黄昏通信社跡地処分推進室

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街とホームレス、仕切りつきのベンチ、ごみ箱のない街

“排除”ベンチの話。
https://withnews.jp/article/f0210713003qq000000000000000W08k10201qq000023319A
東京にはベンチが少なくて、公共の場所だとたとえ置いてあっても仕切りとかがついてて横になれない形状のものが普通だ。それに対して、このベンチの設置者がささやかな抵抗を試みた、という文脈でこの記事は書かれている。可動式で、いざとなればねじを抜いて突起部分だけ取り外せる構造になっているのだという。設置者いわく、街にベンチが置かれていないということは、わたしたちが街から排除されていることにほかならない、と。そういう風に考えたことがなかったので新鮮だった。
これについたブコメも様々で、まあざっくり言ってしまうと学びがあった。ベンチの話とホームレスの話はたぶん切り分けたほうがいいんだけどそこが一緒くたになっている人は多いし、ホームレスの話も実情を知っている人は多くなさそうだった(それはそうだろう、おれも知らないし)。それでもひとこと言いたくなるなにかがこの話題にはあるのだろうし、それはもちろんおれもそうだ。おれ自身について言えば、ホームレスに関する話題というのは自分の感覚と理性が逆の反応をしがちで、それがある種の後ろめたさを伴っていて、その帰結としてひとこと言いたくなる、みたいなところがあると思う。
ベンチについてだけ言えば、街にベンチはあったほうがよくて、しかしそれを美しく保つにはなんらかのコストがかかる。以前の日本はそれを当たり前に払える国だったけど、今はそれが難しくなっているのではないか、みたいなことを思う。こういう風におれたちは貧しくなりつつあるのではないか、と。