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『毒草を食べてみた』 植松黎著 文藝春秋社:文春新書,2000-04-20

古書明日で 200 円で買った新書。タイトルには若干偽りがあって、いろんな毒草を著者が片っ端から食べてみた、身体を張ったレポート!みたいな内容ではない。食べてるのは全体の二割程度だ。しかしまあ、それこそ 2000 年頃であればこういうタイトルでもそんな全部喰うわけないよねというのがわりと当たり前の感覚だったような気はするので、たぶんこの 20 年でそういう感覚ってけっこう変わったのではないかなと思う。
実際の内容は古今東西の毒草に関するエピソードを各種4頁から8頁ぐらいにまとめたエッセイで、軽妙な語り口で読みやすい。猛毒もあれば大したことがないやつもあり、幻覚剤や大麻なんかも入っている。ほとんどネタ元から引っ張っただけなのかなと思うような項もなくはないが、それでも全体としてはよくコミットして書いている。さらっと読めて面白くて、それこそ雑談のネタになりそうな話もちょいちょいあるので、待合室なんかに置いてあったら読んでもいいかも。もちろん、毒草好きならより楽しめることだろう。
著者は『ポケット・ジョーク』で知られているようだ。そういえばタイトルは知ってるし見たことぐらいはあるかな……ぐらいの本だけど、本書の著者紹介には既刊 23 巻とあったので大したものだ。言われてみるとポケット・ジョークというタイトルの本を書いてる人が書いてそうな本だという気もする。これの他にも毒草の本を出してもいるようで、得意フィールドではあるのかもしれない。