黄昏通信社跡地処分推進室

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NFL 2017 -- Week 8

BYE はカーディナルズ(3-4)、パッカーズ(4-3)、ジャグァーズ(4-3)、ラムズ(5-2)、ジャイアンツ(1-6)、タイタンズ(4-3)。ロンドン明けの両チームが休み。ジャイアンツは少しでも立て直せるか。

Miami Dolphins (4-3) @ Baltimore Ravens (4-4)

サーズデイナイトフットボールAFC 東地区と北地区のチームの対戦。
ドルフィンズはカトラーがあばらを折っていて、マット・ムーアが先発。先週はムーアが出てきてから大逆転している。長年バックアップ QB をつとめているが、直近 12 試合の先発では 8-4 と印象よりはずっと頼れるリリーフだ。
しかし今日はドルフィンズエンドゾーンが遠かった。前半はファーストダウンが6回しか取れず、2Q に 0-13 とリードされてからようようたどり着いた 50 ヤードの FG アテンプトも K パーキイがわずかに右に外してしまい無得点。
一方レイヴンズは着実に得点を重ねたが、前半残り3分強でフラッコにアクシデント。3rd&10 からスクランブルして右サイドに走り、1st ダウンぎりぎりぐらいのところで自らスライディングしたのだが、身体が止まったぐらいのところへ LB キコ・アロンゾがヒット。これがヘルメットをすっ飛ばすようなぶつかり方で、フラッコは左耳を切って退場。脳震盪の疑いもあり、この日は試合に戻ってこなかった。急遽登場したライアン・マレットが TE ウォトスンへのタッチダウンパスをしっかり決め、リードは 0-20 となって折り返し。


後半もドルフィンズはいいところがなく、4Q にはムーアがインターセプトを二本喫していずれもリターンタッチダウンを喰らってしまい、さらに点差を広げられた。レイヴンズは後半はほとんど無理せず、マレットのスタッツは 3/7-20yds となにもしていないに近かったが、最終的な点差は倍になった。
ドルフィンズは今季二度目の完封負け。平均得点もリーグ最下位で、いかにディフェンスがいいとは言ってもこれでなお勝ち越しているのは信じがたい。ムーアがどこまで信頼できるかもまったく不明だし、さすがにここからは苦しそう。
レイヴンズは逆にここまではディフェンスが課題だったのだけど、この日は結果的には完封。フラッコに大事がなければそこそこやれそうな感じはあった。


最終スコア:MIA 0-40 BAL

Houston Texans (3-4) @ Seattle Seahawks (5-2)

2002 年以来、シーホークスとシアトルで対戦したルーキー QB の成績は 2-10 なのだそうで、デショーン・ウォトスンにとっては厳しいデータと言える。が、勝ったのは誰かというとジョシュ・フリーマンとアンディ・ドルトンらしく、「じゃあまあそんなに気にしなくてもいいのでは?」という気にもさせられる。
しかしこの試合はめちゃくちゃに面白かった。1Q、いきなりウォトスンから WR フラーに 59 ヤードのタッチダウンパスが通ってテキサンズは先制するが、次の攻撃ではアール・トーマスにインターセプトを喰らって 78 ヤードのリターンタッチダウンを喫してしまう。その次の攻撃でもウォトスンはめげずに 82 ヤードのドライブを完結させて 14-7 と再びリードする。返しのドライブ、敵陣 31 ヤードでの 3rd&2 でウィルソンはボールを投げる手を後ろからはたかれてパスインコンプリート——の判定だったが、ボールは前に力なく飛んで地面に落ち、ルーク・ウィルスンがリカバーしていた。ここでシーホークスがチャレンジ。「いや、今うちの QB ファンブルしてたやろ?」という不思議なチャレンジだったがこれが成功、結果的には 20 ヤード近く前進して 1st ダウンを獲得した。これをタッチダウンまで持って行って 14-14。このあと 2Q にもタッチダウンを一本ずつ取り合って 21-21 となって前半を折り返した。


後半、テキサンズはこの試合初めての FG で4回目のリードを奪うが、シーホークスも FG で追いつくと、ウォトスンからシャーマンがインターセプトを奪い、それで得た攻撃権でもう一本 FG を決めてとうとう逆転する。とはいえシーホークスのこの二本の FG はいずれも 21 ヤード、つまり3ヤード地点からのアテンプトで、テキサンズがぎりぎり踏みとどまったという印象が強かった。24-27 で試合は 4Q へ。
ウォトスンは 4Q 最初のドライブでホプキンズに 34 ヤード、フラーに 36 ヤードとロングパスを二本決めて一気にエンドゾーン手前に迫ると、最後は RB ラマー・ミラーがタッチダウン。これで 31-27。シーホークスは返しの攻撃、なりふりかまわずロングパスを二本続けてコールすると、二本目がタイラー・ロケットに通って 54 ヤードのゲイン。チョップブロックでタッチダウンがヌリファイされたりもしたが、最後はグレアムへのパスを決めてタッチダウン。これで 31-34 とまたシーホークスがリードする。
返しのドライブ、ホプキンズがすさまじい個人技を見せる。2nd&7 からの右サイドのスクリーンで、ロングゲインを狙ったプレイではなかったと思われるが、味方のブロッキングを上手く使ってするするとディフェンスをすり抜けると、72 ヤード走りきってタッチダウンレシーブにしてしまった。38-34 となり、シーホークスタッチダウンでしか逆転できない。残りは 4:49、タイムアウトは3つある。逆転へ向けてのドライブ、ウィルソンは判断よくパスを通し、スクランブル2回で計 32 ヤード稼ぎ、あっという間にレッドゾーンまで到達するが、ここで落とし穴。左サイドのリチャードソンへ、めずらしく「なぜこれで投げる」と言いたくなるような無理なパスで、インターセプトを喫してしまった。
残りは 2:49、流石に致命的に思えたターンオーバーだったが、シーホークスディフェンスは望みをつなぐ。ツーミニッツ明けからのミラーのランプレイ三連発を合計8ヤードに押さえ、パントを蹴らせることに成功した。タイムアウトは使いきり、残りは 1:39、自陣 20 ヤードからのラストドライブになる。
これがすごかった。いきなり中央奥に走ったリチャードソンにロングパスを投じ、これが通って 48 ヤードのゲイン。次のプレイはフォルススタートで5ヤード下がって 10 秒ランオフを喰らい、敵陣 37 ヤードで残り 0:46。ウィルソンはロケットにパスを通して、インバウンズでダウン。スパイクかと思われたがオフェンスはセットし、残り 0:26 でスナップを出す。ウィルソンがドロップバック、グレアムが一歩遅れてパスコースに出て中央へ、それがなぜかワイドオープンになっている! あまりにもあっさりパスが通り、そのままタッチダウンとなった。PAT も決まって、38-41。
残り 0:21 でタイムアウト2回、FG で同点にできるのでテキサンズにはまだワンチャンあったが、最初のプレイでウォトスンがサックされて実質勝負あり。最後はヘイルメリーにもならないやけくそロングパスをシャーマンにインターセプトされてゲームエンドとなった。


まあ点の取り合い面白いよねー、ではあるのだけど、その上にロングパスもばんばん決まってターンオーバーも何回もあって、スコアも常に競り続けてめちゃめちゃ楽しい試合だった。それにしてもテキサンズはロングパス決められすぎであり流石にどうなっとるんじゃという感じではあった。シーホークスはランがほぼ完封されていて、ウィルソンが 30 ヤード走った以外はマキシック、レイシー、ロールズの RB 三人で 16att-3yds である。パスしかない状況で 26/41-452yds-4TD-1INT というスタッツだったのだからやはりウィルソンは化け物と言わざるを得ないだろう。
ウォトスンも 19/30-402yds-4TD-3INT と大暴れで、好素質を充分に示した。今シーズンの残りも大いに楽しみ……だったのだが、残念ながら翌週の練習中に ACL を断裂して今季絶望となっている。まあ ACL は元通りに治ることが多い部位なので、あせらずリハビリしてもらえればというところだが、テキサンズとしては折角得た QB をまたしても(一時的にとはいえ)失うことになった。


最終スコア:HOU 38-41 SEA

Pittsburgh Steelers (6-2) @ Detroit Lions (3-4)

サンデーナイトフットボール。この試合何故かジータスで実況:近藤祐司氏、解説:村田斉潔氏&有馬隼人氏という「スーパーボウルか!」みたいな布陣だった。理由は普通に不明。
前半は比較的ロースコアの展開になり、ライオンズは FG 四本で 12 点。スティーラーズは最初の FG で先制したが、その後はロスリスバーガーインターセプトを喰らったり、RB ベルがファンブルロスト喰らったりと攻めあぐねた感じだった。特にベルのファンブルはライオンズ DE ゼッテルがブロックされながら手を伸ばしたんだけど、おそらく目視もできていない状況で一発でボールをたたき出していてぽかーんとなった。解説有馬氏曰く「神の手ですね」。10-12 で折り返し。


後半はスティーラーズが FG で逆転したあと、ルーキー WR スミス-シャスターの 97 ヤードタッチダウンレシーブで 20-12 と差を広げる。一方ライオンズはレッドゾーンでの 4th ダウンのプレイ選択が敗北を招いた。3Q は1ヤード地点の 4th&Goal からギャンブルして、DE アルアルにスタフォードがサックされて無得点。4Q の頭には再び1ヤード地点の 4th&Goal から、今度は FG を蹴って 20-15 と差を詰める。しかしそこからは得点を重ねられないまま、残り2分で敵陣8ヤード地点の 4th&7、まあこれは行かざるを得なくて、パスインコンプリートで無得点。3回とも FG を蹴っていれば、あるいは 4Q の頭にもギャンブルをしていれば、すなわち一方の選択をし続ければ結果は違ったかもしれなかったが、いかにも中途半端な選択をしてしまった。スタどんは 400 ヤード以上投げてインターセプト0だったがタッチダウンも無し。
スティーラーズは 20 点しか取れなかったがゴール前の堅い守りでタッチダウンを許さず、結果的にはその分で勝ち。久々にスティールカーテンが機能しているシーズンで、今季こそは面白いと思う。あとはロスリスバーガーおじさんの弱気が出なければ。


最終スコア:PIT 20-15 DET

Denver Broncos (3-4) @ Kansas City Chiefs (6-2)

マンデーナイトフットボールAFC 西の同地区対決。
チーフスが 1Q に昨季までのチームメイト、ジャマール・チャールズからボールを奪ってリターンタッチダウンで先制すると、1Q のうちにもう一本タッチダウンを追加して 0-14 とリード。その後はチーフスに二度のターンオーバーがある一方、シーミアンも前半だけで二本のインターセプトを喫するなどわりと締まらない展開になって、3-17 で折り返す。


後半もブロンコスは立て直せず、PR マッケンジーのパントのマフとシーミアンのこの日三本目のインターセプトで FG を二本献上し、さらに 4th ダウンギャンブル失敗でも傷口を広げた。チーフスも後半は自力で得点にたどり着けたのは FG 一本だけで 12 点どまりとぱっとしなかったが、前半のリードが大きかったのでそのまま逃げ切り勝ち。
どちらもディフェンスはいいけどオフェンスはいまいちという内容で、特にブロンコスはターンオーバー5つというミスの嵐でちょっとこれはどうにもならんぞという感じ。さすがにそろそろシーミアンも下げられても文句言えなかろう。チーフスも珍しくアレックス・スミスがファンブルロストするなど苦しんだが、堅実さでは一枚上手だった。


最終スコア:DEN 19-29 KC

Other Games

MIN(6-2) 33-19 CLE(0-8):今季四試合目にして最後のロンドンゲームはヴァイキングズの勝ち。ブラウンズは今季初めて前半をリードして折り返し、カイザーが今季初めてインターセプトを喰らわなかったが、結果的には敗れた。ヴァイキングズは四連勝して NFC 北の1位をキープ。そろそろブリッジウォーターが戻って来られるという噂もあって、なかなかよい状態!
OAK(3-5) 14-34 BUF(5-2):ビルズが圧勝。やばい、強い。今世紀初のプレイオフが見えてきた……と言いたいところだけど 5-2 ぐらいまでは来たこと何回かあるんだよな。レイダーズはカーがインターセプト2本と乱調で、攻守ともに力を発揮できていない感じ。
IND(2-6) 23-24 CIN(3-4)ベンガルズが逆転勝ち。しかもこれ 4Q にインターセプトリターンタッチダウンで逆転していて、オフェンスだけだと普通に負けているのだが勝ちは勝ち。3-4 と 2-5 ではまるで違うのでこの勝ちは大きい。コルツはラックが結局 IR 入りしたとかで、今季はちょっともう駄目っぽい。
LAC(3-5) 13-21 NE(6-2)チャージャーズの連勝は3でストップ。ロードでペイトリオッツ相手はやはり厳しかったか。21 点に抑えたのは相当頑張ったとは言えよう。ペイトリオッツは序盤の不調からはすっかり立ち直った感があり、さすがのひとこと。
CHI(3-5) 12-20 NO(5-2):セインツが勝ち星を伸ばしている。ここまで守れているのは 2013 シーズン以来で、久々にブリーズもプレイオフを狙えそうだ。ベアーズはランが結構出たがタッチダウンが遠かった。
ATL(4-3) 25-20 NYJ(3-5):おれたちのジェッツは今日も元気に逆転負け。4Q で 22-20 とされた直後にパントをマフってとどめの3点を決められるというわりと泣きそうな負け方だったらしい。マカウンは元気だしスタッツも悪くないんだけど勝てないねえ。ファルコンズファルコンズで苦しんでいるがこれでまたなんとか勝ち越し1。
SF(0-8) 10-33 PHI(7-1)NFC ではフォーティナイナーズが連敗を伸ばした。まあもう今季は完全に無理なのでいいんだけど、しかし負け方もだんだん酷くなっているのがやばい。ビーザードはタッチダウンを一本決めたがインターセプト2本。イーグルズはリーグ単独首位の一敗を守った。
CAR(5-3) 17-3 TB(2-5):パンサーズ、なんだかんだで 5-3 なの結構すごいと思う。この日も 17 点は物足りないがバッカニアーズオフェンスをほぼ完封した。バッカニアーズはウィンストンがインターセプト2本とファンブルロスト1。
DAL(4-3) 33-19 WAS(3-4)カウボーイズが勝ってふたたび貯金を1に戻す。前半は 14-13 とほぼ互角だったが、レッドスキンズが 3Q にファンブルロストを連発し、それをカウボーイズがことごとく FG につなげて得点差を広げた。ターンオーバーは怖いねえ。
(いちおう更新終わり)