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NFL 2018 -- Conference Championship

いよいよ準決勝。

Los Angels Rams (15-3; NFC #2/West) @ New Orleans Saints (14-3; NFC #1/South)

今季の NFC で覇権争いを繰り広げた両チームがチャンピオンシップで対戦することになった。Week 9 に対戦したときはセインツが 45-35 で勝っているが、もちろんラムズもそれで終われるはずもない。
とはいえ 1Q はセインツペース。最初のドライブから敵陣深くへ攻め込み、ブリーズからエンドゾーンのアーノルドへのパス。これは通らず FG だったが、返しのドライブでインターセプトを奪うと、次の攻撃でも FG を決める。さらに次のドライブでは待望のタッチダウンを奪い、0-13 とリードを広げる。
クラウドノイズに苦しみまともに攻撃が続かなかったラムズだったが、その次の攻撃で 4th&5 からジョニー・ヘッカーがパスを決めてこの試合初めての 1st ダウンを更新する。これでドライブが活きて、FG どまりではあったがラムズが初得点にたどり着いた。これはディヴィジョナルでセインツがやったことの裏返しで、結果的にはこの三点は大きかった。ヘッカーといえばフェイクパントなわけで、ここは警戒が甘かったと思う。
このあとはお互いパントを蹴りあったあと、前半終了前にラムズタッチダウンをあげる。ゴフがブランディン・クックスへ二本続けてパスを通して一気にレッドゾーンに入ると、トッド・ガーリーがエンドゾーンまでボールを運んだ。これで 10-13 となって折り返す。

後半セインツは最初のドライブでタッチダウンをあげる。ブリーズから何でも屋テイサム・ヒルへの短いパスで、これはしてやったりというところ。しかしラムズも返しのドライブでタッチダウンを返す。エンドゾーンの手前でゴフがボールを落とすなど危ないプレイもあったが、最後はプレイアクションから右のフラットルートを走るタイラー・ヒグビーへのパスが簡単に決まり、17-20 とした。
次の次のドライブ、ラムズはロングパス二本でレッドゾーンに入り、残り1ヤードまで攻めるがショーン・マクベイ HC は熟考の末 FG を選択。これでとうとう同点に追いついた。
返しのドライブ、セインツはじっくり時間をかけて攻め、テッド・ジン・ジュニアへのロングパスでレッドゾーンに入ったところでツーミニッツウォーニング。しかし時間を喰ってから FG を蹴ればかなり勝ちに近づけるところ、1プレイ目はパスを選択してしまいインコンプリート。2プレイ目はカマラのランをコールしてふたつ目のタイムアウトを削るが、3プレイ目にふたたびパス。ここは明らかにディフェンスのパスインターフィアランスだったのだけど何故かコールされず、結局一分半とタイムアウトひとつを残して FG を蹴る羽目になってしまう。戦術ミスとバッドコールが重なってセインツにはひどいことになってしまった。
ゴフは返しのドライブを集中力あふれるパスで牽引し、48 ヤードの FG を蹴れるところまで進む。これをザーラインがきっちり決めて、試合はオーヴァータイムに突入した。

オーヴァータイムではセインツが先攻をとったものの、3プレイ目でブリーズがプレッシャーを受けながら投げた山なりのボールをインターセプトされてピンチを招く。ラムズは返しのドライブであまり進めなかったが、思い切って 57 ヤードの FG を選択すると、ザーラインがこれも決めて試合を終わらせた。
なんとなくだけど、セインツは勝てる試合を落としたという印象はある。前半の押せ押せをキープできなかった、それもヘッカーにフェイクパントを許してというのはやはり勿体無かったかな。それと同点にされたあとのドライブ。さすがブリーズというべきか、追いつかれても完璧に切り替えて、これで時間費い切って三点取りゃ勝ちだろという攻撃をできていた。なのにツーミニッツからパスを二回もコールして時間を余すというのはちょっとひどかった。パスインターフィアランスはとられるべきだったけど、自滅といえば自滅だった。
ラムズは命拾いした。とはいえあれだけ離されたのを実際追いついたわけだからそれは大したもので、残るのは勝ち負けだけである。その意味ではスーパーボウルに進むにふさわしいチームではあるのだろう。若さと勢いと悪運が、絶対王者に通用するだろうか。
最終スコア:LAR 26[OT]23 NO

New England Patriots (13-5; AFC #2/East) @ Kansas City Chiefs (13-5; AFC #1/West)

AFC はチーフスのシーズンだったと言えるだろう。マホームズの 50TD・5000 ヤードという並並ならぬ記録と、12-4 という堂々たる戦績。一方のペイトリオッツはシーズン序盤からあまりよくなく、中盤持ち直してからも後半また崩れるという感じで王者らしいシーズンとは言えなかったが、それでも第2シードに入ったのはさすがのひとこと。
試合は前半ペイトリオッツが完全に支配する。オープニングドライブでタッチダウンをあげると、チーフスの攻撃をあっさりパントで切ってとり、返しのドライブでもレッドゾーンまで攻め込む。ところがここでブレイディがグロンカウスキーを狙ったパスがあっさりインターセプトされてしまう。しかしチーフスは返しのドライブもその次もパントで得点をあげられない。
残り三分強からのペイトリオッツの攻撃、10 ヤード地点からでフィールドポジションは悪かったがつるつると進み、残り 27 秒でタッチダウン。ドーセットへの 29 ヤードのロングパスで、ここはさすがという感じだった。14-0 で折り返す。

後半最初のドライブでチーフスは反撃開始。マホームズからウォトキンズへ、54 ヤードのロングパスが決まって、惜しくもウォトキンズが転んでしまったもののあわやタッチダウンかというほとんど完璧なパスだった。次のプレイでケルシーへパスを通してタッチダウン
ペイトリオッツも FG を決めて突き放そうとするが、チーフスはふたたびタッチダウンを奪って徐々に追い上げる。1ヤード地点からの 1st&Goal でデイミアン・ウィリアムズへのパス。これで 17-14 と三点差にまで詰め寄った。
この時点ですでに 4Q に入っていたが、ここから突然両チームの点の取り合いが始まる。ブレイディが自陣で喫したインターセプトからチーフスがチャンスをつかみ、再びデイミアン・ウィリアムズのタッチダウンレシーブでついに 17-21 と逆転する。
返しのドライブ、ペイトリオッツはバークヘッドのランを中心に攻めて敵陣深くへ。しかし残り 10 ヤードで 3rd&1 が取れず inches が残ってしまう。さすがのベリチックもかなり迷ったようだったがギャンブルを選択。ここでソニー・ミシェルがディフェンスを切り裂いてタッチダウンをあげ、24-21 と再逆転する。
さらに返しのドライブ、開始時点で残り 3:29 だったが、チーフスはディフェンスのホールディングとパスインターフィアランスで敵陣に入ると、マホームズの短いパスを受けたウォトキンズが 38 ヤードゲイン。これで敵陣2ヤードまで迫ると、デイミアン・ウィリアムズが今度は走ってタッチダウンを決めた。またしても、24-28 とチーフスがリードを奪う。
だがまだ残り二分ある。ペイトリオッツはコーダレル・パターソンの 35 ヤードのビッグリターンからドライブを開始。エデルマン、ホーガンとブレイディがパスを通して敵陣に入ると、3rd&10 からグロンカウスキーを狙ったパスはインターセプト……かに見えたが、ここはチーフスのオフサイドでヌリファイされる。あらためてブレイディがグロンカウスキーへのパスを通して残り4ヤードまで迫ると、最後はバークヘッドがタッチダウンランを決めた。これで 31-28 となった。
残り 0:39、タイムアウトひとつ。しかしビハインドはわずか三点という状況で、チーフスは同点を目指す。マホームズは見事な落ち着きで中央のウェアにパスを通すと、最後のタイムアウトを切る。そして次のプレイ、左サイドのロビンソンへの 27 ヤードのパスを決めてみせる。これで敵陣 21 ヤードまで進み、タッチダウンこそならなかったものの、ハリソン・バトカーが同点 FG を決めて、試合はオーヴァータイムに突入した。

オーヴァータイムはブレイディの独擅場だった。コイントスで勝ったペイトリオッツはもちろん先攻を選択。三度の 3rd&10 を迎えるなど楽なドライブではなかったが、いずれもブレイディがパスを通して更新。残り 10 ヤードに迫るとそこからは一転三連続でバークヘッドのランをコール。三度目のランで最後の2ヤードを突き抜け、ペイトリオッツの勝利が確定した。
チーフスは本当に惜しかった。前半もう少しなんとかできていれば……というところだが言っても仕方なくはある。いずれにしてもチームとしては充実著しく、マホームズも才能を存分に示している。来年以降も本当に楽しみでならない。
ペイトリオッツはほんとうに流石としか言いようがない。どんなことがあってもここ一番の勝負には合わせてくるのは驚異的だ。この日も前半の完璧なディフェンスで築いたリードがあってこその勝利だった。こうなればやはりスーパーボウルまで勝ってしまうのだろうか。

最終スコア:NE 37[OT]31 KC