黄昏通信社跡地処分推進室

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初日の出のこと

大学一年生の頃、サークルのメンバーで鎌倉界隈の寺とかをいくつか詣でたあと由比ヶ浜の海岸で初日の出を待ったことがある。途中店に入るとかもほとんどなく(ファミレスは満席で誰も出てこないので待つだけ無駄な感じだった)ただ歩くかお参りするかで時間を過ごしたのでまあ寒いわ眠いわでめちゃくちゃしんどかったのを憶えているのだが、それだけにやたら印象に残っている。空はかなり早くから少しずつ明るくなっていくのだが太陽はなかなか顔を見せてくれないし、肝腎の水平線の近くは曇っていて日の出の瞬間は判然とせず、気がついたら雲の隙間から陽がさしていたみたいな感じでアンチクライマックスもいいところだった。あんなこと二度とできないだろうと思うし奇妙に美化された思い出として残っている。このときの、日の出の少し前の時間をもとにした掌編を書いたのも憶えていて、なんとなくまた読みたいのだけど探してまで読むかというと微妙なところでもある(紙に書いてたので)。
その後も毎年サークルの年越しというと初詣だったけどとにかく大変だったので年々参加人数が減ってたのを憶えている(この話はどこかで書いた気がする)。疲れ果てて家に帰って、そのまま夕方ぐらいまで寝てしまうのが大学生時代の元日の定番だった。ひとことで言えば若かったなというところだけど、それにしてもちょっとだけへんなことしてたなという感じもある。その記憶自体はけっこう悪いものでもないと思う。