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金沢・福井旅行 (2):福井県立恐竜博物館

朝起きると部屋の窓から柴山潟がいっぱいに臨めて、とてもいい眺め。着替えて朝一で朝ごはんへ。朝ごはんビュッフェ最高だよな。朝からのどぐろ一夜干しとか食べちゃったよ(これは骨っぽくて微妙だった)。
車に乗って再び北陸道へ。福井北から中部縦断自動車道に入って勝山まで南下する。勝山 IC からはずーっと恐竜博物館の標識が出てて、どうもそれに合わせて道路も通したっぽくて、標識に従っていくとするするっと恐竜博物館にたどり着ける。すごい。適当な駐車場に駐めて博物館へ。有名なエスカレーターに乗って地下に下り、館内を少し見学してから、バスに乗って「野外恐竜博物館」へ。車で 25 分ほど行ったところに現役の発掘現場があり、そこにサテライトがあるのだ。さらに化石発掘体験までできちゃうという至れり尽くせりのツアー、予約もばっちり済ませてきた。参加者は 50 人ほど? バス2台に分乗して川沿いの発掘現場へ。ここは 1989 年頃から発掘をしている比較的新しい現場なのだそうで、掘るきっかけになったのは川に来ていた釣り人が化石を拾ったことなのだという。最初は川岸から露天掘りをしていたが、そのうち落盤のおそれが出てきたので山の上から重機で掘削しようみたいなことになり、現在は第四次発掘まで行われている。第三次までに削り取った山肌には見事な地層の縞模様が露呈しているが、現在は天然記念物になっちゃったので基本的にもう誰もさわれないんだとか。
山肌の手前の平らなところのまんなか辺に大人が抱えられないほどの大きな石がごろんと転がされていて、やや平らな面がこちらを向けられて、まんなかが少しくぼんでいる。なんとそのくぼみが恐竜の足跡の化石なのだそうで、言われてみるとなるほど指らしい形も見える。でかい! なぜそれが野ざらしにされているかというと、実は足跡の化石というのはもちろん貴重なのだけどあくまで雌型なので、写真を撮ってスキャンしてデータを保存したら最終的には割ってしまうのだそうだ。直接踏まれていたぐらいだから足跡の主と同じ時期の石で、やはり化石が含まれている可能性が高いのだと。
それから発掘物を展示している小さな建物内を見学して、いよいよ化石発掘体験。ゴグルとたがねとハンマーを渡されて作業場に入る。なにをするかというと、作業場に転がっている石を割るのだ。石自体は正真正銘第四次発掘現場から持ってきたモノホンの白亜紀の岩石で、ソフトボール大からハンドボール大ぐらいまでの大きさだ。これはという石を選んでたがねで叩き割り、さあなにが出る、という体験ができる。植物か貝類の化石だったら握り拳大の石一個まで持ち帰り OK。脊椎動物以上の高等な化石は博物館のものとなるが、発見者の名前は記録されるとのこと。制限時間は 20 分強。
というわけでがんがん割りました。石は砂岩と泥岩があるのだけど、砂岩は素人にはちょっと歯が立たなくて、狙うのはもっぱら泥岩になる。たがねを当ててハンマーで叩くとわりと面白いようにぱかんと割れるので、どんどん割る。植物の化石はわりとよく出て、ものによっては葉っぱらしいこともわかったりするのだけど、貝以上となるとさっぱりだった。あっという間に時間が過ぎて、名前が残せるようなものにはかすりもしなかった。
めいめい一個ずつ石を選んで、バスに揺られて博物館に戻る。ガイドをしてくれたアルバイトのお姉さんもこの道の人なのか、詳しくて面白かった。
しかし割り足りない。もっと石を割りたいぞ。そんな人のために、というわけではないはずだが、博物館の裏手にもうひとつの発掘体験エリアがあるのだ。行ってみるとまだ枠に空きがあったので、勢いで申し込んでしまう。延長戦だっ。
開始まで 30 分ほど間があったので、そばにあった小さなお店で「恐竜バーガー」をみんなで食べる。今年最終営業日だとかで、全品 50 円引きという大サービスだった。わりとしっかりボリュームがあっておいしかった。
そして延長戦へ。こちらの発掘の方は現場見学とか展示とかは一切なくて、最初に説明があったあとはひたすら石を割るという賽の河原みたいなシステムなのだけど、その分時間が長いので(正味 40 分ぐらい)がんがん割れるということでもある。上でこつは掴んだので、今度は鬼のように割る……と行きたいところだったが、ここで厳しい現実に直面する。圧倒的に砂岩が多いのだ。あと、上ではたがねにゴムのカバーがついていて、手を叩かないで済むようになっていたのだけど、こちらではむき出しのたがねで、息子はどうしても力いっぱい叩けないようだった。そんなわけでちょっと消化不良だったけど、なんとか植物の化石はいくつかいい感じのに当たって、よかった。
さてあとはどうしよう、というところで、子供たちが遊具で遊びたがったので、ちょっと外で休憩。ティラノサウルス広場というところに巨大な恐竜の像とその周りにわりと大きな複合遊具があって、子供がたくさんむらがっていた。とりあえず 40 分ほど遊ばせる。
最後にもう一度展示を見ておこう、ということで館内へ。とはいえものすごいボリュームで、最初からずーっと中にいても一日ではとても見終わらないだろう。ざっと気になるところだけのぞいて、すぱっと外に出た。それでも面白かったし、また来れたら来てみたい。
車に戻ったら 16 時過ぎで、ちょっとくたびれてたので仮眠する。おれはこういうとき3分ぐらいで眠れて 20 分ぐらいで起きられるのだ。というわけで 16 時半前に起きて、出発。ほどなく子供たちふたりは眠りに落ち、中部縦貫道北陸道と来た道を逆に辿ってホテルに戻った。風呂に入って晩ごはん。この日は特別料理のはずだったけどちょっとした手違いで最初そうなってなくて、あれっと思ってホテルの人に聞いてみたらやっぱり違って、というようなことがあった。おかしいと思ったら聞かないとだめだな。おかげでゆで蟹と蟹鍋を両方食べられることになったんだけど、でもこの手違いは半分以上わしらの所為だったのでかえって申し訳ない感じもあった。蟹はひさびさにがっつり食べたけどめっちゃおいしかったです。レストラン最後の客になるまで食事を堪能して、部屋に戻って即死。