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ハイペリオン=エンディミオン四部作

すべてダン・シモンズ著、酒井昭伸訳、ハヤカワ文庫SF

なんとなく遠回りして避けてきたこのシリーズだが、兄が文庫で全部揃えて家にまで持ってきたってんだから読まないわけには行かない。このところ[最近の]カテゴリが殆どなかったのはずーっとこればっかり読んでたからだったりする。
んで、まあ、結論から言うと面白い。くそ長いけど、SFや未来活劇が好きな人は付き合う価値があるんじゃないかと思う。ものすごく壮大な世界のスケールと、それを貫くこれまたものすごく長い物語なんで、流石に途中で設定変わってるよなこれ、ってところは結構(というかかなり)ある。そういうのが気になる人は読まないほうがいいかも知れん。『ハイペリオン』のブローン・レイミアの物語にあらわれているように、この作者はおそらく細かい辻褄をぴたりと合わせる話は得意じゃない。むしろこの大枠の世界と、その中にある無数の小世界を描くことこそが楽しい質なのだろう。<天山>の描写などは本当に素晴らしい。
あと、これはちょっとねたばらしになるかも知れんけど、最後の方の展開はちょっと『虎よ、虎よ!』(アルフレッド・ベスター)みたいだなと思った。『虎よ、虎よ!』自体ラスト以外憶えてないしそこまで好きな話だったわけでもないので、なんでそんなことを思ったのか不思議だ。ラストシーンは明るくも切なくてよかった。