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NFL 2014 -- Week 10

今週も Bye は多めでペイトリオッツ(7-2)、テキサンズ(4-5)、コルツ(6-3)、チャージャーズ(5-4)、レッドスキンズ(3-6)、バイキングズ(4-5)がバイ。

Cleveland Browns (6-3) @ Cincinatti Bengals (5-3-1)

サーズデイナイトは今もっとも熱い AFC 北の同地区対決にして首位争い。これ、アサインした方もとりあえず同地区だしぶっこんどけぐらいしか絶対考えてなかったと思うけど、ブラウンズの完全に想定外の健闘のおかげで今節のひょっとするとベストカードになった。
ベンガルズのレシーヴから始まったゲームはいきなり動く。ドルトンがわずか2本目のパスを LB ロバートソンにインターセプトされ、ベンガルズ陣 18 ヤードからの攻撃権を与えてしまう。これをブラウンズは全部ランプレイでごりごり押し込み、結局5プレイでタッチダウン。相手のミスから鮮やかに先制点を挙げた。
しかしブラウンズもミスでお付き合い。返しのドライブをパントに追い込んだまではよかったが、パントリターンで走り出したレオナードがタックルを受けてファンブルし、ベンガルズにリカバーされてしまう。自陣からの相手の攻撃となり同点も覚悟する場面だったが、ここはディフェンスが頑張ってフィールドゴールにとどめた。
そして、これがベンガルズの挙げた最初で最後の得点となった。この日のドルトンは 10/33-86yds-0TD-3INT と目を覆うばかりの酷さで、パサーレイティングは 2.0 だったそうだ。さすがに NFL で 30 本以上投げて成功率が 30.3% というのは初めて見たし、レイティングにしてもしかり。ブラウンズディフェンスもよくプレッシャーはかけたけどそこまでものすごいできではなく、これはドルトンの自滅と言ってよさそうだ。4Q になってジェイソン・キャンベルが出てきたが、GAORA の実況でも指摘のあった通りもう少し早く出してもよかったかも知れないとは思う。
ブラウンズはベンガルズのラン守備の弱さにも助けられ、ひさびさにランが出まくった。ホイヤーも稼いだヤードは多くなかったが要所で思い切りのいいパスを決め、ドライブを継続させた。2Q にタッチダウンをもう1本、さらに前半のうちにフィールドゴールを決めて 17-3 で折り返し、後半にもタッチダウンを挙げて 24-3 で勝った。
これでブラウンズは 6-3 となり、後述するがスティーラーズが日曜日に敗れて 6-4 となったためとうとう 1/2 ゲーム差ではあるが地区首位に立った。Week 10 で単独首位であれば、プレイオフ争いに加わったと言っても語弊はないだろう。シーズン前にブラウンズがここまでやると思った人がどれだけ居ただろうか? しかもその快進撃は“ジョニー・フットボール”によってではなく、オフには再契約にすら苦労した7年目のジャーニーマン、ブライアン・ホイヤーによってなされているのだ。

  • ベンガルズは一昨年から続いていたレギュラーシーズンのホームでの連勝記録が「14」で途絶えた。一方ブラウンズは同地区のロードゲームでの連敗記録を「17」で止めた。こっちは 2008 年ぐらいからやってたらしい。



最終スコア:CLE 24-3 CIN

San Francisco 49ers (5-4) @ New Orleans Saints (4-5)

フォーティナイナーズがオーヴァータイムの末勝利。セインツは 4Q に逆転して 21-24 とリードし、最後のフォーティナイナーズのドライブで 4th&10 という状況を作り、キャパニックはポケットから出てレシーバを必死に探す状況まで追い込んだが、そこでよりにもよってクラブトゥリーを空けてしまい、51 ヤードのパスを通されて同点 FG を許した。その後もレギュラータイムが切れる直前にブリーズが投じたヘイリメリーがグレアムへヒットするもパスインターフィアランスでヌリファイされ、最後はブリーズがサックされてファンブルロストして負けた。夢に出そうな負け方で、やっちまったとしか言いようがない。フォーティナイナーズは前半の大きなリードが最後に活きた。


最終スコア:SF 27(OT)24 NO

Miami Dolphins (5-4) @ Detroit Lions (7-2)

共に3連勝中と好調で、ディフェンスが持ち味の両チームの対戦は、ライオンズが残り 14 秒で逆転勝ち。最後のドライブでスタフォードのパスが冴えた。とはいえ 1Q に早々と 0-10 とリードしてからは最後のドライブを迎えるまで3点しか取れておらず、最初と最後以外はそれほど印象的な働きをしたとは言えないかもしれない。タネヒルはタネヒルで 27/38-207yds-1TD-1INT といまひとつ。最後の最後にスタフォードの勝負強さが勝利を引き寄せた。カルヴィン・ジョンソンの復帰も明るい材料で、依然 NFC 北地区の首位を守っている。

  • ライオンズは前半だけでフェイクパントを2回試みた。1回目はこれ以上ないほど見事に決まってファーストダウンを更新したが、2回目はパスは通ったもののファーストダウンに届かず。さすがにやりすぎだ。
  • ドルフィンズ CB グライムズが見事なインターセプトを記録。エンドゾーンのカルヴィン・ジョンソンへのロングパスで、あれだけ身長差がありながらジャンプ一番片手を伸ばしてもぎとったのは本当に素晴らしかった。



最終スコア:MIA 16-20 DET

St. Louis Rams (3-6) @ Arizona Cardinals (8-1)

NFC 西地区の同地区対戦。同地区に強いことでおなじみのラムズだが、この日は勝ちきれず。前半終了間際にデイヴィスが TE ジャレッド・クックへ 59 ヤードのタッチダウンパスを通して 14-10 と逆転したまではよかったが、後半に入ってからは得点をあげられない。カーディナルズは 4Q にカーソン・パーマーが引っ込んだ直後にバックアップ QB ドリュー・スタントンからルーキー WR ジョン・ブラウンへ 48 ヤードのタッチダウンパスが決まって 14-17 と再逆転。ラムズはこのあとインターセプトファンブルロストを重ね、どちらもリターンタッチダウンにされてしまう。逆転できる時間すらそもそもなく、カーディナルズが8勝目を挙げた。
パーマーはスナップを受けて、ドロップバックして、ラムズ S バロンのブリッツをかわして右へ数歩動いたところで、実際にはヒットを受けていないのに突然動きが止まり、崩れ落ちるように倒れた。バロンはその後やっと、倒れているパーマーに片手でタッチしたほどだったのだ*1。結果は左 ACL の断裂で、パーマーは今季絶望となった。後の記者会見で「赤ん坊みたいに泣いた」と言っていたらしいが、半ば以上本気だろう。もうベテランと呼ぶべきキャリアがありながら昨季後半から突然花開き、すんでのところでプレイオフを逃したものの、今季に入っても好調を維持。去年はまぐれだろうと思っていた周囲を尻目に勝利を重ねてきた。プレイオフは堅い、あるいはその上も、と思った矢先の負傷。それも誰を呪うわけにもいかないプレイでの怪我だった。神様は時に必要以上に残酷な仕打ちをする。ついでに言えば、パーマーはこの2日前の金曜日に、新たな 5000 万ドルの3年契約にサインしたばっかりだった。泣きたくなったのはカーディナルズも同じだったかも知れない。左の ACL は 2005 年にも断裂したことがあり、予後がいささか心配なところだ。特に思い入れがあるプレイヤーではないのだが、このままではあまりにも気の毒で、またフィールドに立ってこれまで通りのパフォーマンスができる日が来ることを祈っている。


最終スコア:STL 17-31 ARI

  • ところで全然関係ないけど、ケイス・キーナムはラムズから放出されてました(涙)。ウェイヴァーにかけたってニュースがあって、公式での所属がラムズのままになっているので、おそらくどこにも拾われなかったのだと思う。残念。

Chicago Bears (3-6) @ Green Bay Packers (6-3)

前半からパッカーズがすごい勢いで得点を重ねて圧勝。ベアーズはやはり守備が深刻な状態のようだ。パッカーズもなんでかわからんけど容赦しなかった。してたのかも知れないけど。


最終スコア:CHI 14-55 GB

Carolina Panthers (3-6-1) @ Philadelphia Eagles (7-2)

マンデーナイトはイーグルズの圧勝。今週からサンチェスが先発しているわけだが、問題なく勝ってしまう辺りがすごい。スプロールズのパントリターン、フレッチャーのインターセプトと2本のリターンタッチダウンもあり、オフェンスを助けた。パンサーズは 21 点のうち 14 点は 4Q の後半なのでいわゆる点差以上の完敗。ここまでの 10 試合で昨季1シーズン分の失点をすでに上回っているらしく、そりゃ勝てないよねという話。


最終スコア:CAR 21-45 PHI

Other Games:ジェッツ連敗ストップ/チーフス手堅く/立ち上がれないタイタン/大西洋を渡って負けに行く/まだ死んでいない/片目の開かないジャグァーズ/シーホークス復調:全7試合

PIT(6-4) 13-20 NYJ(2-8):ジェッツが8連敗でストップ。前2週絶好調だったロスリスバーガーからインターセプトを2本奪ったのを含めてテイクアウェイが実に4本。ヴィックは 10/18-132yds-2TD-0INT と地味な数字だが要所を締めてチームに久々の勝利をもたらした。次戦もヴィックで行くとのこと。
KC(6-3) 17-13 BUF(5-4):うーん、チーフス、手堅いな。ビルズ相手に 4Q に 14 点取って逆転勝ち。
TEN(2-7) 7-21 BAL(6-4):まあ順当。前半は 7-7 だったらしいのだが後半はタイタンズが殆ど攻撃できず、その間にレイヴンズがじわじわ差を広げて勝ち。AFC 北の混戦はますます激しくなるばかり。
DAL(7-3) 31-17 JAX(1-9):英国興行の今季最終3戦目はジャグァーズのホスト。よくわからないけどジャグァーズは4年間ロンドンで試合をやることになってるらしく、今年はその2年目なんだそうな。で、試合はロモが復帰してタッチダウンパス3本決めて圧勝。順当過ぎて言うべきことがない。ジャグァーズは最後2ポイント行ってるのが謎(成功はしてる)。
ATL(3-6) 27-17 TB(1-8)ファルコンズが連敗を5でストップ。前回のバッカニアーズ戦以来の勝利となった。先々週の敗戦を「ファルコンズの墓標」と書いたけれど、今年の NFC 南はほんとにひどくて、4-5 のセインツが首位で、ファルコンズはこれで2位に上がってしまった。バッカニアーズはマカウンが復帰して、27/43-301yds-2TD-2INT。これならグレノンでいいんじゃないの、とおれは思うけど。
DEN(7-2) 41-17 OAK(0-9):一応同地区対決なのだが、それらしかったのは 2Q 途中にレイダーズが 6-10 と逆転したところまでで、その後はマニングの5連続タッチダウンなどもありブロンコスの圧勝。レイダーズの、カーの初勝利はまたお預けとなった。まあ、その、頑張れ。
NYG(3-6) 17-38 SEA(6-3):前半はジャイアンツも頑張って、17-14 とリードして折り返したが、後半はなんと完封。うーん。まあチームの状態の差を考えれば特に意外性もない結果ではあるが、完封はちょっとひどいかな。シーホークスはやっと立ち直ってきた感じ。マショーン・リンチはキャリアハイの4タッチダウンランを挙げた。


(更新終了)

*1:NFL のルールで、ダウン・バイ・コンタクトにするため。