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NFL 2019 -- Week 2

二週目。まだまだ始まったばかり。

Tanpa Bay Buccaneers (1-1) @ Carolina Panthers (0-2)

サーズデイナイトフットボールDAZN では日本語実況なかったんですけどどうしたんでしょうか。
バッカニアーズが渋ーく押し切り。得点は 20 点で最低限という感じだったけどターンオーバーもなく、パンサーズオフェンスを FG 四本+セイフティ1回の 14 点に抑えたディフェンスは立派。蟹ことウィンストンも 16/25-208yds-1TD-0INT と先週とは雲泥の差でとにかく手堅くやった。アリアンズの真骨頂というところ。
とはいえパンサーズも勝利に肉薄した。4Q 終盤、6点差とされた返しのドライブで自陣からじわじわ攻め込み、残り 1:28、ゴール前3ヤードで 4th&2。ここでアリアンズがあろうことかタイムアウト明けにタイムアウトをコールしてしまい、もちろん認められないしディレイオブゲームを取られる。労せずして1ヤード詰めたパンサーズだったが、そのあとのコールがマキャフリイへのダイレクトスナップ。これはばればれだった。読んでいたハーグリーヴズにいち早く反応され、左サイドライン際まで追い詰められて手を伸ばすも届かず。レヴューでも覆らずこのまま試合終了となった。
パンサーズはニュートンがどうも足に怪我をしているようで、今季はほとんど走れていない。この試合も2回持っただけで合計0ヤード。例年からは考えられない数字だ。もちろん走るだけの QB ではないが、選択肢をひとつ失っていることは苦しい。とはいえ今年で九年目、これからも怪我が増えこそすれ減ることはないだろう。ひとつの曲がり角にさしかかりつつあるのかもしれない。

最終スコア:TB 20-14 CAR

Arizona Cardinals (0-1-1) @ Baltimore Ravens (2-0)

見てません。しかしこれを見ればよかったか。
ラマジャクが投げては 24/37-272yds-2TD-0INT、走っては 16att-120yds というスタッツで快勝。同一試合で 250ヤード以上投げて 120 ヤード以上走った選手は NFL で初めてだとか。
カイラー・マレーも 25/40-349yds-0-0 とかでスタッツ的にはまあまあ。近いうちに勝てそう。

最終スコア:ARI 17-23 BAL

Minnesota Vikings (1-1) @ Green Bay Packers (2-0)

NFC 北の同地区対決。昨季も week 2 に組まれていて、その時は 29-29 で引き分けている。
オープニングドライブでパッカーズは鮮やかに先制する。ロジャーズがダヴァンテ・アダムズへの 39 ヤードのパスを決めると、ジョーンズのランを二回続けて計 21 ヤード前進し、最後はジャマール・ウィリアムズへのパス。わずか4プレイで先制してしまう。返しのドライブでヴァイキングズもダルヴィン・クックをよく使って順調に敵陣に攻め入るが、29 ヤード地点でストップ。47 ヤードのアテンプトをダン・ベイリーが左に外してしまい、手ぶらで帰ることになる。0-7。
パッカーズはふたつめのドライブでも得点をあげる。ヴァイキングズのディフェンスがまだ浮き足立っているところに、ロジャーズは的確にパスを決める。三回の 3rd ダウンを簡単に更新すると、ジェロニモ・アリソンへの 12 ヤードのタッチダウンパスを通した。これで 0-14。返しのドライブ、今度はヴァイキングズは自陣でボールを失ってしまう。カズンズがサックを受けてボールをこぼし、ロウリーにリカバーを許してしまった。33 ヤード地点からの攻撃、パッカーズは当たり前のようにタッチダウンを決める。アーロン・ジョーンズの2ヤードのタッチダウンラン。これで 0-21 と、2Q 頭にして大量リードになった。
完全にずるずる行くパターンを押しとどめたのはダルヴィン・クックだった。返しのドライブ、自陣 25 ヤード地点からのランで、中央を抜けると相手のタックルミスもあって 75 ヤード走りきってしまう。ここのプレイは本当に巧みで、カズンズからのハンドオフが非常に見えづらく、FB ハムのリードブロックも見事だった。75 ヤードはできすぎだが、ビッグゲインに値するコールだったと思う。7-21 となって、やっとヴァイキングズも一息つくことができた。
このあとはしばらくパントが続き、前半残り5分を切ってからのバイキングズの攻撃。ついていないことに、ターンボールに手を伸ばしたディッグスのはじいたボールがスミスの手に収まってインターセプトになってしまう。ここはかなりのピンチだったが、返しのドライブでパッカーズの 4th&1 からのギャンブルをリンバル・ジョセフが力強いタックルで押しとどめて得点を与えない。逆にその返しのドライブ、カズンズは捕まりそうになりながらぎりぎりのところで WR ビービーにパスを通すと、ビービーがディフェンスの間を縫うように快走。あわやタッチダウンかという3ヤード地点まで前進する。つぎのプレイでカズンズはあっさりディッグズにパスを通してタッチダウン……かに見えたが、レヴューの末クックのパスインターフィアランスでヌリファイ。13 ヤードを攻めきれず、FG で 10-21 として折り返すことになった。

後半ヴァイキングズはロジャーズのファンブルロストから掴んだチャンスをカズンズが強引に得点につなげる。一度反則で自陣に戻され、もう一度敵陣の端っこに入った 3rd&13、ここで図々しくエンドゾーンへ向かってロングパスを投じる。これをディッグズが見事にキャッチして、45 ヤードのタッチダウンレシーヴとなった。PAT がブロックされて 16-21。
このあとまたパントを蹴り合って、4Q 残り 10 分になってからのヴァイキングズの攻撃。クックとマティソンのランが次々に出て、5分費やしながら 1st ダウンを三回更新して残り8ヤード。あとはタッチダウンを決めるだけ……と思いたくなるところだったが、カズンズがやらかしてしまう。プレッシャーを受けて右へ逃げ、レシーバーを探して右へ右へ。まだ 1st ダウン、投げ捨てるだろう、と思ったおれの予想を裏切って、カズンズはエンドゾーンのディッグスへボールを投じた。
投げてしまった。
ディッグズは必死に競ったが狭いスペースで DB に挟まれていてはいかんともしがたく、ボールを掴んだのはキング。最悪のインターセプトになった。
このあともまだ時間はあったのだが意気消沈したヴァイキングズオフェンスは次の攻撃でスリーアンドアウト。最後の最後にもう一度攻撃権が来たが、自陣から絶望的なラテラルを試みるしかなかった。

試合の入りが本当にひどくて、そこは悔やまれるところではあるのだけど、クックのすごいランが飛び出して立ち直ってからはディフェンスは一点もやらなかった。こういう立ち直り方ができるのは厳しい規律のあるチームだけで、そこはまさにマイク・ジマー HC の強みと言える。あとはオフェンスが自分たちの仕事をすればよかったのだが、ちょっとひどいことになってしまった。カズンズは自らの価値を証明する機会をまたひとつ失った。

"You just can't do that, can't do that," Cousins said of the interception. "It happened last week in our game against us. We talked about it all week, you just can't do that. It's uncharacteristic of me."
Vikings vs. Packers - Game Recap - September 15, 2019 - ESPN
Yes, you just can't do that. That's it.

パッカーズは開幕から同地区相手に二連勝、プレイオフへ向けてこれ以上はないスタートを切った。ここまでのところディフェンスがいいので今季こそはけっこう行けそうな気がする。ヴァイキングズについてはちょっとわからない。オフェンスというかカズンズ次第、という昨季と同じ状況か。

最終スコア:MIN 16-21 GB

New Orleans Saints (1-1) @ Los Angeles Rams (2-0)

昨季の NFC カンファレンス・チャンピオンシップの再戦。
しかし試合は意外なところから壊れてしまった。1Q の途中、ブリーズがまさにボールを投げんとしているところにアーロン・ドナルドが手を伸ばし、ブリーズの手はドナルドの手とヘルメットに立て続けにぶつかってしまう。このプレイでブリーズはサイドラインに下がり、親指をテープでぐるぐる巻きにされて、そのまま戻らなかった。questionable とか言ってたけどあんなもん戻れるわけねえだろという気もするね。
その後はテディ・ブリッジウォーター@ex-ヴァイキングズが投げ、元気なところを見せてくれたが、やはりブリーズと比べるのは酷というもの。そこそこパスは決めたがめざましいスタッツではなく、最後までタッチダウンをあげることはできなかった。それでもターンオーバーがなかったのは持ち前の手堅さが出ていて悪くない。
ラムズは前半もたついたが、後半に入るなり3ドライブ連続でタッチダウンをあげてセインツを突き放すと危なげなくそのリードを守り切った。流石である。ゴフは3回サックを浴びながら 19/28-283yds-1TD-0INT と手堅い寄りのいいスタッツ。とりあえずはプレイオフに向けて好発進だ。
ブリーズは試合後に検査を受け、すぐに手術を受けることが決まった。IR(故障者リスト)には入れないとのことで、これは八週間以内での復帰を示唆しているが、今のところの見立てでは六~八週間かかるだろうとのこと。ブリッジウォーターの肩にかかるものは大きい。

最終スコア:NO 9-27 LAR

  • どうでもいいっちゃどうでもいいのだが、ラムズはおれが観始めたぐらいから今にいたるまで WR のランプレイが多い印象がある(エンドアラウンドとかリバースとか)。ヘッドコーチが変わっても QB が変わってもそうなのである種の伝統というかんじだが、じゃあ何によってその伝統が守られているのだろうというのがちょっと不思議。面白い。

Philadelphia Eagles (1-1) @ Atlanta Falcons (1-1)

サンデーナイトフットボール
おたがいターンオーバー3つずつと sloppy な試合ではあったが、しかしけっこう面白い試合だった。どちらも地上をがっちり固めて力量のある QB 同士で空中戦を挑むというエンターテインメント性の高い試合運びをしたことも原因ではあったかもしれない。
試合全体としてはファルコンズがおおむね主導権を握っていた。前半は 6-10 とリードして折り返し、後半もキックオフでいきなり KR クレメントからボールを奪い取って敵陣からの攻撃権を得ると、あっさりタッチダウンして 6-17。ところがファルコンズは次の攻撃でライアンがインターセプトを喫し、イーグルズはそのチャンスを逃さない。4ヤード地点の 4th&Goal をウェンツがしっかりアグホラーにパスを通して決め、ツーポイントには失敗したものの 12-17 と一本差に食らいつく。
このあとインターセプトパントパントと来て 4Q 残り 11 分からイーグルズの攻撃、3rd ダウンをウェンツが三回続けてパスを通して更新して敵陣に入ると、ゴール前3ヤードでの四回目の 3rd ダウン、スニークで2ヤード取って、最後1ヤードの 1st&Goal もスニークで取ってタッチダウン。今度はツーポイントも決めて、20-17 とこの試合初めてイーグルズがリードする。実は前半終了間際にウェンツは脳震盪プロトコルで一度メディカルテントに入ってたのだが(その間ジョッシュッ・マカウン*1が出てきてた)、それを逆手に取る QB ランの連打は熱かった。
返しのファルコンズの攻撃、3点のビハインドなので FG でもいいとはいえ敵陣が遠く、ミッドフィールド手前で残り 2:10 の 4th&3。さすがにパントを蹴っていては間に合わずギャンブル。そしてここのプレイコールが天才的だった。左側のレシーバーふたりが内外で入れ替わるいわゆるピックルートを走り、ライアンが本命のフリオ・ジョーンズにボールを投じる。マークが入れ替わった DB がジョーンズに寄ろうとする――そこへ LT が突っ込んでいって渾身のブロックをぶちかましたのだ! まったく無警戒だった DB は死角からでかいのにのしかかられて青天。フリーになったジョーンズは悠々とサイドライン沿いを 54 ヤード走り抜き、再逆転のタッチダウンとなった。これはしびれたー。イーグルズがプレッシャーをかけてこないことも見抜いてのコールなんだよね。あと殿下も言ってたようにタイミングを誤ると LT がイネリジブルレシーバーダウンフィールドを取られるので、そこをうまくやったことも含めて優勝というかんじでした。
とはいえ試合は終わらない。タイムマネジメント的にはちょっと時間を残しすぎである。4点ビハインドは「いい点差」((C)イーライ・マニング)、タッチダウンだけをめざして最後のドライブを開始する。少し進んで自陣 43 ヤード地点、パスを二本失敗したあとサックされて 4th&14 と絶体絶命の状況を迎えるが、ここでウェンツが執念のプレイを見せる。またしてもプレッシャーを受けてほとんど後ろに倒されながらしかし DB の隙間にロングパスを投げ込む。これにアグホラーもよく反応してがっちりボールをキャッチしてみせた。一気に敵陣 18 ヤードまで前進して 1st ダウン、時間はまだ1分以上ありタイムアウトが残りひとつ。ファルコンズは一転逆転負けのピンチを迎えてしまう。
しかしここまでだった。パスを3本投げて2ヤードしか前進できず迎えた 4th&8、ウェンツは左サイドのザック・アーーツにパスを投じたが、アーツがボールを受けた地点は明らかに 1st ダウンの手前だった。アーツはタックルを受けながら必死に身体をひねって 1st ダウンに届かせようとしたが、見るからに届いていなかった。一応レヴューもされたが覆らなかった。
いい試合ではなかったが、でもファルコンズはあの素晴らしいタッチダウンで勝利を勝ち取ったのでそれはそれで大変よかったと思う。チームにシーズンにおけるモメンタムをもたらしてくれそうな勝ちになりそうだ。イーグルズもそこで消沈せずに最後あわやというところまで行ったのはよかった。それほどひきずる負けにはならずにすむだろう。

最終スコア:PHI 20-24 ATL

Cleveland Browns (1-1) @ New York Jets (0-2)

マンデーナイトフットボール
二年目 QB 同士の対決、ということで盛り上がる?はずだったこの顔合わせ、しかし week 1 のあとにダーノルドが伝染性単核球症*2に罹患、あえなく対決自体が試合前についえてしまった。代わって登場したのがトレヴァー・シーミアン。2016, 2017 シーズンではブロンコズで輝く未来が約束されていたはずの QB だが、いつの間にかジェッツのバックアップにまで落ちぶれ……いや流れてきていたのは驚いた。そしてそのシーミアンが 2Q の途中にフィールドを去ってしまう。倒されたときに足首の靱帯を断裂し、試合後にシーズンアウトと発表された。というわけでこの試合の前にプラクティス・スクウォッドから上げられたばかりのルーク・フォークが急遽投げることになった。
とまあどたばたもどたばたでさすがに勝負にならず。ブラウンズも五月野が 19/35 とかでさほどよくもなかったがオデル・ベッカム・ジュニアが 161 ヤードとヤーデイジを稼ぎまくったのは好材料。特に 3Q のタッチダウンレシーブは見事で、シームにすっと入ってボールを受け取り、ぐっと加速して2秒ぐらいで DB を全員置き去りにしたのはすごくよかった。というわけでブラウンズは初日。いまのところシーズン前の期待ほどの試合は全然できていないけど、とにかくも勝った。

最終スコア:CLE 23-3 NYJ

Other Games

SF(2-0) 41-17 CIN(0-2)フォーティナイナーズタッチダウン五本決めて快勝。ガロポロ調子出てきたな。ベンガルズはオフェンスもディフェンスもだめ。
LAC(1-1) 10-13 DET(1-0-1):ライオンズが逆転勝ち。最後チャージャーズは同点 FG も狙える位置からあえてタッチダウンを狙い、エンドゾーンインターセプトを喫した。
JAX(0-2) 12-13 HOU(2-0):ジャグァーズ、惜しかった。最後タッチダウンで一点差に追い上げて PAT でランを選び、決まらず。まあ選択としてはありだろう。
NE(2-0) 43-0 MIA(0-2)ペイトリオッツが鬼門の@マイアミで快勝。強すぎでは。
BUF(2-0) 28-14 NYG(0-2):ビルズがニューヨークのチームに連勝。二週続けてニューヨークのチームに勝った QB は四人めとかでわりと珍しい記録らしいですがだからなんなんだという記録でもあり。ジャイアンツは今年もだめそう。
SEA(2-0) 28-26 PIT(0-2)シーホークスが 2013 シーズン以来の開幕二連勝。スティーラーズロスリスバーガーが右ひじを痛め、途中からメイソン・ルドルフがリリーフ。ロスリスバーガーはシーズンアウトとのこと。スティーラーズも苦しいか。
IND(1-1) 19-17 TEN(1-1):コルツが逆転勝ち。19 点は半端なスコアだが、ヴィナティエリが PAT を二本外したらしく、前週も含めて外しまくっていてさすがに気がかり。
DAL(2-0) 31-21 WAS(0-2)カウボーイズが二連勝。NFC 東は二強二弱がはっきりしている感じがあり。レッドスキンズ、キーナムが悪くない仕事をしていると思うのだが、ディフェンスがやられすぎ。エイドリアン・ピーターソンが 105 本めのタッチダウンランを決めていて、これは NFL 歴代単独五位とのこと。
KC(2-0) 28-10 OAK(1-1):レイダーズが 1Q に 10 点先制したが、チーフスが 2Q に 28 点取って、後半はおたがい0点でそのまま、という奇妙なスコア。チーフスはレイダーズにここ 10 試合で9勝しているとのこと。
CHI(1-1) 16-14 DEN(0-2):ベアーズがタイムアップフィールドゴールで勝ち。ブロンコスは 4Q にツーポイントも含めて 11 点あげて一旦逆転したものの、最後 53 ヤードの FG を決められて負け。

*1:御年 40 。イーグルズのバックアップ QB の不在で引退から復帰したとのこと。

*2:EB ウイルスによる感染症。唾液などを介して感染する。高熱、倦怠感などが主症状だが深刻化することもあるとのこと。参考→http://pro.saraya.com/fukushi/column/dr-yokoyama/backnumber/036.html