黄昏通信社跡地処分推進室

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最近の

『みんなにお金を配ったら-ベーシックインカムは世界でどう議論されているか?-』 アニー・ローリー著/上原裕美子訳 みすず書房,2019-10

みんなにお金を配ったらー―ベーシックインカムは世界でどう議論されているか?作者:アニー・ローリー発売日: 2019/10/11メディア: 単行本みんな大好き、ベーシックインカム。でもこれって結局なんなんだろう、どういうことなんだろう、と思っている人も多いん…

『魔王: 奸智と暴力のサイバー犯罪帝国を築いた男』 エヴァン・ラトリフ著/竹田円訳 早川書房,2019-10

魔王: 奸智と暴力のサイバー犯罪帝国を築いた男作者:ラトリフ,エヴァン発売日: 2019/10/17メディア: 単行本これはまたすさまじいルポルタージュである。原題は“The Mastermind --Drugs. Empire. Murder. Betrayal.”というので魔王は若干ニュアンスがずれちゃ…

『数の女王』 川添愛著 東京書籍,2019-07

数の女王作者:川添 愛発売日: 2019/07/16メディア: 単行本(ソフトカバー)著者お得意の数学ファンタジー。今作のテーマは数論である。数論というのは不思議な分野で、整数を扱う分野なわけだが、整数というのは数全体のなかに離散的にぽつりぽつりと存在す…

『翻訳夜話』 村上春樹、柴田元幸著 文藝春秋社:文春新書,2000-10/『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』 村上春樹、柴田元幸著 文藝春秋社:文春新書,2003-07

翻訳夜話 (文春新書)作者:春樹, 村上,元幸, 柴田発売日: 2000/10/20メディア: 新書翻訳夜話2 サリンジャー戦記 (文春新書)作者:村上 春樹,柴田 元幸発売日: 2003/07/19メディア: 新書二冊まとめて(だいぶ違う本なのだが)。村上春樹と柴田元幸という、当代…

『ポピュリズムとは何か』 ヤン=ヴェルナー・ミュラー著/板橋拓己訳 岩波書店,2017-04

ポピュリズムとは何か作者:ヤン=ヴェルナー・ミュラー発売日: 2017/04/19メディア: 単行本ほぼ同名の新書*1があるが、それではなくて黒と赤のちょっとどぎつい表紙の本である。実は研修で使った教科書なのだが、心に残ったのでちょっと書いてみる。 ポピュリ…

『息吹』 テッド・チャン著/大森望訳 早川書房,2019-12

息吹作者:テッド・チャン発売日: 2019/12/04メディア: 単行本真打ち登場。『あなたの人生の物語』以来 17 年ぶりとなる著者の二冊目の作品集で、九編の中短編が収められている。ちなみにデビューが 1990 年の「バビロンの塔」らしいので 29 年で二冊というこ…

『Uberland ウーバーランド ―アルゴリズムはいかに働き方を変えているか―』 アレックス・ローゼンブラット著/飯嶋貴子訳 青土社,2019-07

Uberland ウーバーランド ―アルゴリズムはいかに働き方を変えているか―作者:アレックス・ローゼンブラット発売日: 2019/07/25メディア: 単行本(ソフトカバー)これは面白かった。米国を中心に、ウーバーのドライバーとして働く人 100 人以上にインタビュー…

『ベーシックインカム』 井上真偽著 集英社,2019-10

ベーシックインカム作者:井上 真偽発売日: 2019/10/04メディア: 単行本ミステリ畑で活躍する(らしい)作者の五冊目の作品。五編の短編が収録されている。少し未来の、見えてはいるがまだ実現していない技術、あるいは実現しているが普及までは至っていない…

『嘘と正典』 小川哲著 早川書房,2019-09

嘘と正典作者:小川 哲発売日: 2019/09/19メディア: 単行本『ゲームの王国』でいきなりすさまじいデビューを果たした小川哲の短編集。どんなものが飛び出してくるかと思ったがあそこまでの凄みはなく、しかしどれもなかなか面白かった。「魔術師」はマジシャ…

『なめらかな世界と、その敵』 伴名練著 早川書房,2019-08

今回あたりから 2020 年に読んだ本です。相変わらずめちゃくちゃ遅れてるゼ。なめらかな世界と、その敵作者:伴名 練発売日: 2019/08/20メディア: 単行本著者の十年ぶりの作品集。同人誌などに細々と書かれ、時に年間 SF 傑作集などに収録された作品を中心に…

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 ブレイディみかこ著 新潮社,2019-06

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー作者:ブレイディ みかこ発売日: 2019/06/21メディア: 単行本著者の書いたものはインターネットでしばしば目にしていた。最初はたぶん音楽関係の記事だった。おれ自身もう UK ロックもまったく聴いていないが、な…

『方形の円(偽説・都市生成論)』 ギョルゲ・ササルマン著/住谷春也訳 東京創元社:海外文学セレクション,2019-06

方形の円 (偽説・都市生成論) (海外文学セレクション)作者:ギョルゲ・ササルマン発売日: 2019/06/20メディア: 単行本架空の都市にまつわる連作短編。各短編はほとんどショートショートといってもよい短さで、一番短いものは一ページ強しかなかったりする。そ…

『うつくしい繭』 櫻木みわ著 講談社,2018-12

うつくしい繭作者:櫻木 みわ発売日: 2018/12/19メディア: 単行本これは面白かった。これを書いている時点で読んでから半年ぐらい経ってるのでもうあんまりよく憶えていないのだが、とりあえず。 四つの短編が収録された、作者のデビュー短編集。四編とも短編…

『タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源』 ピーター・ゴドフリー=スミス著/夏目大訳 みすず書房,2018-11

タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源作者:ピーター・ゴドフリー=スミス発売日: 2018/11/17メディア: 単行本タコの知性について、おれはあんまり考えたことがなかった。生きているタコも水族館でしか見たことはないし、その水族館のタコも自由闊達に…

『雪降る夏空にきみと眠る』(上・下)ジャスパー・フォード著/桐谷知未訳 竹書房:竹書房文庫,2019-06

雪降る夏空にきみと眠る 上 (竹書房文庫)作者:ジャスパー・フォード出版社/メーカー: 竹書房発売日: 2019/06/27メディア: 文庫雪降る夏空にきみと眠る 下 (竹書房文庫)作者:ジャスパー・フォード出版社/メーカー: 竹書房発売日: 2019/06/27メディア: 文庫舞…

『ダウントン・アビー』 マイクル・エングラー監督 ユニバーサル,2019

なんとかまだやってた、映画『ダウントン・アビー』@新百合ヶ丘イオンシネマ。時期はドラマ版が終わったちょっと後*1。なんと国王陛下夫妻がダウントンに一泊することになって、それが三週間後(だったかな?)。使用人たちも大いに張り切り、先生として就…

『東京の子』 藤井太洋著 KADOKAWA,2019-02

東京の子作者: 藤井太洋出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2019/02/08メディア: 単行本この商品を含むブログを見るオリンピックが終わった少し後の東京。新たに制定された移民法のおかげで、東京には外国人労働者があふれていた。主人公仮部諫牟(かりべ・い…

『脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか:生き物の「動き」と「形」の40億年』 マット・ウィルキンソン著/神奈川夏子訳 草思社,2019-02

脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか: 生き物の「動き」と「形」の40億年作者: マットウィルキンソン,Matt Wilkinson,神奈川夏子出版社/メーカー: 草思社発売日: 2019/02/18メディア: 単行本この商品を含むブログを見るいささか冗長な日本語題だけど、内容を端的…

『予測マシンの世紀』 アジェイ・アグラワル、ジョシュア・ガンズ、アヴィ・ゴールドファーブ著/小坂恵理訳 早川書房,2019-02

予測マシンの世紀: AIが駆動する新たな経済作者: アジェイアグラワル,ジョシュアガンズ,アヴィゴールドファーブ,小坂恵理出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/02/06メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る猫も杓子も AI の昨今。し…

『現代の死に方: 医療の最前線から』 シェイマス・オウマハニー著/小林政子訳 国書刊行会,2018-10

現代の死に方: 医療の最前線から作者: シェイマス・オウマハニー,小林政子出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2018/10/19メディア: 単行本この商品を含むブログを見る人はいつか死ぬ。どう死ぬか。大抵の人は病院で。それも急性期病院で、挿管され、あるい…

『魔法を召し上がれ』 瀬名秀明著 講談社,2019-05

魔法を召し上がれ作者: 瀬名秀明出版社/メーカー: 講談社発売日: 2019/05/16メディア: 単行本この商品を含むブログを見る瀬名秀明といえば『パラサイト・イヴ』の印象が未だに強い。というのはまあ個人的な感覚だが、デビュー作が映画化されてヒロインが葉月…

『生まれ変わり』 ケン・リュウ著/古沢嘉通,幹遙子,大谷真弓訳 早川書房:新☆ハヤカワ・SF・シリーズ,2019-02

ISBN:9784153350434 『紙の動物園』(→おれの感想)『母の記憶に』(→おれの感想)で日本の読者にもすっかりおなじみケン・リュウの第三短編集。なにしろここまでの二冊が素晴らしかったので今回もどれぐらいやってくれるかと期待が高まりまくった状態で読ん…

『かがみの孤城』 辻村深月著,2018 ポプラ社,2017-05

かがみの孤城作者: 辻村深月出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2017/05/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (25件) を見る言わずと知れた、2018 年の本屋大賞受賞作。 主人公こころは中学校に上がってまもなく不登校になる。学校に行くことができず、フ…

『バイオハッキング―テクノロジーで知覚を拡張する』 カーラ・プラトーニ著/田沢恭子訳 白揚社,2018-11

バイオハッキング―テクノロジーで知覚を拡張する作者: カーラ・プラトーニ,田沢恭子出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2018/11/08メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「テクノロジーで知覚を拡張する」と聞いて、どんなものを思い浮かべるだろうか。個…

『ダークウェブ・アンダーグラウンド -社会秩序を逸脱するネット暗部の住人たち-』 木澤佐登志著 イースト・プレス,2019-01

ダークウェブ・アンダーグラウンド 社会秩序を逸脱するネット暗部の住人たち作者: 木澤佐登志出版社/メーカー: イースト・プレス発売日: 2019/01/17メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見るインターネットのアンダーグラウンドの…

『ジャイロモノレール』 森博嗣著 幻冬舎:幻冬舎新書,2018-09

ジャイロモノレール (幻冬舎新書)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2018/09/27メディア: 新書この商品を含むブログ (2件) を見るおそらく皆さん聞いたこともないであろう言葉が書名になっているが(おれももちろん読むまで知らなかった)、これは…

『零號琴』 飛浩隆著 早川書房,2018-10

零號琴作者: 飛浩隆出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/10/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る著者の第二長編。七年前に SF マガジンで連載していたのだが、連載終了後もなかなか単行本にならず、その後長い改稿を経てようやく刊行さ…

『虚構世界はなぜ必要か?:SFアニメ「超」考察』 古谷利裕著 勁草書房,2018-12

虚構世界はなぜ必要か?: SFアニメ「超」考察作者: 古谷利裕出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2018/12/26メディア: 単行本この商品を含むブログを見るはてなダイアリー「偽日記@はてな」でおなじみ*1、古谷利裕氏の著作。勁草書房のウェブサイト「けいそう…

『ハロー・ワールド』 藤井太洋著 講談社,2018-10

ハロー・ワールド作者: 藤井太洋出版社/メーカー: 講談社発売日: 2018/10/18メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (4件) を見る連作短編集。一篇ずつは別々に発表されていて独立した短編としても読めるが、語り手のプログラマー文椎泰洋(…

『海獣の子供』 渡辺歩監督/STUDIO 4℃ 製作 東宝,2019

言わずと知れた、五十嵐大介の代表作のアニメ映画化。原作はそこそこ厚めの B6 単行本五冊なので、全部は収められないだろうけどハイライトみたいにもならずに済みそうな、考えようによっては難しい尺だったが、渡辺監督は少女のひと夏の成長をどうやらメイ…