黄昏通信社跡地処分推進室

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最近の

『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』 ベス・メイシー著/神保哲生訳 光文社,2020-02-19

DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機作者:ベス・メイシー光文社Amazonオピオイド。なんか聞いたことある、ぐらいの感じだった。あれでしょ、米国でけっこう蔓延しててやばい薬なんでしょ、という程度。しかしこの本を読むと、その表層よりはるかに悲惨な…

『失われゆく我々の内なる地図 空間認知の隠れた役割』  マイケル・ボンド著/竹内和世訳 白揚社,2022-04-11

失われゆく我々の内なる地図 空間認知の隠れた役割作者:マイケル・ボンド白揚社Amazon何の本、と問われると説明が難しいが、ざっくり言えば人間の空間認知とそれに関係ありそうな脳の機能について語った本。 空間認知はけっこう複雑な機能で、われわれがどう…

アフタヌーン

スキップとローファーが休載、ヒストリエも休みの回ということでちょっとひと段落という感じか。 山口つばさは『ブルーピリオド』を休んでまで先月今月と前後編の読切「神屋」を掲載していたが、これはなかなかよかった。血というギミックも前編では微妙に利…

Q、恋ってなんですか?

『Q、恋ってなんですか?』が次回で完結。作者(Fiok Lee氏)の絵がすごく好きなので見ているだけで楽しかったが、漫画としてはやや微妙ではあった。生き物の様子を見に行くパートは素晴らしくて文句なしに楽しいのだけど、それが青井の生活とほとんどかかわ…

おおきく振りかぶって

連載19年にしてようやく主人公たちが二年生に進級。最初はみんなガラケーだったのがスマホに変わっちゃったり、ストライクとボールのカウントが逆になったり、フライボール革命が出てきたり、連載が長すぎることの影響は流石に作中に入りこんじゃってるんだ…

スキップとローファー

アフタヌーン買う。『スキップとローファー』がゆづ回で個人的に盛り上がる。この漫画、最初は主人公のエキセントリックなキャラクターで引っ張ってから、その周りのキャラクターを少しづつ描いていき、それから各キャラクターを掘り下げた回を配置していく…

『鍵開けマニュアル [増補版]』 鍵と錠の研究会著 データハウス,2002-08-01

鍵開けマニュアル作者:鍵と錠の研究会データハウスAmazonなんとなく図書館で目について借りた本、だけど、中々面白かった。シリンダー錠の基本的な構造とピッキングの初歩を中心に、錠前とその破り方を解説した本。80 年代~90 年代はピッキングの被害も多か…

『元素創造 93~118番元素をつくった科学者たち』 キット・チャップマン著/渡辺正訳 白揚社,2021-08-12

元素創造 93~118番元素をつくった科学者たち作者:キット・チャップマン白揚社Amazon原題は"Superheavy"。この言葉は超重元素を指すので厳密には原子番号 104 番ラザホージウム以降の元素を指すが、本書で扱う内容はもう少し原子番号の小さいウラン以降の元素…

『地球の未来のため僕が決断したこと 気候大災害は防げる』 ビル・ゲイツ著/山田文訳 早川書房,2021-08-18

地球の未来のため僕が決断したこと作者:ビル・ゲイツ,Bill Gates早川書房Amazon世界有数の金持ちが書いた、地球温暖化防止を目指すための基礎知識と考え方をまとめた本。原題は『HOW TO AVOID A CLIMATE DISASTER THE SOLUTIONS WE HAVE AND THE BREAKTHROUG…

『アルゴリズムの時代 機械が決定する世界をどう生きるか』 ハンナ・フライ著/森嶋マリ訳 文藝春秋,2021-08-24

アルゴリズムの時代 機械が決定する世界をどう生きるか作者:ハンナ・フライ文藝春秋Amazonちょっと妙な邦題。アルゴリズムは本筋ではないので、後半だけのほうがいいタイトルだったと思う。そもそも原題は "Hello, World!" とかいうふざけたタイトルなので(…

『夢を見るとき脳は――睡眠と夢の謎に迫る科学』  アントニオ・ザドラ、ロバート・スティックゴールド著/藤井留美訳 紀伊國屋書店,2021-08-31

夢を見るとき脳は――睡眠と夢の謎に迫る科学作者:アントニオ・ザドラ,ロバート・スティックゴールド紀伊國屋書店Amazon夢の働きに迫る本。 夢ってほんとに面白くて謎で、意味がわからないのに人の心をとらえてやまないところがある。それはどうしてなのか。な…

『ジェンダーと脳――性別を超える脳の多様性』 ダフナ・ジョエル、ルバ・ヴィハンスキ著/鍛原多惠子訳 紀伊國屋書店,2021-08-31

ジェンダーと脳――性別を超える脳の多様性作者:ダフナ・ジョエル,ルバ・ヴィハンスキ紀伊國屋書店Amazon脳の性差に地道に迫った本。感覚的にはたぶんそうなんだろうなーと思うことが丁寧に書かれていて気持ちいい。男女で脳の構造が決定的に違ったりはしない…

『グッバイ・ハロー・ワールド』 北村みなみ著  rn press,2021-06-18

グッバイ・ハロー・ワールド作者:北村みなみrn pressAmazon兄が誕生日のプレゼントにくれた漫画。これはとてもよかった! レトロフューチャーというか、年代不明のシンプルな可愛い絵で展開される SF 短編。WIRED 日本版*1で連載されていたため、各回が雑誌…

『アウトロー・オーシャン:海の「無法地帯」をゆく』〔上〕〔下〕 イアン・アービナ著/黒木章人訳 白水社,2021-06-30

アウトロー・オーシャン(上):海の「無法地帯」をゆく作者:イアン・アービナ白水社Amazonアウトロー・オーシャン(下):海の「無法地帯」をゆく作者:イアン・アービナ白水社Amazonニューヨーク・タイムズ紙の記者である著者が、海上で起きているさまざまな不法…

『テスカトリポカ』 佐藤究著 KADOKAWA,2021-02-19

テスカトリポカ作者:佐藤 究KADOKAWAAmazon直木賞受賞作品。これは面白かった。だてに直木賞取ったわけではない。メキシコと日本を股にかけたノワールもの。 のっけからメキシコ国境の町で絶望的な日々を送る少女の視点で物語は始まる。治安は恐ろしく悪く、…

『においが心を動かす ヒトは嗅覚の動物である』 A・S・バーウィッチ著/大田直子訳 河出書房新社,2021-07-21

においが心を動かす; ヒトは嗅覚の動物である作者:A・S・バーウィッチ河出書房新社Amazon嗅覚についての本。おれは自分の感覚にわりと興味があるのでこの手の本好きなんだが、しかしそんなおれでもこの本はなかなかしんどかった。とにかくもどかしい。 五感…

『宇宙の春』 ケン・リュウ著/古沢嘉通訳 早川書房:新☆ハヤカワ・SF・シリーズ, 2021-03-17

宇宙の春 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者:ケン リュウ早川書房Amazonケン・リュウ日本では四冊目の短篇集。おれ三冊目の時点で前の二冊よりは落ちるって書いたけど、まあこれも最初の二冊に比べてどうかと問われれば落ちると言わざるを得ない。 「宇宙の春…

『宮内悠介リクエスト! 博奕のアンソロジー』 宮内悠介 他 著 光文社,2019-01-22

宮内悠介リクエスト! 博奕のアンソロジー作者:宮内悠介,冲方 丁,法月綸太郎,山田正紀,梓崎優,星野智幸,桜庭 一樹,軒上泊,藤井太洋,日高トモキチ光文社Amazonもとは「小説宝石」の連載企画。宮内悠介がこれはという作家に依頼して短編を書いてもらい、それを…

『毒草を食べてみた』 植松黎著 文藝春秋社:文春新書,2000-04-20

毒草を食べてみた (文春新書)作者:植松 黎文藝春秋Amazon古書明日で 200 円で買った新書。タイトルには若干偽りがあって、いろんな毒草を著者が片っ端から食べてみた、身体を張ったレポート!みたいな内容ではない。食べてるのは全体の二割程度だ。しかしま…

『一度きりの大泉の話』 萩尾望都著 河出書房新社,2021-04-21

一度きりの大泉の話作者:萩尾望都河出書房新社Amazon話題になっていたので読んでみた。著者の若い頃の回想録、という体裁ではあるが、実態としては竹宮惠子に対する告発文のようなものという印象が強い。2016 年に出版された『少年の名はジルベール』という…

『実力も運のうち 能力主義は正義か?』 マイケル・サンデル著/鬼澤忍訳 早川書房,2021-04-14

実力も運のうち 能力主義は正義か?作者:マイケル・サンデル早川書房Amazonサンデル先生の本。中途半端に内容をつまみ食いしてたせいかすごい中途半端に読んでしまった。ここ数十年で少なくとも米国においては入学できる大学の格と実家の太さの相関、そして学…

『人間たちの話』 柞刈湯葉著 早川書房:ハヤカワ文庫JA,2020-03-18

人間たちの話 (ハヤカワ文庫JA)作者:柞刈 湯葉早川書房Amazon『横浜駅 SF』で鮮烈なデビューを果たした著者の短編集。横浜駅 SF が 2016 年暮れ、『重力アルケミック』が 2017 年、『未来職安』が 2018 年なので順調に出てるなーと思ってたのだけど、そのあ…

『数学に魅せられて、科学を見失う -物理学と「美しさ」の罠-』 ザビーネ・ホッセンフェルダー著/吉田三知世訳 みすず書房,2021-04-10

数学に魅せられて、科学を見失う作者:ザビーネ・ホッセンフェルダーみすず書房Amazon素粒子物理学の先端で起きていることを、実際に素粒子物理学の先端に立つ科学者たちへのインタビューを通じて批判的に描いたノンフィクション。物理学のある意味では先端で…

『ヒトの言葉 機械の言葉「人工知能と話す」以前の言語学』 川添愛著 KADOKAWA:角川新書,2020-11-10

ヒトの言葉 機械の言葉 「人工知能と話す」以前の言語学 (角川新書)作者:川添 愛KADOKAWAAmazon言語の理解に関する基礎的な解説書。人間と会話して意思疎通ができるような汎用人工知能を作るとして、その前提に「人間の言っていることを“理解”する」というタ…

『氏名の誕生――江戸時代の名前はなぜ消えたのか』 尾脇秀和著 筑摩書房:ちくま新書,2021-04-08

氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか (ちくま新書)作者:尾脇 秀和筑摩書房Amazonちょっと話題になった本(という、個人的な印象)で、その通りけっこう面白かった。江戸時代までの人名がどのようなものであったのかの概説と、それがいかにして現在…

2018 年総まとめ

まさかの 2018 年に触れた分総まとめ。今年何年だよ! いまさら誰が見るのかわからないがそれ言ったらもともとそうだしな。 2018年上半期総集編(その1) 『シルトの梯子』 グレッグ・イーガン著/山岸真訳 早川書房:ハヤカワ文庫 SF,2017 ISBN:978415012…

『歩道橋の魔術師』 呉明益著/天野健太郎訳 白水社:エクス・リブリス,2015-04-24

歩道橋の魔術師 (エクス・リブリス)作者:呉明益白水社Amazon舞台は1970年代の台北。西門町と台北駅の間、幹線道路と鉄道に挟まれた細長い土地に八棟の団地が縦に細長く連なって建っていた。そこは中華商場と呼ばれ、当時の台北の賑わいの中心だった。それぞ…

『宇宙考古学の冒険 古代遺跡は人工衛星で探し出せ』 サラ・パーカック著/熊谷玲美訳 光文社,2020-09-16

宇宙考古学の冒険 古代遺跡は人工衛星で探し出せ作者:サラ・パーカック光文社Amazon言うまでもないが、考古学において遺跡発掘はきわめて重要なミッションだ。しかしやみくもに掘っていて狙い通りのものが出るものでもない。史料や地形やその他様々なこれま…

『暗闇にレンズ』 高山羽根子著 東京創元社,2020-09-30

暗闇にレンズ作者:高山 羽根子東京創元社Amazon映像にまつわる物語。街中のあらゆるところにカメラが設置された近未来のパート「Side A」は高校生である主人公と友人である「彼女」を中心に進む。様々なところにさして怪しまれず潜り込めて、なんならカメラ…

『脚本の科学 認知と知覚のプロセスから理解する映画と脚本のしくみ』 ポール・ジョセフ・ガリーノ、コニー・シアーズ著/石原陽一郎訳 フィルムアート社,2021-01-26

脚本の科学 認知と知覚のプロセスから理解する映画と脚本のしくみ作者:ポール・ジョセフ・ガリーノ,コニー・シアーズ発売日: 2021/01/26メディア: 単行本主に映画を念頭に書かれた、とはいえ他の形態にも活かせるであろう、脚本術の本。古今東西の映画のシー…