黄昏通信社跡地処分推進室

黄昏通信社の跡地処分を推進しています

北京オリンピック (15)

  • フリースタイルスキー女子スキークロススウェーデンのサンドラ・ネスルントが今季W杯ここまで10戦9勝。どんなもんかと思ってタイムトライアルを見てみたが速い速い、スタート直後のでこぼこがあほみたいに速くて、2位に1.85秒差をつけて1位通過。本戦でも毎回スタートからでこぼこのところで抜け出してそのまま1位を守り切るというパターンで三連勝、大本命のポール・トゥ・フィニッシュという圧勝劇だった。とはいうものの、決勝では序盤のリードを守れずかなり差を詰められていて、やっぱりけっこうプレッシャーは感じていたのだろう。ともあれトップクラスの選手が自身のピークのシーズンに五輪を迎えて金メダルを得るという、これはこれでなかなか見られないものを見られてよかった。
  • フィギュアスケート女子フリー。カミラ・ワリエワには残酷な展開になった。いよいよ周囲の雑音の高まる中の最終滑走、いかに「絶望」のあだ名を持つ*1最強のスケーターとはいえ、この状況のプレッシャーは厳しすぎた。二回の転倒に加えそれ以外でも本来のパフォーマンスではなく、最終的には四位に沈んだ。とはいえROCはワンツー。おそろしく細い身体で優雅な滑りを見せたシェルバコワが金メダル、4回転ジャンプ5本という男子でもよーやらんようなルーティンで全部成功させたトゥルソワが銀メダル。ショートプログラムで感じた通りの層の厚さだった。そして結果的に一角を崩す格好で銅メダルを取ったのが坂本花織で、ショートプログラムに続く完成度の高い演技をほぼ完ぺきに決めたのが結果につながった。たぶんだけど、SPが終わった時点での得点的には上位のミスがなければメダルはちょっと苦しいところで、かえって少しリラックスできたところがあったのではないかな。でも、よかった。
  • ノルディック複合団体。ジャンプではトップのオーストリアから4位の日本まで12秒というほぼ差がつかない状態から後半の距離がスタート。途中ペースの上げ下げはありつつ4チームがほぼ一団でずーっと進む。が、走力ではさすがにノルウェーが上で、三走終盤からスパートすると他の3チームは諦めて追走せず、そのまま金メダルとなる。で、ドイツ、オーストリア、日本の2~4位争いだったのだが、四走に入ってから何回かアタックするチームがあっては引き戻され……という展開が続き、これは走力に劣る日本には不利だなという印象。しかし最後にドイツが仕掛けたとき、日本の山本はついていけたがオーストリアのフリッツは離されてしまう。うおー! 行けー! ついでにドイツも交わせー! ……最後のはさすがに無理だったが、そのままフリッツを離してゴール。最後の最後に、エース渡部暁斗ではなく若い山本が、ジャンプではなく距離で力を見せて銅メダルに届いたというのはめちゃくちゃよかった。いいレースだった。
  • カーリング女子、ここまでわずかに一敗のスイス相手に4-8で負け。5-4となって自力通過はなくなり、あとは他チームの勝敗次第だったが、スウェーデンが韓国に勝って韓国が4-5となり脱落、5-4はカナダ、スットコランド、日本の3チームとなった。この3チームは直対も三つ巴なのでタイブレーカーはDSC*2。で、スットコランド、日本、カナダの順になった。もし韓国が勝っていれば韓国とカナダが抜けていた(直対)。幸運ではあったが、DSCも含めて実力でもある。失うものがない立場でのプレイオフ進出は悪くない。次の相手は今日に続いてスイスだが、これも悪くない当たりだと思う。

*1:しかし(このシチュエイションで申し訳ないが)「絶望」ってあだ名は何回見ても面白いし、そうはならんやろ、と突っ込みたくなってしまう。

*2:ドローショットチャレンジ。各試合の開始前に行う先行決めのドローショットのうち、最も悪い二本を除いた平均で算出する。