- 作者: 黒石迩守,Jakub Rozalski
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2016/11/22
- メディア: 文庫
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主人公たちの失われたものへの憧れから物語は転がり始め、地表への冒険、「地球の記録」へのアクセス、魔法のような力を繰り出しまくるバトル、と次々にギミックが登場する。奇妙に軽い文体で、漢字にカタカナのルビを振った造語を全力で撒き散らしながら遠未来の社会を描こうとしてみせるスタイルはなかなかできるものではなく、その力任せなところは心地よくもあるし、概念が文字通り国家の中心になるなんてアイデアを臆面もなく突っ込んでくるところもよい。ひとことで言えば若い、ということになるのだろう。
それに乗り切れなかったのは、すなわちおれが若くないから、ということになろう。登場人物のデザイン、台詞やかけ合い、現代日本アニメなどからの引用、そういったものがすべてどこか上滑っているように感じられた。もっと若ければ乗れたのかというとそれはわからないのだけど、しかしこの表層におれはアジャストすることができなかった。
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うーん。ちょっとなんと言っていいかわからない感じ。もう少し(読んでから)早く書かないとだめだな、ともあれ。