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逆トリビア(レミングス)

今朝の朝日新聞レミングの「集団自殺」について検証している学者の話が出ていた。検証の限りでは、要するに大量発生と大量淘汰を繰り返しているだけで、大発生→集団自殺、という流れは見られなかったとのこと。別のところでも疑わしいって話は見たことがあったし、これ自体は納得できるところ。ではなんでそんな話になっちまったのか、というのが誰しも気になるところだろうが、記事中では殆ど言及がなく、ちょっとぐぐって調べてみたら、ウォルト王国の映画が誤解を招くきっかけになったのではないかという記述を見かけた。そう言われると余計なことまで勘繰ってしまう。
この手の「あやまって定着したトリビア」というのは世の中にどのくらいあるのだろうか。『マスターキートン』には時々その手のねたが出てきて、有名かどうかわからないが、「拳銃の銃口に指を突っ込んでると暴発する」とか「青酸カリはアーモンドの香りがする」とかがそうらしい。前者の出てくるエピソードはキートンが窮地をハッタリ満載で切り抜ける話で、中々面白かった憶えがある(たしかサブタイトルが「出口なし」)。
おれが知っているのでは舌の「味覚地図」がそうで、舌先が辛い味を感じる部分で中央部に甘い部分、両脇奥に酸味と苦味、という奴を見たことがある人は多いんじゃないかと思うが、あれは全くの出鱈目らしい。50年以上前にちょろっと提唱された説が何故か正しいことになって広まってしまったとのこと。実際は味蕾のひとつひとつそれぞれが四種類*1の味全てに反応するし、単独の味蕾だけではなくいくつかの味蕾がそれぞれどの程度反応したかで総合的に「味」は決定されるのだそうだ。というかよくわかってないのが本当のところのようだが、とにかくあんな単純なものではないらしい。

*1:これすら異論のあるところらしいが、とりあえずここでは四種類とする