黄昏通信社跡地処分推進室

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王ヶ頭ホテル・二日目

日の出前に起床。やはりご来光を見ておきたい。屋上に上がって周囲を見回すと、見事な雲海が広がっていた。写真を撮りまくる。さすがに地平線付近は曇っていて、太陽は雲の中からゆっくりと姿をあらわした。綺麗なものですね。日の出そのものを久しぶりに見た気がする。
部屋に戻ってからホテルの自然案内ツアーへ。ホテルの周辺に咲く高山植物や、見える山々なんかをホテルの人が教えてくれる。参加者が多くて後ろのほうになってしまうとなかなか聞き取れないのがつらいところだけど、いろんな花を教えてもらう。いい季節に来たな。紹介される山もちょいちょい登ったことがあって、それも楽しかった。なんだかんだで意外と山登ってんなおれ。早起きした娘は思うように写真を撮る時間がとれないこともあってぐずぐずになっていた。
朝ごはん、この日は洋風。わりとオーソドックスだけど普通においしい。
午前中、兄夫婦と弟はこの日で下山するので、なんとなくみんなで小屋の周りをうろうろする。晴れたり曇ったり忙しく、時々霧が上ってきてひゅっと風が吹くと本当に寒かったり、かと思うと日が出てきていきなり暑くなったりした。娘と姪がなかよく遊ぶ。娘は普段のコミュニティではいつも一番年下かそれに近いので年下の子と遊べるのが楽しいらしく、姪は3歳上の娘を慕っていてなんでもおんなじようにやりたがる。見ていてとてもほほえましかった。
11 時のバスで兄夫婦と弟は下山。
お昼はホテル1階のレストランで各自軽食。娘はクリームシチューセットを頼んでおきながらパンしか食べなかった。息子はおでん。おれと妻は山菜そばだったけど山菜たっぷりで中々おいしかった。
午後は少し本格的な散歩にチャレンジ。昨日歩いてきたアルプス展望コースを逆方向にたどり、塩くれ場というところを目指す。あわよくば美しの塔まで足を伸ばしたい。というわけで出発すると、娘が張り切って先頭を切って歩き出す。この日も天気はよくて時々曇ったもののけっこう暑い。それでも花や鳥を見ながら順調に進んだ。烏帽子岩に立って、さらに少し行ったあたりで娘がいきなり電池切れ。急にぐずりだし、ふらふら歩いたりわざと転んだりする。こりゃ駄目だということでおれが背負い、そこから塩くれ場まではずっとしょっていった。最初調子に乗って飛ばして、あっさりばてて歩けなくなるという完全に古典的な「子供の登山」であった。姪は最後まで自分で歩いていたというのに……。
塩くれ場でとりあえずは散歩終了。あとはバスに乗せてもらって帰ろう、ということになったのだけど、息子はまだ余力があってどうしても美しの塔まで行きたいという。というわけでみんなとは別れて、おれと息子だけ美しの塔まで行った。とはいっても塩くれ場からだとまるっきりの平坦で 10 分もかからないのでなんてことはなかったのだけど。中をのぞいたり、鐘を鳴らす動画を撮ったりする。
帰りは車道の方を歩いてホテルへ。少し雲が出てきて陽も傾き、だいぶ涼しくなった。息子もまあまあ歩けそうだったが、「つばを飲み込むと喉が痛い」というので無理はしないことにして、途中で通りかかったバスに拾ってもらってホテルに戻った。
ホテルではたまたま空いていた展望露天風呂に入る。今日歩いた道が見えるのは楽しかった。美しの塔も見えて、あんな遠くまで行ったんだと思ったが、むしろその程度の距離でも肉眼だと結構遠く見える。
そのあとテラスに出て息子と並んで椅子に座って空を見上げた瞬間が至福だった。コーラとか飲んで。ほどよく身体を動かして、でも汗は流して、空は明るく、風は涼しく。短い時間だったけど、本当に来てよかったと思った。
晩ごはんは方向性としては昨日と似ていたけど、イワナの丸焼きが出たのが特筆すべきところか。それも含めてこの日もおいしかった。
夜、星を見に行くツアーにこの日は参加。塩くれ場の方までマイクロバスで行って、ちょっとの間だけバスから下りて空を見る。残念ながら雲がかなり出ていたのと月が上弦やや過ぎぐらいでかなり明るかったのとで、星座はほとんどまともには見えず。ただ、並びの関係で金星、火星、木星土星と四つも惑星が見えたのはなかなか楽しかった。