黄昏通信社跡地処分推進室

黄昏通信社の跡地処分を推進しています

最近の

『グッバイ・ハロー・ワールド』 北村みなみ著  rn press,2021-06-18

グッバイ・ハロー・ワールド作者:北村みなみrn pressAmazon兄が誕生日のプレゼントにくれた漫画。これはとてもよかった! レトロフューチャーというか、年代不明のシンプルな可愛い絵で展開される SF 短編。WIRED 日本版*1で連載されていたため、各回が雑誌…

『アウトロー・オーシャン:海の「無法地帯」をゆく』〔上〕〔下〕 イアン・アービナ著/黒木章人訳 白水社,2021-06-30

アウトロー・オーシャン(上):海の「無法地帯」をゆく作者:イアン・アービナ白水社Amazonアウトロー・オーシャン(下):海の「無法地帯」をゆく作者:イアン・アービナ白水社Amazonニューヨーク・タイムズ紙の記者である著者が、海上で起きているさまざまな不法…

『テスカトリポカ』 佐藤究著 KADOKAWA,2021-02-19

テスカトリポカ作者:佐藤 究KADOKAWAAmazon直木賞受賞作品。これは面白かった。だてに直木賞取ったわけではない。メキシコと日本を股にかけたノワールもの。 のっけからメキシコ国境の町で絶望的な日々を送る少女の視点で物語は始まる。治安は恐ろしく悪く、…

『においが心を動かす ヒトは嗅覚の動物である』 A・S・バーウィッチ著/大田直子訳 河出書房新社,2021-07-21

においが心を動かす; ヒトは嗅覚の動物である作者:A・S・バーウィッチ河出書房新社Amazon嗅覚についての本。おれは自分の感覚にわりと興味があるのでこの手の本好きなんだが、しかしそんなおれでもこの本はなかなかしんどかった。とにかくもどかしい。 五感…

『宇宙の春』 ケン・リュウ著/古沢嘉通訳 早川書房:新☆ハヤカワ・SF・シリーズ, 2021-03-17

宇宙の春 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者:ケン リュウ早川書房Amazonケン・リュウ日本では四冊目の短篇集。おれ三冊目の時点で前の二冊よりは落ちるって書いたけど、まあこれも最初の二冊に比べてどうかと問われれば落ちると言わざるを得ない。 「宇宙の春…

『宮内悠介リクエスト! 博奕のアンソロジー』 宮内悠介 他 著 光文社,2019-01-22

宮内悠介リクエスト! 博奕のアンソロジー作者:宮内悠介,冲方 丁,法月綸太郎,山田正紀,梓崎優,星野智幸,桜庭 一樹,軒上泊,藤井太洋,日高トモキチ光文社Amazonもとは「小説宝石」の連載企画。宮内悠介がこれはという作家に依頼して短編を書いてもらい、それを…

『毒草を食べてみた』 植松黎著 文藝春秋社:文春新書,2000-04-20

毒草を食べてみた (文春新書)作者:植松 黎文藝春秋Amazon古書明日で 200 円で買った新書。タイトルには若干偽りがあって、いろんな毒草を著者が片っ端から食べてみた、身体を張ったレポート!みたいな内容ではない。食べてるのは全体の二割程度だ。しかしま…

『一度きりの大泉の話』 萩尾望都著 河出書房新社,2021-04-21

一度きりの大泉の話作者:萩尾望都河出書房新社Amazon話題になっていたので読んでみた。著者の若い頃の回想録、という体裁ではあるが、実態としては竹宮惠子に対する告発文のようなものという印象が強い。2016 年に出版された『少年の名はジルベール』という…

『実力も運のうち 能力主義は正義か?』 マイケル・サンデル著/鬼澤忍訳 早川書房,2021-04-14

実力も運のうち 能力主義は正義か?作者:マイケル・サンデル早川書房Amazonサンデル先生の本。中途半端に内容をつまみ食いしてたせいかすごい中途半端に読んでしまった。ここ数十年で少なくとも米国においては入学できる大学の格と実家の太さの相関、そして学…

『人間たちの話』 柞刈湯葉著 早川書房:ハヤカワ文庫JA,2020-03-18

人間たちの話 (ハヤカワ文庫JA)作者:柞刈 湯葉早川書房Amazon『横浜駅 SF』で鮮烈なデビューを果たした著者の短編集。横浜駅 SF が 2016 年暮れ、『重力アルケミック』が 2017 年、『未来職安』が 2018 年なので順調に出てるなーと思ってたのだけど、そのあ…

『数学に魅せられて、科学を見失う -物理学と「美しさ」の罠-』 ザビーネ・ホッセンフェルダー著/吉田三知世訳 みすず書房,2021-04-10

数学に魅せられて、科学を見失う作者:ザビーネ・ホッセンフェルダーみすず書房Amazon素粒子物理学の先端で起きていることを、実際に素粒子物理学の先端に立つ科学者たちへのインタビューを通じて批判的に描いたノンフィクション。物理学のある意味では先端で…

『ヒトの言葉 機械の言葉「人工知能と話す」以前の言語学』 川添愛著 KADOKAWA:角川新書,2020-11-10

ヒトの言葉 機械の言葉 「人工知能と話す」以前の言語学 (角川新書)作者:川添 愛KADOKAWAAmazon言語の理解に関する基礎的な解説書。人間と会話して意思疎通ができるような汎用人工知能を作るとして、その前提に「人間の言っていることを“理解”する」というタ…

『氏名の誕生――江戸時代の名前はなぜ消えたのか』 尾脇秀和著 筑摩書房:ちくま新書,2021-04-08

氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか (ちくま新書)作者:尾脇 秀和筑摩書房Amazonちょっと話題になった本(という、個人的な印象)で、その通りけっこう面白かった。江戸時代までの人名がどのようなものであったのかの概説と、それがいかにして現在…

2018 年総まとめ

まさかの 2018 年に触れた分総まとめ。今年何年だよ! いまさら誰が見るのかわからないがそれ言ったらもともとそうだしな。 2018年上半期総集編(その1) 『シルトの梯子』 グレッグ・イーガン著/山岸真訳 早川書房:ハヤカワ文庫 SF,2017 ISBN:978415012…

『歩道橋の魔術師』 呉明益著/天野健太郎訳 白水社:エクス・リブリス,2015-04-24

歩道橋の魔術師 (エクス・リブリス)作者:呉明益白水社Amazon舞台は1970年代の台北。西門町と台北駅の間、幹線道路と鉄道に挟まれた細長い土地に八棟の団地が縦に細長く連なって建っていた。そこは中華商場と呼ばれ、当時の台北の賑わいの中心だった。それぞ…

『宇宙考古学の冒険 古代遺跡は人工衛星で探し出せ』 サラ・パーカック著/熊谷玲美訳 光文社,2020-09-16

宇宙考古学の冒険 古代遺跡は人工衛星で探し出せ作者:サラ・パーカック光文社Amazon言うまでもないが、考古学において遺跡発掘はきわめて重要なミッションだ。しかしやみくもに掘っていて狙い通りのものが出るものでもない。史料や地形やその他様々なこれま…

『暗闇にレンズ』 高山羽根子著 東京創元社,2020-09-30

暗闇にレンズ作者:高山 羽根子東京創元社Amazon映像にまつわる物語。街中のあらゆるところにカメラが設置された近未来のパート「Side A」は高校生である主人公と友人である「彼女」を中心に進む。様々なところにさして怪しまれず潜り込めて、なんならカメラ…

『脚本の科学 認知と知覚のプロセスから理解する映画と脚本のしくみ』 ポール・ジョセフ・ガリーノ、コニー・シアーズ著/石原陽一郎訳 フィルムアート社,2021-01-26

脚本の科学 認知と知覚のプロセスから理解する映画と脚本のしくみ作者:ポール・ジョセフ・ガリーノ,コニー・シアーズ発売日: 2021/01/26メディア: 単行本主に映画を念頭に書かれた、とはいえ他の形態にも活かせるであろう、脚本術の本。古今東西の映画のシー…

『2000年代海外SF傑作選』 エレン・クレイジャズ他:著/橋本輝幸編集 早川書房:ハヤカワ文庫SF,2020-11-19

2000年代海外SF傑作選 (ハヤカワ文庫SF)作者:エレン クレイジャズ,ハンヌ ライアニエミ,ダリル グレゴリイ,劉 慈欣,コリイ ドクトロウ,チャールズ ストロス,N・K ジェミシン,グレッグ イーガン,アレステア レナルズ発売日: 2020/11/19メディア: 文庫なぜいま…

『近代建築散歩 東京・横浜編』 アトリエM5、宮本和義著 小学館,2007-11-26

近代建築散歩 東京・横浜編作者:アトリエM5,宮本 和義発売日: 2007/11/26メディア: 単行本タイトルの通りの本。正直この手の本って佃煮にするほどあって、どれを読んでもそれなり以上には楽しいし、しかし読んだ後の印象はどの本でもそんなに変わらない印象…

『科学捜査ケースファイル――難事件はいかにして解決されたか』 ヴァル・マクダーミド著/久保美代子訳 化学同人,2017-07-24

科学捜査ケースファイル―難事件はいかにして解決されたか作者:ヴァル・マクダーミド発売日: 2017/07/24メディア: 単行本おおむねタイトルの通りの本だが、もう少しフォーカスは狭くて、英国犯罪科学捜査史というべき本。著者はミステリ作家で、取材の過程で…

「電線絵画展 -小林清親から山口晃まで-」 練馬区立美術館,2021-02-28~2021-04-18

日曜美術館のアートシーンで紹介されていて、面白そうだし楽しそうだったので子供たちを誘ってみたところ行くというので家族で出かける。練馬区立美術館は中村橋にあってなかなか遠いが、上手くFライナーを拾えてまあまあ快適に行けた。あと駅からはめちゃ…

『中国・アメリカ 謎SF』 遥控:他著/柴田元幸、小島敬太編集・翻訳 白水社,2021-01-30

中国・アメリカ 謎SF発売日: 2021/01/30メディア: 単行本(ソフトカバー)なんかざっくりしたくくりのアンソロジー。みんな大好き柴田元幸と、小島ケイタニーラブの名前でミュージシャンとしても活躍している小島敬太のふたりが、米国と中国からそれぞれ新進…

『なぜペニスはそんな形なのか - ヒトについての不謹慎で真面目な科学』 ジェシー・ベリング著/鈴木光太郎訳 化学同人,2017-03-02

なぜペニスはそんな形なのか ヒトについての不謹慎で真面目な科学作者:Jesse Bering発売日: 2017/03/02メディア: 単行本タイトル、もっともな疑問だ。変な形してるよね、ちんちん。あの、先端の少し下が太くなってるの、なんなんだろう。あと、そもそもなん…

『人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル』 竹田人造著 早川書房:ハヤカワ文庫JA,2020-11-19

人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル (ハヤカワ文庫JA)作者:竹田人造発売日: 2020/11/19メディア: 文庫第8回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作。人工知能を含めた情報技術のハックをテーマにした連作中編で、コンテスト応募時の『電子の泥船に金貨を…

『偶然の聖地』 宮内悠介著 講談社,2019-04-25

偶然の聖地作者:宮内 悠介発売日: 2019/04/25メディア: 単行本世界がコード*1で書かれているとしたら。大胆すぎる仮定なので起きることは無数に想像できるが、著者がフォーカスしたのは「当然不具合が起きるだろう」というところだ。そしてそれを直す者たち…

『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』 高山文彦監督 サンライズ,1989

先日 youtube のガンダムチャンネルで期間限定公開していたので見た。おれはガンダムは初代以外よく知らんが、これは伝説的な作品と言っていいと思う。すごく知名度が高いわけじゃない*1が見た奴はみんな名作だと言う。時々こういう「特定の界隈で神棚に載せ…

『「色のふしぎ」と不思議な社会-2020年代の「色覚」原論-』  川端裕人著 筑摩書房,2020-10-24

「色のふしぎ」と不思議な社会 ――2020年代の「色覚」原論 (単行本)作者:裕人, 川端発売日: 2020/10/24メディア: 単行本(ソフトカバー)色の見え方については、『ひとの目、驚異の進化: 4つの凄い視覚能力があるわけ』(おれの感想)を読んで以来少し気にな…

『エビの歴史(「食」の図書館)』  イヴェット・フロリオ・レーン著/龍和子訳 原書房,2020-12-16 ISBN:9784562058563:detail

図書館の新着図書の棚に入ってたので借りてみた。ここでのエビは英語で言えば shrimp と prawn にあたるもので、robster と crayfish は含まないとのことで、後者は別の本になってるのだそうだ(邦訳は『ロブスターの歴史』)。「『食』の図書館」シリーズと…

『ディズニー CEO が実践する 10 の原則』 ロバート・アイガー著/関美和訳 早川書房,2020-04-04

ディズニーCEOが実践する10の原則作者:ロバート・アイガー発売日: 2020/04/04メディア: 単行本このタイトルは明らかにミスリード。内容に即したタイトルをつけるとするなら「僕の出世録と、ディズニー CEO になってから成功させた買収の裏話あれこれ」になる…