテランだ。これで 28-20 とまた8点差になる。
パッカーズの攻撃は 1st ダウン1回だけで終わり、ふたたびすぐにカウボーイズの攻撃。ここもプレスコットはとてもよくて、エリオットのランも素晴らしく、次々に 1st ダウンを更新していく。最後はプレイアクションからインサイドにセットしていたブライアントに投げる教科書通りのコールでタッチダウン。さらにツーポイントコンヴァージョン、エリオットはワンパンプ入れた後自ら走り、タックルを受けていったんは止まりそうになったもの、味方に文字通り後押しされてエンドゾーンに飛び込んだ。ついに 28-28 の同点となった。
残り 4:08、パッカーズは止めを刺しにかかる。要するにこの時間を使い切って3点でもいいから取ればそれでおしまいだ。ロジャーズはレシーバーを見つけ、自らも走り、ツーミニッツを切っても攻撃を続けていたが、敵陣 38 ヤードというところで 4th&13 という厳しい距離が残ってしまう。ここでパッカーズは思い切って FG を選び、それに答えて K クロスビーが 56 ヤードの長い距離を叩き込む。これでパッカーズは勝ち越すが、残りは 1:38 で、明らかに残りすぎている。
返しのドライブ、カウボーイズはとにかく追いつかなければならない。プレスコットは落ち着いていて、しかも図々しいほど大胆にロングパスを通す。ウィリアムズ、ウィッテン、と二本のパスで敵陣 40 ヤード地点まで進み、スパイクして残り 0:48。右サイドラインのビーズリーにパス、時計を止めて7ヤード前進。しかし次のパスは通らず、33 ヤードで 4th ダウン。こちらも K ダン・ベイリーが決めて 31-31 とまた同点。
残りは 0:35 でタイムアウトふたつ。なんとかならなくはないリソースだが、パスを一本通した後ロジャーズがサックされてしまう。タイムアウトを使わされて、自陣 32 ヤード地点で 3rd&20。これはオーヴァータイムかな……と思われた次のプレイ、ロジャーズは左に流れて流れて、左サイドライン際にロングパスを投げる。待っていたのは WR ジャレッド・クック、明らかにサイドラインを割っているボールに両手を伸ばし、膝を折りながら両つま先はインバウンズに残して、ボールをキャッチしてから膝をつく。こんなことができるのか、というすごいキャッチで、敵陣 33 ヤード地点まで前進すると、最後はクロスビーが 51 ヤードの FG を決めた。


カウボーイズでも今のパッカーズを止めるのは難しいかな……と思っていたけど、流石第一シード、大きくリードを許しながら一旦は追いつき、勝ち越されてもまた追いつき、存分に力を示した試合になった。プレスコットもエリオットものびのび活躍していて、結果的には BYE 明け二没だったけど、前途洋々といって差し支えあるまい。すごい新人が入ってきたものだ。来年以降が本当に楽しみだ。そしてそうなるとあの人は……という話にはどうしてもなるけれど、それはまた日をあらためて書こう。
そのカウボーイズをもしのいだパッカーズはシーズン後半の勢いそのままにプレイオフでも連勝となった。いやーつよいね。こりゃひさびさにスーパーボウル行くんじゃないかな。とにかくロジャーズがすごすぎる。


最終スコア:GB 31-28 DAL

AFC

Houston Texans (9-7; AFC #4/South) @ New England Patriots (14-2; AFC #1/East)

テキサンズが先攻。スリーアンドアウトが三回続き、ペイトリオッツの二回目のドライブ。ここでブレイディが左サイドライン際のホーガンに投げたロングパスが CB ボーイェイのパスインターフィアランスを誘っていきなり敵陣へ。そこからパス2本であっさりタッチダウンを決めて、ペイトリオッツが先制する。
返しのドライブ、テキサンズは粘り強いドライブを見せる。一度は自陣で 3rd&18 となって止まったが、ペイトリオッツのアンスポーツマンライクコンダクトで命拾いすると、ミラーのランとオスワイラーのショートパスで8分以上攻撃を続けた。レッドゾーンまで行って FG どまりだったが、これはこの日テキサンズのやりたい攻撃だったんだろうという感じがあった。
しかし、直後のキックオフに落とし穴。ペイトリオッツ KR ルイスが自陣2ヤードの左サイドライン近くでボールをキャッチすると、一旦まっすぐ上がってから右へ右へカバーチームを捌きながら上がっていく。ブロッカーも上手くついてテキサンズの選手はルイスをとらえられず、リターンタッチダウンになってしまう。テキサンズには痛いプレイだった。
ところがペイトリオッツもぴりっとしない。次のドライブの最初のプレイでブレイディが WR フロイドと微妙に合わず、ボールがはね上がってしまいインターセプト。ここはテキサンズが攻めきれず FG 止まりだったが、続くキックオフでは先ほどビッグプレイを決めたルイスがファンブルして、自陣 12 ヤード地点でボールを失ってしまう。テキサンズはこれで得た攻撃でとっておきのサインプレーを披露。左サイドへのランと右サイドへのエンドアラウンドの両方のフェイクを入れてからのプレイアクションで、一旦ブロッキングした TE フィエドロウィッツへのパスを投じる。ペイトリオッツディフェンスには珍しいほどワイドオープンになっていて、タッチダウンが決まった。テキサンズはターンオーバーふたつであっという間に 10 点を稼いで 13-14 と一点差に詰めた。
ここからテキサンズは攻撃が続かず、2Q の残りの間は苦しい守りが続いた。ツーミニッツを過ぎてとはいえ自陣3ヤード地点まで攻め込まれて 1st&Goal と絶体絶命のピンチを迎えたが、ここでディフェンスが猛奮起。ブレイディのランを止め、左サイドのデヴェリンへのパスをノーゲインにとどめ、ブラウントのランでも1フィートたりともゲインさせなかった。ぎりぎり FG に押さえ、13-17 で折り返す。


ペイトリオッツは得意の後半最初のドライブでスリーアンドアウト。しかし次のドライブで自陣 10 ヤードからブレイディが主にエデルマンを相手にばんばんパスを決めてタッチダウン。13-24 と点差が広がった返しのドライブでオスワイラーがインターセプトを喫し、ペイトリオッツは自陣 44 ヤード地点から再び攻撃権を得る。ここでタッチダウンできればほぼ止めだったが、テキサンズも頑張ってなんとか FG 圏外にペイトリオッツを押しとどめた。
3Q 残り 52 秒、ブレイディはこの日2本目のインターセプトを自陣で投げてしまい、テキサンズは敵陣 34 ヤードからの攻撃となる。しかし 1st ダウンも更新できず、FG を蹴って 16-24。返しのドライブをパントにとどめ、自陣 11 ヤードからとはいえ同点を目指すドライブを開始……したまではよかったが、最初のプレイでオスワイラーが投じたパスは WR ホプキンズの手に収まらず、逆にライアンにすっぽり取られてしまう。このインターセプトで勝負はあった。6ヤード地点からの攻撃を、ペイトリオッツは2プレイできっちりタッチダウンにつなげた。
テキサンズはこのあと二回攻撃を得たが、一回目はスリーアンドアウトで、二回目は敵陣まで進んだがインターセプトに終わった。その間にペイトリオッツは FG をもう一本追加して、完全に止めを刺した。


テキサンズの守りは本物だった。ペイトリオッツに好き放題はさせなかった。前半の最後のエンドゾーンや、後半 FG 圏ぎりぎりで見せた集中力は素晴らしく、リーグ一位は伊達でないところを示した。それだけに、ルイスのリターンタッチダウンは痛かったし、観ているほうのごく勝手な感想としては興を殺がれたのは否めなかった。オフェンスはやっぱり通用しなかった。タイムオブポゼッションは 32:30 とペイトリオッツを上回っていて、これは目論見どおりだったと思うし、ランプレイもラマー・ミラーを中心に 105 ヤード出していてこれも立派な数字だ。となるとやはり……。オスワイラーのスタッツは 23/40-197yds-1TD-3INT だった。残念ながら、そういうことだったと言わざるを得ない。
ペイトリオッツも、レギュラーシーズン 12 試合でインターセプト2本だったブレイディが今日だけで2本やらかしていたり、ルイスがキックオフリターンでファンブルロストしたり、かなりらしくない試合ではあったけれど、それでも終わってみれば楽勝だった。次戦はここまでひどいことにはならないだろう。


最終スコア:HOU 16-34 NE

Pittsburgh Steelers (10-6; AFC #3/North) @ Kansas City Chiefs (12-4; AFC #2/West)

スティーラーズがオープニングドライブから FG で先制。チーフスは返しのドライブですぐにタッチダウンを返して逆転するが、チーフスの前半の得点はそれだけに終わる。一方でスティーラーズは FG を三本追加したものの、スミスの自陣でのインターセプトから得た攻撃をエンドゾーンでのインターセプトで終わらせてしまったドライブもあって、もう少し点とれたかなという感じの 12-7 で折り返す。
後半もスティーラーズが先に FG を決めて 15-7。チーフスはなかなか得点圏に入れなかったが、P ダスティン・コルクウィットの2ヤード地点でアウトオブバウンズに転がり出る絶妙なパントを足がかりにチャンスを作る。返しのスティーラーズの攻撃をスリーアンドアウトでゴール前に釘付けにすると、P ベリーのパントは伸びず自陣 46 ヤードでアウトオブバウンズへ。敵陣からの攻撃で、16 ヤードしか進めなかったが、とにかくも K サントスが FG を決めて 15-10。
しかし返しのドライブでこの日6本目の FG を決められて 18-10 とされると、チーフスはいよいよ後がなくなる。自陣 25 ヤードからの攻撃、ここからの勝利への細い糸をアレックス・スミスが必死にたぐるのだ。一旦敵陣に入りながらフェイスマスクで 15 ヤード下げられて 2nd&25、ケルシーへのロングパスで 17 ヤード進んだが次は投げ捨てで 4th&8。絶体絶命だったがパスプロテクションがぎりぎり保ってコンリーにパスが通り 1st ダウン。そしてゴール前4ヤードまで来ての2回目の 4th ダウン、もちろんここもギャンブルするしかなく、ヒルのジェットモーション、ウェアが右サイドのパスルートへ出る、どちらもダミーで FB のシャーマンへ短いパス。エンドゾーンには届かなかったがシャーマンはがっちりボールはつかんでいて 1st ダウンとなった。最後はウェアが中央を1ヤード走ってタッチダウン
決まれば同点のツーポイントコンヴァージョン、右サイドの TE ハリスへのパスがあっさり通って同点……、に思われたがホールディングでヌリファイ。12 ヤードからのやり直しになってしまう。これはさすがに厳しく、マクリンへのパスはカットされてしまった。18-16。
最後は守りに賭けてふつうにキックオフを蹴り、カバーチームが KR ギルバートにリターンさせず5ヤード地点からの攻撃を強いたものの、3rd&3 からロスリスバーガーが WR アントニオ・ブラウンにあっけないほど普通にパスを投げて 1st ダウンを更新すると、残りは 1:53、そしてチーフスに時計を止める手段は残っていなかった。


チーフスはまたしてもプレイオフで結果を残せなかった。スティーラーズタッチダウンを与えなかったのはプラン通りで、18 点なら勝ちパターンに持ちこんだと言ってもよかったのではないかな。だけどその 18 点に届かなかった。となると流石にこの敗戦の責はオフェンスにカウントするべきかもしれない。チーフス随一の飛び道具タイリーク・ヒルが目立てなかった、そのような展開に持ち込めなかった、のは残念だった。
スティーラーズは久々にカンファレンスチャンピオンシップに進んだ。初めてのプレイオフ出場となったレヴィオン・ベルが大活躍で、ベルがどれだけ走れるかでペイトリオッツと勝負になるかどうかが決まるといってもいいかもしれない。オフェンスのキーマン。


最終スコア:PIT 18-16
(更新おわり)