黄昏通信社跡地処分推進室

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NFL 2020 -- Conference Championship

もうほとんどおしまい。今年はプロボウルは開催しないので(選手は選ぶ)、まああんなものどうせ見ないんだけど、本当にあとはスーパーボウルだけ。

Tanpa Bay Buccaneers (11-5; NFC#5) @ Green Bay Packers (13-3; NFC#1)

NFCワイルドカードから勝ち上がってきたブレイディ率いるバッカニアーズと、第1シード、1st ラウンドバイからディヴィジョナルであっさりラムズを下したパッカーズとの対戦になった。ブレイディ対ロジャーズ。先週に続き、NFL 史に残ろうかというクウォーターバック同士の対戦になった。
最初のドライブからブレイディはエンジン全開。3rd&long を三回作られるが最初の二回はブレイディが長いパスを通して更新し、三回目は WR エヴァンズへのタッチダウンパスだった。パントを一本ずつ蹴った後、パッカーズも反撃する。自陣 10 ヤードからの攻撃だったが、ロジャーズがパスを次々に決めてミッドフィールドへ。3rd&3 から右サイドの WR ヴァルデス-スキャントリングへのロングパスが通り、ランアフターキャッチで 50 ヤードのタッチダウンとなった。7-7 の同点。その返しのドライブでバッカニアーズはすぐに突き放す。ブレイディが中央奥の WR ゴッドウィンへの超ロングパスを決めて一気に 20 ヤード地点まで進むと、次のスナップで RB レナード・フォーネットが右オープンを 20 ヤード走り切ってタッチダウン。ここはフォーネットの個人技というかパッカーズのタックルミスの連続というか、普通ならタッチダウンにはならないプレイだった。ともあれ 14-7 となる。その返しの攻撃、パッカーズは自陣から刻んで刻んで 15 プレイ 7:25 のロングドライブとなったが、6ヤード地点で止まってフィールドゴールどまり。しかしディフェンスが返しのバッカニアーズの攻撃を自陣まで進まれながらパントで終わらせると、自陣 13 ヤードからとはいえ残り 2:10 と絶好のタイミングでパッカーズに攻撃権が回ってくる。時間を使い切ってタッチダウンを取れれば最高、という状況だったが、自陣 40 ヤードまで前進してからロジャーズがサックされて7ヤード下がり 2nd&17。次のプレイでロジャーズが中央の WR アレン・ラザードに投じたパスが CB マーフィー-バンティングにインターセプトされてしまう。とはいえ残り 25 秒、バッカニアーズは自陣 49 ヤード地点からの攻撃。タイムアウトがふたつあるので、少し前進してフィールドゴールを決めるのが現実的な目標と思われた。しかしラン、パス失敗、パス失敗で 4th&4 となり、ギャンブルしてフォーネットにパスを通して 1st ダウンは更新したものの、敵陣 39 ヤード地点で残り 0:08、タイムアウトも使い切ってしまう。フィールドゴールを蹴るなら 57 ヤードになる。サイドライン際にパスを投げて外に出て5、6ヤード進んでからフィールドゴールか……と思われたところ、プレイコールはまさかのロングパス。WR スコッティ・ミラーは一直線に左奥に走り、ディフェンスを抜き去ったところでボールが落ちてきてタッチダウン。これはすさまじいコールだった。21-10 となって折り返し。

さらに後半最初の攻撃、パッカーズは3プレイ目で RB ジョーンズが S ホワイトヘッドに強烈なタックルを受けてボールを失ってしまう。ボールは8ヤード地点までリターンされ、そこからのバッカニアーズの攻撃の最初のスナップであっさりブレイディが TE ブレイトへタッチダウンパスを決めて、28-10 と3ポゼッションゲームになる。とはいえこれであわてるパッカーズではない。ソフトな守りになったバッカニアーズに対してロジャーズがどんどん短いパスを通してまず一本タッチダウンを返し 28-17。返しのドライブでは右サイドの WR エヴァンズを狙ったブレイディのパスがインターセプトとなって攻守交代、これで得た攻撃を再びロジャーズがこつこつ進めて 15 プレイでタッチダウン。ツーポイントには失敗したが、一気に 28-23 と1ポゼッション内に差を詰める。次のバッカニアーズの攻撃でもブレイディはインターセプトを喫してしまう。中央への球足の速いパスをエヴァンズが弾いてしまいそのボールを奪われたというものだったで若干運が悪かったか。パッカーズはついに逆転を目指すドライブを始めたがここはスリーアンドアウトで終了。ところがさらにブレイディは次のドライブでもインターセプトを喫してしまう。プレッシャーを受けながら右サイドのエヴァンズへ投じたパスだったが、投げる直前にヒットされてボールが伸びず、エヴァンズはまるっきりボールを見失って、そのだいぶ手前に落ちてきたボールを CB アレクサンダーがインターセプトした。今度こそ逆転したいパッカーズだったが、サック、パス失敗、パス失敗でまたしてもスリーアンドアウトに終わる。終わってみればここの二回のスリーアンドアウトが痛かった。このあとバッカニアーズフィールドゴールを決めて8点差となり、パッカーズはその返しの攻撃で残り8ヤード地点の 1st&Goal まで攻め入ったものの、パスを三回失敗して 4th&Goal、残り 2:05、タイムアウト三回。ここでパッカーズの選択はフィールドゴールだった。もちろん充分ありうる選択肢だが、それでもやや消極的だったようにも思う。バッカニアーズはこれで得たボールを最後まで手放さず、勝利をものにした。

タッチダウンパスはともに3本。インターセプトはブレイディが3、ロジャーズが1。スタッツだけで言えばロジャーズのほうがよかった。しかし被サックはブレイディが1、ロジャーズが5。大事なところでバッカニアーズディフェンスはロジャーズを潰すことができていた。そして前半終了間際のタッチダウン。あのコールはすごかったし、ちゃんとディフェンスを抜いたミラーもしっかりパスを落としたブレイディも素晴らしかった。ミラーはこの日2キャッチだけ。こういう選手をちゃんと使えるのは強いよなあと思う。
パッカーズは後半のブレイディのインターセプト三連発につけこめなかったのが直接の敗因にはなろうか。バッカニアーズのディフェンスが頑張ったとは言えるが、それにしても日頃あれだけ勝負強いロジャーズがここで連続スリーアンドアウトというのはつらい。最後のフィールドゴールも疑問は残るが、その少し前にすでにパッカーズは負けに近づいてしまっていたように思う。

最終スコア:TB 31-26 GB

Buffalo Bills (13-3; AFC#2) @ Kansas City Chiefs (14-2; AFC#1)

AFC のチャンピオンシップは上位シード2チームの対決となった。ビルズは初戦コルツに苦戦したもののレイヴンズはほぼ完ぺきに抑え込み、この勢いでスーパーボウルに行きたいところ。チーフスは前週脳震盪で状態が危ぶまれたマホームズプロトコルをクリアしてまずは一安心。とはいえつま先の怪我もあり、持ち味のひとつである機動力は活かしにくいコンディションではあろう。NFC とは対照的に若手 QB 同士の対戦となった。
ビルズが序盤は主導権を握る。オープニングドライブではいきなり敵陣 48 ヤードの 4th&1 でギャンブルを成功させ、K タイラー・バスが 51 ヤードのフィールドゴールを決めて 3-0 と先制。チーフスの最初の攻撃はスリーアンドアウトに終わらせ、次の攻撃ではパントに終わったものの、なんとチーフス PR のハードマンがマフる。それも両手でがっちり取りながら左後ろにこぼしてしまうという、どうすればそうなるんだというような落とし方で、これをビルズが3ヤード地点でリカバー。で、アレンが TE ノックスにパスをスッと決めてタッチダウン。バスが PAT を外したものの、9-0 とリードを広げた。
しかしチーフスは昨年ポストシーズンの全ゲームで 10 点以上のビハインドをひっくり返している。これぐらいで慌てるはずもない。返しのドライブではマホームズが刻みに刻んで七分使ってタッチダウンを返すと、ビルズの攻撃を5プレイで切ってとり、次のドライブではハードマンが 50 ヤードのビッグゲインを決めてあっさりもう一本タッチダウンを奪ってしまう。9-14 とあっという間に逆転した。さらに次のビルズの攻撃はスリーアンドアウトに終わり、チーフスはその返しのドライブでまたしてもタッチダウンを奪った。ビルズディフェンスはマホームズにあまりプレッシャーをかけることができず、怪我明けのマホームズにパスをよく通されてしまう。
前半終了まで四分強、ようやくビルズはアレンが冷静さを取り戻し、いいドライブを見せる。WR ビーズリーや WR ジョン・ブラウン、RB T.J.イェルドン(ビルズにいたのか~)にパスを散らし、時には大胆に自ら走ってファーストダウンを更新する。これで1スコア差まで行きたかったが、最後8ヤードの 1st&Goal が取り切れず、4th&2 でフィールドゴールに終わる。12-21 と得点差は大きくなかったが、ビルズにとってはどうにもモメンタムをつかめない前半だった。

後半はチーフスの攻撃から。48 ヤード前進したがそこで止まり、フィールドゴールで3点追加して 12-24。これはビルズがよく守ったといえるかもしれない。返しの攻撃でビルズはアレンがふたたびパスをよく通して敵陣8ヤードまで迫るが、4th&3 で諦めてフィールドゴールを蹴る。これで 15-24 となるが、前のチーフスの攻撃と合わせて後半に入ってから9分以上費やしたのに2ポゼッション差のままというのはいかにもつらい展開だった。そして案の定というか、返しのドライブでチーフスにまたビッグプレイが飛び出す。自陣で短いパスを受けたタイリーク・ヒルが、スピードを活かして次々にディフェンスを交わし、あわやタッチダウンかという 71 ヤードのゲインを決める。最後はマホームズがケルシーにパスを通して、15-31 とリードを広げた。
ぎりぎり2ポゼッション差でのビルズの反撃、アレンは細かいパスを積み重ねてドライブを進める。途中サックを受けて 3rd&14 を作られるが、ビーズリーへ 13 ヤードのパスを通して 4th&1 として次のスナップで更新。さらにスクランブルで自ら走って 18 ヤードゲインするなど、冷静なクウォーターバッキングでついにはレッドゾーンにボールを運ぶ。しかし 2nd&10、左サイドへの短いパスがインターセプト……。五分かけて 55 ヤード進んだドライブが水の泡になってしまった。この返しのドライブをチーフスは今度はしっかりダレル・ウィリアムスのランを使って時間を費いながら前進し、五分使ってタッチダウン。これで 15-38 となりビルズは非常に苦しくなった。返しのドライブ、チーフスの守りがややソフトになったところを突いてタッチダウンを決めるが、23 点ビハインドなのでツーポイントに行かざるを得ない。残念ながらこれは失敗し、17 点ビハインドであるから3ポゼッション差のままになってしまった。それでも K バスがオンサイドキックを成功させて続けて攻撃権を取り、フィールドゴールまで行って 14 点ビハインドまで詰めたものの、次のオンサイドキックはさすがに失敗。残りの 3:14 をチーフスが喰いきって、24-38 で勝ち。

最終スコア:BUF 24-38 KC