黄昏通信社跡地処分推進室

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最近の

『ホテル・アルカディア』 石川宗生著 集英社,2020-03-26

ホテル・アルカディア作者:石川 宗生発売日: 2020/03/26メディア: 単行本『半分世界』の著者の連作短編集。短編というよりはショートショートと言っていい長さのものも多いかな。冒頭にはホテル・アルカディアにまつわる逸話が付されていて、そこに集う芸術…

「生誕100年 石元泰博写真展 伝統と近代」 東京オペラシティアートギャラリー,2020-10-10~2020-12-20

https://www.operacity.jp/ag/exh234/ 行ってきた。妻と行こうと言っていたのだが、今月に入ってからの有休をぜんぶ月曜にしてしまったおかげでどうしても都合が合わせられず、別々に観に行くことになった。この展覧会は先月まで東京都写真美術館でやってい…

『雲のように風のように』 鳥海永行総監督 スタジオぴえろ/日本テレビ,1990

https://pierrot.jp/archive/1990/tvs_03.html 日本ファンタジーノベル大賞の第一回はいまでは考えられないようなスキームになっていて、大賞受賞作はアニメ映画化されることが決まっていた*1。第一回の大賞が『後宮小説』に決まったときの関係者の困惑は想…

『時間旅行者のキャンディボックス』 ケイト・マスカレナス著/茂木健訳 東京創元社:創元 SF 文庫,2020-09-10

時間旅行者のキャンディボックス (創元SF文庫)作者:ケイト・マスカレナス発売日: 2020/09/10メディア: 文庫奇妙な SF。1960 年代にタイムマシンが発明されて実用化されているという平行世界で、ある密室で生じた不可能状況と見える殺人の謎解きを一応のスト…

『ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論』 デヴィッド・グレーバー著/酒井隆史、芳賀達彦、森田和樹訳 岩波書店,2020-07-30

ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論作者:デヴィッド・グレーバー発売日: 2020/07/30メディア: 単行本この本はタイトルの勝利。というと身も蓋もないけれど、タイトルというか、この概念を生み出したというところに価値がある。もともとは 2013 …

『甘いバナナの苦い真実』 石井正子・他著 コモンズ,2020-08-31

甘いバナナの苦い現実作者:正子, 石井発売日: 2020/08/31メディア: 単行本フィリピンにおけるバナナ生産の現在の状況を、主に日本向けバナナの生産という観点から捉えた本。章によって書き手は異なる(Amazonでは単著みたいな感じの情報が載っているが明らか…

『明治・父・アメリカ』 星新一著 新潮社:新潮文庫,1978-08-27

明治・父・アメリカ (新潮文庫)作者:新一, 星発売日: 1978/08/27メディア: 文庫星新一が書く、父星一(ほし・はじめ)の伝記。星一は一代で星製薬を成した並々ならぬ人物であったが、星製薬は最後は人手に渡り現在は細々と続いているにすぎない。星一の名も…

『首里の馬』 高山羽根子著  新潮社,2020-07-27

【第163回 芥川賞受賞作】首里の馬作者:羽根子, 高山発売日: 2020/07/27メディア: ペーパーバック不思議な話だ。沖縄に住む主人公は、近所の小さな資料館の手伝いをしながら日々を過ごしている。年老いた女性がひとりで運営する、本当に小さな民間の資料館で…

『自閉症は津軽弁を話さない 自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く』 松本 敏治 KADOKAWA:角川ソフィア文庫,2020-09-24

自閉症は津軽弁を話さない 自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く (角川ソフィア文庫)作者:松本 敏治発売日: 2020/09/24メディア: 文庫※単行本は 2017 年刊行。 ちょっと前にこの記事→【「自閉症は津軽弁を話さない」この謎に挑んだ心理学者が痛感したこ…

『都市で進化する生物たち “ダーウィン”が街にやってくる』 メノ・スヒルトハウゼン著/岸由二,小宮繁訳 草思社,2020-08-18

都市で進化する生物たち: ❝ダーウィン❞が街にやってくる作者:スヒルトハウゼン,メノ発売日: 2020/08/18メディア: 単行本冒頭のロンドンの地下鉄の奥深くにすむチカイエカの話が凄い。もちろんロンドンの地下鉄の歴史は世界一長いわけだが、とはいえ 160 年と…

『時のきざはし 現代中華SF傑作選』 滕野 他著/林久之 他訳 立原透耶編 新紀元社,2020-06-26

時のきざはし 現代中華SF傑作選作者:江波,何夕,糖匪,昼温,陸秋槎,陳楸帆,王晋康,黄海,梁清散,凌晨,双翅目,韓松,吴霜,潘海天,飛氘,靚霊,滕野発売日: 2020/06/26メディア: 大型本『折りたたみ北京』『月の光』とケン・リュウの中国 SF アンソロジーが出版され…

『もうダメかも――死ぬ確率の統計学』 マイケル・ブラストランド,デイヴィッド・シュピーゲルハルター著/松井信彦訳 みすず書房,2020-04-13

もうダメかも――死ぬ確率の統計学作者:マイケル・ブラストランド,デイヴィッド・シュピーゲルハルター発売日: 2020/04/13メディア: 単行本日本語版のタイトルがよくない。「死ぬ確率の統計学」はいいのだが、それにかぶせるキャッチーな文句として「もうダメ…

『新時代の野球データ論 フライボール革命のメカニズム』 Baseball Geeks編集部著,神事努監修 カンゼン,2019-07-16

新時代の野球データ論 フライボール革命のメカニズム作者:Baseball Geeks編集部発売日: 2019/07/16メディア: 単行本(ソフトカバー)アメリカ野球は豪快で大雑把な印象がある一方、アメスポ界隈は異常に細かい数字にこだわる傾向がある。これはなんでもいい…

『月の落とし子』 穂波了著 早川書房,2019-11-20

月の落とし子作者:穂波 了発売日: 2019/11/20メディア: 単行本読み終わってから初めて知ったが、第 9 回アガサ・クリスティー賞の受賞作、らしい。もともとミステリに特に詳しいわけでもないが賞の存在すら知らなかったのはわれながらどうだろうという感じだ…

『グローバル・グリーン・ニューディール: 2028年までに化石燃料文明は崩壊、大胆な経済プランが地球上の生命を救う』 ジェレミー・リフキン著/幾島幸子訳 NHK出版,2020-02-25

グローバル・グリーン・ニューディール: 2028年までに化石燃料文明は崩壊、大胆な経済プランが地球上の生命を救う作者:リフキン,ジェレミー発売日: 2020/02/25メディア: 単行本最初に書くと、この本は読む価値ない。 昨年(暦年的には今年だな)研修でさんざ…

『ひとの目、驚異の進化:4つの凄い視覚能力があるわけ』 マーク・チャンギージー著/柴田裕之訳 インターシフト,2012-10-20

ひとの目、驚異の進化: 4つの凄い視覚能力があるわけ作者:マーク チャンギージー発売日: 2012/10/20メディア: 単行本少し前の本だけどめちゃくちゃ面白かった。これはおすすめ。人間の視覚にまつわる四つの話。* 小さい頃から不思議だった。人間の目がふた…

『アメリカン・プリズン-潜入記者の見た知られざる刑務所ビジネス-』 シェーン・バウアー著/満園真木訳 東京創元社,2020-04-30

アメリカン・プリズン (潜入記者の見た知られざる刑務所ビジネス)作者:シェーン・バウアー発売日: 2020/04/30メディア: 単行本どんな国にもいいところと悪いところはあるもので、いいところばかり見てうらやんでも悪いところばかり見てさげすんでもあまり意…

『空のあらゆる鳥を』 チャーリー・ジェーン・アンダーズ著/市田泉訳 東京創元社:創元海外SF叢書,2020-05-09

空のあらゆる鳥を (創元海外SF叢書)作者:チャーリー・ジェーン・アンダーズ発売日: 2020/05/09メディア: 単行本中学の同級生だった魔法使いと科学オタクが、長じてから再び出会って世界を救う――これだけ読むとわけがわからないけど、そんなような話。 パトリ…

『測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』 ジェリー・Z・ミュラー著/松本裕訳 みすず書房,2019-04-27

測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?作者:ジェリー・Z・ミュラー発売日: 2019/04/27メディア: 単行本パフォーマンスを定量的に評価したい、という要請はあちこちにある。成果がお金にならない分野であればあらゆるところにあると言ってもいい。…

『情動はこうしてつくられる――脳の隠れた働きと構成主義的情動理論』 リサ・フェルドマン・バレット著/高橋洋訳 紀伊國屋書店,2019-10-31

情動はこうしてつくられる──脳の隠れた働きと構成主義的情動理論作者:リサ・フェルドマン・バレット発売日: 2019/10/31メディア: 単行本最初に書いておくと、すごく面白かった。のだけど、感想を書くのはけっこう難しい。 情動ってどういうものだろうか。喜…

『チョンキンマンションのボスは知っている-アングラ経済の人類学-』 小川さやか著 春秋社,2019-07

チョンキンマンションのボスは知っている: アングラ経済の人類学作者:小川 さやか発売日: 2019/07/24メディア: 単行本ちょっと不思議なタイトルだが、ざっくり言えば香港におけるタンザニア人コミュニティのフィールドワーク記録。チョンキンマンションとい…

『地磁気逆転と「チバニアン」 地球の磁場は、なぜ逆転するのか』 菅沼悠介著 講談社:ブルーバックス,2020-03-18

地磁気逆転と「チバニアン」 地球の磁場は、なぜ逆転するのか (ブルーバックス)作者:菅沼 悠介発売日: 2020/03/18メディア: 新書サブタイトルとはちょっと違って、どちらかといえば古地磁気学の本。チバニアンはこの話題への切り口としてちょうどいい身近さ…

『幻覚剤は役に立つのか』 マイケル・ポーラン著/宮崎真紀訳 亜紀書房,2020-05-26

幻覚剤は役に立つのか (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズIII-10)作者:マイケル・ポーラン発売日: 2020/05/26メディア: 単行本これは思ったより面白かった。というと失礼かもしれないが、でも正直なところだ。あまり期待しなかったからということもあ…

『砂と人類:いかにして砂が文明を変容させたか』 ヴィンス・バイザー著/藤崎百合訳 草思社,2020-03

砂と人類: いかにして砂が文明を変容させたか作者:バイザー,ヴィンス発売日: 2020/03/02メディア: 単行本もう五年以上前になるだろうか、テレビでちょっとだけ見たドキュメンタリーで少し気になるものがあった。ビルを建てるために、世界中でコンクリートの…

『月の光 現代中国SFアンソロジー』 劉慈欣(リウ・ツーシン)他著/ケン・リュウ編集/大森望、中原尚哉、大谷真弓、鳴庭真人、古沢嘉通訳 早川書房:新☆ハヤカワ・SF・シリーズ,2020-03

月の光 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者:劉 慈欣発売日: 2020/03/18メディア: ハードカバーみんな大好きケン・リュウによる中国 SF アンソロジー、『折りたたみ北京』に次ぐ第二弾だ。前回よりも少し多くの作家に手を広げて、その分…

『西への出口』 モーシン・ハミッド著/藤井光訳 新潮社:新潮クレスト・ブックス,2019-12

西への出口 (新潮クレスト・ブックス)作者:ハミッド,モーシン発売日: 2019/12/24メディア: 単行本主人公の若いふたり、サイードとナディアは、名前の明かされない国*1の大きな都市で夜学に通う生徒同士として出会い、惹かれ合いつきあい始める。だが内戦が激…

『意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか』 ヘンリー・ジェイ・プリスビロー著 小田嶋由美子訳 みすず書房,2019-12

意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか作者:ヘンリー・ジェイ・プリスビロー発売日: 2019/12/18メディア: 単行本全身麻酔に漠然とした興味がある。よく考えてみると、あれはすごく変なものではないか? なぜ意識や感覚を失うのか、…

『世界からコーヒーがなくなるまえに』 ペトリ・レッパネン、ラリ・サロマー著/セルボ貴子訳 青土社,2019-10

世界からコーヒーがなくなるまえに作者:ペトリ・レッパネン+ラリ・サロマー発売日: 2019/10/25メディア: 単行本(ソフトカバー)フィンランドはひとりあたりのコーヒー消費量が最も多い国のひとつなのだそうだ。知らなかった。その国のコーヒーおたく二人組…

『みんなにお金を配ったら-ベーシックインカムは世界でどう議論されているか?-』 アニー・ローリー著/上原裕美子訳 みすず書房,2019-10

みんなにお金を配ったらー―ベーシックインカムは世界でどう議論されているか?作者:アニー・ローリー発売日: 2019/10/11メディア: 単行本みんな大好き、ベーシックインカム。でもこれって結局なんなんだろう、どういうことなんだろう、と思っている人も多いん…

『魔王: 奸智と暴力のサイバー犯罪帝国を築いた男』 エヴァン・ラトリフ著/竹田円訳 早川書房,2019-10

魔王: 奸智と暴力のサイバー犯罪帝国を築いた男作者:ラトリフ,エヴァン発売日: 2019/10/17メディア: 単行本これはまたすさまじいルポルタージュである。原題は“The Mastermind --Drugs. Empire. Murder. Betrayal.”というので魔王は若干ニュアンスがずれちゃ…