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東京オリンピック・15 日目

  • スポーツクライミング女子決勝。ヤンヤ・ガンブレットが強いのはわかりきっていて、ルートセッターも相当苦労したのではないかと思うが、これだけ力が違うといかんともしがたいというところか。スピードは5位と予選同様平凡だったが、ボルダリングでは最初の二課題を単独で完登して早々と勝負をつけてしまう。リードも完登こそならなかったが一番高いところまで登って、文句なしの金メダルとなった。銀銅メダル争いはもつれたが、今大会を最後と定めていた野口がリードで渾身の登りを見せて4位に食い込むと、野中もよく登って5位に。最後韓国のソ・チェヒョンがリードを3位で終わればピルツが総合3位に残り銅メダル、逆にソが1位まで行けばソ自身が銅メダルだったが、ちょうどピルツの記録を超えた直後に落ちてしまう。そんなきわどいめぐり合わせもあって野口が銅メダル、野中が銀メダルとなった。野口はこの競技のレジェンド的存在で、おそらくピークほどの力はなく、今大会の一年延期もプラスには働かなかったはずだが、メダルに手が届いてほんとうによかったと思う。最後リードでの鬼気迫る登りは心に残った。野中は手首の怪我があると伝えられていたが、すべての種目で上位に入れる力が今大会の形式ではプラスに働いた。パリまでは三年、まだまだやれるはずで、今後も楽しみ。ガンブレットは金メダルが決まった瞬間涙を見せていたのが印象的で、これほど圧倒的な力を持っていても不安になるもんなんだなと思った。おれはこの大会が始まる前にもし全競技全種目の中で一番金メダルが堅いのは誰かと聞かれたらガンブレットを挙げていたと思うが、期待通りの圧勝だった。まだ 22 歳、昨日も書いた通りパリではスピードが別種目になる。複合ではおそらく引き続き大本命になるだろう。
    • ところで決勝4位はミロスワフ(ポーランド)だったのだが、順位点は野口と同点だった(1, 8, 8 位で 64 ポイント)。その場合種目先着数が多いほうが上位になるので野口が頭ハネだったのだが、野口のリードでの順位がひとつ下ならミロスワフが銅メダルになっていた。ちょっとバランスの悪いシステムだった印象は否めない気もするのだが、逆に言えばボルダリングかリードでひとりでも交わしていれば銅メダルを取れたわけで、スピードのスペシャリストにもワンチャンある設定だったとも考えられる。そう思うとこれはこれでよかったのか。いずれにしても、パリでは違うシステムになるのだけど。
  • バスケットボール女子、フランスに圧勝して決勝進出。これはすごい。おれリオの時も「女子はバレーが注目されがちだけどバスケも頑張ってるよ」みたいなこと書いてたみたいなのだが今回は完全にそれどころではなかった。体格の差がもろに出る競技でこれは素晴らしいの一言。強化に際してやったこととか詳しく聞きたい。
  • サッカー男子3位決定戦、対メキシコ。早々と先制され、突き放され、点を取りに行って逆に取られ、と後半開始早々で 0-3 とされてなすすべ無し。メダルは遠い。
  • 陸上男子 4x100m リレー。日本は第一走者多田から第二走者山県へのバトンが渡らず失格。「攻めた結果」とのことなので仕方ない。日本男子短距離は前回五輪から今回までの間に次々に 100m 10 秒を切るランナーがあらわれ、どこまでやれるかと思わせたが結果的には残念だった。中長距離や走り高跳びなんかのこれまで長く苦戦してきた種目で結果が残せたのとは対照的だった。
    • それはそれとして、日本のマスコミもこれをぼこぼこに叩いたりはしなくなったよね。