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NFL 2017 -- Week 15

あと三週。

Denver Broncos (5-9) @ Indianapolis Colts (3-11)

今季最後のサーズデイナイトフットボール。まあシーズン終盤だからしょうがないとはいえ、プレイオフが目無しになったチーム同士の対戦となった。
先にペースをつかんだのはコルツで、0-10 と先行するが、1Q の終わりにシーミアンが負傷して 2Q 頭からブロック・オスワイラーが登場する。昨年から今年にかけてはさんざんな目に遭ったオスワイラーだが、しかしこの日ばかりはよかった。まずは 4th&2 を更新しつつのドライブを継続し、最後は自ら走って 18 ヤードのタッチダウンラン。確かに足が速くはないんだけど、いくらなんでも舐められすぎだったし、そこをよく判断したスクランブルだった。7-10 で折り返し。
後半に入ってからもオスワイラーのできはよく、絶妙なコントロールのパスを通したり、判断よくレシーバーを見つけたり、一線級の QB の仕事ぶりだった。これが毎回できるのであればブロンコスは来年再び彼にスターターを任せるべきなのだが、そううまくはいかなかったのもこれまでの実績。スタッツは 12/17-199yds-2TD-0INT と文句なしだったが、どう評価すべきかは実に悩ましい。
コルツは後半尻つぼみで、FG 一本で3点を追加するに終わった。まあ今のブリセットではここまでなのだろう。


最終スコア:DEN 25-13 IND

Los Angels Chargers (7-7) @ Kansas City Chiefs (8-6)

AFC 西の天王山、その2。今度はチャージャーズとチーフスが 7-6 同士でぶつかった。Week 3 で当たったときには 2-0 対 0-2 で、2-0 だったチーフスが勝っているわけだが思えば遠くへ来たものである。
試合はパントの応酬からチーフスが FG で先制。次の攻撃で、アレックス・スミスからタイリーク・ヒルへのロングパスが見事に決まって 64 ヤードのタッチダウンパス。ここはチャージャーズがロングパスを警戒しておらず、すっぽりと裏を取られてしまった。0-10 となるが、このあとチャージャーズも反撃。RB ゴードンがタッチダウンランを決め、PAT が外れて 6-10 で折り返し。
チャージャーズは後半先に得点をあげて逆転する。リヴァーズから、おなじみ TE アントニオ・ゲイツに 10 ヤードのタッチダウンパス。これで 13-10 としたが、返しのドライブでチーフスは 3rd ダウンを4回連続で更新して攻め入ると、最後はやはりこの人、カリーム・ハントのタッチダウンラン。13-17 と再び逆転した。


ここからがチャージャーズにとっては悪夢の時間帯だった。返しのドライブの2プレイ目、リヴァーズが投じた自陣からのロングパスが伸びきらずインターセプトされると 62 ヤードのリターンを許してしまい、自陣6ヤード地点まで攻め入られてしまう。ここはディフェンスが頑張って FG にとどめ、13-20。
次のチャージャーズのドライブ、今度は3プレイ目でエクラーがファンブルロスト。ここもなんとかディフェンスがタッチダウンは許さず、もう一本 FG を決められて 13-23。
さらに続くチャージャーズの攻撃、敵陣に入ったばかりの地点で 4th&1、ここでリヴァーズが投じたパスがインターセプト。流石にこの返しのドライブはタッチダウンにされた。13-30 と、3ポゼッション差になった。
それをひっくり返せる力は、今のチャージャーズには無かった。


ターンオーバー三連発。リヴァーズは今季ここまでインターセプトが 10 本なのに、そのうちの6本がチーフス戦だ。シーズンでもっとも大事な試合の、もっとも大事な時間帯に、最悪のミスが三本続いた。
こういうプレイヤーなのかもしれない。スタッツはいいのに、大事なところでいつもちょっと足りない。プレイオフからも四年間遠ざかっている。
それでもまだ、終わってはいないと思う。そうだ、今シーズンだって終わってはいない。いやまあ今シーズンは無理としても、どこかでもう一花咲かせてほしいと思うんだ。


チーフスは 5-0 から 6-6 まで落ちて、アンディ・リードに代わって OC が攻撃のプレイコールをする、という荒療治をして、同地区の相星の相手二連戦に連勝した。ぎりぎりのタイミングで賭けに勝って立ち直ることができた。星勘定的にもおそらくこのまま地区優勝してプレイオフに進むだろう。このV字回復みたいなレギュラーシーズンが果たしてポストシーズンでどこまでプラスに働くか。


最終スコア:LAC 13-30 KC

Dallas Cowboys (8-6) @ Oakland Raiders (6-8)

どちらもプレイオフにはこの試合を含めて3連勝+他力が必要な状況だったが、カウボーイズが辛うじて逃げ切り勝ち。プレイオフにぎりぎり望みをつないだ。
17-17 の 4Q、カウボーイズは敵陣深く、エンドゾーン1ヤード手前まで攻め入るが、2nd&1 からモリスのランを2プレイ続けて1ヤードが取りきれず FG で終わる。返しのドライブ、レイダーズの攻撃は自陣 11 ヤードからと苦しいフィールドポジションで、自陣 30 ヤード地点で 4th&10 になってしまうが、ここでカーは左奥に走ったクラブトゥリーへのロングパス。これがパスインターフィアランスを誘って、一気にレッドゾーンに入る。そして8ヤード地点での 3rd&3。カーはレシーバーを探し、右側の空いたスペースに抜け出して自ら走る。1st ダウンは明らかに取れる位置だったが、さらに5ヤード行けばタッチダウンになる。カーはサイドライン際でパイロンに向かってダイブした。
カウボーイズのディフェンスは完全に虚をつかれ、カーを止めることはほぼできない位置にいた。しかし SS ヒースだけは諦めず、エンドライン沿いをサイドライン方向へ向かって走ってカーを追った。右手を伸ばしてダイブするカーに、空中でタックルした。衝撃でカーの手からボールがこぼれた。ボールは慣性でまっすぐ飛び、サイドラインの内側を飛んで行って、エンドゾーンに入ってからサイドラインの外に転がり出た。審判は右手を水平に伸ばして上下に振った。タッチバック。オフィシャルレヴューがあったが、映像を見ても明らかにタッチバックだった。
どう転んでも FG は決められる位置だった。悪くてもオーヴァータイムにはできるはずだった。プレイ前で残り 0:39、タイムアウトもまだひとつ残っていた。1st ダウンをとったところでサイドラインに出ればよかった。結果的には最悪のプレイを選択してしまった。しかしまあ、ここはヒースをほめるべきだろう。
カウボーイズプレスコットインターセプトを2本放り、決していい内容とは言えなかった。それでもとにかく勝った。来週からようやくエリオットが戻ってくる。その時点でプレイオフの可能性が残っているのは朗報だろう。


最終スコア:DAL 20-17 OAK

New England Patriots (11-3) @ Pittsburgh Steelers (11-3)

AFC 頂上決戦。これはいいところに組んだなーという感じ。対戦編成担当はいい仕事をしたと思う。おそらくシード順は 1,2 位になりそうなのだが、ジャグァーズが絡んでくるかもしれないし、1位争いをするとなると直対の価値は 1.1 ゲーム分ぐらいあるのでここは結構負けられない試合になる。
途中までは追いつ追われつの展開だったが、4Q 開始時にはスティーラーズが 16-24 でリードしていた。残り 4:00 の時点でペイトリオッツはドライブが止まり FG を蹴らざるを得なくなる。19-24 で攻撃権を手放し、かなり苦しい状況になった。しかし返しの攻撃でスティーラーズをスリーアンドアウトに仕留めると、2:06 残して最後のドライブを開始する。ここはブレイディがグロンカウスキーへ3本続けてパスを通したのだが、圧巻としか言いようがなかった。26,26,17 ヤードとゲインし、あっという間に 69 ヤード前進した。残り8ヤードはルイスのランで1プレイで取りきり、さらにはツーポイントまでグロンカウスキーにパスを決めて、27-24 と逆転した。
残り 0:56、タイムアウトは1回、自陣 21 ヤード地点。しかしスティーラーズもあきらめない。右からアクロスで走ってきたスミス-シャスターに短いパスをヒットさせると、ランアフターキャッチで左のサイドライン際を駆け上がる。LB と S がぶつかるようなタックルミスがあってその裏へ抜け出し、さらにフィールド中央へ向けてカットを切って、敵陣 10 ヤードまで進んでようやくダウン。プレイが切れた直後のサイドラインでさすがに穏やかならぬ表情のブレイディが抜かれていたのも味わい深かった。
次のプレイでロスリスバーガーは中央のジェイムズへパスを通し、ジェイムズはボールを取って身体を反転させながらエンドゾーンに倒れこむ。審判の両手が上がる。再逆転のタッチダウン
……かに思われたが、レヴューの末判定が覆る。倒れこんだら地面に着くときまでボールをしっかり保持していなければいけないのだという。釈然としないがパス失敗の判定となった。
2nd ダウン、左サイドのヘイワード-ベイにパスが通るが、インバウンズでダウン。
3rd ダウン、タイムアウトがないのでスパイク、と見せかけてロスリスバーガーエンドゾーンに走りこんだイーライ・ロジャーズにパスを投げる。しかしこのフェイクスパイクは読まれていた(少なくとも準備はされていた)。ハーモンがボールをインターセプトして、万事休した。


カードや状況を抜きにしても試合自体が面白く、最後まで手に汗握った。謎の判定でペイトリオッツが勝ちを拾ったが、力はほとんど互角だろう。AFC チャンピオンシップでの再戦が楽しみだ。再戦がならないとすればそれはこの二強を負かしたチームがあるということなので、それはそれで楽しみというほかない。


最終スコア:NE 27-24 PIT

Atlanta Falcons (9-5) @ Tampa Bay Buccaneers (4-10)

NFC 南地区の同地区対決。
今季プレイオフ争いがもっとも熱いのはこの地区だが、バッカニアーズだけは早々に蚊帳の外になってしまった。三年目のウィンストンを中心に今年は飛躍のシーズンになるかと思われたが、ウィンストンのスタッツは向上しているのにチームの戦績は上向かないという微妙な状況である。ファルコンズは先週から同地区四連戦で、先週セインツに勝ったためあと 2-1 で行ければプレイオフが決まるというポジションにある。
力としてはファルコンズの方が上だろうなという感じだったが、さすがは同地区対戦、バッカニアーズも意地を見せて好ゲームになった。ウィンストンが 27/35-299yds-3TD-0INT と素晴らしいスタッツを残し、ディフェンスもファルコンズに食らいついた。4Q には7点返して 24-21 と三点差に迫ると、最後 54 ヤードの同点 FG を蹴るところまで持ち込んだ。残念ながら決まらず敗れることとなったが、来季へ向けて希望の持てる試合だったと思う。
ファルコンズは思わぬ苦戦だったがこれでプレイオフまであと1勝となった。なんだかんだ力があるのは間違いなく、プレイオフに残れれば結構うるさい存在になりそう。


最終スコア:ATL 24-21 TB

Other Games

CHI(4-10) 10-20 DET(8-6):ライオンズが勝ってぎりぎりプレイオフ争いに生き残り。ベアーズはガービッジタイムにタッチダウン1本返したのを含めて 10 点。トラビスキーはインターセプト3本。まあ我慢のしどころと思うけど、どこまで我慢すればいいかの見極めはむずかしい。
MIA(6-8) 16-24 BUF(8-6):ビルズがプレイオフに生き残り。ドルフィンズは 4Q に 10 点返して最後オンサイドキック決めるところまでいったが、直後にインターセプトを喫して終了。
GB(7-7) 24-31 CAR(10-4)パッカーズはロジャーズが復帰。ここで負ければほぼ終わりなので出てくるのはいいのだが、結果は 3TD-3INT と試合を作れず。こんな日に限ってパンサーズもニュートンタッチダウン4本とか決めててめぐり合わせも悪かったか。
BAL(8-6) 27-10 CLE(0-14):ブラウンズ、あと二敗。だんだん内容が悪くなっているように見えるのは気がかりなところで、まあそりゃ悪くなるわなとは思うんだけど。ところでジョシュ・ゴードンっていつ赦されたんだ。レイヴンズは勝つのは当然として、ファンブルリターンタッチダウンひとつあって 27 点はちょっと物足りないかな。

  • ゴードン、Week 12 のチャージャーズ戦から出てた。公式のプロフィールで「3rd season」とかなってて草。(6年目で 4th season が正しい)

HOU(4-10) 7-45 JAX(10-4):ジャグァーズが圧勝。この日タイタンズが負けたので地区優勝が決まったんだったかな? 12/31 と苦しむイェーツを尻目にボートルズはこの日も 300 ヤード超えの 326yds。ルーキー WR コールが 186 ヤードレシーヴを記録。プレイオフがほんとうに楽しみ。
CIN(5-9) 7-34 MIN(11-3)ヴァイキングズが圧勝で地区優勝を決める。キーナムは 20/23 とかで言うことなし。ベンガルズガービッジタイムに7点返しただけ。

  • ブリッジウォーターがようやく復帰、1年 10ヶ月ぶりに公式戦に出場した。パスも投げたがインターセプトされた。今季の出番はさすがにないか。

NYJ(5-9) 19-31 NO(10-4):セインツはおれたちのジェッツを返り討ちにして 10 勝目。ジェッツはブライス・ペティが投げてたけどマカウンなんかあったんだっけ? 
PHI(12-2) 34-29 NYG(2-12):イーグルズはウェンツがシーズンアウトでニック・フォールズが登場。いきなり 24/38-237yds-4TD-0INT と化け物じみたスタッツを残した。実際 2012 シーズンを思えばこれぐらいやってもおかしくないわけだが、ちょっと出来過ぎの感はあるか。ジャイアンツはイーライが怒りのパス 57 本、400 ヤード以上稼いだが及ばず。
ARI(6-8) 15-20 WAS(6-8):謎の地味試合の末レッドスキンズが小差で勝利。カズンズがきっちり試合を作ったようだ。カーディナルズは二週連続でタッチダウンなし。ギャバートも 16/41 とかだったらしく、さすがに厳しそう。
LAR(10-4) 42-7 SEA(8-6)ラムズが圧勝。シーホークスオフェンスにほとんど仕事をさせなかった。ゴフも 14/21-120yds とかしか投げてないんだけど、ランが 250 ヤード以上出ていてシーホークスをすりつぶした。
TEN(8-6) 23-25 SF(4-10)フォーティナイナーズがタイムアップ FG で逆転勝ち。この日もガロポロ、31/43-381yds-1TD-0INT とすごいスタッツで、ランはハイドが 16att-25yds とほぼ完封されたのにそれでも勝てるんだからやばい。タイタンズは痛い敗戦になった。
(更新終わり)