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NFL 2018 -- Week 15

泣いても笑っても、レギュラーシーズンはあと二週。

Los Angels Chargers (11-3) @ Kansas City Chiefs (11-3)

今季最後のサーズデイナイト・フットボールAFC 西の天王山。パトリック・マホームズ二世を軸に圧倒的な攻撃力で勝ちまくるカンザスシティ・チーフスの本拠地に、今季絶好調のヴェテラン、フィリップ・リヴァーズ率いるロサンゼルス・チャージャーズが乗りこんでの一戦となる。このカードは開幕戦で対戦済、その時はマホームズタッチダウンパスを四本決めてチーフスが快勝している。
今季ここまでインターセプト五本ときわめて少なかったリヴァーズだが、2プレイ目にいきなりインターセプトを喰らってしまう。中央のタイレル・ウィリアムズを狙ったロングパス、ウィリアムズはディフェンスを抜いていたのだがボールが短く、しっかりカットされてしまった。返しのドライブは 3rd ダウンを二回マホームズがパスで更新し、タッチダウンまでたどり着く。
次のチャージャーズの攻撃はパントに終わり、返しのドライブではチーフスが再びタッチダウンをあげる。80 ヤードのロングドライブで、ここまでは完全にチーフスの流れだった。やっとチャージャーズが得点を返すのはその裏のドライブ。マイク・ウィリアムズにロングパスを通して敵陣に入ると、3rd ダウンではパスを決められなかったが相手のホールディングでドライブが続き、最後もマイク・ウィリアムズへタッチダウンパス。これで 7-14 とする。
さらに次の攻撃、チャージャーズは自陣5ヤード地点から長々とドライブを続けて敵陣 11 ヤード地点まで迫るが、ここでエンドゾーンに投げ込んだボールがインターセプトされてチャンスをつぶす。このまま 7-14 で折り返した。


後半はチーフスの攻撃からで、最初のプレイでマホームズがサックを受けてファンブルするもタイリーク・ヒルがリカバーして戻し、喪失ヤードを最小限にとどめる。そこからはマホームズがポンポンとパスを決めて、最後はダミアン・ウィリアムズのタッチダウンラン。簡単にタッチダウンを取っていく(ように見える)のが今季のチーフスのすごいところ。これで 7-21。
チャージャーズも食い下がる。返しのドライブではルーキー RB ジャスティン・ジャクソンをフィーチャーして、ランで細かくゲインしていってタッチダウン。これでまた1ポゼッション差に戻すが、パントを一本ずつ蹴りあった後のチーフスのドライブ、チャージャーズは反則がかさんで攻撃を止められず、またしてもダミアン・ウィリアムズにタッチダウンランを決められてしまう。これで 14-28。
この時点で試合の残り時間は 8:15、かなり逆転は難しくなっていたが、ここからチャージャーズはオフェンスもディフェンスも完璧な仕事をする。まずは返しのドライブでタッチダウンを返すと、ディフェンスが次のチーフスの攻撃はスリーアンドアウトに切って取る。
返しの攻撃、ここの 1:11 からのパスが圧巻だった。敵陣 36 ヤード地点での 4th&7、リヴァーズは右サイドからディープへ走りこむトラヴィス・ベンジャミンへのロングパス。これに DB マレーがよくついていて、もうほとんどぴったりついていたのだけど、ベンジャミンが減速せずに取れてなおかつマレーの手が届かない、本当に時間的にも空間的にもそこしかないというところにボールが飛んでいってベンジャミンがキャッチした。これでドライブが継続すると、最後はマイク・ウィリアムズへのタッチダウンパスが通って 27-28 となる。
そしてチャージャーズはツーポイントコンヴァージョンを狙う。敵地でのオーヴァータイムを嫌ったのか。ただこの試合は究極負けてもプレイオフはまあ行けるので、判断としてはありかと思う。そして見事にこの判断は功を奏し、びっくりするほどガラ空きになっていたウィリアムズへパスが通った。


ガッツィーなプレイコールでチャージャーズが勝利をもぎとった。これで 11-3 同士となり直対も 1-1 になったのだが、現時点ではチーフスがカンファレンス内勝率で上回っているため上位にいることになっている。あと二試合でまくれる可能性は高くない。
チャージャーズはこれでプレイオフ出場が確定。勝ち方としてもチームにモメンタムを与えてくれそうで、博打を打った甲斐はあったというところか。勝ち上がればいずれまたチーフスと当たる可能性は高い(ディヴィジョナルでいきなり当たる可能性もそこそこあると思われる)。その前にこの勝利——実に五年ぶりの勝利をあげたことは、星勘定以上に大きな意味を持つと思う。

  • ちなみに前回の勝利はアジロトゥートゥーーーのアレ。あれも名勝負ではあった。同地区のライバルというのはこのように歴史や記憶を積み上げていくわけですね。



最終スコア:LAC 29-28 KC

Houston Texans (10-4) @ New York Jets (4-10)

ジェッツがけっこう健闘して、4Q には一度逆転したが最後はテキサンズが再逆転勝ち。結果としては順当だが、ダーノルドが戻ってきてからのジェッツは悪くない。テキサンズはこの日はランがほとんど出ず、ウォトスンがトップで 4-26、ミラーが 3-8、ブルーに至っては 9-6 という数字で、よく勝ったものだと思う。
これでテキサンズAFC の二位に上がった。三連敗スタートから、まさかの 1st ラウンドバイをうかがえる位置まで来たことになる。


最終スコア:HOU 29-22 NYJ

Cleveland Browns (6-7-1) @ Denver Broncos (6-8)

ブラウンズがぎりぎり勝つ。17-13 になってからがぐだぐだで、ブロンコズは6ヤード地点での 4th&1 でギャンブルせずに FG を蹴って 17-16。ブラウンズは返しのドライブでニック・チャブのランが出まくって敵陣レッドゾーンまで進むが、こちらは 4th&1 をギャンブルして失敗、わずか一点リードで攻撃権を渡してしまう。最後のドライブでミッドフィールドまで攻め上がられて冷や汗をかくが、4th&10 でキーナムをサックして勝負あり。勝ち試合の締め方に難を残した。とはいえぎりぎりプレイオフ争いに踏みとどまっているのは立派。ブロンコスは文字通りプレイオフの目が無くなった。


最終スコア:CLE 17-16 DEN

Green Bay Packers (5-8-1) @ Chicago Bears (10-4)

NFC 北の同地区対決。この試合はまったく見ず。
3Q 途中にパッカーズが追いついたが、4Q にはベアーズが突き放して勝ち。ベアーズは 2010 シーズン以来の地区優勝とプレイオフ進出を決めた。逆にパッカーズは二年連続プレイオフに進めないことが確定した。ロジャーズの連続無インターセプト記録も 404 で途切れたとのこと。


最終スコア:GB 17-24 CHI

Dallas Cowboys (8-6) @ Indianapolis Colts (8-6)

この試合も見なかった。
コルツがなんと完封勝ち。マックス・マックが 27att-139yds と走りまくり、地上を支配した。カウボーイズはオープニングドライブで FG をブロックされ、次のドライブで3ヤード地点からギャンブルに失敗し、後半は開いた点差を詰めに行くためにギャンブルしては失敗、を二回重ねて傷口を広げた。というわけなので得点差ほど絶望的な試合をしたわけではないのだが、それはそれとして精神的にはいやな負け方なので引きずりたくないところ。コルツはプレイオフ戦線に生き残った。


最終スコア:DAL 0-23 IND

New England Patriots (9-5) @ Pittsburg Steelers (8-5-1)

AFC の名クウォーターバック同士の対決。他地区ながら対戦機会は多く、しかし相性でいえばブレイディがかなり大きく勝ち越している。ペイトリオッツは 1st ラウンドバイ、スティーラーズは地区優勝/プレイオフ出場に向けて勝利が欲しい状況での試合となった。
最初のドライブ表裏でおたがいタッチダウンをとってからは俄然ディフェンシヴなゲームになった。2Q にスティーラーズタッチダウンをあげてからは、おたがいエンドゾーンが遠い。3Q には今季不振のクリス・ボズウェルが 32 ヤードの FG を外し、スティーラーズは差を広げることができない。さらにロスリスバーガーがミッドフィールドからインターセプトを喫してペイトリオッツはチャンスを得るが、敵陣 16 ヤードまで迫りながらサックを避けたブレイディがサイドラインに投げ捨てようとしたボールが少しだけ短く、ジョー・ヘイデン@ex-ブラウンズがジャンプ一番奪い取ってインターセプトした。
返しのドライブでボズウェルが今度は 48 ヤードの FG を決めて、ふたたび 10-17 と七点差をつける。
その返し、ペイトリオッツは同点を目指す最後のドライブ。エデルマンとホワイトにパスを集め、テンポよくゴール前 11 ヤードまで迫る。しかしここでホールディングをコールされて 21 ヤードまで下げられると、それ以上は前進することができなかった。
スティーラーズは苦手な相手を負かしてプレイオフ戦線に生き残った。連敗も三で止め、すぐ後ろに迫るレイヴンズにかろうじてリードを保ち、ということで本当に欲しかった勝ちだった。まだまだ安心はできないがこれならなんとか行けそうという空気をもたらす勝利ではなかったかと思う。
ペイトリオッツはこの日はエデルマンが不振でドロップが多く、いよいよレシーバーの駒不足が否めない。この日の敗戦は内容といいスコアといい王国の落日の気配をうかがわせるものではあった。しかしこんな時でも若手から、あるいは再契約したヴェテランから、活躍する選手がぽっと現れて危機を救う、というのもこのチームのある種のパターンでもある。はたしてそれだけのポテンシャルを保っているだろうか。順位としてもこの負けでとうとう AFC 三位に転落した。


最終スコア:NE 10-17 PIT

Philadelphia Eagles (7-7) @ Los Angels Rams (11-3)

サンデーナイトフットボール
イーグルズはウェンツが負傷、背中の椎骨の疲労骨折とのことでおそらくはシーズンアウト。代わりに week 2 以来となるニック・フォールズが先発した。昨年もちょうどこのぐらいの時期にスターターに据わってチームをプレイオフに導いたフォールズだが、結果から言うと今年も自分の仕事は果たした――とりあえずは、一試合。前半は同点でついていき、3Q に相手のミスに乗じて一気に得点を重ねて大勢を決めた試合運びはさすがにスーパーボウル勝ってるだけのことはあると思わせた。24/31-270yds-0TD-1INT と素晴らしいとは言い難いがまあ悪くないスタッツで、インターセプトは余計だったが敵陣だったこともあり致命傷にはならなかった。
ラムズはマクヴェイ HC が就任してからレギュラーシーズンで初めての連敗となった。前週に続き、弱い相手ではないにしてもあんまりぱっとしない負け方で、プレイオフに向けてチーム全体のモメンタムが落ちているように見えるのが気がかり。ゴフは 35/53-339yds-0TD-1INT。


最終スコア:PHI 30-23 LAR

New Orleans Saints (12-2) @ Carolina Panthers (6-8)

マンデーナイトフットボールNFC 南の同地区対決。今季ここまで対戦がなく、今週と再来週で表裏と対戦する。
先制したのはパンサーズ。ミッドフィールドの 4th&2 でギャンブルして、スペシャルプレイを繰り出す。マキャフリイのランプレイと見せて、そのマキャフリイからパスコースに出た TE マンハーツへのパス。これが綺麗に決まるとセカンダリは文字通り全員上がっていてマンハーツの前には誰もおらず、そのまま無人の野を駆け抜けてタッチダウンとなった。これは鮮やかなスペシャルプレイだった。しかし結果から書くとパンサーズのオフェンスタッチダウンはこれだけ。
セインツもこの日は攻めあぐね、前半は FG 二本の六点だけ。後半に入ってからやっとアルヴィン・カマラのタッチダウンで逆転するが、ツーポイントに行ったのが裏目に出る。ブリーズがプレッシャーを受けて右に逃げながら投げたボールをインターセプトされて、そのままリターンタッチダウンされてしまう。七点差を目論んだプレイでいきなり三点差に詰められたわけで、ここはかなり慌てたのではないだろうか。
しかしパンサーズの攻撃はパントに終わる。
次のセインツの攻撃、ここは七分費やしたいいドライブだったのだが、最後の最後で台無しにしてしまう。残り5ヤード地点の 3rd&4、残り 1:51 でパンサーズはタイムアウトを使い果たしている状況。4ヤードゲインできたらタッチダウンしなくても勝ちなのだ。ここでセインツのコールはトミーリー・ルイスの右パイロンへ向けてのラン。アウトオブバウンズに出てしまったら 40 秒相手に与えることになってしまうややリスキーな選択だったが、結果はその斜め上、ゴールラインの手前でファンブルしてボールがエンドゾーンでアウトオブバウンズになるというものだった。これでタッチバック。結果的には返しのドライブでもパンサーズは得点にたどり着けず、勝負には影響しなかったが、勝利を投げ出しかねない選択だった。
ロースコアのゲームだったが、結局はここまでの状態どおりセインツが勝った。第1シード確定まであと一勝。


最終スコア:NO 12-9 CAR

Other Games

ARI(3-11) 14-40 ATL(5-9)ファルコンズが快勝。一応試合前はぎりぎりプレイオフの目があったらしいがこの週で消滅したらしい。カーディナルズは元気なく、ターンオーバー三つ献上して大敗。
TB(5-9) 12-20 BAL(8-6):レイヴンズが勝ち星を伸ばす。ラマー・ジャクソンはこの日も絶好調、投げては 131 ヤード、走っては 95 ヤードと大活躍。
DET(5-9) 13-14 BUF(5-9)
OAK(3-11) 16-30 CIN(6-8)ベンガルズが連敗を5でストップ。
WAS(7-7) 16-13 JAX(4-10):ジョッシュッ・ジョンソンが 32 歳にして NFL 先発初勝利。
MIN(7-6-1) 41-17 MIA(7-7)ヴァイキングズが快勝。プレイオフ進出まであと一勝とした。この得点を見ると一応 OC をすげ替えたのは意味があったのか……
TEN(8-6) 17-0 NYG(5-9)タイタンズがプレイオフ争いに生き残り。マリオタは 88 ヤードどまりで、ヘンリーが 170 ヤード走ったそうな。
SEA(8-6) 23[OT]26 SF(4-10):これフォーティナイナーズ勝つのか。