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NFL 2018 -- Week 8

BYE WEEK: ファルコンズ(3-4)、チャージャーズ(5-2)、カウボーイズ(3-4)、タイタンズ(3-4)。成績に関係なく、休む時期としてはわりといいところ。

Miami Dolphins (4-4) @ Houston Texans (5-3)

サーズデイナイトフットボール
昨季はスーパーボウルとチャンピオンシップまで行った両チームだが、思いがけず負け越し同士での対戦となった。
前半は互角の戦いで、先制したのはドルフィンズインターセプトを挟んでテキサンズに二本続けてタッチダウンを許してしまい 7-14 とされるが、FG を一本返して 10-14 で折り返し。
後半はテキサンズが先にタッチダウンをあげてリードを広げるが、ドルフィンズスペシャルプレイで食い下がる。オスワイラーから左サイドのアメンドーラへスイング・ラテラル・パスを出して、アメンドーラが右サイドをかけ上がるドレイクへロングパス。これが見事に通ってタッチダウンとなり、17-21 と差を詰めた。
しかしこのあともテキサンズはウォトスンが絶好調で、3ドライブ連続でタッチダウンを決める。ドルフィンズはその間に FG を一本返すのが精一杯で、そのまま敗れた。
今季は三連敗スタートだったテキサンズだが、一戦ごとに内容がよくなっていてこれで五連勝。この試合でのウォトスンは 16/20-239yds-5TD-0INT と凄まじいスタッツだった。前週から地区首位に立ちこれでさらにリードを広げたことになる。力はあるチームだがここまでとは思わなかった。
ドルフィンズは三連勝スタートだったがそのあと 1-4 としりつぼみで、まるで昨季を見ているかのよう。オスワイラーもまあこんなもんかなーというパフォーマンスなので今後すごい上がり目があるとかもなさそう。まだプレイオフには充分間に合う星取りなので、タネヒルが戻ってきていいパフォーマンスを見せればワンチャンなくもない、というぐらいだろうか。

  • 2Q でオスワイラーのサックされたところ、レビューの末にインコンプリートパスになったんだけど、どうもわからん。「腕が前に動いてたので」って説明だったけどそもそもボールが後ろに飛んでるからバックワードパスじゃないのかなあ。まあ映像でそう見えただけだから実際は前に飛んでたのかもしれないけど。



最終スコア:MIA 23-43 HOU

Philadelphia Eagles (4-4) @ Jacksonville Jaguars (3-5)

ロンドンゲーム於ウェンブリー・スタジアム。ご存じのとおりロンドンゲームにはウェンブリーでやるやつとトゥイッケナムでやるやつがあるが、ジャグァーズ絡みは基本前者(のはず)。
イーグルズはオフェンスが前半はげしくもたつく。オープニングドライブでは敵陣に入ったところでウェンツがサックされてファンブルロスト。次のドライブでは敵陣 23 ヤード地点まで行ってからエンドゾーンに投げ込んだボールがインターセプト。一方ジャグァーズはオフェンスで苦しむが、ぎりぎり FG 圏内まで続いたドライブをジョッシュッ・ランボー!が 50 ヤード、57 ヤードと続けて決めて 3-6 とリードする。さらに前半ツーミニッツを過ぎてから得た攻撃はいいフィールドポジションから、2プレイ目でボートルズがコールに通したパスで敵陣に入る。ところがコールがタックルされてボールをこぼしてしまいファンブルロスト。この返しのドライブでウェンツはきっちりタッチダウンまでたどり着き、10-6 で折り返した。結果的にはこのターンオーバーが大きかった。


後半もイーグルズは先に得点をあげる。ウェンツからの短いパスを受けたスモールウッドが左サイドを素早く駆け上がって 36 ヤードのタッチダウン。ジャグァーズも返しのドライブですかさず反撃し、ボートルズがこの日初めてのタッチダウンパスを決めるが、ツーポイントには失敗して 17-12。次の攻撃でも敵陣 15 ヤードまで進むが、ボートルズがパスを三本続けて失敗して FG どまり、それでも 17-15 と差を詰める。
4Q に入ってイーグルズはタッチダウンを一本追加し、24-15 とまた2ポゼッション差になる。返しのドライブでジャグァーズは今度はエンドゾーンまで6ヤードに迫り、3rd&Goal からボートルズが D.J.チャークへ浮かせたパスを投じるがこれをチャークが手に入れながら落球。どうしてもタッチダウンに届かず、24-18 となる。
それでもジャグァーズはもう一度攻撃権を持ってきて自陣 27 ヤードから最後のドライブに挑むが、一回はギャンブルに成功して攻撃を続けたものの、最後は自陣 48 ヤードの 4th&2 でボートルズがパスを決められず試合終了。


イーグルズは前半もたついたが、前半終了間際のターンオーバーから流れをつかみ、後半も要所でタッチダウンを追加して突き放した。これでようよう 4-4 で全く安心はできないが、なんとかプレイオフ戦線に踏みとどまったか。
ジャグァーズは前半ディフェンスが頑張ってリードして折り返せそうだったのに、コールの落球で暗転した。後半も二度のレッドゾーンでタッチダウンに至らず、追いつくことができなかった。ボートルズははっきり復調していてボートルズ 1.1 ぐらいにはなっているが、チームとしては 3-5 となりプレイオフには黄信号というところだ。ランプレイが全く出なかったのも気になるところ。どうもこのままぴりっとしないままシーズンが終わるような気はする。


最終スコア:PHI 24-18 JAX

Baltimore Ravens (4-4) @ Carolina Panthers (5-2)

これは見られず。
レイヴンズが先制したものの、2Q にパンサーズが 17 点を集中して逆転してそのまま押し切り。レイヴンズはフラッコが 22/39-192yds-1TD-2INT と冴えず、ディフェンスも失点がかさんでしまった。
パンサーズは好調を維持。この日はニュートンが 21/29-219yds-2TD-0INT と堅実なスタッツで、これに加えて 10att-52yds-1TD とランのヤーデイジもチームトップだった。セインツと1ゲーム差につけていて、現在ワイルドカードの一番手。


最終スコア:BAL 21-36 CAR

Green Bay Packers (3-3-1) @ Los Angels Rams (8-0)

これもちゃんと見られず。曜日ひとつ勘違いしちゃったんだよな。ロンドンゲームが悪い(そうか?)。
序盤はパッカーズが 10-0 とリードするが、そこからラムズが反撃。セイフティ、タッチダウンと返して 10-8 で折り返す。
後半はラムズが先に主導権を握り、タッチダウンを二本続けて逆転。その後パッカーズタッチダウンを二本返し、FG も絡んでリードは二転三転する。最後は残り 2:05、ラムズの逆転 FG で 27-29 になった後のキックオフリターンでパッカーズ RB タイ・モントゴメリーがエンドゾーンからリターンして 20 ヤードをちょっと越えたところで倒されてファンブルロスト。二点差で二分以上あったわけだからリターンする必要はひとつもなかったのに、わざわざリターンしてファンブルロストというのは最悪の選択最悪の結果で、これひとつで戦犯と呼ばれるべきプレイになってしまった。試合の翌日にも「瞬時の判断だからしょうがない」みたいなことを言ってたらしく、直後にレイヴンズにトレードに出されてしまった。
ともあれラムズは八連勝、これは 1969 年以来だとかなんとか。ツキもあっての連勝だけど、なんにしたって八連勝はすごい。
パッカーズは 3-3-1 の五分に戻ってしまった。NFC 北はかなりの混戦になっているのでまだ慌てるような星ではないが、のんびりしてもいられないのも確かだ。


最終スコア:GB 27-29 LAR

New Orleans Saints (6-1) @ Minnesota Vikings (4-3-1)

サンデーナイトフットボール
たったひとつのミスが試合を決定づけるモメンタムチェンジになってしまうことがある。この試合では 2Q のシーレンのファンブルロストだった。ヴァイキングズが自陣から開始してツーミニッツをまたいで続いてきたドライブ、敵陣 18 ヤード地点から短いパスを受けて走ったシーレンがアンザローンにタックルを受けてボールをこぼしてしまう。これを拾われて 50 ヤード以上のロングリターンを許すと、セインツはこの機を逃さずタッチダウンをあげた。ファンブルロストの前は 10-13、もはやタッチダウンも目前という勢いのドライブだったのに、気がついてみれば 17-13 と逆に逆転されていた。
前半はヴァイキングズのペースだった。セインツのオープニングのドライブこそテイサム・ブリガムヤング大・ヒルにまさかのロングパスを決められてタッチダウンを許したものの、返しのドライブでカズンズがシーレン、ディッグズに次々とえげつないパスを決めてタッチダウンを返し、その次のドライブではラタヴィアス・マレーがゴール前1ヤードで大きな身体を活かしたダイブで豪快にタッチダウンをもぎ取って 7-13 と逆転していた(PAT は失敗)。FG を一本返されて冒頭の状況になっていた。


17-13 で折り返した後半、ヴァイキングズは最初のドライブでギャンブル失敗、自陣からの攻撃を与えてしまう。9ヤードまで迫られながらもなんとかタッチダウンは許さず FG に抑えたが、次のドライブで致命的なターンオーバーが起きる。カズンズからディッグズへのパスだったが、プレッシャーから逃れてポケットを出たカズンズはディッグズの動く先にボールを投じたのに対し、ディッグズは動きを止めていて、ボールはディッグズをマークしていたウィリアムズの手の中にすっぽり入る。そのままウィリアムズは 45 ヤード走り抜いてタッチダウン。これで 27-13 となった。
このあとセインツは八分以上使う攻撃で FG を追加して 30-13 と3ポゼッション差にして勝利を固めた。ヴァイキングズはタッチダウンを一本返すのがやっとで、そのまま 30-20 でセインツの勝ち。


セインツは今季はブリーズの好調でこの位置にいる印象だったが、この日は 200 ヤードも投げていない。オフェンスに関して言えばカマラ、イングラムの活躍の方が目立っていた。しかしこれこそが昨季からの強みであり、この日はまさにそれが出たと言える。またディフェンスも思ったより強かった。カズンズはかなりプレッシャーに苦しんだ。
ヴァイキングズは前半は実に良かったのだが、シーレンのファンブルでがらっと変わってしまった。オフェンスラインはまあこんなもんではあり、今季はこれでカズンズには頑張ってもらうしかないのだろう。ディフェンスはランがいまいち止まらないのが気になった。4-3-1 は地区内ではともかくワイルドカードには厳しい星なので、なかなか楽なシーズンなんてないもんだなあというところ。


最終スコア:NO 30-20 MIN

New England Patriots (6-2) @ Buffalo Bills (2-6)

マンデーナイトフットボール
AFC 東の同地区対決……なのだが、この対戦はペイトリオッツがここ7年ぐらい圧倒してるやつで、よりによってなんでこのカードと思わなくもない。
しかし試合はビルズのディフェンスがエンドゾーン手前で粘り、予想よりはるかに面白い試合になった。3Q までペイトリオッツタッチダウンを許さず、12-6 の1ポゼッション差に食らいつく。
オフェンスは先週ジョッシュッ・アレンが肘を傷めて今週も投げられないため、急遽パンサーズからデレク・アンダーソン@ex-ブラウンズ*1を連れてきた。チームに合流して間もないはずだがちょっと複雑なフリーフリッカーとかやっててぐっと来た(惜しくも決まらなかった)。
4Q、ようやくペイトリオッツタッチダウンを決めてその返しのドライブ。ビルズもやっと敵陣深くまで攻め込み 25 ヤード地点で 2nd&10。ここでタッチダウンを返せれば 19-13 だからほんとにまだわからない。アンダーソンが左奥へ投じたパスはやや長かったがディフェンスの頭を越え、TE クルームが左手一本を伸ばしてぎりぎりつかみとる。エンドゾーンへ倒れこみ、タッチダウン! ……かに見えたが、倒れ込んだ直後にボールは地面に触れていた。公式のカバレッジによれば「J.Croom never gained control」。まあそうとしか言えない。続く 3rd ダウンでアンダーソンが投げたボールはデヴィン・マコーティにインターセプトされ、84 ヤードのリターンタッチダウンとなった。そういうもんである。
ペイトリオッツは意外な苦戦となったが終わってみれば圧勝、これで 6-2 と地区内首位をがっちり固めた。気がつけば AFC 1位も目の前であり流石の一言に尽きる。
ビルズはディフェンスがよく、苦手の相手になんとかひと泡吹かせようという気合も感じられていい試合だった。サイドラインで戦況を見つめるアレンもまめにメモなど取っていて頑張っとるなーという感じだった。試合に出られるに越したことはないのだろうけど、ベテラン QB が普段自分の率いるチームで展開するオフェンスを間近で見るというのもそれはそれで得難い経験ではあるだろうと思うし、そこからなんらか掴んで欲しいなとも思う。今季はもうプレイオフもほぼ無理だけど、来季はまた充分チャンスがあることだろう。


最終スコア:NE 25-6 BUF

Cleveland Browns (2-5-1) @ Pittsburg Steelers (4-2-1)

NHK-BS1AFC 北の同地区対決をフィーチャー。Week 1 で引き分けた両チームの再戦となる。
ブラウンズは前半は押し気味に進めるが、エンドゾーンになかなか届かない。最初の四回の攻撃のうち三回までレッドゾーン、もしくはその手前まで迫るが、FG、FG、FG失敗と続いてたったの六点しか奪えない。そうこうしているうちにロスリスバーガーからアントニオ・ブラウンへロングパスを決められてあっさり逆転される。返しのドライブではメイフィールドが敵陣まで攻め入りながらインターセプト。ちなみに獲ったのはジョー・ヘイデン@言わずと知れた ex-ブラウンズ。そして返しのドライブもタッチダウンにされてしまい、6-14 とリードを許した。
後半、ブラウンズはエンドゾーンでのホールディングでセイフティを献上、6-16 とする。ところがそのあとのキックオフでスティーラーズボーンヘッド。セイフティのあとでもキックオフのボールは 10 ヤードを超えたらフリーボールなのだが、スティーラーズの選手がパントのルールと混同したのか見送ってしまう。ブラウンズのカバーチームがそこに殺到し、労せずして敵陣深くからの攻撃権を得た。これをタッチダウンにつなげて、しかし PAT を外して 12-16 と四点差に詰め寄る。
残念ながらブラウンズはそこまでだった。返しのドライブでわずか5プレイでタッチダウンを返されると、そこからはほとんど攻撃が仕事をさせてもらえず、FG、タッチダウンと決められて突き放される。最後の最後にタッチダウンを返したもののまさに焼け石に水だった。
ブラウンズはこれでロードで 24 連敗となった。NFL 史上二位タイに並んだらしく、あと三連敗すると新記録となる。ちなみに一位と二位タイのチームはいずれもデトロイト・ライオンズだったりしてかなりやばい。さすがにパーフェクトシーズンをやってのけるチームは違う。この日は前半決めきれなかったところが試合の行く末を決めてしまった印象はあり、すこしもどかしい試合だった。
スティーラーズはなんだかんだでだいぶ上げてきたなというところ。5-3 のベンガルズとはゲーム差なしで地区二位まで上がった。とはいえ点差よりは苦戦したし、セイフティのあとのキックオフみたいなあほなことやってちゃだめかなとは思うけど。


最終スコア:CLE 18-33 PIT

Other Games

NYJ(3-5) 10-24 CHI(4-3):ベアーズが終始リードして快勝。カリル・マックは出場していなかったがダーノルドはこの日もいまいちだったようだ。
TB(3-4) 34-37 CIN(5-3)バッカニアーズはウィンストンが4インターセプトと大荒れ。とうとう試合中に下げられ、フィッツパトリックが投入されるとこれがシーズン頭を思い起こさせるような怒涛のロングパス攻勢で一気に差を詰める。4Q にはとうとう同点まで行ったが、最後にボールを持っていたほうが勝ちの格言通りベンガルズが決勝 FG を決めて勝ち。ベンガルズも今季は攻撃力に任せて勝つ試合が多く、ドルトン次第みたいなところがあって目が離せない(おもしろくはある)。バッカニアーズはとうとうウィンストンをあきらめるようだ。光るものはあったと思うのだが最後まで安定しなかったな。おつカニさまでした。
SEA(4-3) 28-14 DET(3-4)シーホークスが快勝。こんなにすかっと勝ったのひさしぶりな気がする。カーソンが例によって 25 回 100 ヤードみたいな馬車馬ランでオフェンスを支えた。ウィルソンも 14/17-248yds-3TD-0INT でこれは余裕のパッサーレイティング満点らしい。素晴らしいですね。ライオンズはランが出ず、スタどんが無茶投げしてインターセプトを喰らうという通常営業だったもよう。
DEN(3-5) 23-30 KC(7-1):チーフスがブロンコズをスイープ。つえーなあ。マホームズは 303 ヤード、4タッチダウンパスで、これで七試合連続 300 ヤード以上になった。これは史上四人目の記録とのこと(マリーノ、マニング兄、ブリーズ)。ブロンコズはガービッジタイムに大きく差を詰めていて、実際には点差以上の負けという感じだったようだ。
WAS(5-2) 20-13 NYG(1-7)レッドスキンズが渋く守り勝ち。5-2 は 2008 年以来だとか。アレックス・スミスがカズンズと比べてそこまでいいとはあんまり思われんのだが、堅実さや試合運びのうまさなどではスミスに一日の長があるのだろう。ジャイアンツは泥沼の 1-7。どうやら今季でイーライ・マニングがエースであるのも最後になりそうだ。イーライはジャイアンツを出されるならユニフォームを脱ぐんじゃないかな、という気はする。
IND(3-5) 42-28 OAK(1-6):コルツが連勝。3Q までは競っていて交互にリードチェンジしていたが、4Q に三つのタッチダウンをあげて一気に突き放したようだ。なんとかプレイオフ戦線に踏み止まったというところか。レイダーズはこの試合の前日にアマリ・クーパーをカウボーイズにドラフト一巡とのトレードで放出して、チームが再建期にあることをはっきりさせた。十年契約のジョン・グルーデン、そりゃ最初の何年かは再建に費やすのは当然なわけだけど、それにしても思い切ったなとも思う。どう転ぶかはすごく楽しみだ。
SF(1-7) 15-18 ARI(2-6)カーディナルズ、今季二勝目だがフォーティナイナーズをスイープ。4Q 途中まで 15-3 と劣勢だったがそこからジョッシュッ・ローゼンが見事にまくってみせた、らしい。

*1:知らなかった。2005-2009 だそうです。2007 年は 15 試合でスターターをつとめている。