黄昏通信社跡地処分推進室

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おまつり

地元のおまつり。例によって子供山車を引きに行ったんだけど、スタートに間に合わず町をぐるぐる回る羽目になってしまった。なんとか見つけて追いついたときにはもうかなり歩いた後で、そこから少し行ったら終わりになってしまった。まあいいか。お菓子と梨をもらう。夕方から神社へ。少し早めに出たつもりだったけど行ってみたら結構な人出だった。子供たちにはおまつり用の小遣いを渡して、その範囲内で好きなものを買わせてみる。さすがにこの歳になると自分で決められて、これは楽になった。おれはイカを食べたかったのだがイカの屋台は今年は一軒も出ていなかった。ふはー。まあ流行らないのかもしれないけどまさかなくなるとは思いませなんだな。このようにして屋台の売り物は入れ替わっていくのだねえ。というわけで前から気になっていたツイストポテトを食べてみる。あのジャガイモをらせんに切って長い串に刺して衣つけて揚げたやつね。油、炭水化物、塩、と三点そろってザ・ジャンクフードという味でめっちゃおいしかったけどさすがに腹いっぱいになったしあとでかなりもたれた。四十代が喰うもんじゃないんだと思います。子供たちはラムネとかわたがしとかソースせんべいとか食べてたけど最後帰ろうという時に息子がゲームのくじ引きが気になるという。我々のころとは違って一回 500 円。大金である。まあしかしこれも勉強だと思って「そんなに当たるもんじゃないよ」と言い聞かせて挑戦させる。と、ちょうど小学生の男の子がチャレンジしているところを見られた。くじを選んでおにいさんに渡す。61 からが当たりだが、おにいさんが開いた番号は 51。「残念、惜しかった」 おにいさんは立て板に水で話す。もう一回頑張るなら、ほんとは 61 からが当たりだけど、次は 51 からを当たりにしてあげる。こっから下のもの(といってほんとは 90 番以上で当たるゲームを示す)どれでもいい。どうする? 男の子はもう一度挑むことにする。「500 円なら一回、1000 円なら三回」。男の子は 500 円を払う。一生懸命くじを選び、おにいさんに渡す。今度は 30 番台。残念賞をもらって、あきらめる。いよいよ息子の番だ。くじを選んでおにいさんに渡す。61 からが当たりだが、おにいさんが開いた番号は 51。「残念、惜しかった」 おにいさんは立て板に水で話す。もう一回頑張るなら、ほんとは 61 からが当たりだけど、次は 51 からを当たりにしてあげる。こっから下のもの(といってほんとは 90 番以上で当たるゲームを示す)どれでもいい。息子はしかし諦める。もうお金がないのだ。残念賞をもらう。
帰りながら、妻が言い聞かせる。ほら、必ずおにいさんがくじを開けたでしょ。あのときにいくらでも替えられちゃう。前の子の時も 51 番だったよね。ああやって惜しいって思わせるけど、ほんとはあの箱の中には 51 番以上はほとんど入ってないんだよ。一枚もないかもしれない。息子はちょっと感心したように応じる。そっか、おにいさんが開けるからそういうことができるんだ。でもやっぱりちょっとしょんぼりしている。
いい勉強になったと思う。そう思ってやらせたのだし、そういうものがあると骨身にしみてわかっていた方がいい。そう知っていても、「朱肉買うお金もなくなっちゃったなー」とつぶやく息子を見ていると胸が痛んだ。子供をそういう目に遭わせるのはやっぱりつらい。胸の痛みは覚悟していたより少し強かった。