黄昏通信社跡地処分推進室

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最近の

『時のきざはし 現代中華SF傑作選』 滕野 他著/林久之 他訳 立原透耶編 新紀元社,2020-06-26

時のきざはし 現代中華SF傑作選作者:江波,何夕,糖匪,昼温,陸秋槎,陳楸帆,王晋康,黄海,梁清散,凌晨,双翅目,韓松,吴霜,潘海天,飛氘,靚霊,滕野発売日: 2020/06/26メディア: 大型本『折りたたみ北京』『月の光』とケン・リュウの中国 SF アンソロジーが出版され…

『もうダメかも――死ぬ確率の統計学』 マイケル・ブラストランド,デイヴィッド・シュピーゲルハルター著/松井信彦訳 みすず書房,2020-04-13

もうダメかも――死ぬ確率の統計学作者:マイケル・ブラストランド,デイヴィッド・シュピーゲルハルター発売日: 2020/04/13メディア: 単行本日本語版のタイトルがよくない。「死ぬ確率の統計学」はいいのだが、それにかぶせるキャッチーな文句として「もうダメ…

『新時代の野球データ論 フライボール革命のメカニズム』 Baseball Geeks編集部著,神事努監修 カンゼン,2019-07-16

新時代の野球データ論 フライボール革命のメカニズム作者:Baseball Geeks編集部発売日: 2019/07/16メディア: 単行本(ソフトカバー)アメリカ野球は豪快で大雑把な印象がある一方、アメスポ界隈は異常に細かい数字にこだわる傾向がある。これはなんでもいい…

『月の落とし子』 穂波了著 早川書房,2019-11-20

月の落とし子作者:穂波 了発売日: 2019/11/20メディア: 単行本読み終わってから初めて知ったが、第 9 回アガサ・クリスティー賞の受賞作、らしい。もともとミステリに特に詳しいわけでもないが賞の存在すら知らなかったのはわれながらどうだろうという感じだ…

『グローバル・グリーン・ニューディール: 2028年までに化石燃料文明は崩壊、大胆な経済プランが地球上の生命を救う』 ジェレミー・リフキン著/幾島幸子訳 NHK出版,2020-02-25

グローバル・グリーン・ニューディール: 2028年までに化石燃料文明は崩壊、大胆な経済プランが地球上の生命を救う作者:リフキン,ジェレミー発売日: 2020/02/25メディア: 単行本最初に書くと、この本は読む価値ない。 昨年(暦年的には今年だな)研修でさんざ…

『ひとの目、驚異の進化:4つの凄い視覚能力があるわけ』 マーク・チャンギージー著/柴田裕之訳 インターシフト,2012-10-20

ひとの目、驚異の進化: 4つの凄い視覚能力があるわけ作者:マーク チャンギージー発売日: 2012/10/20メディア: 単行本少し前の本だけどめちゃくちゃ面白かった。これはおすすめ。人間の視覚にまつわる四つの話。* 小さい頃から不思議だった。人間の目がふた…

『アメリカン・プリズン-潜入記者の見た知られざる刑務所ビジネス-』 シェーン・バウアー著/満園真木訳 東京創元社,2020-04-30

アメリカン・プリズン (潜入記者の見た知られざる刑務所ビジネス)作者:シェーン・バウアー発売日: 2020/04/30メディア: 単行本どんな国にもいいところと悪いところはあるもので、いいところばかり見てうらやんでも悪いところばかり見てさげすんでもあまり意…

『空のあらゆる鳥を』 チャーリー・ジェーン・アンダーズ著/市田泉訳 東京創元社:創元海外SF叢書,2020-05-09

空のあらゆる鳥を (創元海外SF叢書)作者:チャーリー・ジェーン・アンダーズ発売日: 2020/05/09メディア: 単行本中学の同級生だった魔法使いと科学オタクが、長じてから再び出会って世界を救う――これだけ読むとわけがわからないけど、そんなような話。 パトリ…

『測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』 ジェリー・Z・ミュラー著/松本裕訳 みすず書房,2019-04-27

測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?作者:ジェリー・Z・ミュラー発売日: 2019/04/27メディア: 単行本パフォーマンスを定量的に評価したい、という要請はあちこちにある。成果がお金にならない分野であればあらゆるところにあると言ってもいい。…

『情動はこうしてつくられる――脳の隠れた働きと構成主義的情動理論』 リサ・フェルドマン・バレット著/高橋洋訳 紀伊國屋書店,2019-10-31

情動はこうしてつくられる──脳の隠れた働きと構成主義的情動理論作者:リサ・フェルドマン・バレット発売日: 2019/10/31メディア: 単行本最初に書いておくと、すごく面白かった。のだけど、感想を書くのはけっこう難しい。 情動ってどういうものだろうか。喜…

『チョンキンマンションのボスは知っている-アングラ経済の人類学-』 小川さやか著 春秋社,2019-07

チョンキンマンションのボスは知っている: アングラ経済の人類学作者:小川 さやか発売日: 2019/07/24メディア: 単行本ちょっと不思議なタイトルだが、ざっくり言えば香港におけるタンザニア人コミュニティのフィールドワーク記録。チョンキンマンションとい…

『地磁気逆転と「チバニアン」 地球の磁場は、なぜ逆転するのか』 菅沼悠介著 講談社:ブルーバックス,2020-03-18

地磁気逆転と「チバニアン」 地球の磁場は、なぜ逆転するのか (ブルーバックス)作者:菅沼 悠介発売日: 2020/03/18メディア: 新書サブタイトルとはちょっと違って、どちらかといえば古地磁気学の本。チバニアンはこの話題への切り口としてちょうどいい身近さ…

『幻覚剤は役に立つのか』 マイケル・ポーラン著/宮崎真紀訳 亜紀書房,2020-05-26

幻覚剤は役に立つのか (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズIII-10)作者:マイケル・ポーラン発売日: 2020/05/26メディア: 単行本これは思ったより面白かった。というと失礼かもしれないが、でも正直なところだ。あまり期待しなかったからということもあ…

『砂と人類:いかにして砂が文明を変容させたか』 ヴィンス・バイザー著/藤崎百合訳 草思社,2020-03

砂と人類: いかにして砂が文明を変容させたか作者:バイザー,ヴィンス発売日: 2020/03/02メディア: 単行本もう五年以上前になるだろうか、テレビでちょっとだけ見たドキュメンタリーで少し気になるものがあった。ビルを建てるために、世界中でコンクリートの…

『月の光 現代中国SFアンソロジー』 劉慈欣(リウ・ツーシン)他著/ケン・リュウ編集/大森望、中原尚哉、大谷真弓、鳴庭真人、古沢嘉通訳 早川書房:新☆ハヤカワ・SF・シリーズ,2020-03

月の光 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者:劉 慈欣発売日: 2020/03/18メディア: ハードカバーみんな大好きケン・リュウによる中国 SF アンソロジー、『折りたたみ北京』に次ぐ第二弾だ。前回よりも少し多くの作家に手を広げて、その分…

『西への出口』 モーシン・ハミッド著/藤井光訳 新潮社:新潮クレスト・ブックス,2019-12

西への出口 (新潮クレスト・ブックス)作者:ハミッド,モーシン発売日: 2019/12/24メディア: 単行本主人公の若いふたり、サイードとナディアは、名前の明かされない国*1の大きな都市で夜学に通う生徒同士として出会い、惹かれ合いつきあい始める。だが内戦が激…

『意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか』 ヘンリー・ジェイ・プリスビロー著 小田嶋由美子訳 みすず書房,2019-12

意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか作者:ヘンリー・ジェイ・プリスビロー発売日: 2019/12/18メディア: 単行本全身麻酔に漠然とした興味がある。よく考えてみると、あれはすごく変なものではないか? なぜ意識や感覚を失うのか、…

『世界からコーヒーがなくなるまえに』 ペトリ・レッパネン、ラリ・サロマー著/セルボ貴子訳 青土社,2019-10

世界からコーヒーがなくなるまえに作者:ペトリ・レッパネン+ラリ・サロマー発売日: 2019/10/25メディア: 単行本(ソフトカバー)フィンランドはひとりあたりのコーヒー消費量が最も多い国のひとつなのだそうだ。知らなかった。その国のコーヒーおたく二人組…

『みんなにお金を配ったら-ベーシックインカムは世界でどう議論されているか?-』 アニー・ローリー著/上原裕美子訳 みすず書房,2019-10

みんなにお金を配ったらー―ベーシックインカムは世界でどう議論されているか?作者:アニー・ローリー発売日: 2019/10/11メディア: 単行本みんな大好き、ベーシックインカム。でもこれって結局なんなんだろう、どういうことなんだろう、と思っている人も多いん…

『魔王: 奸智と暴力のサイバー犯罪帝国を築いた男』 エヴァン・ラトリフ著/竹田円訳 早川書房,2019-10

魔王: 奸智と暴力のサイバー犯罪帝国を築いた男作者:ラトリフ,エヴァン発売日: 2019/10/17メディア: 単行本これはまたすさまじいルポルタージュである。原題は“The Mastermind --Drugs. Empire. Murder. Betrayal.”というので魔王は若干ニュアンスがずれちゃ…

『数の女王』 川添愛著 東京書籍,2019-07

数の女王作者:川添 愛発売日: 2019/07/16メディア: 単行本(ソフトカバー)著者お得意の数学ファンタジー。今作のテーマは数論である。数論というのは不思議な分野で、整数を扱う分野なわけだが、整数というのは数全体のなかに離散的にぽつりぽつりと存在す…

『翻訳夜話』 村上春樹、柴田元幸著 文藝春秋社:文春新書,2000-10/『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』 村上春樹、柴田元幸著 文藝春秋社:文春新書,2003-07

翻訳夜話 (文春新書)作者:春樹, 村上,元幸, 柴田発売日: 2000/10/20メディア: 新書翻訳夜話2 サリンジャー戦記 (文春新書)作者:村上 春樹,柴田 元幸発売日: 2003/07/19メディア: 新書二冊まとめて(だいぶ違う本なのだが)。村上春樹と柴田元幸という、当代…

『ポピュリズムとは何か』 ヤン=ヴェルナー・ミュラー著/板橋拓己訳 岩波書店,2017-04

ポピュリズムとは何か作者:ヤン=ヴェルナー・ミュラー発売日: 2017/04/19メディア: 単行本ほぼ同名の新書*1があるが、それではなくて黒と赤のちょっとどぎつい表紙の本である。実は研修で使った教科書なのだが、心に残ったのでちょっと書いてみる。 ポピュリ…

『息吹』 テッド・チャン著/大森望訳 早川書房,2019-12

息吹作者:テッド・チャン発売日: 2019/12/04メディア: 単行本真打ち登場。『あなたの人生の物語』以来 17 年ぶりとなる著者の二冊目の作品集で、九編の中短編が収められている。ちなみにデビューが 1990 年の「バビロンの塔」らしいので 29 年で二冊というこ…

『Uberland ウーバーランド ―アルゴリズムはいかに働き方を変えているか―』 アレックス・ローゼンブラット著/飯嶋貴子訳 青土社,2019-07

Uberland ウーバーランド ―アルゴリズムはいかに働き方を変えているか―作者:アレックス・ローゼンブラット発売日: 2019/07/25メディア: 単行本(ソフトカバー)これは面白かった。米国を中心に、ウーバーのドライバーとして働く人 100 人以上にインタビュー…

『ベーシックインカム』 井上真偽著 集英社,2019-10

ベーシックインカム作者:井上 真偽発売日: 2019/10/04メディア: 単行本ミステリ畑で活躍する(らしい)作者の五冊目の作品。五編の短編が収録されている。少し未来の、見えてはいるがまだ実現していない技術、あるいは実現しているが普及までは至っていない…

『嘘と正典』 小川哲著 早川書房,2019-09

嘘と正典作者:小川 哲発売日: 2019/09/19メディア: 単行本『ゲームの王国』でいきなりすさまじいデビューを果たした小川哲の短編集。どんなものが飛び出してくるかと思ったがあそこまでの凄みはなく、しかしどれもなかなか面白かった。「魔術師」はマジシャ…

『なめらかな世界と、その敵』 伴名練著 早川書房,2019-08

今回あたりから 2020 年に読んだ本です。相変わらずめちゃくちゃ遅れてるゼ。なめらかな世界と、その敵作者:伴名 練発売日: 2019/08/20メディア: 単行本著者の十年ぶりの作品集。同人誌などに細々と書かれ、時に年間 SF 傑作集などに収録された作品を中心に…

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 ブレイディみかこ著 新潮社,2019-06

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー作者:ブレイディ みかこ発売日: 2019/06/21メディア: 単行本著者の書いたものはインターネットでしばしば目にしていた。最初はたぶん音楽関係の記事だった。おれ自身もう UK ロックもまったく聴いていないが、な…

『方形の円(偽説・都市生成論)』 ギョルゲ・ササルマン著/住谷春也訳 東京創元社:海外文学セレクション,2019-06

方形の円 (偽説・都市生成論) (海外文学セレクション)作者:ギョルゲ・ササルマン発売日: 2019/06/20メディア: 単行本架空の都市にまつわる連作短編。各短編はほとんどショートショートといってもよい短さで、一番短いものは一ページ強しかなかったりする。そ…