黄昏通信社跡地処分推進室

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「名前を残した馬たちへ」(2)

1回目は昨日。→「名前を残した馬たちへ」(1)

サクラテルノオー(父ノーザンテースト) 用途変更
ダイナアクトレス全弟全兄タヤスダビンチ(新潟3歳ステークス)なんかを出して頑張ったが、ここまで。やっぱりモデルフールじゃ Buckpasser の代わりにはなれんかったか。って、そういう問題なのか?
サクラトウコウ(父マルゼンスキー) 用途変更
これは残念。好きな種牡馬だったんだよねえ。初期の、比較的期待されてない頃の産駒から結構強い馬が出て、一時期かなり繁殖牝馬を集めた筈なんだけど、たまたまか、あるいは質が伴ってなかったのか、それからの産駒が案外だったのが致命的だった。パワーとスピードを併せ持っていて、もろいところもあったけど、流れの速いレースをあっさり勝つのが見ててかっこよかった。後継種牡馬ネーハイシーザーとマルタカトウコウぐらいか。つらいなあ。昨日オフサイドトラップの項で書いたこととも関連するが、ネーハイシーザーの勝った天皇賞で、ビワハヤヒデが故障していなければ、どうなっていただろう、と思う。あの流れの2000mなら、ビワハヤヒデに負けたはずはないと信じているのだが。
サンデーズショウ(父サンデーサイレンス) 用途変更
47戦1勝。牝系はなかなかいいらしいとはいえ、サンデーサイレンスの仔はこれで種牡馬になれちゃうんだな。繋養地は中津だったみたいだけど。
シャマードシンボリ(父シンボリルドルフ) 用途変更
おお、種牡馬になってたのか。ちょっとたるかったしむら駆けだったけど、中央→岩手と長いこと活躍してた。産駒が殆ど居なかったのは止むを得ないところかのう。
ジョージモナーク(父ミルジョージ) 用途変更
交流前夜の地方の雄。実はおれが見始めた時にはもうピークを過ぎていたんだけど、それでもオールカマー掲示板に載ったりしてかっこよかった。産駒もケイアイリマンドやバトルハクテイは一応見覚えがある。ぐぐってたらこんなページを見つけたが、現在どうなっているんだろうか。→ジョージモナークファンクラブ
シンコーユタカ(父サクラユタカオー) 用途変更
知らないやと思ったら1勝馬でした。じゃあまあしょうがない。ウインクリューガーの半兄で、叔母にウインドインハーヘア種牡馬にしたくなるのもわかりますなあ。用途変更後は乗馬になってるみたい。幸せに暮らしてくれい。
シンチェスト(父タイテエム) 用途変更
がぼーん、ショック。っていっても現役時代はもちろん知らないのだが、代表産駒のシンカイウンがとても綺麗な栗毛で印象的な馬だった。あと、貴公子とまで言われたタイテエム(こっちももちろん現役時代は知らんよ)の父系が、細々とでも続いたらいいなあ、と思ってたので。数少ない産駒から活躍馬を出していて、潜在能力はあったんだと思う。
スーパーシンザン(父シンザン) 用途変更
シンザン最後の産駒。次回書くマイシンザンと併せて、シンザンの父系は完全に途絶えることになりそうだ。昔まだ鼻息荒くネットニューズやら須田鷹雄商店掲示板やらに書き散らしてた頃は、「“日本だけの父系”が確立されるぐらい父系が伸ばせないのなら、競馬は文化としてこの国に根付いたとは言えない」とか言ってた憶えがあって、まあ大上段過ぎるし父系なんてのは流行ったりすたれたりするものだが、まるで的外れのこと言ってたわけでもないかなとは思う。こんなこと言ってるだけの奴ならちょっとぐぐるだけで何十人も見つかるだろうけど、それでもシンザンの父系が途絶えてしまうのは悲しいことだ。
スーパーボウル(父リファーズゴースト) 用途変更
公営笠松→荒尾で100戦18勝、だそうだ。産駒はたった1頭、供用地は中津。こんな種牡馬も居るってことか。
ダイナレター(父ノーザンテースト) 用途変更
旧時代のダート王。重い斤量で勝ちまくり、最後は出るレースがなくなって芝に挑戦する。中央で12勝しているが、今のシステムだったら交流重賞も合わせてさぞかしもっと勝ちまくっていたことだろう。マイネルエアメールなども出しているので、もう少し恵まれていれば自身の後継者が出せてたのかも。恵まれてた方なのかも知れないけど。
ダハール(父 Lyphard) 死亡
半弟リヴリアの産駒が活躍して輸入されたんだったか。しかし弟には及ぶべくもなかった。代表産駒がちょっと思いつかない。まだ共通の兄であるディカードレム産駒の方が走ったわい。22歳だったので早過ぎる死というほどではない。
ダブルユアホリデー(父サンデーサイレンス) 用途変更
サンデーサイレンスの仔とはいえ、ここまで種牡馬にしていたらきりがない気がするのだがどうだろう。レゾンデートルの半弟というのは初めて知った。レゾンデートルといえば細江純子だよな。引退後の細江は本当にたくましいと思う。
タマモクロス(父シービークロス) 死亡
おれはタマモクロスの現役時代は知らないんだけど、おそろしく強い馬だったんだな、というのはわかる。産駒も短い期間にぐっと強くなるところは似ているんだが、惜しいことにピーク時の力が父ほどではない上にピークを過ぎるとさっぱり、という馬が多く、おかげで父系を残せそうにない。この父系が惜しいと思うのはフォルティノ系であることと、もうひとつはシービークロスの仔だってことだ。シービークロスは今で言えばG2しか勝っていない内国産馬で、現役時は人気があったとはいえ、種牡馬になるのさえぎりぎりぐらいの成績であったように字面からは読めるが、タマモクロスとホワイトストーンを輩出した。日本でもこういうこともできるんだ、という生ける証として、この父系には続いていて欲しかった、と思う。残された産駒から、それが果たせる馬が出てくるだろうか。

次回に続きます。