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ライスボウル

アメフトおじさんだけど生で見たことなかったので(練習してるところはしょっちゅう見るのだが……)、ライスボウルに行ってみることに。東京ドームなのでぱっと行けるし、当日券も出ているので行けば入れるという手軽さはある。14 時頃に到着。なんとなく関西学院大学側を選んでみると、エンドゾーンの角あたりの席で前から七八列目といったところ。前に行くかもう少し後ろの遠くまで見える席にするか迷ったのだが、結果からいうとどっちみち試合の状況はあんまりよくわからんので前の方で見た方がいいんじゃないかなという感じだった。
見ていると練習とかチアとかが面白くて、これは現地ならではという感じだった。あと、一応ビールとかジュースとかの売り子さんも出ていて失礼ながら驚いてしまった。売店もけっこう営業してて、さすがに日本一決定戦だけのことはある。(ばかにしすぎ)
試合は富士通の最初の二回のドライブこそ関西学院大学のディフェンスがよく止めてパントに追い込んだが、一方で関学のオフェンスも苦戦して得点は遠い。富士通は三回目のドライブからいよいよトラショーン・ニクソンのランを全面的にフィーチャーしてきて、そうなると関学は止められなくなっていく。攻撃でもサイドラインへのパスでピック6を喰らってしまい、0-14 とリードを許す。その後関学は敵陣深くまでようやく攻め入り、フィールド幅をいっぱいに使ったジェットスウィープでタッチダウンを決めて 7-14 と反撃開始。だが FG を一本ずつ決めた後、ふたたびニクソンがビッグゲインを見せて富士通タッチダウンを追加。10-24 となって折り返した。
2ポゼッションならなんとか、と思ってしまうわけだが、そもそも力に差があって力が上の方がリードしていたら逆転の目は薄い。はたして後半は富士通タッチダウンを追加しつづけた。最後の最後に関学タッチダウンを返してオンサイドキックを決めるところまでいったがそこまでだった。最終的なスコアは 17-52。残念ながらかなりの大差になってしまった。終盤は関西学院大学の選手が次々に担架で運び出され、かなり悲壮な雰囲気になっていた。


試合終了後、関学の鳥内監督は「ライスボウルのあり方」について言及していた。たしかに、結果的に大差になったうえにこれだけ負傷者が出るのではチャンピオンシップゲームとして適当とは言い難い。これは今年だけの偶発的な現象ではたぶん――というかほぼ間違いなく――ない。Xリーグに外国人枠が導入された現在、カレッジ上位のレベルの選手が本当に卒業後に日本にやってくるようになりつつある。そんな相手に現役の学生だけでわたりあうのは正直なところ無理だ。たぶん、なんらかの見直しは必要だろう。それも早いうちに。
これはラグビーが二十年ほど前に通った道で、1997 年を最後にラグビーの日本選手権はそれまでの「社会人日本一×大学日本一」という形式ではなく、社会人、大学それぞれの上位何チームかが出場するトーナメント形式に変更された。当時は上位のチームにより多い実戦機会を与え、より現実的なチャンピオンの決定方法になった、と個人的には思えたので諸手を挙げて賛成したものだったが、今になって振り返るとこれはそこから長年にわたって続くラグビーポストシーズントーナメントの迷走の始まりになったように思える。
今年見に行った限りでは、ライスボウルは意外なほどのブランド力と集客力を持っている。どんな見直しをはかるにしても、その財産はどうか大事にしてほしいと思う。