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NFL 2017 -- Week 9

BYE はベアーズ(3-5)、ブラウンズ(0-8)、チャージャーズ(3-5)、ヴァイキングズ(6-2)、ペイトリオッツ(6-2)、スティーラーズ(6-2)。ちょうど真ん中なのでタイミングとしてはうれしいところ。6-2 のチームがみっつある一方で全敗のチームもあり、悲喜こもごも。

Buffalo Bills (5-3) @ New York Jets (4-5)

サーズデイナイトは AFC 東の同地区対決。クレイジーバッファロー対俺たちのジェッツという、シーズン前だったら「なんでこのカード?!」としか言いようがなかった組み合わせだが、意外にも両チーム、特にビルズはここまで頑張っていてそれなりに興味深い対戦になった。ちなみにこのカードは今季2回目で、初戦は開幕週で地元ビルズが勝っている。
先制したのはジェッツ。直前のビルズの攻撃をエンドゾーン前に釘付けにして、苦しいパントを蹴らせて得た自陣 46 ヤードからのドライブで、最後は残り 10 ヤードの 3rd&5 をマカウンがまさかのスクランブルでタッチダウンを獲った。今年のマカウンは一味違う。
1Q 終わり際のドライブでビルズも反撃。テイラーが自分で走って 18 ヤードゲインするなどビルズらしいドライブで、最後はジョーンズへ 10 ヤードのタッチダウンパス。これで 7-7 に追いつく。その後 2Q にジェッツはもう一度タッチダウンのチャンスを迎え、マカウンがセファリアン-ジェンキンズへタッチダウンパスを決めるが、フォーテイのホールディングでヌリファイされてしまった。結局 FG で、7-10 で折り返し。


後半 3Q に入ってからもジェッツの勢いは衰えない。ビルズの最初のドライブをスリーアンドアウトに仕留めると、返しのドライブでマカウンからアンダーソンへのタッチダウンパスが決まる。これで今季のタッチダウン数が 13 となり、なんとキャリアハイの 2013 シーズンに並んだとのこと。ちなみに 2013 シーズンはシカゴ・ベアーズに在籍し、ジェイ・カトラーの怪我で計8試合出場、そのうちスターターは5試合で達成した記録である。この年はパッサーレイティングも 109 を記録しており、これもキャリアハイとなっている。ベアーズはカトラーが戻って迎えた最終週にパッカーズに負けてプレイオフを逃した。
閑話休題。さらに2回後の攻撃で、ジェッツはたった2プレイでタッチダウンにたどり着く。パウエルの右サイドへのラン、スクリメージ付近で詰まりかけたが中央へ回り込むように走って、ディフェンスを何人も交わして 51 ヤード走る素晴らしいプレイ。このあとフォーテイが残り 10 ヤードを走ってタッチダウンにした。7-24 とさらに差が広がる。
4Q に入ってからは、テイラーが自陣でサックされてファンブルロスト、返しの攻撃の1プレイ目でタッチダウンを決められて 7-31 となり、これでほぼ大勢は決した。このあとジェッツは FG を追加し、ビルズはタッチダウンオンサイドキック成功→タッチダウンと決めて反撃するも文字通り時すでに遅し。ジェッツがそのまま押し切った。
ジェッツはオフェンス、ディフェンスともに好内容で、これで 4-5 というのはちょっと勿体ない。逆転負けが続いたのが原因だろうが、この日のような試合が重ねられればプレイオフもワンチャンあるなという内容だった。ビルズは先行されると苦しく、もう少しロースコアのゲームに持ち込みたい。


最終スコア:BUF 21-34 NYJ

Oakland Raiders (4-5) @ Miami Dolphins (4-4)

サンデーナイトフットボール
幸いにもさほどの怪我ではなかったようで、ドルフィンズはカトラーが先発。やっぱカトラーじゃねえとな(※個人の見解です)。
レイダーズが先攻で、オープニングドライブは長いドライブだったが FG どまりで3点を先制。パントを1本ずつ蹴った後、ドルフィンズが反撃する。カトラーのパスを中心にドライブを続け、最後は短いパスをとったウィリアムズがサイドライン際でタックルをまとめて交わしてタッチダウン、PAT が外れて 3-6 と逆転した。ここでドルフィンズオンサイドキックを試みると、全く警戒されてなかった上にボールはうまく弾んでくれて、再びドルフィンズが攻撃権を得る。ところが敵陣 20 ヤード地点で RB ドレイクがボールをかき出されてファンブルロストしてしまい、オンサイドがふいになってしまった。その上レイダーズは返しのドライブでカーからホートンへの 49 ヤードのパスが決まって再逆転する。このあと FG を一本ずつ追加して 13-9 で折り返し。


後半レイダーズはマーション・リンチがひさしぶりにらしさを見せる。最初の攻撃ではいきなり 14 ヤードのランを見せると、レシーブでも5ヤード稼ぎ、最後は 22 ヤード地点での 3rd&2 からそのまま 22 ヤード走りきってしまった。しかしドルフィンズもすぐ反撃し、ドレイクの 42 ヤードのランで一気に敵陣深くに入ると、そこからはカトラーが短いパスをつないでタッチダウン。再び4点差とする。
このあとはパント合戦になって、得点がようやく動いたのは 4Q も深まってからだった。レイダーズは自陣 13 ヤードからの悪いフィールドポジションだったが、相手の反則が二本続いたのにも助けられてチャンスを得ると、最後は再びリンチが3ヤードのラン。27-16 とリードを広げた。
ドルフィンズはさすがに時間がなく、ツーミニッツを切ってからなんとかカトラーがジュリアス・トーマスにタッチダウンパスを決め、ツーポイントコンヴァージョンも成功して 27-24 と FG 一本差に詰めたものの、オンサイドキックは決まらずそのまま試合終了となった。
レイダーズはようやくいいところが出た感じで、リンチも気分よく仕事ができたし後半戦に望みをつないだ。ドルフィンズはカトラーが戻ってきていい仕事をして、先週よりはずっとよかったけど負けは負け。攻撃力には限界があるので、ディフェンスがどれだけ頑張れるかにかかっている。まあ 4-4 は妥当な戦績かなという感じで、プレイオフはさすがに厳しそう。


最終スコア:OAK 27-24 MIA

Washington Redskins (4-4) @ Seattle Seahawks (5-3)

NFL JAPAN の放送予定で BAL-TEN ってなってたからなんか微妙なカードやってんなあと思ったけどふたを開けてみたらこの試合だった。この方がずっといいカードではあるけど、黙って変えないでくれと思わなくもない。
さておき、前半はとにかく点が入らない展開だった。というのもシーホークス K ブレア・ウォルシュが絶不調で、FG を三本外してしまったから。44 ヤード、39 ヤード、49 ヤード、とものすごく簡単でもないけど NFL なら二本は入れなきゃいけない距離、これを全部左に外して 0/3。他にもウィルソンがインターセプトを喫し、ディフェンスがエンドゾーンでカズンズをサックして辛うじてセイフティの2点は奪ったものの、前半はその2点だけに終わってしまった。
レッドスキンズシーホークスの強力な守備陣相手に苦しみ、ランも出ないしカズンズもパスをあまり通せない。唯一完遂したドライブも 13 プレイとかなりのロングドライブで、前半まともに進めたのはほとんどその攻撃だけだった。7-2 で折り返し。


後半開始早々にレッドスキンズが FG を決めてからはまたパントが続いたが、4Q に入ってからやっとシーホークスがオフェンスで得点をあげる。6プレイ全部ゲインするという地味にすごい攻撃で、最後はルーク・ウィルソンへのタッチダウンパス。当然ツーポイントコンヴァージョンを狙うが、ここはレッドスキンズ DB スウェリンジャーがインターセプト。そのままディフェンスツーポイントを狙って走り、バックパスを二本つないで粘るがレッドゾーンに入ったあたりで捕まって得点はならなかった。10-8 となる。
そのまま両チーム得点なく、残り2分を切ってからついにシーホークスが逆転する。ウィルソンが逃げ回ってパスを出し、自分で走り、とドライブを続け、最後はボールドウィンへ 30 ヤードのタッチダウンパス。勝負どころできっちりとスコアリングドライブを成功させてくるあたりは流石としかいいようがない。ここもツーポイントは失敗したが、10-14 とタッチダウンでなければ逆転できないスコアになった。
しかしこの日はレッドスキンズの執念が上回った。幸いシーホークスの攻撃が素早かったために、1:34 とタイムアウトふたつが残っていたのだ。自陣 30 ヤードからのドライブ、カズンズはブライアン・クイックへの 31 ヤードのパスを通して一気に敵陣に入ると、次のプレイでドクトソンに今度は 38 ヤードのパスを通す。シーホークスの堅いディフェンスをものともしないロングパス二本でゴール前1ヤードへ迫ると、ファーストダウンでケリーが1ヤードを走りきってタッチダウン。17-14 とふたたびリードを奪った。
今度は立場が逆になって、シーホークスに 0:59 の時間が残る。タッチダウンはひとつだが、点差は3点だから FG で追いつける。リチャードソンへのロングパスが決まって敵陣に入るところまで進むが、その次のプレイでサックされて力尽きた。

  • レッドスキンズの最後、ケリーのタッチダウンのところではできればわざと——できればインチぐらいで——ダウンしたいように思うのだが(スーパーボウルVLI問題。得点まであの試合と同じである)、やっぱりオフェンスコール出してるとそれは難しいのだろうか。ディフェンスの立場からすると、止めきることを前提のプレイはできないし、もうむしろタッチダウン取らせてラストドライブに賭けるしかない状況に思えるのだが、こういう時 NFL ですらだいたいタッチダウン取っちゃうよなー。
  • 最後シーホークスは FG 圏に届かなかったのだけど、K ブレア・ウォルシュはさぞほっとしたと思う。いや、プロなのだから決めてやると思ってただろうし準備は万端だっただろうが、それでも蹴れなくて悔しいと思うより出番が来なくてほっとした気持ちの方が強かったのではないか。/ウォルシュは 2012 年にドラフト六巡でヴァイキングズに入団した。最初の年は 35/38、最長 56 ヤード、50 ヤード以上で 10/10 という桁外れのスタッツを残した。キッカーは往々にして怖いもの知らずの一年目にいい成績を残すが、2年目も 86.7%、3年目で 74.3% と一旦落ち込んだものの、4年目の 2015 シーズンには再び 87.2% と持ち直した。ところが3年ぶりに進んだプレイオフ緒戦、シアトル・シーホークス戦で 27 ヤードの決勝 FG を外してしまう(http://d.hatena.ne.jp/natroun/20160110#p1)。翌年ウォルシュは明らかにおかしくなった。FG も PAT も 75% 前後の成功率で、決めて欲しいところで決められないこともあった。チームは一回トライアウトを行い、その結果ウォルシュを残したが、最終的に Week 10 の後にウォルシュはリリースされた。その後はフリーエイジェントだったが、今年スティーヴン・ホーシュカをリリースしたシーホークスと契約した。あの試合の対戦相手だったシーホークスに雇われるなんて運命の皮肉としか言いようがないが、それでも前週までは FG 失敗はわずか1本とすっかり持ち直したように見えた。それがこの日の前半だけで3本中3本外した。それも全部左に、あの日ボールが外れていった左にボールが飛んでいた。ハーフタイムにフィールドに入ってまで練習していたそうだが、後半は FG アテンプトどころか PAT すら2回ともツーポイントだったため文字通り出番がなく、そこで最後の最後に同点 FG の機会がめぐってきそうになった。あるいは、それが本当に来ていて、蹴って決められたら、今度こそあの日のことを払拭できたかもしれない。でも果たして決められただろうか。まっすぐボールを蹴れただろうか。これもスポーツの面白さではあるから、見たかったという気持ちもないわけではないが、個人的には出番来なくてよかったと思った。



最終スコア:WAS 17-14 SEA

Detroit Lions (4-4) @ Green Bay Packers (4-4)

マンデーナイトは NFC 北の同地区対決。もちろん見たんだけど、時間もないので簡単に。
ライオンズはパッカーズとの@グリーンベイ戦で直近 1-24 というすさまじい負けっぷりなのだそうで、これは NFL 全対戦で歴代ワーストとのことなんだけどそれはそりゃそうだろうとしか言いようがなく、しかし 25 年ほぼ負けっぱなしというのもそれはそれですげえとしか言いようがない。
パッカーズはロジャーズが怪我していてこの日もブレット・ハンドリーが先発。最初のドライブはいい感じで進んで、敵陣 20 ヤードまで進むがそこで止まり、FG を狙ったキックもブロックされてしまう。反対にライオンズは前半2本のドライブを成功させて 14 点。パッカーズは前半終了間際に3点返すのがやっとだった。
後半もライオンズは順調に得点を重ね、FG 二本を追加して 20-3。次のドライブでようやくパッカーズタッチダウンにたどり着くが、返しのドライブでライオンズはセオ・リディックへのスクリーンパスで 63 ヤードゲインというビッグプレイが飛び出し、あっという間にタッチダウンになってしまう。パッカーズが次のタッチダウンを取れたのは試合残り時間0秒だった。
ハンドリーじゃまだまだ荷が重いよなあ、というところ。


最終スコア:DET 30-17 GB

Other Games

ATL(4-4) 17-20 CAR(6-3):パンサーズが 1Q の 10-0 から逆転勝ち。2Q に相手のギャンブル失敗とインターセプトから得たショートフィールドをいずれもタッチダウンまで持って行って、ほぼそれで勝った。ファルコンズはスタッツ見ると悪くないんだけど、どうも足りない。セインツとパンサーズが走っているので、プレイオフはかなり厳しくなった。
IND(3-6) 20-14 HOU(3-5)テキサンズの QB は今週からトム・サヴェジ。19/44 とかでかなり苦しんだ様子。まあもう今年はしょうがないかな。コルツはラックが今季絶望で、残りシーズンはブリセットで行くみたいだけどこっちはこっちで今年は諦めか。となると AFC 南はタイタンズとジャグァーズの一騎打ちみたいになるわけで、まじで宇宙。
CIN(3-5) 7-23 JAX(5-3):ジャグァーズも中々見られないのでどう強いのかよくわからないのだが、基本的にはがっちり守って普通に点取って勝つみたいな感じなのかな。この日はベンガルズのトータルネットヤードが 148 で、そりゃどうにもならんよねというところ。ボートルズもいつもそこそこなんだけど、今年は上手く試合を作れている印象。5年目オプション行使した時はまじで狂ったかと思ったけど、今年ぐらいやれてればありかもしれない。ともあれこれで5勝目。おれが観始めた 2011 シーズン以降ジャグァーズは最大でもシーズン5勝しかしていないが、シーズン半分でそれに並んだことになる。
TB(2-6) 10-30 NO(6-2):セインツは好調をキープ……というか、バッカニアーズがぼろぼろ。ウィンストンが先発したけど肩の怪我で下がり(肩鎖関節の捻挫とのこと)、フィッツパトリックがリリーフして 8/15-68yds。そりゃどうにもならんわい。それにしてもセインツ、久々にディフェンスがしっかりしてて、プレイオフが見えてきた感じ。
LAR(6-2) 51-17 NYG(1-7)ラムズ、強いな。完勝じゃないか。ゴフのスタッツも 14/22-311yds-4TD-0INT だって。オフェンス陣もみんな若いし、希望に満ちあふれているという感じがする。対するジャイアンツは、ううむ、イーライもインターセプトありファンブルロストありで散々。いろんな意味で来年に向けて、というところなのだろう。

DEN(3-5) 23-51 PHI(8-1):イーグルズも絶好調である。こちらもウェンツが4タッチダウンパス。15/27-199yds は少し低いが、4TD-0INT なら文句のつけようもあるまい。ドルフィンズから放出されたアジャイーも 8att-77yds-1TD と結構走ったようだ。ブロンコスはとうとうシーミアンを諦めてオスワイラーを出してきたが、19/38-208yds-1TD-2INT と散々で、いきなり出されて厳しいのはわかるがそれにしても物足りない。RB 陣もブッカー、C.J.アンダーソン、ジャマール・チャールズの3人で 19att-45yds と如何ともしがたい数字。こりゃ厳しいねえ。

  • イーグルズは点取るたびに花火あげてたら最後は花火がなくなっちゃったらしい。「謝罪します」とかうっきうきでツイートしててうざい。→https://twitter.com/Eagles/status/927282621452832768
  • フォールズが1本パス投げてた。勝ち確になってからなんだろうけど、1/1 で 35 ヤードってのがちょっと面白い。その状況でロングパス投げるか?

BAL(4-5) 20-23 TEN(5-3)タイタンズが終始リードして逃げ切り勝ち。いつの間にかという感じで勝ち星を積み重ねている。マリオタも三年目で年々よくなってるな。レイヴンズは五割ラインの上下を行ったり来たり。フラッコもタッチダウンよりインターセプトが多いような有様で、流石にそれだと中々勝てないよね。
ARI(4-4) 20-10 SF(0-9)カーディナルズに電撃トレードされたエイドリアン・ピーターソン、馬車馬のように走って 37att-159yds。さすがに走らせすぎだろと思うけど、セインツでの使われ方は本人にはめちゃめちゃストレスだったっぽいので、少なすぎるより多すぎる方がいいとは思う。フォーティナイナーズはこの日もベザード*1が投げて、24/51-294yds-0TD-1INT。まあこんなもん、かな。がんばれがんばれ。
KC(6-3) 17-28 DAL(5-3)カウボーイズが逆転勝ち。スタッツだけじゃ中々わからんけどエリオットが 93 ヤード走ったのに対してチーフスはハントが 9att-37yds だったそうで、まあその辺りだろうか。

*1:表記変えた。「ビーザード」→「ベザード」。つづりは Beathard。