黄昏通信社跡地処分推進室

黄昏通信社の跡地処分を推進しています

NFL 2018 -- Week 14

泣いても笑っても第4クウォーター。年々早くなる気がする。おまえが歳をとっているだけです。

Jacksonville Jaguars (4-9) @ Tennessee Titans (7-6)

サーズデイナイトフットボールAFC 南の同地区対決。
ジャグァーズはもうプレイオフは無理だけど同地区相手に意地を見せられるかというところ。この日もコーディ・ケッッスラー@ex-ブラウンズが投げた。タイタンズは地区優勝にしろプレイオフを狙うにしろこれ以上はひとつも負けられない。
タイタンズがオープニングドライブでタッチダウンをあげて先制する。ジャグァーズはインターセプトで得た攻撃権をパントに追い込まれてしまうが、このパントを PR バトスンが自陣深い地点でマフ、後ろに転がったボールをエンドゾーンぎりぎりで拾い、エンドゾーン内で前を向いてリターンしようとするが殺到したカバーチームにつぶされてセイフティ。これで 2-7 とすると、続くキックオフからジャグァーズは敵陣深くへ攻め込む。残り5ヤードでの 4th&1 もケスラーのスニークでとってあと3ヤード。しかしここからがいけない。パス一回を挟んでフォーネットに三回走らせるがエンドゾーンに入れず、攻撃権を渡してしまう。そして直後のプレイ、タイタンズに歴史に残るランが飛び出す。デリック・ヘンリーがスクリメージを抜けて左サイドラインをかけあがり、スティッフアームでディフェンスを三人つぎつぎに押し倒すとエンドゾーンまで走り切り、1983 年のトニー・ドーセット以来の 99 ヤードランとなった。
逆転が目の前だったのに、次のプレイが終わったら 11 点差にされていて、ジャグァーズは完全に意気消沈した。28 点差をつけられてからタッチダウンを一本返すのがいっぱいいっぱいで、ぐうの音も出ないほどの大敗となった。ボートルズを使わないのはそれはそれでありうる判断とは思うが、ケスラーもこれ以上の上がり目は望めなさそうではある。
タイタンズはとりあえず望みをつないだ。AFCワイルドカードの二枠目の争いはかなりきわどくなりそうで、負けられない状況は続く。


最終スコア:JAX 9-30 TEN

New England Patriots (9-4) @ Miami Dolphins (7-6)

AFC 東の同地区対決。今季は week 4 ですでに一回対戦してペイトリオッツが快勝しているが、今回は@マイアミ。ペイトリオッツはロードでも圧倒的に強いのだが、どういうわけかマイアミだけは苦手にしていて過去五戦で 1-4 と鬼門になっている。
試合は意外にもガチの点の取り合いになり、ペイトリオッツの得点力は予想通りとしても地元とはいえドルフィンズがそれに食らいついていくとはあまり想像しなかった。前半が終わって 27-21、3Q にはタッチダウンをあげて 27-28 と逆転してしまう。
とはいえ 4Q にはペイトリオッツが FG を二本決めてドルフィンズはその間パントだけ、33-28 の残り時間わずか 16 秒でドルフィンズは自陣 31 ヤードからの攻撃となった。
タネヒルは右サイドのケニー・スティルズへパス。これをスティルズはうまく取って、ちょっとだけ前へ走ってからひとり外側のダヴァンテ・パーカーへラテラルパス。パーカーはさらに外のサイドライン際を駆け上がって来たキャニヤン・ドレイクへもう一丁ラテラルパス。ここからのドレイクの走りが芸術的だった。まっすぐ駆け上がり、ぐっと内に切れ込んで、ここで味方(誰だかわからず)の絶妙なブロックもあって距離を稼ぐと、また外へ開いてサイドラインの方へ。S の位置にはおそらくヘイルメリー対策で入っていたグロンカウスキーがいて、追ってくるが本職の DB とは角度も速度も違いすぎる。そのままドレイクはライン際をエンドゾーンまで走り抜けてタッチダウン。起死回生のラテラルパスが決まって、劇的な幕切れとなった。
ペイトリオッツは 1st ラウンドバイ争いで一歩後退した。おそらくテキサンズとの争いになるだろう。この週の時点で並んだのであと三試合の結果次第だが、今年は直対がないので並んだ場合はカンファレンス内対戦成績のいい方が上にくる。
ドルフィンズは負けていればプレイオフもほぼ絶望だったが、7-6 として首の皮一枚残した。地区優勝の可能性も辛うじて残っている。この勝ち方はチームに勢いを与えてくれるだろう。

  • これ、下の CIN-LAC の録画(見逃し配信)見てたらこの試合の途中経過が出てて、といっても早番の試合だから終わりかけててその時点で NE 33-28 MIA 4th 0:16 で、ああドルフィンズ頑張ったけど惜しかったなあ、と思ってたら次に出たとき NE 33-34 MIA FINAL ってなってて顎が外れた。ヘイルメリー?と思ったら少し後に映像も出てきてラテラルだったから二度びっくり。こっちの試合見るんだったわ。



最終スコア:NE 33-34 MIA

Cincinatti Bengals (5-8) @ Los Angels Chargers (10-3)

チャージャーズベンガルズを下して 10 勝目。思ったより苦戦したな、というのが正直なところ。
オープニングドライブとその次のドライブは続けてタッチダウンにたどり着き、やっぱベンガルズざるやな、こりゃ今日は何点入るかわからんぞ、などと思っていたのだがそこから三回連続スリーアンドアウト。その間に FG、FG、タッチダウンと決められて 12-14 と一気に差を詰められてしまう。ツーポイントが決まっていれば同点だったがそこは決まらず、なんとかかろうじて二点リード。
チャージャーズ前半最後の攻撃は残り時間 20 秒でタイムアウトは無し、キックオフリターンで 32 ヤード戻したものの時間も 10 秒使ってしまい、残り 10 秒で自陣の 32 ヤードからスタート。ここでしかしリヴァーズが素晴らしい集中力を見せる。サイドライン際のトラヴィス・ベンジャミン、キーナン・アレンに続けてパスを通して残り1秒で敵陣 46 ヤードとヘイルメリーをセットアップする。次のプレイでリヴァーズはサックされてしまうが、オフサイドがあってヌリファイされて残り0秒で 41 ヤード地点まで前進。ここで K バッジリーが登場し、59 ヤードを見事に蹴りこんで 12-17 とリードを広げた。モメンタムを引き戻して点差もつける、実に大きな三点だった。


チャージャーズは後半も攻めあぐねる。いきなり相手のギャンブル失敗で敵陣からの攻撃を得るが、レッドゾーンに入りながら止まって FG どまり。その後 FG を返されて 15-20 とされると、返しのドライブもレッドゾーンで止まって FG どまり。時間を費やして前進はしたもののエンドゾーンが遠い。そうこうしているうちにジョー・ミクソンに1ヤードのタッチダウンランを決められて、21-23 の二点差にまで迫られてしまう。ツーポイントコンヴァージョンが成功すれば同点だったが、ディフェンス陣がドリスケルをサックしてかろうじてリードは守った。
このタッチダウンの時点で残り 1:50 だったためベンガルズオンサイドキックを選択するが、確保できなかったうえに反則もあって下げられてしまう。チャージャーズがとどめの FG を入れて、勝利を決めた。
ベンガルズはこの試合の前までは守備が崩壊しているという印象で、実際この試合でも最初の2ドライブでタッチダウンを奪われたが、そこからは立ち直った。26 点はほめられた数字でもないが、思ったよりはずっといい守備だった。プレイオフはもう無理だが来年につながるかもしれない。
チャージャーズは苦戦したがとにかくも勝ち、チーフスに対して1ゲームのビハインドを守った。いよいよ来週折り返しの直対があるので、そこで勝てればまだ地区優勝に望みをつなぐことができる。week 3 の最初の直対のころからは考えられないような状況になっている。


最終スコア:CIN 21-26 LAC

Philadelphia Eagles (6-7) @ Dallas Cowboys (8-5)

NFC 東の同地区対決。これは DAZNNHK-BS1 両方でやってた。
わりと妙な試合で、3Q までは 6-9 とディフェンシヴな展開だったのに 4Q に入ったら突然おたがいタッチダウンを取り合いはじめて 23-23 でオーヴァータイムに突入した。オーヴァータイムでは先攻のカウボーイズが時間を使いまくって8分費やして敵陣 15 ヤードまで進み、最後はプレスコットがアマリ・クーパーにパスを通して試合終了。といってもボールは一旦 DB ダグラスにディフレクトされて、跳ね上がったところをあらためてクーパーがつかんだという、まあラッキーというかクーパーすげえなというか、そんな感じだった。
試合前までは1ゲーム差だったのでイーグルズが勝てばゲーム差なしになるところだったが、カウボーイズが勝ったために逆に2ゲーム差になった。シーズンスイープにもなったので、カウボーイズの地区優勝はほぼ確定ということになる。イーグルズはあと三連勝して第6シードにひっかかるかどうか、という状況。


最終スコア:PHI 23-[OT]-29 DAL

Los Angels Rams (11-2) @ Chicago Bears (9-4)

サンデーナイトフットボール
氷点下のウインディ・シティ、堅いというかおたがいオフェンスがあんまりうまくいかない感じの試合になった。ゴフは 20/44 と五割に届かず、わずか 180 ヤード、なんとキャリアワーストの4インターセプトを喫してしまった。まあこんな日もあるというところか。トラビスキーもインターセプト三本と決してほめられた内容ではなかったが、この日両軍合わせて唯一のタッチダウンパスを決めて勝利をもたらした。
そのタッチダウンプレイ、すごく凝っていて、

  1. ゴール前1ヤードからのプレイで DL 三人を入れて FB にふたり、TB にひとりつかせる。
  2. そして TB にハンドオフして中央のランプレイ! 
  3. と見せかけてプレイアクションパス。レシーバーは TE の位置についていた OT。
  4. OT はご丁寧にフェイクブロックしてからパスコースに出る。

というものだった。ずっと練習してきたのだそうで、実際演技力というか、細部のフェイクがよくできててこりゃだまされるよねーという感じだった。お見事でした。

  • ラムズ P ヘッカー、この試合でもフェイクパントを企図。スタッツ見ると毎年平均二回以上はパス投げてて、今季はこれで三回目。フェイク FG と両方入ってると思うけど。今回はぎりぎり 1st ダウン獲得成功。



最終スコア:LAR 6-15 CHI

Minnesota Vikings (6-6-1) @ Seattle Seahawks (8-5)

マンデーナイトフットボール
めちゃめちゃディフェンシヴな試合になった。それも途中までおたがいほとんどパスが決まらず、4Q に入った時点で両チームともパッシングヤードが 100 に届いていなかったという、ほとんど異常とも言っていいスタッツになっている。前半はそんなわけでヴァイキングズはオフェンスではほぼなにもできず、シーホークスは FG を一本決めたあと、前半終了間際にゴール前1ヤードまで進んだが、ウィルソンがプレッシャーを受けてサック直前に投げ捨てそこなったボールをインターセプトされて無得点に終わり、0-3 で折り返した。
後半も 3Q はパント続きだったが、ヴァイキングズが 4th&1 をギャンブル失敗して試合が動き出す。返しの攻撃でシーホークスは FG を決めて、ようやくこの試合二回目の得点が入る。その返しのドライブ、カズンズがステフォン・ディッグズへ 48 ヤードの絶妙なロングパスを通して一気にレッドゾーンへ。この日初めてのチャンスらしいチャンスだったが、4ヤード地点の 1st&Goal からエンドゾーンを陥れられず、最後はカイル・ルドルフへのパスがはたきおとされて無得点。
それでもシーホークスの攻撃を1ヤード地点に釘付けにして、次のドライブも敵陣から開始。今度こそというところだったが反則もあって7プレイで 12 ヤードしか進めず仕方なく FG を狙う。ところがこれもハードリングを決めたウォグナーにブロックされて得点ならず。
二回の得点機を逃してさすがに消沈するヴァイキングズに対して、ラッセル・ウィルソンがスクランブルで 40 ヤード走るビッグゲイン。最後はクリス・カーソンがタッチダウンランを決めて、ツーポイントも決めて 0-14 となった。
ここからはまあ蛇足みたいなもので、カズンズがサックされてファンブルロストして、リターンタッチダウンでとどめとなった。最後ヴァイキングズはようようタッチダウンを返したが、もうほとんど無意味だった。


シーホークスがプレイオフへ大きく前進した。直接第5シードを争う相手を蹴落としての勝利なのでこれはきわめて大きい。といっても今後シーホークスが引き分けなければこの直対の勝敗が直接ものをいうことはないはずだけど……。あと三試合で二勝すれば文句なし、一勝でもおそらくはプレイオフに行けそう。ヴァイキングズはオフェンスの不調が払拭できず二連敗、この試合の後 OC のディフィリッポは解雇された。幸いワイルドカードを争う他の六勝勢ものきなみ負けたので、まだ NFC 六位にはつけている。なんとか残りを全部勝ってプレイオフに進みたいところだ。


最終スコア:MIN 7-21 SEA

Other Games

NYJ(4-9) 27-23 BUF(4-9)AFC 東のルーキー QB 対決はダーノルドに軍配。一時は 3-14 まで行きながら逆転勝ち。三試合ぶりの先発だったが頑張った。ビルズはジョッシュッ・アレンがインターセプト二本にファンブルロスト1。この点差だけに悔やまれる。
CAR(6-7) 20-26 CLE(5-7-1):ブラウンズが 4Q に逆転勝ち。プレイオフ戦線に生き残った。メイフィールド、18/22-238yds-1TD-0INT だから結構立派なスタッツだと思う。めちゃめちゃ身も蓋もないけどフットボールは QB ですなあ。パンサーズはなんと五連敗。ひと月半前にはセインツを1ゲーム差で追っていたはずが、今やプレイオフもかすみつつある。残り三試合のうち二試合がそのセインツ戦。はたして吉と出るか凶と出るか。
ATL(4-9) 20-34 GB(5-7-1)パッカーズが快勝。ロジャーズはインターセプトなしの連続パス数を 359 に伸ばし、NFL 記録を樹立した。これまでの記録はブレイディの 358 だったとのこと。元気のないファルコンズは九敗目。世が世なら好カードのはずだが、おたがいこのチーム状態では。
IND(7-6) 24-21 HOU(9-4)テキサンズここで連敗止まる。AFC 南はほんとよくわかんねえな。コルツもジャグァーズに完封されて所詮コルツよとか思ってたけどこの試合はヒルトン祭りで押し切り勝ち。199 ヤードだそうです。ラックが 399 ヤードなので実に半分。テキサンズはウォトスンが被サック5、ラッシングリーダーもウォトスンの 35 ヤードという有様で、ディフェンスにやられたか。
BAL(7-6) 24[OT]27 KC(11-2):チーフスが逆転勝ち。4Q いったんレイヴンズが 24-17 と勝ち越したが、返しのドライブで追いつくと、オーヴァータイムで FG を決めて勝ち。しかしレイヴンズがいかに充実しているかわかる。
NO(11-2) 28-14 TB(5-8):意外にも前半途中まではバッカニアーズが 3-14 でリードしていたようだが、そこからは一方的にセインツが得点を重ね、後半は完封で試合を締めた。まあそうなるわね。これで NFC 南地区の優勝が確定。まだだったのか、と思ったけど、week 14 なら充分早いんだよな。
NYG(5-8) 40-16 WAS(6-7)ジャイアンツ圧勝。これ 40-0 まで行ったらしい。レッドスキンズはマーク・サンチェスがスターターだったけど 6/14-38yds-0TD-2INT とまあ目の潰れそうなスタッツで途中でベンチ、代わりにジョッシュッ・ジョンソンが投げて 11/16-195yds-1TD-1INT とそこそこ頑張ったらしい。まあ文字通りのガービッジタイムの数字だからなんとも言えなくはあるけど、サンチェスよりはましかもね。ジョンソン、まったく憶えてなかったけど 2009-2011 がバッカニアーズ、2012 にブラウンズ、あと 2013 のベンガルズNFL のスタッツが残っている。実際には 10 チーム以上渡り歩いてきた真のジャーニーマンらしい(wikipediaによる)*1。こんな選手に NFL で出番が回ってくるのは流石に極めて珍しいと思う。面白いねえ。
DEN(6-7) 14-20 SF(4-9):ここでブロンコズ負けるんだねえ。失点が 20 点だからディフェンスは責められなくて、とにかく点が取れない。やはりキーナムでは少し足りない印象は否めない。フォーティナイナーズはジョージ・キトル祭りで 210 ヤード、NFL の TE のレシービングヤード記録にあと4ヤードと迫った。
DET(5-8) 17-3 ARI(3-10)カーディナルズきびしい。前半は完封され、3Q にはジョッシュッ・ローゼンがピックシックスを喰らい、オフェンスは 4Q に FG を一本返すのが精一杯。かろうじてよかったのはラリー・フィッツジェラルドの1レシーブ以上の試合の連続記録がつながったこと。ライオンズもきびしくて、スタどんは 15/23-101yds-0TD-0INT となにしてたんだみたいな数字。ただ、RB 三人が合計 30att-115yds と粘り強くラン攻撃を続けたのが勝利をもたらした。
PIT(7-5-1) 21-24 OAK(3-10):おおっと、死に体のレイダーズがスティーラーズの足をすくった。よく守ったしよく戦ったんじゃないかな。スティーラーズは途中でロスリスバーガーが肋を傷めてジョシュア・ドッブズが少しの間投げて、4/9-24yds-0TD-1INT というスタッツ。うううむ。んでロスリスバーガーが戻ってきて逆転するんだけど、また再逆転されて、最後同点 FG をボズウェルが外して負け。負けかたとしてはかなり悪かった。

*1:バッカニアーズフォーティナイナーズサクラメント・マウンテンライオンズ(UFL)→ブラウンズ→ベンガルズフォーティナイナーズベンガルズ→ジェッツ→コルツ→ビルズ→レイヴンズ→ジャイアンツ→テキサンズ→レイダーズ→サンディエゴ・フリート(AAF)→レッドスキンズ