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NFL 2019 -- Super Bowl LIV: San Francisco 49ers (13-3; NFC #1(West)) vs. Kansas City Chiefs (13-3; AFC #2(West)) @ Miami Gardens

もう結構時間も経ってしまったので簡単に。
チーフスが 4Q での 10 点ビハインドをひっくり返して勝った。おかしなことに、ポストシーズン三試合は全部 10 点以上のリードを許してから勝ったことになる。
前半はフォーティナイナーズが FG で先制→チーフスがタッチダウンで逆転→チーフスが FG を追加→フォーティナイナーズタッチダウンで追いつく、という感じで 10-10。ガロポロがインターセプトを喫したりしたものの、どちらかというとランで時間を使いながら攻め込めていたフォーティナイナーズのペースかな、という印象だった。
後半も 3Q はまさにフォーティナイナーズのペース。最初のドライブで FG までたどり着き、返しのドライブでマホームズからインターセプトを奪うと、その返しのドライブではタッチダウンをあげる。ガロポロのパスが効果的に決まっていて、前半の展開がここへ来て効いている感じだった。
その次の攻撃でマホームズは痛恨のインターセプト。それも 52 ヤード攻め込んでレッドゾーン目前まで迫ってからのインターセプトだった。わりとほんとに一瞬の出来事という感じで、不用意といえば不用意だったが奪ったムーアを褒めるべきかもしれない。これで残り時間は 11:57、ビハインドは 10 点のままだったのだから心が折れてもおかしくない。
しかしチーフスはここからがすごかった。逆にいうと、フォーティナイナーズはここから勝ちへ向かうことができなかった。2nd&9 からパスを投げて失敗し、次もパスを投げざるを得なくなったりして、あっさり攻撃権を手放してしまう。返しのドライブではチーフスが自陣 35 ヤードでの 2nd&15、マホームズヒルに通した絶妙の低いパスはチャレンジの結果ワンバウンドと判定、3rd&15 にされてしまう。絶対絶命だったがここでヒルはスピードとカットでセイフティを振り切りどフリーに。それをマホームズが見逃さずパスを通して、44 ヤードのロングパスが通った。これがひとつめのターニングポイントで、チーフスは結局このドライブをタッチダウンにする。
フォーティナイナーズは大事な返しのドライブで、またしても 2nd&5 からパスを投げて失敗し、次もパスを失敗してスリーアンドアウト。1分ちょいしか使えずにもう一度ボールを渡してしまう。
返しのチーフスのドライブはマホームズのパス一辺倒。ウォトキンズへのロングパスでゴール前まで迫ると、最後はデイミエン・ウィリアムズへのオプションパスをマホームズがあっさり決めてタッチダウン。これで 20-24 と、チーフスがついに逆転した。
とはいえまだ 2:44 ある。フォーティナイナーズは逆転へのドライブを開始する。15 ヤード地点からの攻撃だったが、持ち味のランと短いパスでテンポよく進んでいく。ツーミニッツを過ぎて、敵陣に入る。そして 3rd&10、中央奥に走りこんだエマニュエル・サンダーズへガロポロがロングパスを投じる——サンダーズはディフェンスをふたり抜き去ってワイドオープンになっている! だがボールはいささか長すぎ、むなしくエンドゾーンに大きく弾んだ。次のスナップでガロポロはサックされた。
返しのドライブでチーフスが奪ったタッチダウンはおまけみたいなものだが、あれをあっさりタッチダウンにされてしまったのはフォーティナイナーズが戦意喪失していたことの表れではあったか。ともあれもはや逆転する時間は到底なく、チーフスが勝った。

50 年ぶりのスーパーボウルチャンピオン。AFL と NFL が合併する前の年だったのだという*1。チーフスも、アンディ・リードも、プレイオフに弱いと言われ続けてきた。それを払拭したのはやはりパトリック・マホームズ二世だったと言ってしまっていいだろう。昨年は挑めなかったスーパーボウルに手をかけると、一気にそのまま奪い取った。まだまだ 24 歳。若くチームを率いる力がある素晴らしいクウォーターバックで、これからもきっとリングを手にすることだろう。……みたいなことはラッセル・ウィルソンの時も書いて、それから6年経ってウィルソンはまだリング一個なのでいかに難しいかということなのだが、それでも、きっと。

最終スコア:SF 20-31 KC

*1:余談だがその時破ったのはヴァイキングズである