黄昏通信社跡地処分推進室

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Quurandot Q0

#Quurandot Q0、どうやって解いたかのメモ。

Q0-1.

  • なにもわからず、まず単語を検索。speranzaは希望、sangueは血。
  • 「希望 血」などで何度か検索してみるがわからず。
  • 検索窓に「speranza sangue」と入れてみたら「turandot」をサジェストされた。
  • これは答えっぽいなと思いつつ、素直にサジェスト通りに検索してみる。1ページ目に香川大学学術情報リポジトリに収録されているPDFがヒットしたので、開く。「香川大学経済論叢」とあるので経済学部の紀要かなんかなんだろう。「トゥーランドット物語の変遷」(https://kagawa-u.repo.nii.ac.jp/record/6256/files/AN00038281_070-2_L169.pdf)。トゥーランドット物語に登場する謎かけが時代によって、作者によって変わってきたことが示される論考で、プッチーニのオペラの中で登場する謎がまさに「望み(Speranza)」「血潮(Sangue)」「トゥーランドット(Turandot)」であると書かれている。さすがにこれで当たりだろう。
  • というわけで「Turandot」と回答。

Q0-2.

  • もちろんわからない。なんだこれは? 
  • 検索するしかないので画像検索。似たような質感のレリーフがいっぱい出てくる。ということはこれ自体がインターネットにあればきっと検索で引っかけられるはず。
  • 検索結果を見ては関連しそうな単語を追加してもう一度検索、ということを繰り返す。これを繰り返していたら、「人魚」と入れたところで、まさにこれを写した写真がヒットした。

  • このあと「西暦150年」とか「人魚」とかで検索して空振り。
  • ツイッターに戻って、先ほどの写真を投稿した人のその写真の前後の投稿を見てみる。と、「天空のアトラス」展を見に行った時の写真だとわかる。万博に来てたやつか! 
  • やっとなんだかわかったところで、「天空のアトラス」で検索すると、朝日新聞の天空のアトラス展のレビュー記事を発見。www.asahi.com
  • 何枚か写真がついていて、お題のクリーチャーが写っているものもあった(7枚中5枚目の写真)。キャプションに「わし座の右がいるか座」と書かれている。たしかに夏の空でわし座のすぐ近くにいるか座はある。いるかに……見えないこともない。これで当たりだろう。
  • 「いるか座」と回答。

Q0-3.

  • 完全にわからない。
  • 違うだろうなーと思いつつ、まずみかか式を試してみる(かな入力にして文字列に相当するキーを打つ)。まったくわけがわかんない文字列になって、一旦保留。 ※見当はずれだった。
  • 「w96j0yjo4el2k7g0g4s83uyji4」で普通にググる。と、「もしかして:w96j0 yjo4el 2k7g0g4s83u yji4」という謎に区切りが入ったサジェストが出るが、検索自体は一切ヒットしない。サジェストのリンクを踏むと「一致する情報が見つかりませんでした」が返ってくる。なんなんだよそのサジェスト。「もしかして:」じゃねーんだわ。
  • 仕方なく切れ目までの「w96j0」で検索する。台湾銀行ユニクロ(台湾)、台湾大学など、台湾に関するものばかりがヒットする。なぜだ?
  • それでw96j0にいろいろ単語を追加しながら検索(履歴を見るかぎり、Q0-1と同じように検索窓でサジェストされる文字列をひとつひとつ検索してたみたい)していると、このページがたまたまひっかかった。

simplified-chinese.com

  • zhuyin keyboard inputというところにこのw96j0という文字列が書かれている。
  • 台湾でよく使われているという部首式漢字入力用キーボードの存在は知っていたので、これに違いないと思い、ブラウザで使えるzhuyin inputシステムを探してお題の文字列を入れてみる。「w96」まで入れると「台」が出てきた。これは勝った……!と思いきや、j0まで入れるともうyを入れることができない。システム的には四声のどれかを入れるはずだから3,4,6,7のいずれかが来るはずなのだが。
  • wikipediaの「台湾」の項を見てみる。「注音: ㄊㄞˊㄨㄢˉ」とある。つまり湾は一声だ。よく見ると3,4,6,7は三声、四声、二声、軽声に対応していた。一声はどうするんだ? 
  • もう一度inputシステムに戻ると、j0の次に入力可能なキーはそもそも6つしかない。スペースバーを押す。と、「灣」が出てきた!! Googleが「もしかして:」と言っていたやつ、あの区切りはちゃんと意味があったのだ。
  • というわけで、適宜スペースを押しながら(実際にはサジェストされただけでは足りなかった)入力すると「台灣最高的山是那一做」となった。だいたい意味はわかるが一応翻訳にかけると、案の定「台湾で一番高い山は何ですか?」。
  • これもいちおう検索して(知ってましたけどね!)、「玉山」と回答。

振り返ってみるとめちゃくちゃ偶然に頼っていて、あらためてただ運がよかっただけだな、と思った。見てもらえればわかる通り、検索して得られた以外の知識はほとんど使っていない(強いて言えばzhuyin inputを知っていたのは時間短縮に貢献した)。だから本当に検索さえできれば誰でも解ける可能性はある問題だったといえる。それは中々すごいことだし、今後の問題がその方針を保ち続けるかどうかはわからないが、挑みがいのある問題だなと感じた。

面白かったです! 本編も楽しみにしています。

宮内悠介『暗号の子』 文藝春秋,2024-12-05

テクノロジーものを集めたノンシリーズの短編集で、ここ7年ぐらいの8作品が収められている。表題作は中編で、テクノロジーと人間の特性、社会と小さなコミュニティと個人の相互作用、その中で必死にもがく主人公が描かれる。主人公のキャラクターも、その書かれ方も、禍福がぱたりぱたりと積み重なるような展開も、どこか危うく、諦念が混じり、痛々しい。それでも前向きさが失われず、熱量の少ない主人公が足を進め続けるのがなんかいいのだ。鮮やかとは言いづらいちょっとごつごつした感じも著者らしくてよい。
巻末「ペイル・ブルー・ドット」は宇宙開発ベンチャーに勤める主人公と宇宙好きの少年の交流を描く。その裏で主人公とメールを交わし続けている後輩が物語に関わってくるところが、そう来なくっちゃ、という感じでいいんだけど、最後は若干ご都合っぽい印象もあった。とはいえこれも好き。
複数の作品に登場する、インターネットの世界が利用者の精神に影響を与えるというアイデアはちょうど個人的にもうっすら実感のあるところで興味深い(デトックス!)。新しいテーマではないが何度も問い直されるべき命題なのだろうと思う。
著者の作品の中でもひときわ現実との地続き感が強い作品群で、個人的には好みの作品集だった。満足。

あとがきで小説は18冊目と書いていて、そんなに、と驚いてしまった。リストを見ると最初の6冊中5冊は読んでいて、その頃まではおれもまだ本を読んでいたということなのだろう。かなり未読の作品があるので、ぼちぼち読んでいきたい。
(と書いたが案の定このあと一冊も読んでいない……。2026-01-15)

ベッキー・チェンバーズ著/細美遙子訳『ロボットとわたしの不思議な旅』 東京創元社(創元SF文庫),2024-11-09

地球ではないどこか、はるかに発達したテクノロジーを持っていた人類は、ロボットを作り出し使役していたが、ある時期にその権利を認めて袂を分かった。主人公のデックスはそんなロボットのひとりモスキャップと偶然出会う。ロボットは独特の、生態と言ってもいいような暮らし方をしていてデックスは驚くが、モスキャップから見ても人間の暮らしは驚きの多いものであるようだった。
そのままふたりは連れ立って旅をする。いろいろな土地を訪ね、さまざまな人と話をする。シチュエイション自体はそこまで目新しいものではない。すごく大きな事件が起きるわけでもない。でも会話が繊細で優しくて滋味深い。SFでこういう話読むことあんまりないので新鮮だった。
ところで日本語の役割語というやつ、便利だし個人的にはわりと好きなのだが、本作の翻訳では少しあだになっている。デックスもモスキャップも性別を持たないが、日本語には役割を持たないしゃべり言葉はないんだよね。それでどうしてもどちらかの性別を想像してしまう。まあおれの問題かもしれないが、これは解決しがたい問題と感じた。
「ちょっと休憩が必要なすべての人に捧ぐ」という冒頭に掲げられた文はまさに当を得ている。面白くて楽しく、ちょっと安らげた。

日本SF作家クラブ編『地球へのSF』 早川書房(ハヤカワ文庫JA),2024-05-22

日本SF作家クラブによる、書き下ろしSFアンソロジーの四回目。ポストコロナ、2084年、AI、と来て四冊目「地球」はさすがにテーマゆるふわ過ぎんか、とは思うし前書きにもそう書かれているが、結果的にそれなりにまとまっているという印象を受けたので悪くないテーマだったのかもしれない。
注目は異星生物生態SFマイスターの春暮康一「竜は災いに棲みつく」。地球がテーマでこの人が何を書くのだ…?と思ったが地球惑星物理学を全力で振り回して異形の「生物」を描くという力業を繰り出してきて、これはよかった。もっと長いやつを読みたいと思ったので短編としては成功であろう。逆に言うと力業が過ぎてこれを長編に拡張するにはかなりのカロリーが要りそうにも思うので、短編ならではの作品だったかもしれない。
琴柱遥「フラワーガール北極へ行く」は人間がユートピアメタバースに入り浸るようになった未来に、リアル世界でシロクマとクジラの結婚式が執り行われる話。わちゃわちゃしてるんだけど今ならではのモチーフやテーマが盛り込まれていて、総じて明るくて楽しかった。この人の他の作品も読んでみたい。
円城塔「独我地理学」。村に生まれたふたりの変わり者が作中世界の地球の構造の謎に挑む掌編。奇想は作者にしては大人しく語り口も平易だが、まぎれもなく円城節だし抒情にあふれている。終盤にふいに繰り出されるスタンの科白のキュートさと言ったらない。こういうのを書けるのか。
全体では若い作家が増えている印象ながらヴェテランもみな元気で、ずば抜けたものはなかったけど水準が高く、書き下ろしアンソロジーとしては質が高いと感じた。すっかりSFも追わなくなって久しいので、これを足がかりにまたちょっとずつ手を伸ばせたらと思う。

ところでハヤカワオンラインのこの本のページ、どう見ても著者が22人いないんだがなんなんだ。順番もめちゃくちゃだし意味がわからない。紹介文も短すぎる。せっかく続いてるシリーズなんだしいい本なんだから気合い入れてほしい。かなしいぜ。
(と書いていたのだが、今般(2026-01-06)見たら直っていた。紹介文はどの本もこんなもんらしいのでこの本がことさら気合が入っていないわけではないが、それはそれとしてもう少し頑張ってほしいとは思う。)
https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0000614548/

日本SF作家クラブ編『地球へのSF』 早川書房(ハヤカワ文庫JA),2024-05-22

日本SF作家クラブによる、書き下ろしSFアンソロジーの四回目。ポストコロナ、2084年、AI、と来て四冊目「地球」はさすがにテーマゆるふわ過ぎんか、とは思うし前書きにもそう書かれているが、結果的にそれなりにまとまっているという印象を受けたので悪くないテーマだったのかもしれない。
注目は異星生物生態SFマイスターの春暮康一「竜は災いに棲みつく」。地球がテーマでこの人が何を書くのだ…?と思ったが地球惑星物理学を全力で振り回して異形の「生物」を描くという力業を繰り出してきて、これはよかった。もっと長いやつを読みたいと思ったので短編としては成功であろう。逆に言うと力業が過ぎてこれを長編に拡張するにはかなりのカロリーが要りそうにも思うので、短編ならではの作品だったかもしれない。
琴柱遥「フラワーガール北極へ行く」は人間がユートピアメタバースに入り浸るようになった未来に、リアル世界でシロクマとクジラの結婚式が執り行われる話。わちゃわちゃしてるんだけど今ならではのモチーフやテーマが盛り込まれていて、総じて明るくて楽しかった。この人の他の作品も読んでみたい。
円城塔「独我地理学」。村に生まれたふたりの変わり者が作中世界の地球の構造の謎に挑む掌編。奇想は作者にしては大人しく語り口も平易だが、まぎれもなく円城節だし抒情にあふれている。終盤にふいに繰り出されるスタンの科白のキュートさと言ったらない。こういうのを書けるのか。
全体では若い作家が増えている印象ながらヴェテランもみな元気で、ずば抜けたものはなかったけど水準が高く、書き下ろしアンソロジーとしては質が高いと感じた。すっかりSFも追わなくなって久しいので、これを足がかりにまたちょっとずつ手を伸ばせたらと思う。

ところでハヤカワオンラインのこの本のページ、どう見ても著者が22人いないんだがなんなんだ。順番もめちゃくちゃだし意味がわからない。紹介文も短すぎる。せっかく続いてるシリーズなんだしいい本なんだから気合い入れてほしい。かなしいぜ。
(と書いていたのだが、今般(2026-01-06)見たら直っていた。紹介文はどの本もこんなもんらしいのでこの本がことさら気合が入っていないわけではないが、それはそれとしてもう少し頑張ってほしいとは思う。)
https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0000614548/

ニタ・A・ファラハニー著/鍛原多惠子訳『ニューロテクノロジー: 脳の監視・操作と人類の未来』 河出書房新社,2024-12-03

例えばトラック運転手が居眠りしないための視線監視システムが導入されてると聞くと、それはいいことじゃない?と無邪気に思ってしまうが、本当にそれでいいんだろうか。あなたがトラック運転手だったら、そうは感じないんじゃないか。視線だけならまだしも、脳波とか脳血流とかそういうものまで、たとえばデバイス操作とかパフォーマンス向上とかの名目で差し出すようになったら、脳のプライバシーが失われてしまうと著者は危惧する。つまり、いま検索履歴とかサイト訪問履歴とかをGAFAに差し出しているようなことが脳でも起こりかねない、ということだ。少しパラノイア的かもしれないが、そちらへ進む可能性は確かにある。
本題とは逸れるが、試験や仕事に備えて脳を強化するためにリチウムなどを飲むことを肯定しているのは面白い主張だ。スポーツでドーピングが禁止されるのが直感ほど自明ではないように、これもあらためて考える価値はある。そのうえでなおおれは肯定しづらいと考えているが、どちらの立場もあっていいだろう。
全体としてはやや雑駁で時々突飛な主張も混じり、リアクションが難しい本というかんじ。とツイートではなんかぼかして書いたが、まあ読まなくていいんじゃないっすかね、というところ。

娘の誕生日ということでケーキ買う。タルトフレーズ(S)。まあ普通のいちごタルトなんだけどおいしかったなー。台がめっちゃ硬かったのも個人的には好みでした。ふにゃふにゃだと全然うれしくないもんね。娘も喜んで食べてくれたのでよかった。