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NFL 2018 -- Week 3

三週目。

New York Jets (1-2) @ Cleveland Browns (1-1-1)

サーズデイナイトフットボール
サム・ダーノルドが鮮烈なデビューを飾ったジェッツを迎え討つは、あと一歩で勝ちに届かないブラウンズ。
1Qはひたすらパントを蹴り合って終わるが、2Qに入ってようやく動く。ジェッツがパントブラックで得た攻撃をあっさりクロウウェルのタッチダウンランにつなげた。さらにつづく攻撃でもクロウウェルがタッチダウンランを決めて、14-0とリードを広げる。いいところがなかったブラウンズだが、前半終了間際にタイロッド・テイラーがサックされて足を傷め、今年のドラフト全体1位ルーキー QB ベイカー・メイフィールドが登場すると流れが変わる。ぱっと短いパスを二本続けて通し、ファンブルは幸い味方がカバーして事なきを得て、とにかくも FG にたどり着く。14-3 で折り返した。


後半、ジェッツのファンブルでブラウンズは敵陣8ヤードからの攻撃を得るがここは一歩も進めず FG。しかし 3Q 終了間際、とうとうハイドのランでエンドゾーンを陥れた。14-12 となったのでツーポイントコンヴァージョン、ここでブラウンズはスペシャルプレイを披露する。ダイレクトスナップを受けたジョンソンが右へ走りながら右からエンドアラウンドのルートで中央へ走ってくるランドリーへボールをピッチ、それを受けたランドリーが中央からエンドゾーン左へ走りこんでいたメイフィールドへパス。これがまんまと決まって 14-14 の同点に追いついた。
返しのドライブでジェッツは敵陣 10 ヤードまで攻め入るが FG どまり。その返しにブラウンズは長い攻撃を続け、ハイドの 16 ヤードタッチダウンラン……は反則でヌリファイされたものの、残り 2:07 でまたしてもハイドがタッチダウンランを決める。結果的にはこのヌリファイでブラウンズが時間を喰った恰好になった。
そのあとはダーノルドが二回続けてインターセプトを喫して試合終了。
ブラウンズは一年九ヶ月ぶりの勝利を収めた。そもそも過去二シーズンで一勝しかしてないというのがプロのチームとして圧倒的におかしいんであって、そりゃそろそろ勝つだろうとは言える。しかしチームが確実に上向いているのも事実で、そこで期待のルーキーが活躍を見せたというのは希望に満ちた出来事だ。願わくは、この夢が長く続きますように。


最終スコア:NYJ 17-21 CLE

New Orleans Saints (2-1) @ Atlanta Falcons (1-2)

NFC南名物、名QB同士の空中戦。
オープニングドライブの最初のプレイでブリーズがトーマスにするっとロングパスを通すと、その後もぽんぽんと前進してあっという間にテッド・ギンのタッチダウン。ライアンもすぐにリドリーへのタッチダウンパスで追いついたが、セインツはFGを二本追加してふたたびリードする。と、ライアンがまたしてもリドリーへ、今度は75ヤード一気に走り抜くタッチダウンパスを通してこれで 13-14 と逆転。このあとパントを一本ずつ蹴って残りは 0:40、ブリーズは自陣 42 ヤード地点からミドルパスを二本続けて通して敵陣 27 ヤードまで前進すると、最後のタイムアウトを切ってラッツが FG を決めた。16-14 で折り返し、結果的にはこの FG が最後に効いてくることになる。


後半はさらに点の取り合いになる。まずは最初のドライブでライアンからリドリーへのロングパスがパスインターフィアランスを誘って 45 ヤード前進すると、最後もみたびリドリーへタッチダウンパスが決まって 16-21。セインツはパントブロックから メレディスへの 11 ヤードのタッチダウンパスでまた逆転、23-21 となる。返しのドライブ、ファルコンズは今度は一転短いパスを積み重ねて前進し、セインツはこれをまったく止められず、4Q に入ってからコールマンがタッチダウンレシーブを決めた。ツーポイントも決まって 23-29。その返しのドライブ、セインツは控え QB ヒルのまさかのランがオフェンスラインをぶち抜いて 35 ヤード出て、たまらず後ろから止めたディフェンスのホースカラータックルで〆て 50 ヤード前進する。最後は残り1ヤードの 4th&Goal でブリーズがラインへ冷静にパスを決めて、30-29 とまたまた逆転する。返しのドライブ、ライアンはついに伝家の宝刀フリオ・ジョーンズへのロングパスを決め、これが 58 ヤードのゲインでいきなりレッドゾーンに入ると、サヌーへのタッチダウンパスにまたツーポイントも決めて 30-37 とさらに逆転してみせる。その返しのドライブ——要するにここらへん全部のドライブがタッチダウンになってるのだが、セインツは短いパスをつないで前進すると、残り7ヤードで 2nd&Goal。ここでブリーズがスクランブルすると、DB ふたりからのタックルに対してまさかのスピンムーブ。ふたりがぶつかる格好になってしまってブリーズはつるっと抜け出し、タッチダウンとなった。37-37 で試合はオーヴァータイムに突入する。


コイントスで勝ったセインツは先ほどのドライブの勢いそのままに敵陣に入ると、レッドゾーンに入ってもまっすぐタッチダウンを目指す。ファルコンズはこれを止められず、最後は1ヤード地点での 2nd&Goal から、ブリーズがオフェンスラインの上をダイブして自ら長い試合に終止符を打った。
まあこのカードらしい点の取り合いで、リーチチェンジは実に八回、タッチダウンも合わせて十本という派手な展開ですごく面白かった。ファルコンズはレギュラータイムの最後残り 1:15 でボールを得たが得点できず、逆にセインツはオーヴァータイムにコイントスで勝って得た攻撃権をタッチダウンまで持って行った。いずれにしてもわずかな差で、力の差は小さい。今季中の再戦にも熱戦を期待できそうだ。


最終スコア:NO 43[OT]37 ATL

Los Angels Chargers (1-2) @ Los Angels Rams (3-0)

移転してきてから対戦するのは初めてとなる両チーム。「ロサンゼルスのチーム同士の対戦」は 1994 年以来だそうで、その時はレイダーズ対ラムズだったとか。
しかしまあ、チャージャーズファンとしてはがっかりするような試合だった。ラムズの最初のドライブ、いい感じで進まれていたのを見事なファンブルフォースでターンオーバーしたのに、そこで得た攻撃でなにもできずにスリーアンドアウト。
そしてなによりひどかったのが 2Q のインターセプトの場面。6-14 とビハインド、さらにレッドゾーンまで攻め込まれてなんとか FG にとどめたい状況での 3rd&5。ゴフからエヴァレットへのパスを、おそらくは読んでいたジェイムズがばっと走りこんできて前に入りボールを奪い取る。そこまではよかった。しかしジェイムズは走りこんできた勢いでエンドゾーンの隅から切れ上がってリターンしようとして、目の前の相手選手を避けてパイロンをまたぐようにサイドラインを割った。なんだそれは。おかげでオフェンスは半ヤード地点から攻撃を開始しなければならなくなり、結局3ヤードしか進めずにパントを蹴る羽目になってしまう。そしてそのパントをブロックされて、そのままリカバーされてタッチダウン。そりゃないよ、というプレイ。そもそもエンドゾーンインターセプトしたらよほどのことがないかぎりリターンしてはいけないだろう。
このあとチャージャーズも反撃したけど、ここでつけられていた 15 点差からいくらも詰めることもできずに負け。実際この7点があってもなくても負けているのだが、だからいいというわけでもなし。リヴァーズは 18/30-228yds-2TD-0INT で結構良かった。
ゴフは 29/36-354yds-3TD-1INT とかなりのスタッツ。実際オフェンス自体もかなり機能してるなという印象だし、ディフェンスもいいし、3-0 だしというわけで気が早いけど今季もプレイオフに向けて視界良好という感じである。


最終スコア:LAC 23-35 LAR

New England Patriots (1-2) @ Detroit Lions (1-2)

サンデーナイトフットボール
前半のみ、それもあんまりちゃんとは観てないけど、ペイトリオッツがオフェンスで苦しんだ。スリーアンドアウトを連発して、前半最後のドライブで3点取るのが精いっぱいだった。後半ようやくタッチダウンを返して 10-13 と追い上げるも、結果的にはそれが唯一のタッチダウンにして最後の得点になってしまった。
前半戦負けがこむのはこのチームにはよくあることでさほど心配はいらないのかもしれないが、それにしても WR が少なすぎるという問題はさすがになんとかしたほうがよさそうではある。ロスターに三人しかいないというのは常軌を逸している。
ライオンズは強敵相手に快勝。いい勝ち方で初日が出て、これでけっこう乗っていけそう。長年懸案だったランオフェンスも、この日はルーキー RB キャリオン・ジョンソンが 101 ヤード走って、チームとして五年ぶりの 100 ヤードラッシャーになったそうな。



最終スコア:NE 10-26 DET

Pittsburg Steelers (1-1-1) @ Tanpa Bay Buccaneers (2-1)

マンデーナイトフットボール
ブラウンズに引き分け、チーフスにぼこられ、というここまでのスティーラーズに対し、ジェイミス・ウィンストンの出場停止のため先発を勝ち取ったジャーニーマン、ライアン・フィッツパトリックがまさかの二週連続4タッチダウンパスを決めて連勝中のバッカニアーズ
果たしてバッカニアーズが先にタッチダウンをあげるが、その返しでスティーラーズも取り返す。左サイドでボールを受けた TE マクドナルドがそのままサイドライン際を駆け上がり、タックルに来たディフェンスバックをスティッフアーム二発で仰向けにぶっ倒して前進。結局タッチダウンにしてしまった。続いてボズウェルの FG、さらにグッドウィンのファンブルロストからのタッチダウンスティーラーズは 16 点連続で得点し、16-7 とリードを広げる。
このあとフィッツパトリックはインターセプトを二本喫する。一本目はディフェンスのヘルメットに当たってボールが浮いてしまったものでやや不運だったが、二本目はエンドゾーンからプレッシャーを受けて投げたボールがディフェンスの手の中にすっぽり入ってしまったやつで、もちろんリターンタッチダウン
それでもフィッツパトリックはエヴァンズに 51 ヤードのロングパスを決めてスタジアムは沸くが、これは3ヤード地点からの 1st ダウンを取りきれず FG 止まり。逆にスティーラーズは残り 1:15 からロスリスバーガーがうまく攻撃を続けて最後はスウィッツァーへ1ヤードのタッチダウンパスを決めて、30-10 の大差で折り返した。


後半はバッカニアーズが猛反撃する。といってもフィッツパトリックが長短織り交ぜてパスを投げまくるという荒っぽいやりかただったのだが、3Q にはまず FG を返し、4Q に入ってからはドライブ二本続けてタッチダウンを奪い、その間ディフェンスもスティーラーズを無得点に抑え続けた。
30-27 の三点ビハインドで残り 3:06、バッカニアーズ自陣の 20 ヤード地点 からの攻撃となった場面が最大のチャンスだったが、ここであっさりスリーアンドアウトで終わってしまい大人しくパントを蹴る。そのボールが戻ってくることは二度となかった。
スティーラーズはようやく初勝利。楽勝っぽかった試合を三点差まで詰められたのはちょっとよくなかったが、勝ち切ったのは好材料。まだシーズンは始まったばかりだしとにかく勝てたということはよしとすべきであろう。
バッカニアーズはこの日もフィッツパトリックが 400 ヤード超えで、三試合連続で 400 ヤード超は NFL 新記録なのだそうだ。インターセプトも三本あったので勝利にはつなげられなかったが、なかなかレシーバーがよく見えてる印象だし思い切ったロングパスもばんばん投げていてなかなかよかった。次週ウィンストンが戻ってくるのだが、素直にウィンストンを先発に戻すかどうかという判断はなかなか難しいところ。

  • 今季から危険なタックルの定義が変わり、それに伴いラフィングザパサーの反則がコールされる機会が増えているのだが、この試合はかなり厳しかった。試合を通してコールされることが四回、これは 1999 年以降だかで最多とのこと。これは止まりようがないのでは?というタイミングでも普通に取られてたので、あれじゃタックルに行きようがないという感じすらあった。ただでさえ頭だめのしかかっちゃだめヘルメットだめ膝より下だめ、みたいになってるわけで、このうえタイミングまで厳しくされちゃつらいし、さすがに観ていて萎えるものがあった。危険に晒されるのは選手たちなわけだけど、それにしても。



最終スコア:PIT 30-27 TB

New York Giants (1-2) @ Houston Texans (0-3)

これは観れず。まあ毎週一試合こうなるのはしょうがない。(月曜の未明に四試合あって、それが木曜未明までしか見られないので一日一試合観ても三試合しか観られない。)
ジャイアンツが快勝。イーライ・マニングが 25/29-297yds-2TD-0INT とかなりのスタッツで、バークリーも 17att-82yds だからオフェンスがかなり噛み合ったと言えるかな。テキサンズはランが止められてパス偏重になってしまった。それにしても三連敗はちと予想外。


最終スコア:NYG 27-22 HOU

San Francisco 49ers (1-2) @ Kansas City Chiefs (3-0)

NHK-BS でやってたのだが、テレビの不調で録れず。これは続くようだと困ってしまうな。
チーフスがマホームズの3タッチダウンパスなどの猛攻で殴り勝ち。フォーティナイナーズは 4Q に追い上げたが及ばず、あげくガロポロが ACL やって今季絶望というさんざんな試合になってしまった。


最終スコア:SF 27-38 KC

Other Games

DEN(2-1) 14-27 BAL(2-1):レイヴンズが快勝。どうも強いのか弱いのかわかんないんだよな。ブロンコズは今季初の敗戦だが、三試合ともキーナムのスタッツはそれほどでもないのが気になる。このままだと昨季みたいになりかねない。
CIN(2-1) 21-31 CAR(2-1):パンサーズが前半から順調に得点を重ねて押し切る。こういう試合もできるのがいいところか。ベンガルズはドルトンが乱調で4インターセプト。そのうち二本は試合終了間際だったがさすがにこれでは負けても仕方なし。
TEN(2-1) 9-6 JAX(2-1):これ結果見てめっちゃ笑った。ボートルズ 2.0 とか言った途端にこれかよ。まあそれでもインターセプトはなかったらしいんだけど……。タイタンズはマリオタが復帰したけどこちらもタッチダウンはなし。両軍パント六本ずつ。
OAK(0-3) 20-28 MIA(3-0)ドルフィンズが 4Q にタッチダウン二本あげて逆転勝ち。3-0 スタートは 2003 年以降では二回しかないそうな。タネヒルが 17/23-289yds-3TD-0INT と素晴らしいスタッツだった。今季こそプレイオフで投げられるか。レイダーズは初日が出ない。カーがインターセプト二本。
BUF(1-2) 27-6 MIN(1-1-1):むむ、ぼこぼこにされてしまった。前半でカズンズが二回サックを受けてのファンブルロストをしてしまい、そこで許した大量リードに対して最後までほぼ反撃できなかった。かろうじて 4Q にタッチダウン一本返してツーポイント失敗して六点。ちょっと失点が多いのが気になるところ。
IND(1-2) 16-20 PHI(2-1):イーグルズはウェンツが帰ってきていきなり勝利をあげた。25/37-255yds-1TD-1INT はまあまあという程度のスタッツだが、最後逆転のドライブを成功させた。コルツは敵陣でのターンオーバー二回をいずれもタッチダウンにつなげられず、最後にそれがたたった。
GB(1-1-1) 17-31 WAS(2-1)レッドスキンズが前半に四本のタッチダウンを集中させて押し切る。ピーターソンが 19att-120yds と絶好調でタッチダウンも二本あげた。ひさびさに全盛期のようなスタッツで、2012 シーズンを観てた者としては感慨深い。
CHI(2-1) 16-14 ARI(0-3)カーディナルズは 1Q に二本タッチダウンをあげたがそれっきり。ブラッドフォードはタッチダウン二本にインターセプト二本で最後はルーキーのジョシュ・ローゼンが出てきたがこちらもインターセプト一本喰らってて前途は多難。ベアーズが時間をかけて逆転して今季二勝目。
DAL(1-2) 13-24 SEA(1-2)シーホークスが今季初勝利。カーソンが 32att-102yds とこのチームにはめずらしく走りまくった。カウボーイズプレスコットインターセプト二本とエリオットがファンブルロスト一回と、主力のミスで自滅した。
(更新終わり)