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最新アフタヌーン事情

https://anond.hatelabo.jp/20170615122840
アフタヌーンってやっぱゴミ雑誌だな


なんてエントリが増田にありまして、アホ言ってんじゃねえ『青野くんに触りたいから死にたい』だけでも読め、みたいな脊髄反射ブコメを叩き込みたくなりましたが、実際まあ合う合わない好き嫌いはあるわけで、増田の感覚と意見自体は尊重されるべきではありつつ、しかしゴミ雑誌という表現は穏当でないし「面白いのは3つぐらい」の3つを具体的に挙げないのは卑怯でありましょう。


で、最新7月号で植芝理一が『大蜘蛛ちゃんフラッシュバック』という新連載を始めたのだけども。
もうこれがすごい。植芝理一アフタヌーンで何本も連載をやってる*1けどだんだんやってることがひとつに収束してきて、前作『謎の彼女X』と今作は「高校生男子が主人公、ちょっと不思議な女子が正ヒロイン、積極的なクラスメイト女子がからんでくる、やや変態っぽい、」ぐらいの要素が全部一緒なわけです。でも全然違うアレンジをほどこしてきた。そして今回の第一話で、ヒロインのかわいさ、特異な設定の説明、今後絡んできそうな人物紹介、ありそうな展開への目くばせ、といった連載第一話におよそ必要と思われる要素が全部入ってる。しかも単なる紹介に終わってなくて、エピソードとしての面白さも持っている。額縁に入れて飾っておきたいような第一話なんですよ。これには本当に唸らされたし、あんなにごちゃごちゃしてアングラ臭い『ディスコミュニケーション』でデビューしてから 25 年、伊達に長年レギュラー張ってたわけじゃねえなと思わざるを得ない。決して雑誌のエースだったことはないけど、特に近作はものすごく話題になるような漫画じゃないかもしれないけど、でもこういう漫画描けるのすごいし(一話完結のラブコメ、という今日日あんまりみんなやりたがらない形式を続けてるのもすごい)、上にも「やや変態っぽい」って書いたけどこの作者特有の初期衝動というかフェティシズムみたいなものが未だに失われずに紙面から匂ってくるんだよね。それにはやっぱりアフタヌーンって雑誌の土壌も寄与したところがそれなりにあったんじゃないかなと思う。





完全に植芝理一の話しかしてないけど、今回はこの辺で。

*1:と思ってたけど4本目だった。意外と一本一本が長い。