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NFL 2021 -- Week 18

というわけで最終週。早いなー。

Dallas Cowboys (12-5) @ Philadelphia Eagles (9-8)

土曜日の二試合目。
カウボーイズは地区優勝は決まっているが #2 もありうるということもあって、プレスコットが普通に先発。イーグルズはプレイオフは確定している一方で地区優勝はなくなっていてあまり上がり目がなく、初戦の相手も選べるわけでもないのでこの日はジェイレン・ハーツをはじめとした主力陣を休ませ、ガードナー・ミンシューが先発した。そのミンシューはオープニングドライブからタッチダウンをあげ、逆転されてからも直後に二度追いつくなど 2Q 途中までは互角の勝負を展開する。ところが残り四分切ってからタッチダウンを許すと、返しの攻撃で一本返すどころかホールディングで下がり、サックを受けてさらに下がり、それでも自陣 22 ヤードからのパントだったのにこれを P シポスがシャンクして 21 ヤードしか飛ばなかった。カウボーイズは返しの 43 ヤード地点からの攻撃を見事にタッチダウンまでもって行き 30-17 として、ここで実質的には勝負あったか。
カウボーイズは後半もタッチダウンを三つ積んで、他方イーグルズは FG と TD 一本ずつに留まったので最終的には大差になった。これがそのまま力の差とは思わないが、さりとてイーグルズがベストメンバーでもどこまでやれるだろうとは思う。

最終スコア:DAL 51-26 PHI

Green Bay Packers (13-4) @ Detroit Lions (3-13-1)

見てません。なんでこんなのやってるんだ。
主力はお休み……と思いきや、パッカーズは前半はロヂャースが投げ、タッチダウンパス二本。後半はジョーダン・ラヴが登場したものの、タッチダウン一本に対してインターセプト二本というちょい微妙なスタッツ。
ライオンズは特に得るものがない試合でフェイクパントや WR がリバースからパスを投じるスペシャルプレイなど披露してなんとか勝ち、ドラフト一位指名の権利を逃した。まあ少なくとも来年ぐらいまではゴフで行くのだろうし、なればそこまで一位にこだわる必要もないのだろう(どうせ二位だし)。

最終スコア:GB 30-37 DET

San Francisco 49ers (10-7) @ Los Angeles Rams (12-5)

フォーティナイナーズにとってはプレイオフのかかった一戦、ラムズにとっては地区優勝のかかった一戦。どちらも自力で、つまりここを勝てば確定だが、負ければ脱落がありうるという状況だった。
前半は完全にラムズのペース。フィールドゴールで先制したのち、タッチダウンを続けて二本取って 0-17 とリードを広げる。フォーティナイナーズは残り 0:38 からの前半最後の攻撃で、タイムアウト二回と時間ぎりぎりのスパイクで 61 ヤード進み、フィールドゴールを決めて 3-17 として折り返す。わずか三点ではあったが、この FG はフォーティナイナーズの息を吹き返させてくれた。
そして後半最初のドライブからフォーティナイナーズは二本続けてタッチダウンをあげて、一気に同点に追いつく。このあと 4Q に入ってラムズが先にタッチダウンをあげて先にリードするが、フォーティナイナーズも残り 1:37 タイムアウト無しからのドライブで反撃。自陣 12 ヤードからわずか5プレイでタッチダウンにする電光石火の攻めで再び同点にしてオーヴァータイムに突入した。

オーヴァータイムはフォーティナイナーズが先攻。ここで七分以上喰うロングドライブを見せて、なんなら8ヤード地点での 1st&Goal まで行ったのだけど、なんとかラムズがぎりぎり止めて FG どまり。フォーティナイナーズは引き分けでもプレイオフに進めるのでこれは大きかった。ラムズは残り時間で反撃したが、自陣 38 ヤード地点からゴフがベッカムに投じたパスがインターセプトされて試合終了。

ともあれどうにかフォーティナイナーズが勝って自力でプレイオフ進出を決めた(#6)。セインツも勝ったので、負けていたら死んでいたところだった。危ないところだった。ガロッポロも 1TD/2INT なのでほめられたスタッツではないのだが、勝負どころで力を発揮した。ラムズは敗れたが、カーディナルズも敗れたので結局地区優勝となった(#4)。スタどん、ベッカム、ヴォン・ミラーとなりふり構わずかき集めたスター集団がスーパーボウルを目指すことになるのは、ちょっと楽しみではある。

最終スコア:SF 27-[OT]-24 LAR

Carolina Panthers (5-12) @ Tampa Bay Buccaneers (13-4)

見てません。
バッカニアーズが快勝で #2 を決めた。まあそら勝つわという相手ではあるのだが、怪我人も多い中粉砕できたのは悪くない結果かもしれない。初戦で当たる #7 はイーグルズで、正直 NFC でプレイオフに残ったチームの中では一番与しやすい相手のように思う。今季スイープされたセインツが上がってこなくて正直ほっとしているのではないだろうか(もっともシーズン三勝もなかなか無いのだけど……)。
パンサーズはこの日もサム(・ダーノルド)が先発。これが最後の先発になるかもしれないなという感じ。

最終スコア:CAR 17-41 TB

Los Angeles Chargers (9-8) @ Las Vegas Raiders (10-7)

サンデーナイトフットボール、レギュラーシーズン最終戦は勝ったほうがプレイオフへ進める win or go home の一戦。
チャージャーズは出だしからつまづく。 FG で先制された後のドライブをあっさりスリーアンドアウトで終えた後、返しのドライブで相手にパントを蹴らせながら PR ロバーツがファンブル。これをレイダーズにリカバーされ、タッチダウンを許した。これであっという間に 0-10 とされてしまう。このあとようやくチャージャーズは攻撃がかみ合い、3rd&17 は相手の反則に助けられ、敵陣深くでの 4th&2 はハーバートがしっかりパスを通して更新。最後はエクラーが 14 ヤード走ってタッチダウンを返した。返しのレイダーズの攻撃をかろうじてパントにとどめると、自陣 10 ヤード地点からの次のドライブもハーバートが完遂してタッチダウン。14-10 と逆転に成功し、前半残りは 1:52 まで時間も使った。ところが返しの攻撃で逆転タッチダウンを許してしまう。3rd&23 から、おそらく 1st ダウンとは夢にも思わなかったであろうリチャードのランをぜんぜん止められず、ぴったり 23 ヤード走り切られて 1st ダウン更新を許すと、次のカーのロングパスではパスインターフィアランス。ボールは明後日の方向だったので uncatchable ではあったが、そんなに離れたところでばっちり邪魔してること自体ボールに働きかけているとは到底言えないわけで、反則を取られること自体は妥当と思う。ともあれ 14-17 とされて折り返した。

3Q から 4Q 前半もレイダーズのペース。チャージャーズは 51 ヤードの FG を外した後、なぜか自陣 18 ヤードの 4th&1 でギャンブル。それも1バックのエクラーがど真ん中を突くという謎のコールで2ヤードロスして終了、返しで FG を奪われたが正直 TD じゃなくてよかったねとしか言いようがない。これで 14-20 とされると、さらにタッチダウンを奪われ(ツーポイントは失敗)、インターセプトを喫し、フィールドゴールを追加されて 14-29 まで差が広がってしまった。
ここからがすごかった。ハーバートのパス一辺倒で攻めるチャージャーズ。途中の 4th&6 は一旦は 1st ダウンに届かなかった判定だったがチャレンジの末覆り、最後はサックもあって 23 ヤード地点からの 4th&21、ぎりぎりプロテクションが保って時間を稼いだところからハーバートがルーキー WR パーマーにタッチダウンパスをヒット。さらにツーポイントコンヴァージョンもエクラーにきわどいパスを通して、まずは 22-29 と追い上げる。さらにディフェンスがカーをサックしてスリーアンドアウト。残り二分以上とタイムアウト三つを残してチャージャーズは最後のドライブに挑む。三回続けてパスが通らずいきなり 4th&10 となるが、キーナン・アレンに 11 ヤードを通してどうにか更新。また三回失敗。次のパスも通らないが、ディフェンスのホールディングでかろうじて 1st ダウン。その次は 3rd ダウンでアレンへパスを決める。その次のパスを決めてようやく敵陣。三回失敗して、このドライブ三度目の 4th&10、だが、ここもウィリアムズへパスを通す。最後のタイムアウトを切って残り 15 秒。パス失敗、残り 10 秒。次のパスは右サイドライン際へ。ガイトンがキャッチして、アウトオヴバウンズの判定だったが、オフィシャルレヴューで覆って 1st ダウン。12 ヤード地点、残り5秒。どんなに多くてもあと2プレイ。スナップが出る。プロテクションがなんとかもつ――ダブルカバーの間のウィリアムズへ低いパス――ウィリアムズがキャッチしながら倒れこむ。タッチダウン!! PAT も決まって、とうとうチャージャーズが同点に追いついた。オーヴァータイム。

実はこの2チーム、引き分けるとタイブレーカーの関係で両チームともプレイオフに進める。サッカーならともかく、アメリカンフットボールは最初から引き分けを目指すのは難しい。だがオーヴァータイムまで来れば話は別で、おたがいに引き分けを目指すことがはっきりしていれば適当に時計を燃やしながら 10 分待つことはさして難しくない*1。しかし両チームは最後まで勝利を目指した。先行のレイダーズはいい感じでチェーンを進め、最後は止まったものの余裕の FG を決めてリードする。チャージャーズはいきなり自陣で 4th&9 となったものの、ハーバートがウィリアムズへ 47 ヤードのロングパスを通して一気に FG 圏内に進むと、そこからは詰められず FG を返して同点とした。残り 4:30 からのレイダーズの攻撃。これもチャージャーズは止められず、レイダーズが徐々にチャージャーズ陣へ侵攻する。残り一分を切ってチャージャーズ陣 39 ヤード地点の 3rd&4、チャージャーズタイムアウトを切って守備を確認した……んだと思うのだが、ジェイコブズのランを止められず、なんと 10 ヤードも走られてしまう。これで万事急須。最後は K カールソンが 47 ヤードの FG を決めて、もつれた試合に終止符を打った。

チャージャーズは残念の一言。レギュラータイム最後の二本のドライヴ、特にハーバートのパフォーマンスは鬼気迫るものがあり、4th ダウンやツーポイントコンヴァージョン、ラスト5秒のパスなど、絶対決めなければならないパスを次々に決めてほとんど絶望的なところから同点にまで追いついた。負けたのは残念だが、冒頭のファンブルロスト、前半最後に逆転されたタッチダウンや後半の自陣でのギャンブル失敗など、なにやっとんじゃというプレイも多く、まあそんなことやってちゃ勝てないだろうというとこでもあった。
レイダーズはグルーデンがクビになって終わったかというところからまた盛り返して最後四連勝でプレイオフに滑り込み。AFC の #5 となった。正直そこまで強いチームという印象もなく、スタッツもオフェンスに偏っているので(その割には失点の方がだいぶ多い)プレイオフでどうこうということはあんまりなさそうだが、苦しいシーズンを乗り越えた一体感はあると思う。つまり、モメンタム頼り。

最終スコア:LAC 32-[OT]-35 LV

Other Games

KC(12-5) 28-24 DEN(7-10):これは意外にもチーフス苦戦したらしい。4Q にファンブルリターンタッチダウンで逆転し、返しのドライブでのブロンコズの攻撃を FG にとどめて勝ち。それでもどうにか勝ったので #2 となり、ワイルドカードでは #7 のスティーラーズを迎え撃つ。
TEN(12-5) 28-25 HOU(4-13)タイタンズ、前半 21-0 から後半 unanswered で 18 点返されて三点差に迫られて冷や汗をかいたが、最後は逃げきって #1 をキープ。貴重な 1st ラウンドバイを手に入れた。テキサンズはデイヴィス・ミルズが 3TD/0INT。前半なにもできなかったとはいえ悪くないスタッツで、ワトソンを放出したあとの選択肢としてはあり得なくはないかもしれないとも思う。
CIN(10-7) 16-21 CLE(8-9):半ば消化試合となったベンガルズ、バロウをはじめとする主力を温存、ここは予定通りの敗戦というところ。#4 になったので、初戦では #5 のレイダーズと当たることになった。ブラウンズはケイス(・キーナム)が今季二勝目。バックアップとしてはいい QB と思う。メイフィールドはこの日は終始サイドラインで試合を見守り、01-19 に左肩の手術を受けるとのこと。
WAS(7-10) 22-7 NYG(4-13):特にこともなし。ハイニキー、最後になる?かもしれない試合を勝利で飾る。今季序盤はよくなかったが、後半はそこそこ立ち直り、いくつかいい試合もしていたと思う。チームとしても来季どうするかは難しいところだと思う。ジャイアンツはジェイク・フロムが投げたがタッチダウン一本だけ。ここはどうしたもんかねえ。
IND(9-8) 11-26 JAX(3-14):コルツここへ来てやってしまいました。先週「心配しなくてよさそう」と書いたのだが、こういうところで下位チームが見せる意地というのは NFL のシーズン終盤の風物詩でもある。ローレンスのパフォーマンスとしてもキャリアハイであろう。素晴らしいの一言。ついでに言えばドラフト一位指名権もキープできたので言うことなしである(これはライオンズが勝ったため)。コルツは先週勝てていればというところだが言っても詮無い。シーズン序盤のもたつきも足を引っ張ってしまった。ウェンツにとってはいいシーズンで、どうもコルツの水も合うみたいなので、イーグルズで干されてた昨年に比べればはるかにいい境遇だが、それだけに結果を残したかった。
CHI(6-11) 17-31 MIN(8-9):無~。ヴァイキングズが消化試合を逆転で制して 8-9。両 HC は来季どうなるか、という感じらしい。先週書いたけどジマーはいい HC だと思うのでチームを勝たせたいならジマーを残すべき、一方でカズンズにはスター性があるので客を呼びたいならカズンズを残すべき、だと思っている。個人的にはジマー残してほしいけど、カズンズも好きなんだよな。
PIT(9-7-1) 16-[OT]-13 BAL(8-9)スティーラーズがぎりぎりプレイオフ戦線に生き残り。三週間前ぐらいからずっと書いてる気がする。ロスリスバーガーも決していいとは言えなかったようだが、ハントリー率いるレイヴンズオフェンスをディフェンスが封じたのが勝因、かな。レイヴンズはフェイクパントまで使って(ハーボウあんまりやらないと思う)勝ちに行ったけど実らず。そして、最終的にスティーラーズは #7 に入った!! まさに奇跡的な進出。最後のシーズンとなっているロスリスバーガー、もうちょっとだけつづくんじゃ。
SEA(7-10) 38-30 ARI(11-6)シーホークスがいやがらせ……もとい、意地を見せてカーディナルズを #5 に蹴落とす。カーディナルズはこれを勝っていれば西地区の優勝だった(たぶん #3)。正直シーホークスはこれぐらいやれる力があると思うし、今季は上手くいかなかった試合も多かったけどそれほど悪い戦力ではないんじゃないかと思う。カーディナルズの初戦は同地区の #4、ロサンゼルス・ラムズ
NO(9-8) 30-20 ATL(7-10):セインツがプレイオフの望みをかけて挑んだ最終戦で快勝。しかしフォーティナイナーズが勝ってしまったためここでシーズン終了になった。ブリーズが去った今年、蟹ことジェイミス・ウィンストンで思いがけないほど上手くやっていたのが、蟹が離脱した途端に五連敗。もう駄目かと思いきやそこから勝ちまくり、バッカニアーズをスイープしたりもしてプレイオフ戦線に食らいついたが、covid-19 でヒルとシーミアンが両方出られなかった Week 16 にドルフィンズに負けたのが痛すぎた。ウィンストンとヒルでなんとかできそうなめどが立ったのは大きく、来季こそはというところ。ファルコンズはそろそろ再建の時期か。
NYJ(4-13) 10-27 BUF(11-6):ビルズが勝って自力で地区優勝を確定。もたもたしたけどなんだかんだ強いなと。これで #3 になり、プレイオフ初戦では #6 のペイトリオッツと対戦することになる。これはやりにくいなー。普通格下のほうがやりにくいはずだが、ペイトリオッツに関しては話が別。手の内を知り尽くしたベリチックが挑んでくるのは本当に嫌だろうと思う。ジェッツは先週の熱戦が嘘のように力尽きたが、まあ仕方ない。来年こそは。
NE(10-6) 24-33 MIA(9-8):今週いろんなことがうまくいけば #1 もあり得たペイトリオッツだったが、最低条件の「自身が勝つ」に失敗して乙。#6 でビルズに挑むことになった。ドルフィンズはブレイディがいた頃からペイトリオッツには謎に強く、特に地元での強さは異常なほどだが、今季もその強さを発揮した。とはいえスイープは 2000 年以来だそうである。まだブレイディは世に出ていなかったな。ベリチックがワイルドカードスポットでプレイオフに出るのは初めてだそうだ。なんてこった!

*1:やることは同じなので、これを最初から目指すのが難しいのはただ単純に「間が持たない」からである。