黄昏通信社跡地処分推進室

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NFL 2021 -- Conference Championship

Cincinatti Bengals (10-7; AFC #4(North)) @ Kansas City Chiefs (12-5; AFC #2(West))

ベンガルズが逆転勝ち。Week 17の逆転劇をなぞるかのように、前半の大きなビハインドをひっくり返した。特に大きかったのは3-21となってからの2Q終盤のそれぞれの攻撃で、ベンガルズのほうは敵陣 41 ヤード地点での2nd&12、ここでバロウからペリーンへのショートパスが通ると、ランアフターキャッチでタッチダウンまで行ってしまう。明らかにタッチダウンを狙ったパスではなかったというか、ロングゲインすら企図していなかったと思うのだけど、チーフス守備陣の反応が少し遅れ、ひとりタックルを交わされるとそのままエンドゾーンまで行ってしまった。これで10-21。
返しの攻撃、チーフスはマホームズがロングパス一本決めた後次々に短いパスを通して敵陣深くへ。並のQBならFGがせいぜいだったと思うのだが、イーライ・アップルのパスインターフィアランスもあって1ヤード地点まで進んでしまう。残り9秒。一本目のパスは通らず。残り5秒。二本目、マホームズはなぜか左サイドのフラットルートを走る(がまだエンドゾーンまで2ヤードぐらいのところにいる)タイリーク・ヒルへパスを投じてしまう。5秒あったのだから絶対にエンドゾーンの中にボールを投げ込むか、どうしても無理なら投げ捨てなければいけなかった。ヒルはボールを持って倒され、10-21のままハーフタイムとなった。ここで3点取っておかなかったことがチーフスに重くのしかかる。

後半はチーフスの攻撃がうまくいかなくなり、ベンガルズがどんどん差を詰める。FGで8点差とした直後に、マホームズからインターセプトを奪うと、返しの攻撃でタッチダウンをとって2点差。そしてツーポイントコンヴァージョンも決めて同点。さらにベンガルズフィールドゴールをもう一本決めて逆転するが、チーフスもあわやタッチダウンかというところまで進んでからマホームズがぽかやってけっこう下げられつつもフィールドゴールを決め、24-24でオーヴァータイムに突入する。
ポストシーズンにオーヴァータイムで二勝以上したチームはない、のだそうだ。おそらくサンプルも多くはないのだろうが、その少ないサンプルにチーフスも名を連ねることになってしまった。またしてもコイントスに勝ったチーフスは当然先攻を選んだのだが、自陣25ヤード地点からの3rd&10、マホームズからタイリーク・ヒルを狙ったパスがインターセプトされてしまう。ベンガルズは返しの攻撃で3ヤード地点まで進み、最後はバロウが悠然と3ヤード下がりながらボールを右のハッシュに置いて、Kマクファーソンが29ヤードのFGを決めた。

ベンガルズはチーフスとの直対では直近七試合で六勝しているのだそうで、それは意外としか言いようがないが、ここでもその相性の良さが活きた格好になった。Week 17も今回もチーフスは前半の大量リードを吐き出していて、あんまりチーフスにはない感じの負け方だと思うんだけど、それを二試合続けてしまうというのはある種の苦手意識があるのかなと思う。来期もレギュラーシーズンで当たることは確定なので、ちょっと楽しみができた。
そしてベンガルズはバロウが二年目でスーパーボウルまで駆け上がった。二シーズン前は全体の最下位。ドラフト全体一位でバロウを指名してチームを作っていこうというところで、まだ正直その途上というところだと思うのだが、それでここまで来れた時点でベンガルズは半分以上成功している。あと一勝、一気にここで手が届くだろうか。

最終スコア:CIN 27-[OT]-24 KC

San Francisco 49ers (10-7; NFC #6(West)) @ Los Angeles Rams (12-5; NFC #4(West))

実はこの対戦も直近の成績が偏っていて、フォーティナイナーズがレギュラーシーズンで六連勝中。三年連続のシーズンスイープというのは相当な相性の悪さだ(まあジェッツなんてペイトリオッツに10年ぐらいスイープされてると思うけど)。
序盤はラムズの攻勢。二回目の攻撃でゴール前3ヤードまで迫りながらインターセプトを喫して無得点だったが、返しのフォーティナイナーズの攻撃をなんとかパントで抑え、その返しの自陣3ヤードからの攻撃でタッチダウンにたどりつく。97ヤードに18プレイかけた長い長いドライブだった。ところがその返し、フォーティナイナーズはガロッポロからアイユークへのロングパスと、ディーボ・サミュエルのランアフターキャッチで、わずか4プレイで75ヤードのタッチダウンドライブを完成させてしまった。
さらにその返し、ラムズは12プレイかけてようようFG圏内にたどり着いたものの、Kマット・ゲイが54ヤードのFGを決められずに攻守交代。前半最後の攻撃でフォーティナイナーズはFGを決めて、10-7と逆転して折り返した。ポゼッションもヤーデイジもラムズのほうが明らかに上だったのにスコアは逆で、ラムズとしては嫌な展開だった。

後半最初の攻撃でフォーティナイナーズは40ヤード進みながらパント。ラムズは返しの攻撃、46ヤード進んで敵陣に入り、1stダウンで9ヤード取りながらランでノーゲイン→パス失敗→ギャンブルしてスタどんがスニーク失敗、で攻守交代となってしまう。スタどんあんまりスニーク上手くないよなー。ここはプレイコールが悪かったか。そしてそこからの攻撃をフォーティナイナーズはきっちりエンドゾーンまで運んでタッチダウン。ガロポロのパスが冴え、17-7とリードを10点に広げた。
しかしラムズも返しの攻撃ですぐにタッチダウンをあげる。フォーティナイナーズのトーンティングにも助けられて早々と敵陣に入ると、11ヤード地点の3rd&1からあっさりクーパー・カップへのタッチダウンパスが通った。ここで差を詰められたのは大きかったと思う。逆にフォーティナイナーズはここからもたついてしまう。返しのドライブ、自陣14ヤード地点からの攻撃をなんとか敵陣まで持っていったが2nd&1からランプレイを二回コールして1ヤードも進めず結局パント。
返しのラムズの攻撃、ゲームを決めたかもしれないプレイが飛び出す。自陣15ヤードからの1st&10、スタフォードが投じたロングパスは狙いがそれてフォーティナイナーズSタートの目の前へ。ほとんどインターセプトだったが、タートは胸にボールを当てて前に落としてしまう。急にボールが来たので、というやつだろうか。これを取れていれば違う展開になったことは間違いない。なんとかつながったドライブでラムズは敵陣深くまで侵入し、フィールドゴールを決めて17-17の同点とした。その返しのドライブではフォーティナイナーズはいいところなくスリーアンドアウト。ラムズはその次の攻撃も時間を使いながら前進し、ツーミニッツで敵陣12ヤードまで攻め込んだが、ここはフォーティナイナーズが踏ん張ってフィールドゴールにとどめた。とはいえラムズがついに逆転し、17-20。

残り1:46でタイムアウトひとつ。逆転も充分狙えるし、最悪フィールドゴールでも同点にできるのでフォーティナイナーズにしてもまだまだ望みはある状況だった。だがそれをガロッポロが自ら壊してしまう。3rd&13となってから、ほとんどサックされそうになって逃げながら左サイドへ出した山なりのパスが、ハワードにすっぽりインターセプトされた。完全に体勢が崩れていたのであるいは投げ捨てそこなったのかもしれないが、いずれにしても最悪の結果になってしまった。残り1:08だったのでこれにて試合終了。
フォーティナイナーズは前半から3Qまでは理想的な展開だったが、4Qはオフェンスがなにもできずに終わってしまった。返す返すもタートのインターセプト未遂がもったいなく、言っても仕方ないが残念な負け方になってしまった。ラムズは1Qのインターセプトもあって得点が伸びなかったが、なんだかんだ地力では上だったということだろうし、後半に入ってからの10点ビハインドでもあわてずすぐにタッチダウンを返せたのはよかった。
というわけで、スタどんはプレイオフ三勝目。移籍一年目で一気にスーパーボウルまで駆け上がった。このままリングを獲得できるだろうか。チーム力でいえば完成途上のベンガルズよりはたぶん上だろう。いやまあこれ、スーパーボウルとっくに終わってから書いてるんだけども。

最終スコア:SF 17-20 LAR