黄昏通信社跡地処分推進室

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少し前の話になるが、きらぼし銀行でこんなことがあった。


https://www.kiraboshibank.co.jp/file.jsp?id=5678
元行員による不祥事件の発生について


普通預金から定期預金に移す」オペレーションをするときに、紙ベースだと普通預金の解約の書類と定期預金の開設の書類をつくる、のだろう。そして当事者は前者だけを活かし、後者は握りつぶして現金を懐に入れた。顧客には偽造した預金証書を渡して時間を稼いだ。これを四件行い三億七千五百万円を横領したが、当該顧客からの定期預金解約の申し出があって発覚し、その直前に当事者は蓄電逐電した。
普通の人は定期預金証書なんてまったく、もしくはあんまり見たこともないだろう。相手を選べば偽造が発覚しない可能性は十分にある。とはいえ大胆な手口で鮮やかと言うほかない。むしろ気になるのは銀行のガバナンスで、この一連のオペレーションを当事者がひとりでできてしまっていたのであれば相当やばい。報じられていないだけで内部に協力者がいたのかもしれない。
しかしなんと言っても不安になるのが上のリンク先にある PDF についている FAQ である。


5.被害に遭ったお金は返ってくるのか。
被害に遭われたお客さまに対して、現時点で判明している事実関係を説明の上で、
お詫びしました。被害に遭われたお客さまに対しては、警察等の捜査の状況を踏まえ、
今後とも真摯に対応してまいります。
返します、という言葉がひとつも出てこない。これほんとに大丈夫なのか。





追記(2018-08-26):
https://www.kiraboshibank.co.jp/file.jsp?id=5748
08-10 時点で横領額は五億七千六百万円になり、当事者はなお失踪中とのこと。これは……。





追記(2018-11-06):
https://www.kiraboshibank.co.jp/file.jsp?id=5795
当事者は死亡していたとのこと。海外に高飛びしているか死んでいるかどちらかだろうと思っていたので驚きはしなかったが、実際には何が起きていたのか、お金はどうなったのか、たった三行のプレスリリースにものすごく妄想の余地がある。まったく下世話な興味だが、正直気にはなっている。
なお、上のリリース(08-26 追記のやつね)で引当金を計上している通り、被害にあった顧客には全額弁済されている。